クラウドファンディングでファッションのジャンルで1800万円を集めて記録を作ったオールユアーズが、4月27日、東京の世田谷区池尻2‐15‐8に直営店舗兼事務所をグランドオープンする。
1階が店舗兼ショールーム、2階が商談スペース、3階が事務所となっており、4月23日に関係者を集めてのプレオープンがあった。

そのプレオープンに「ぜひに」と呼ばれたので、「東京まで行くのはめんどくせえな~」と思いながらも、せっかくなので参加した。

大阪での仕事を終えて、23日の午後8時半ごろに現場に到着した。
東京の土地勘はほとんどないので、池尻大橋がどんな場所なのかあまり知らなかったが、オールユアーズがオープンする場所は住宅街である。それもマンションなどはなく、ほとんどが一軒家という地域で、オールユアーズの建物も一軒家を改装したものだという。

ようやく到着してから30分ほどすると、縫製工場の担当者や生地メーカーの担当者ら6~7人くらいが挨拶を終え、飲みに行き始めたが、そのとき、「南さんも一緒に行きましょうよ」と誘われ、初対面だったにもかかわらず同行することになってしまった。
プレオープンの滞在時間はわずか30分で終了してしまった。

気を取り直して、翌日24日の午後に再度オールユアーズを訪問した。

オールユアーズの外観

せっかく東京くんだりまで来たので、今後の展望とか店舗の方向性などを聞いておかないと、単に飲み会に参加しただけになってしまう。

オールユアーズの頭脳ともいえる企画担当者の原康人さんにいつもの雑談形式であれこれ質問してみた。
基本的に「服だけを売ることは難しい」という認識で当方とはかねてより一致している。

念願の事務所兼ショップの解説ということだが、どんな方策を考えているのか?と尋ねてみた。

そうすると原さんは、

「我々の服がクラウドファンディングで売れたといっても、さらに何億円も服を売ることは難しい。特にブランド立ち上げから注力してきた卸売りで売上高を拡大するのは相当に難しい」

と指摘する。
たしかに現在の専門店は、売れ行き不振から極度に仕入れ枚数を減らしている店舗が多く、ジャンルを問わず専門店への卸売りではどのブランドも売上高を拡大しにくい状況にある。

そこで「服だけではなく、体験も売る」ことを目指す。

今年夏から秋口くらいの時期に、1階の店舗部分に何台かのミシンを設置することを考えているという。
ミシンを設置することで、まず、サンプル品や1型20枚程度の超小ロット商品を店内で縫製してしまう。

縫製している風景が見られるということで、来店客へのデモンストレーションにもなるし、10枚~20枚程度の商品を店内で製造することで小回りの利く商品追加が可能になる。

そのうえで、オールユアーズは、このミシンを有料で希望者に店内で貸して、自分で洋服を縫製するという体験をしてもらうことを構想しているという。
これが「体験も売る」ということの一つだ。

また、一つの商品を縫製せずに型紙・生地・付属(ボタンやリベット、ファスナーなど)を一まとめのパッケージにして、それを買ったお客に、店内のミシンを使ってそれを組み立ててもらうという売り方も構想している。

今回のショップオープンにあたって、店内の工事を手伝う権利をクラウドファンディングで販売したところ、7人くらいの購入者があったのだという。
当方からするとわざわざカネを払って、他人の店舗作りの工事を手伝うなんて意味がわからない。
手伝ったんだからバイト代をもらっても当然だと思うのだが。(笑)

しかし、そういう「カネを払ってまで物作りに参加したい」という嗜好のある人もいるということだ。
当方には理解できないが。

そういう嗜好のある人も少なからずいるから、店内のミシンを有料で使って、商品を自分で組み立てて(縫製して)みたいという人もそれなりにいるだろう。

現在、商品そのもので差別化することは非常に難しい状況にある。

一昔前までは「生地ガー」とか「縫製ガー」とか「生産地ガー」というだけである程度の差別化が可能だったが、今はそれで差別化することはほとんど不可能になっている。
2005年くらいまでは百貨店に並ぶ服と、低価格ブランドに並ぶ服では生地のクオリティが如実に異なったが、今ではほとんど格差がなくなっている。縫製仕様にしても同様だし、生産地にしても同じだ。
日本製なら高く売れるかというとそうではない。すでに低価格の日本製だって珍しくない。
無印良品の3足990円の脱げにくいフットカバーはその低価格にもかかわらず日本製である。

となると、商品を製造しているところが店舗内で見られたり、プラモデルみたいに商品キットを購入して、店舗内のミシンを使って自分で組み立てることができるというサービスを付加した方が差別化しやすい。

よくファッションビルや百貨店が手垢にまみれた「コト販売」をスローガンに掲げているが、休憩ゾーンを広くしたりトイレを綺麗にしたりすることにとどまっていて、それのどこがコトを売っているのか?と不思議でならないが、オールユアーズの構想する売り方はまさしくコト販売といえるだろう。

原さんは、

「ぼくたちは、今後どういう方向性を取ろうかと会議をしました。このまま売上高を伸ばさず小さなニッチブランドでいるのか、それとも売上高を拡大するのか。その結果、売上高の拡大を目指すことになりました。売上高の拡大といっても、今の大手ブランドみたいに何十億円とか何百億円になれるとは思っていませんが。(笑)しかし、服だけを売っていては売上高を拡大できる世の中ではありません。そこでそういう体験も売ることで売上高の拡大を目指します」

という。

店舗にミシンを導入して、それを使えることをサービスとして販売する。
この売り方にどのような反響があるのか、ちょっと期待して見守りたいと思う。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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