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南充浩 オフィシャルブログ

量販店はファッション衣料品分野を捨てるべき

2011年9月13日 未分類 0

 イトーヨーカドーがSPA型衣料品ブランド「goodday(グッディ)」の開始を発表したが、評判は散々な印象である。
以前、量販店系のOEMを担当していた友人は「レディース平場のグッディハウスはなくなってしまうのだろうか?」と心配していた。

もっとも手短に「グッディ」に対する懸念がまとめられた記事があるので紹介したい。
http://diamond.jp/articles/-/13945

しかし、計画通りにいくかどうかは未知数だ。

 ライバルであるイオンでも、すでに昨年9月に初のSPAである「トップバリュコレクション」を発売しているが、「かなりの苦戦を強いられている」(業界関係者)と見られている。

 その最大の理由は、「GMSでは肌着のような必需品は売れるが、本当に欲しい“必欲品”を生み出すセンスはない」(同)ことに尽きるのではないか。

(中略)

ネット販売比率も高めるが、これについても

 「鈴木敏文会長の息子である鈴木康弘氏が率いるセブンネットショッピングの底上げをしたいのではないか」(業界関係者)と冷ややかに見る向きもある。

とのことである。

さて、ファッション衣料品の「買い場」としてイトーヨーカドーやイオンなどの量販店は、バブル崩壊以降の20年間に渡って、消費者の選択肢から外されてきた。
自分などは「20年も低迷し続けた売り場をテコ入れするよりスッパリ止めて、食料品と日用雑貨品、肌着・靴下などの実用衣料に特化すれば良い」と考えている。

なぜ、イトーヨーカドーに限らずイオンやその他の量販店もこれほど、ファッション衣料品に固執するのか?
月泉博さん著の「ユニクロVSしまむら」によると、量販店で販売する食料品や日用雑貨品の粗利益はかなり薄く、バブル期まではファッション衣料品が利益の稼ぎ頭だったという。
食料品や日用雑貨品の売り上げが日ごろの運転資金となり、量販店の利益の大部分をファッション衣料品が稼いでいたという時代が長らく続いていた。
量販店のファッション衣料品のピーク時はバブル期で、それ以降、ユニクロ、しまむら、西松屋など低価格衣料品専門店にそのシェアを奪われ続けてきた。

利益を高めるためにも量販店各社は何としてもファッション衣料品の売上高を挽回したいのである。

しかし、これはかなり難しいのではないだろうか。

というのも、ユニクロやしまむら、その他低価格衣料品専門店に比べると、量販店各社のスタッフは役員以下、衣料品に対する理解度や感度がかなり低い。
もちろんユニクロやその他低価格専門店に対するファッション業界からの批判はあるが、量販店の関係者はそれらには遠く及ばない。

また「机上の空論」で「グッディ」も不発に終わる可能性が高いと見ている。

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