同じ衣料品業界にいながら、各分野ごとの知識分断というのは凄まじいわけで、布帛(織物)に強い人はニット(編み物)に弱く、当然その逆もある。

当方は、織物は何となくわかるが、ニットになるとまるで分らない。

生地の構造自体が異なるし、それを製造する機械も異なる。

こういう分野が衣料品業界にはいろいろとあって、包括的な知識を持っている人はほとんどいないといえる。
反対にいえば、ほとんど何の知識がなくても自分のブランドを作れたり、オリジナルの洋服を作れたりするところが衣料品業界の良いところでもあり悪いところでもある。

衣料品業界を通じて、理解している人がもっとも少ないのがパターン(型紙)ではないかと思う。
当方もパターンについてはさっぱり知識がない。
知識量はゼロに等しい。

とはいえ、服の見え方やシルエットにもっとも重要な位置を占めるのも実はパターンだといえる。

よく「〇〇ブランドのTシャツは細身に見える」とか「〇〇ブランドのTシャツは太って見える」なんて言葉を聞くことがある。

いろいろなブランドの商品を買い比べてみると、やっぱりそれぞれ微妙に形が異なり、太って見えるTシャツもあれば、意外にスラっと細身に見えるTシャツもある。
Tシャツとかボタンダウンシャツなんてデザインとしては決まりきっているから、その見え方を大きく左右するのはパターンだといえる。

先日、開襟シャツを買ってみて、形や見え方が大きく異なることに気が付いた。(今更かよ)

一つはユニクロのユニクロUの今夏物のレーヨン混の半袖開襟シャツだ。
2990円が1990円に値下がりしたのを買った。

これは昨年も発売されて大人気で結局値下がりせずにほぼ完売したレーヨン混半袖開襟シャツの今年版だ。
生地は去年より少し薄くなった気がする。
好みにもよるだろうが、去年物の方がクオリティが高いような気がする。

もう一つは、ジーユーで買った麻混半袖開襟シャツだ。
790円に値下がりしていたので衝動的に買った。

今夏のジーユーの投げ売りぶりはすさまじく、190円・390円・590円・790円のオンパレードだ。
天神橋筋商店街のバッタ屋よりも安い。安い服が欲しい人はジーユーの投げ売り品を買うべきである。

着用感からいうと、ユニクロUは何となく細身に見える。
一方、ジーユーのはダボっと感がある。

しかし、比較してみると肩幅は変わらない。

その一方で、着丈、袖丈・袖幅、身幅は大きく異なる。

この違いで、同じ「無地開襟シャツ」といえども着用感と見た目が大きく異なる。
これはパターンの違いによって作り出されているといえる。

まず、ユニクロUの開襟シャツの特徴は

・着丈が長い
・袖丈が長い
・袖幅が狭い
・身幅が細い

である。

一方、ジーユーの開襟シャツの特徴は

・着丈が短い
・袖丈が短い
・袖幅が広い
・身幅が広い

である。

重ね合わせてみると一目瞭然だ。

一見するとまるで別サイズに思えるが、これで肩幅は同じなのである。

ユニクロUとジーユーの企画の考え方の違いがここに現れているといえる。

肩幅が同じでも着丈を長くして身幅を細くして袖幅を細くすれば、細身に見えやすい。
その逆にするとダボっとした見え方になる。

パターンをいじるだけでここまで同じ分野の商品が異なった見え方をするといえる。
それほどにパターンは重要だといえるが、これが専門担当者以外にはほとんど知られていない。

もちろん、どこぞのODM業者を使って、他商品から型紙を流用したという可能性だってあるが、それでも他商品は何らかの意図があって、そのパターンを使っているのだから、やっぱりパターンの重要性は高いといえる。

あとは、素材感による見え方の差も一部にはある。
レーヨン混の薄手で光沢のある生地はスラっと見えやすいし、麻混の粗野な表面感の生地はガッシリして見えやすい。

生地による見え方の変化というのも当然ある。

専門学校や衣料品業界ではとかく「デザイン」を重視して注目しがちだが、実はパターンの出来によってそのデザインが生かされたり殺されたりする。

専門学校でショーに登場する「作品」やコレクションショーに登場する「作品」のように奇抜なデザインを立体化して、着用可能にし、なおかつそれなりに美しく見えるようにしているのは、パターンなのである。

特にデザイン画なんて、ほとんどファッションイラストみたいなものも多いから、どうやって立体化するのか皆目わからない場合も多い。
それを立体化して着用を可能にできるのはパターンの力によるものなのである。

蛇足ながら、イラストの立体化ということに関しては、超合金などの玩具やプラモデルにも通じる。

アニメに登場するロボットを立体化する際は、かなり困難が伴う。
昔の超合金やガンダムのプラモデルはなんか段ボール箱を積み上げたような形だったが、今ではアニメ番組に登場したそのままに近い形になっている。
これも裏方の力だろう。

昔、読んだプラモデル雑誌(多分、モデルグラフィックスの別冊)で「〇〇先生のロボットデザイン画は、立体化すると正面と背面のラインがなかなかつながらず苦労した」とモデラーが語っていたが、パターンを作るパターナーもこんな苦労をしているのだろうと思う。

知識量ゼロのオッサンが思いつくままに書いてみたが、多少はパターンの重要性が伝わるだろうか?

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