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南充浩 オフィシャルブログ

無印良品の記事からわかるインフルエンサー の言葉のいい加減さ

2018年6月14日 企業研究 0

経済系インフルエンサーとか著名コンサルタントとかいう人の言説を見ていると、「この人本当に売り場で商品を見たことがあるのかな?」と感じることがある。
例えば、先日流れてきたこの記事。
UMS主義者、かく語りき――衣のユニクロ、住の無印良品、食のサイゼリヤ
http://bunshun.jp/articles/-/7665
この人はユニクロ、無印良品、サイゼリヤを衣食住のそれぞれの分野で評価している。
個人的には、そこの好みは同じである。
ただ、当方は住、インテリアにはほとんど興味がないので、まったく買わない。
この3つのブランドはたしかに低価格・高品質を地で行っていて、低価格で良い商品が手に入る。
だから主張していることの8割方は賛同できる。
しかし、賛同できない部分もある。
出だしのApple製品がナンタラでイヤホンの音質がドウタラでという部分は当方にとってはどうでもいい。
当方は音楽にはまったく興味がないし、その微細な音質の違いなどもっとどうでもいい。
どうでもいいことで1ページ目は終わっている。
疑問を感じる箇所は2つだ。
まず、3ページ目の無印良品についてだ。ここがはっきり言って最大に疑問を感じる。

無印良品のデザインに飽きがこないのは、それが独自の基準で練り上げられているからだ。それが証拠に、無印良品の家具や生活雑貨はほとんどが超ロングセラーで、デザインの変更は滅多にない。本当に良いものをつくれば、あとから新製品を出す必要はそもそもない。

この箇所は疑問で、そこまで無印愛を語っているのに、この人は商品を見ていないのではないかと感じられる。
もしくは見ているのだろうけど、ほとんど記憶していないかのどちらかではないか。
ここに、的確な突っ込みがあった。ご紹介しよう。
まず、これ。


続いて核心を突いたこのツイート。


もうこれが答えである。
無印良品は頻繁に商品のデザインや仕様をマイナーチェンジするし、新商品も発売し続けている。
これが事実である。
インテリア商品に関しては比較できるほど見ていないので、衣料品で考えてみようか。
衣料品に限っていえば、毎年商品のデザインや仕様、素材が変えられている。
デザインの変更が滅多にないと見えるのなら、それは商品を見ていないか、昨年の商品を記憶していないかのどちらかでしかない。
例えば、昨日のブログで紹介した「脱げにくいフットカバー」。
昨年はミディアムグレーがあって、それを購入した。しかし今年はミディアムグレーは廃版となっており、再販されていない。
もっといえば一昨年の同商品とは履き口のゴムと編み方が異なっている。一昨年の同商品の方が履き口が伸びやすい。
それを昨年改良しており、今年はそれを引き継いだ設計となっている。
また、14年前の冬に買ったウールのカーディガンと、13年前に買ったウールのカーディガンは一見すると同じシリーズだが、サイズ感や生地の厚さが異なっていた。
14年前の冬にウールのカーディガンを買った。
ベージュの丸首カーディガンで前身ごろの左右に紺色のアーガイルチェック柄があった。
実はこれはVネックもあり、そちらも本当は欲しかったのである。
Vネックはミディアムグレーを買うつもりだったが、金がなかったのでベージュの丸首だけを買った。
そして、翌年、Vネックのミディアムグレーを買った。一見すると同じだが、なんか違う。
まず身幅のサイズが違う。
ベージュの丸首はほぼジャストサイズ(細すぎず大きすぎず)だが、グレーのV首は今でいうオーバーサイズっぽいゆとりがあった。
あれ?おかしいな。
生地の厚さはベージュの方が厚く、グレーは意外に薄かった。
結果としては似て非なる商品だったといえる。
無印良品の衣料品は毎年こんな感じでマイナーチェンジされていて、同じ物を買うことは二度とはできない。
これは毎年の商品をきちんと把握していれば容易にわかることで、無印愛を語りながら、それを把握していないというところに疑問を感じる。
また傾向は異なるがこの部分も疑問だ。

デフレ真っ盛りの頃に取りざたされた、ひたすら低価格を追求する商売とは一線を画している。安さだけではアジアでは通用しない。

この3ブランドがアジアや中国で好調なことに触れた部分だが、「安さだけではアジアでは通用しない」という書き口に違和感がある。
安さだけで通用しない国は日本が最右翼である。
だから安さを売りにしたオールドネイビーは売れずに撤退したし、安さだけしか取り柄のないフォーエバー21はジリジリと店舗数を減らし続けている。
97年、98年の価格破壊ブームの時に170円スニーカーを発売して注目を集めた靴のヒラキがビッグブランドに成長できなかったのも同じである。
安さしか取り柄がなかった韓国のビッグブランド「MIXXO」「SPAO」はあえなく日本から姿を消した。
そうそう、フランスのカルフールも日本から撤退してしまっている。
経済系インフルエンサーや著名コンサルタントの多くは、戦略論や概論はさすがだと唸らされるが、商品や商品価格に踏み込んだ場合、首を傾げたくなるような記述がある。
結局のところ、この手の人はそれほど熱心に商品を見比べていないし、商品にはそれほど興味はないのだろう。
そのあたりは起用する企業やブランドが人の用途を使い分けるべきだろう。

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ジーンズの洗い加工はレーザー光線で行う時代
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