MENU

南充浩 オフィシャルブログ

ウィキペディアに「ジャヴァがファンドに売却される予定」て書かれているけど本当なのかな~?(後日追記あり)

2018年3月30日 企業研究 0

少し前から伊藤忠商事が子会社のジャヴァホールディングスを売却するという噂がチラホラあった。
売却先は投資ファンドのエンデバー・ユナイテッドだという。
製造業から飲食、アパレルまで手広く買っており、飲食だとピザハットを買収したし、アパレルだとパレモや花菱縫製を買収した。
現在のところまだ発表されておらず、譲渡は4月1日付だといわれている。
にもかかわらず、ウィキペディアのジャヴァグループのページにはすでに

その伊藤忠もついにJAVAグループを投資ファンドであるエンデバーユナイテッドに2018年に友好的M&Aされる(あるいは売渡し)予定である



https://ja.wikipedia.org/wiki/ジャヴァグループ
 
と書かれてある。
これは本当なのかなー???(棒)
で、今回の売却の噂についてはさまざまな意見がある。
しかし、個人的に注目したのが、ジャヴァの某OBの声だ。
そのOBによると、
今回の売却は好影響を及ぼすと見ています。
という。
なぜなら、
3~4年前に50代以上の社員をリストラしましたが、実は不十分で、今でもジャヴァホールディングスの社員構成比率は50代以上が50%以上を占めています。これを大リストラするならジャヴァは好転するのではないかと思っています。
とのことだ。
さらに突っ込んで聞くと、
50代以上の給与が高止まりしているので、若手はその割を食ってこれまで昇給が非常に低かった。リストラが行われて若手が昇給するようになれば、若手の士気は高まるのではないでしょうか。
ということで、なるほどそういう効果は期待できそうだ。

しかし、ウィキペディアに書かれているだけで事実はどうなるのか、依然不明だ。(棒)

さて、仮にこれが事実だとして後日発表されたとすると、アパレル業界はまた大きな衝撃に見舞われるだろう。
アパレルの再編はまだまだ進む。
これに限らず、さまざまな買収、売却の噂が絶えない。
それも著名な会社ばかりだ。
先日、商業界に「アパレル業界でM&Aが加速するワケ」というようなタイトルの記事が掲載されたものの、まったく「ワケ」が書かれておらず、読後おもわず「なんじゃこりゃー」と叫んでしまったが、事実を羅列するだけでもM&Aの多さがわかる。
現在耳にしている噂だけを列挙すると、
・投資ファンドに買われた某社だが、早くもその投資ファンドが手放したがっている
・中国資本に買われた某社だが、中国資本も手放したがっている
・大手セレクトショップが身売りを検討している
・大手チェーン店が某社に身売りを持ちかけたが、あっけなく断られた
まあ、ざっとこんな感じで、それが事実になるのかどうかはわからないが、これほどまでに身売りを検討している大手があるということで、逆にファンドや異業種はアパレル業界に乗り込んだものの、思うような結果が出せずに早々に再売却を検討していることも珍しくないということだ。
一方で、ニトリやドン・キホーテのような異業種はアパレル業界に可能性を見出して進出を計画している。
ニトリのアパレル進出宣言は話題となったが、その後の具体的な進展をまったく聞かないので、ZOZOSUITと同じだろうかと思わずにはいられない。
ZOZOSUITとプライベートブランド「ZOZO」は期待感ばかりが先行して、実物はなんだか拍子抜けする程度のもので、この辺りが異業種のアパレル参入の限界なのかもしれないとも個人的には感じている。
それよりも国内アパレルが脅威に感じなくてはならないのは、ゾゾなんかよりもAmazonのプライベートブランドになるだろう。
このAmazonに関しても、先ごろ、米本社、東京、シンガポールの幹部が大阪市中央区・本町の会社を買収するために会議が開かれていたという噂があり、大阪市本町といえば繊維街だから、PBウェアのための下準備ではないかと推測してしまう。
先日、掲載された週間SPA!にアパレル業界は今後どのようになると思うか?
と尋ねられたので、「大手がますます巨大化して、さまざまなブランドや企業を傘下におさめると思う」と答えた。
大手は自前でブランドを開発する必要がなく、現在、身売りを考えている大手チェーンや大手セレクトを買収すれば簡単に新ブランドを獲得できる。
現に、某大手企業が先日、M&Aに関する説明会を開催し、顔見知りの新進ベンチャーブランドも話を聞きに行ったという。
その際、彼らは「うちはもう自前で新規ブランドを開発しない。今までから同じようなブランドばかり立ち上げてきたから。それよりもまったくテイストやジャンルの違うブランドや会社を買収する。貴社もその候補に入っています」と言われたとのことだ。
高度経済成長期やバブル期にはさまざまなアパレル企業がベンチャー的に立ち上がり、ビッグブランドに成長した。
その後の、90年代半ばの裏原宿ブームはその最期の名残ともいえる。しかし、結局、裏原宿ブランドはどれもビッグにならず、ベイシングエイプも香港企業に買収された。
バブル期や裏原宿ブーム期に一部の業界人が期待した「これからは大手ではなく小型の個性派ブランドがどんどん生まれて、ファッション業界は多様化する」というようなビジョンは、単なる美しい幻想に過ぎなかったということになる。
アパレル業界は今後さらに再編が進み、大手企業や投資ファンド、外資が次々に有名ブランドをM&Aしていくことになるだろう。
我が国も欧米のように、「ブランドを立ち上げて育てて大手資本に売ってそれが人生の上がり」というようなスタイルが定着していくことになるのではないかと思う。
と、このブログをアップした数時間後正式発表があった。
3月31日追記
伊藤忠が神戸の名門アパレル、ジャヴァHDを投資会社に売却
https://www.wwdjapan.com/593477

NOTEの有料記事を更新~♪
5年後ダメになっているアパレルを3つ挙げてみたよ
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nebd50266b6df
あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro
昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします

 

この記事をSNSでシェア

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ