最近はだいぶと少なくなったが、アパレル業界でよくある2つのパターンがある。

1、「日本製」なら高く売れる
2、ウェブサイトを開設したらすぐさま世界からアクセスがある

1については、2008年頃まではそういう傾向があったが、今は手ごろな価格の日本製衣料品も増えており、単に日本製というだけでは高価格では売れなくなっている。

先日、カイタックファミリーの2018秋冬展示会にお邪魔した。
カイタックファミリーは量販店向けの肌着・パジャマ、カジュアルウェアを企画生産しているメーカーである。
当然、低価格帯商品がメインとなるが、その中に今回の新製品として5900円の日本製ジーンズがあった。

カイタックファミリーの日本製ジーンズ5900円

カイタックグループは総社市に自社縫製工場を持っている。
当然、そこでは高価格帯のジーンズの縫製を行っていたのだが、そこで5900円のジーンズを新たに縫製するというわけだ。

何度か失敗しているが、ユニクロでも日本製ジーンズは7990~9990円くらいの価格帯が以前付けられていた。
無印良品でもだいたい同じ価格帯だ。

エドウインだって自社工場で日本製ジーンズを7500円くらいからで縫製している。

となると、カイタックファミリーの新商品は破格値ということになる。
これがすごく売れるかどうかはわからないし、クオリティを厳密に他社ブランドと比べるといろいろと優劣はあると思うが、こういう商品が出てくれば、「単に日本製というだけ」では高値では売れなくなる。

よく、この業界には「値段の下を潜るのはけしからん」という人がいるが、最低価格を業界で決めるのは独占禁止法違反になる。
それにそもそも値段を下げることが、もっとも効果的な販促の一つである。
野菜だって肉だって魚だって自動車だってパソコンだって、値段を下げれば売れやすくなる。

「けしからん」とか言ってる衣料品業界関係者だって自動車やパソコンが値下がりすれば買っている。
自分が値下がりする他業界の商品を買うのは良いけれど、自分の属する衣料品が値下がりするのはけしからんというのは単なるエゴでしかない。

そりゃだれだって安い方があればそちらで買う。これが自然の流れである。

これからは「単に日本製というだけ」の衣料品は絶対に高くは売れないし、手ごろ価格の日本製衣料はもっと増える。

高値で売りたいなら高値で売れるような売り方・見せ方・ブランド作りが必要になる。
それができなければ低価格日本製に負けるのみだ。

次にウェブサイトの大いなる勘違いだ。

ウェブサイトを開設しただけ、SNSのアカウントを作っただけで、「世界中からすぐさまアクセスがある」と思っている人がいまだに相当数いる。

彼らの理屈はこうだ。

インターネットは世界とつながっているから、開設すれば世界から見られる。

たしかに世界とつながっているが、世界とつながっているサイトが一体何十万・何百万あると思っているのだろうか。
世界とつながっているのは何もあんたのサイトだけではない。

こういう考え方の人は、よく大型商業施設に出店したり、大型展示会に出展するときに

「何万人もの人が来場するからうちも売れる」

と考える。
たしかに来場者が多い方が入店客が増える可能性は高い。
しかし、それはあくまでも「可能性にすぎない」し、入店した客が買うとは限らない。

例えば、東京ギフトショーは延べ10万人だか20万人の来場者があるが、この10万人全員が全ブースを覗くわけではない。
出展ブースが3000くらいあるから、当然、全ブースは覗けない。
10万人が来場しているのにほとんど覗かれないブースというのは確実に存在している。

大型商業施設でも同じだ。
何百万人来店しようがさっぱり覗かれない店も珍しくない。
それは店がわかりにくい場所にあったり、ディスプレイが魅力的でなかったり、店やブランドの知名度が低かったりという原因があるからだ。

インターネットも同じだ。

アクセスが不便だったり、ディスプレイが見にくかったり陳腐だったり、ブランドの知名度が低かったりすれば、訪れる人はほとんどいない。いくら世界とつながっていようが、そんなことは何の足しにもならない。

だからウェブサイトを開設してからどうやって誘導するかが今の課題となっている。
ウェブサイトを開設することは当たり前で、それはとりあえずスタート地点に着いただけということである。

ウェブサイトを開設したことはゴールでもないし中間地点でもない。

今日例示した二つのことを理解している人は増えたが、それでもときどきまだこの二つのことを理解していない人に出会うことがある。

そういうときは上記のことを割合に事細かに説明するのだが、なかなか理解してもらない。
結局のところ、人は自分が体験したことしか理解できない部分があるので、理解できない人には上の二つで苦戦することを体験してもらうことにしている。

どうせ言ってもわからないのだからということで、好きにしてもらう。
そこで開眼されればまた相談に乗るし、開眼されなければそのまま放置プレイということになる。

これがいつも相談を受けてのルーティンとなっている。

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心斎橋筋商店街がドラッグストア街に変貌した理由とこれまでの変遷の推移
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