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南充浩 オフィシャルブログ

セール前倒し、投げ売りOKの自由万歳!

2011年11月7日 未分類 0

 11月に入っても高気温が続いている。
明日から気温は下がると天気予報では伝えられているが、3ヶ月間の長期予報では
11月は気温高め
12月は平年並み
1月は極寒

であるという。

これを信じるなら、秋物も冬物もまず11月中は動かない。
12月に入ってからようやく動き出すだろう。

しかし、12月は各店ともセールが始まっている。
「フライングセール」「メンバーズセール」「シークレットセール」「ゲリラセール」など名称はさまざまだが、つまるところ「早期安売り」という意味である。

しかも、あるメーカーの営業部長が
「プロ野球の開幕が震災の影響で1ヶ月遅れた。これによって日本シリーズの終了が11月下旬になる。日本シリーズには優勝セールが付きものであるから、11月下旬に優勝セールと残念セールが百貨店と一部量販店で始まる。秋冬物の動きが悪ければ、そのまま12月にセールが始まるのではないか」と危惧しておられた。

いささか杞憂だと感じないではないが、ありえない話でもない。
すでに今年6月16日には、ルミネが夏セールを開催している。
これは震災で、春物が大量に売れ残ったためと言われている。

いずれにしても衣料品業界では、定価販売できるのが11月末日までである。
あと1ヶ月弱でどれほど売りさばけるかがカギとなるが、一部のブランドを除いて厳しい状況であろう。

それにしても、セールの開催時期が年々早まっていることに歯止めがかからない。
「商売は自由競争」という主張が幅を利かせたのがこの結果である。
もちろん「自由競争」は必要だが、無制限の自由は不必要だと考えている。
フランスとイタリアは、ブランド保護の目的から政府がセール開始時期を制限しており、値引き率の上限も定められている。

日本ではセール開始時期は際限なく前倒しされ、値引き率にも上限が無い。
もちろん、単品の9割引などはごく一部でしか見かけないが、「カットソー3枚1995円」「ジャケット2着で10000円」など、実質的に原価割れの投げ売りが横行している。
日本とフランス・イタリアのどちらがファッション産業が盛んかといえば、フランス・イタリアであろう。(もちろんフランス・イタリアの業界にも問題は山積みであるが)

これでもまだ「無制限自由競争」が素晴らしいことだと称賛するのだろうか。
もっとも政府は、繊維ファッション業界について「制限してまで保護しなくてはならない業界」とは思ってもいないから、このまま野放し状態が続くだろう。

自由万歳!!

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