MENU

南充浩 オフィシャルブログ

日本全国「ミニ東京化」現象

2011年10月4日 未分類 0

 先日、ある大阪の商業施設の方と雑談をした。

その方が東京に出張した際に、東京の商業施設の方から「どうしてわざわざ、東京でテナントブランドを物色するのですか?われわれは今、地方に出向いてブランドを誘致していますよ」と言われたそうだ。

大手アパレルの本社機能は、ほとんどすべて東京に移転し尽くしてしまったので、どこかと話を詰めようと思うと東京に出張せざるを得ない状況にはある。
しかし、その結果、どこの地方も似たようなラインナップの商業施設や、商業エリアが出来上がる。

我が地元・大阪でも、天王寺、難波・心斎橋、梅田とほとんどラインナップが変わらない。
自分が愛用する低価格ゾーンのブランドもどの地域もユニクロ、無印良品、GAP、ABCマートがそろっており、地域としての個性はほとんど見当たらない。
セレクト系に目を移してもさほどラインナップは変わらない。ビームス、ユナイテッドアローズ、エディフィス、トゥモローランド、ジャーナルスタンダードあたりがどのエリアでもそろっている。

まさに日本全国「ミニ東京化」現象である。

商業施設や商業エリアが個性を発揮しようとすると、必然的にマイナーブランドを発掘せざるを得ない。
それが、東京の商業施設の方がおっしゃるように「地方ブランドを誘致する」という行動につながるのだろう。

先日から、業界紙ではなく東京の雑誌社に、西日本の情報を送るという作業を行っている。
どういう形になるのかは、もう少ししてみないとわからない。

直感的だが、これまで以上に「東京に無い地方ブランド」の情報が求められていると感じる。

「だったら、地方の商業施設で大々的に地方ブランドを採り上げれば良いじゃないか」と思うのだが、難点がある。
地方の商業施設や地方の商業エリアで、地元の商材を集積した場合、えてして「土産物屋」や「地元物産展」になってしまうのである。
最初から「土産物屋」を作るつもりならそれは構わない。しかし、ある程度「洗練された売り場」作りを目指して出発するのだから、かえって性質が悪い。

結果大失敗に終わる。

その点、東京の商業施設は、地方ブランド品を使って上手に「洗練された売り場」作りを行う。
POPや告知がなければ、それが地元の名品だとは気が付かない場合もある。
ここが、東京と地方の違いだろう。

地方にはまだまだ埋もれた名品、東京には知られていない逸品が埋もれているだけに残念である。

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ