MENU

南充浩 オフィシャルブログ

利便性の高い服や着こなしは流行が長続きして定番化しやすい

2018年7月18日 未分類 0

先日、チャリティーTシャツブランド「ジャミン」のメンバーである高橋さんと、仕事帰りにJR天満駅周辺で飲んだ。
https://jammin.co.jp/
そこで流行が短命に終わる洋服と、流行が長続きして中には定番化する洋服があるが、その違いは何かということが話題に上った。
経済環境やテレビ番組、サブカルチャーなどさまざまな要因が絡むので一概には言えないが、爆発的に流行しても短命で終わる服と、流行が長期間続いて定番化する服の違いは、「利便性」ではないかと思う。
利便性が高い服は長期間続くし、利便性が低い服は流行が短命で終わる。
ここでいう利便性とは、機能性、ファッション性、価格優位性などを含めており、着用者がメリットを多く感じると、その服は定番化するし、メリットを感じられないと短命で終わるのではないかと思う。
少し前に、現代ビジネスというウェブメディアにワイドパンツが流行してもスキニーパンツが定番化して残っていることを書いた。
所得が伸び悩んで、次から次へと着用する服を総入れ替えするわけにはいかないという側面ももちろんあるが、それ以上に支持されているのはスキニーパンツがファッション的・機能的にも利便性が高いからだ。
ファッション的にかっこよく見える組み合わせが3つある。
Aライン(トップスがタイトでボトムスがワイド)
Iライン(トップスがタイトでボトムスもタイト)
YラインまたはVライン(トップスがワイドでボトムスがタイト)
で、3つのうちの2つまでもがボトムスがタイトだから、3分の2の確率でタイトなボトムスを穿いていればそれなりにかっこよく見えやすいということになる。
確率論でいえば67%である。
だからスキニーを穿いていればかっこよく見える確率が高いということになるから、定番化しているといえる。
ダウンジャケットだってそうだ。
黒いダウンジャケットはオタクに見えるなんてネットでは書かれているが、ダウンジャケットの一番売れやすい色は黒だし、黒いダウンジャケットを着ているファッショニスタも多い。
逆にアウトドア感満載のダウンジャケットというアイテムで、黄色や赤や青などカラフルな原色を選べば、それこそアウトドア感丸出しになりやすく、「これから山へ登るんですか?」と尋ねられかねない。
そんなダウンジャケットだが、毎年冬になると一定数量売れる。
価格の高い低いは別にしてすっかり冬の定番となっている。
ダウンジャケットがどうして定番化したかというと、軽くて暖かいからだ。
肉厚なダウンを着るとモコモコして見えるからNGなんていう特集をいくらファッション雑誌が組んだところで、ダウンジャケットは売れ続けている。軽くてあたたかいという利便性が高いからだ。
保温力のあるウールコートや綿コートは重くてしんどい。
ダウンは圧倒的に軽い。
だからいくら業界が「トレンドですよ」と叫んだところで、マスには売れない。
フリースが持て囃され、いまだにそれなりの数の人が着用しているのだって利便性が高いからだ。
フリースは風を通すという欠点を除けば、軽くて暖かくて洗濯しやすくて乾きやすい。
だから真冬に洗濯してもすぐに乾く。ポリエステル100%なのでウールのセーターと違って洗濯することに何の遠慮も要らない。
当方はフリースがあまり好きではないし、あの暖かさもなんだか好きではないが、フリースの愛好者は今でも一定数存在する。
ズボンの丈が短くなったのだって利便性だと思う。
スキニーが流行し始めてからこの10年間でズボンの丈は少し短めが定番となった。
靴の上にたまらない程度(ノンクッション)が定番化し、もっと短めの9分丈くらいにする人も多い。
それこそ見始めは「ルパン三世かよ」と思ったが、見慣れてくると靴の上で裾がたまっている方が野暮ったく見える。

ルパン三世のズボンの丈はいつも短い


しかし、見た目以上に短め丈には利便性が高い。だから定着化したのだろうと思う。
当方の股下は長めに取るなら76~77センチくらいある。80センチは絶対に裾上げが必要になる。
今のズボンの丈は70~72センチくらいの短め丈がほとんどだ。
この場合、裾上げはまったく必要ない。
ユニクロでもジーンズメイトでもライトオンでもズボンの裾上げで待っている時間が苦痛だ。
10分とか15分くらいなら待っていても良いが、混んでいると1時間待ちくらいは平気にある。
1時間もそこらへんをうろうろして時間をつぶすのは非常に苦痛である。
だったら裾上げで待つ必要がない短め丈のズボンの方が便利で良い。
また、ネット通販で買う際も便利だ。
股下の長いズボンを買ったら、お直しを探すのが大変だ。
しかし、短め丈のズボンなら、ネット通販で買っても裾上げをしなくても到着してすぐに穿ける。
ものすごく便利だ。
おまけに座敷かなんかに靴を脱いで上がる際にも、裾を引きずらなくて済む。
その昔、2005年頃、長め丈が全盛だった当時、座敷に上がると松の廊下の長袴みたいになっている人が多く、ひどく不格好だった。
それに「その裾って公衆便所の床で散々引きずってきて汚いやろ?」と思って眺めていた。
だからワイドパンツが復活しても昔のように引きずるほどの長さではなく、少し短めの丈で着用されているのだと思う。
ストレッチ素材だって利便性で支持されている。
中にはポリウレタン弾性繊維は5年か10年くらいで断裂するから相応しくないという人もいるが、今は劣化しなくいストレッチポリエステルだって開発されている。ポリウレタンが追放されてもストレッチポリエステルがその後釜に座るだけのことでしかない。
いくらマニアが「綿100%の風合いガー」なんて叫んだところでそれは騒音でしかない。
「本物ガー」とか「本場では」とか「邪道だ」とかニッチなマニアは叫ぶことが多いが、そんなマニアの声なんてマスはどうでも良い。
もしマスに売れたいのなら、利便性をある程度は考えるべきだろう。
ニッチに売りたいならマニアの声は重要だが、マスに売るならマニアの騒音は気にする必要はない。
販路によって使い分ければ良いだけのことである。

NOTEの有料記事を更新~♪
トウキョウベースの香港店は活況なのか?売上高から入店客数を類推してみたhttps://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n78d0021044a2
あと、インスタグラムもやってま~す♪https://www.instagram.com/minamimitsuhiro
昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

公衆便所の床でも引きずらないアンクル丈パンツをどうぞ

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ