ジーンズメイトの決算見通しが発表されてから、一部に業績が急回復しているという見方があるが果たして本当だろうか。

結論から言ってしまうと、急回復には程遠く、底打ち・下げ止まりが見えてきたというのが実態である。
ジーンズメイトは先月に、2018年3月期の業績予想を下方修正している。

下方修正した業績予想は、

売上高95億9000万円
営業損失5億5000万円
経常損失8億4300万円
当期損失11億3000万円

であり、すべての数値予想を下方修正している。
2017年度業績では売上高91億円だったからそれよりも増えていて業績回復していると判断する人もいるが、それは早計にすぎる。

今回の決算は決算期変更のために13か月の変則決算で、2017年度決算よりも1か月分売上高は増える。
前年の売上高91億円を12か月で割って平均すると、1か月あたり平均で7億6000万円弱という売上高があることになる。
91億円に7・6億円を足すと98・6億円になるから、2018年3月期の売上高95億9000万円はこれを下回っていることがわかる。

逆に2018年3月期の95・9億円を13か月で割ると、1か月あたりの平均売上高は7・37億円となり、前年を下回っていることがわかる。

もちろん、1年間平均的に毎月売れることはないし、売れる月と売れない月の落差はあるが、2018年3月期の変則売上高が昨年を下回るペースで推移しているといえる。
しかも黒字化するとしていた各利益はすべて赤字に修正されている。

当期損失は本業以外の要素で左右されるから置いておくとして、営業・経常が黒字化できなかったことは決して本業が順調ではないということになる。

今回の下方修正だけ見ても決して急回復とは言えず、底打ちが見えてきたとしか言えない。

一方、既存店売上高の昨対比は昨年9月から大幅に改善している。

9月度が119.2
10月度が114.9
11月度が100.6
12月度が113.2
1月度が112.3
2月度が123.9

となっていて11月度を除いて大幅に既存店売上高が「昨年よりも」伸びている。
一方、11月度は昨年トントンでおさまっている。

しかし、その前期(2017年2月期)の月次を見てみよう。

9月度が91.3
10月度が100.0
11月度が110.8
12月度が95.6
1月度が87.2
2月度が100.5

となっている。
前年が悪すぎたから今期伸びただけといえる。
それが証拠に今11月度は前年トントンだが、昨11月度は対前期比10%増となっており、それを維持したに過ぎない。
今2月度だけは昨2月度より大幅に伸びており、2月からジワリと回復の兆しは出ているのかもしれないが、2月度だけをもってして「急回復」というのはいささか持ち上げすぎというものだろう。

ちなみにさらに前期(2016年2月期)の月次は

9月度が102.6
10月度が103.9
11月度が94.8
12月度が94.1
1月度が96.6
2月度が94.3

となっている。
2月度を除いては前々期と比べても今期の既存店売上高はそれほど伸びていないことがわかる。

要するにこれまで下がり続けてきた月次既存店売上高もようやく下げ止まりとなったというだけのことで、2月から、もしかすると復調の兆しが出てきたのかもしれないというのが正確な実情だろう。

さて、ジーンズメイトは昨年廃止した24時間営業を4月7日までの春休み期間に限定して、池袋本店と蒲田店の2店舗で復活させることを発表したが、これは苦し紛れの方策としか当方には思えない。
これしか既存店売上高を伸ばす方法が現状では見当たらないのだろうと思う。

営業時間を延ばせば光熱費や人件費は増えて経費は増えるが、単純に売上高だけは増える。
極めて即効性のある施策が営業時間の延長である。

この24時間営業の期間限定・店舗限定の復活というのはそれ以外の何物でもないと思うが、今後、中長期的な成長エンジンにはなり得ないだろう。

なぜなら、この深夜市場(ナイトマーケット)には強力なライバルとしてドン・キホーテがある。
ドンキは24時間営業ではないが深夜12時を越えて営業をしており、ナイトマーケットの開拓者でもある。
ドンキは食品や日用雑貨、飲料、コスメなどその場ですぐに欲しい物が深夜まで売っている。

しかし、ジーンズメイトが売っているのは服だけだ。
深夜に服が欲しくなる人と、食品や飲料が欲しくなる人のどちらが多いだろうか?
圧倒的に後者ではないか。
「寝る前に小腹が空いた」「寝る前にのどが渇いた」という人は珍しくないが、「寝る前に服が欲しくなった」という人は極めて珍しく、場合によってはその嗜好性は変態ともいえる。

さらに春休み限定ということは、ターゲット層は学生ということになり、しかもあまり素行のよろしくない学生ということになるが、そういう層が支持するのは圧倒的にドンキだろう。
10年前のドンキなら服はそれほど売っていなかったが、今のドンキは違う。服も豊富に売っているしジーンズメイトを越える売上高100億円という自社企画商品まで置いている。

この手のターゲット層が深夜に服を買うことがあったとして、ジーンズメイトではなく、食品や飲料のついでにドンキで買うことは火を見るより明らかだ。

ジーンズメイトの24時間営業復活はあまり業績を左右するようなものにはならないと考えるのが正しいだろう。

現在のさまざまな施策や店頭を見ていると、ジーンズメイトが3月以降ジワジワと復調することはあっても、急回復することはおおよそ考えにくい。
ライザップはそんな魔法は持ち合わせていないということをもうそろそろ認識してはどうか。

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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
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