アメリカのアスレジャーの服装を見ていると、あんなジョギング帰りみたいな服装で都心に出ていく日本人はいないだろうと思う。
逆にアメリカ人はどうしてあんなジョギング帰りみたいな服装でそこらへんをうろつけるのか疑問で仕方がない。

アスレジャーブームといわれているが、日本ではアメリカそのままのアスレジャーは流行らない。
もう少しカジュアルなりドレスなりにアレンジする必要がある。

最近、日本市場で売れる生地は機能性の付加されたものばかりだといわれている。
実際、瀧定名古屋の展示会でも国内向けには機能性素材が多く、アパレルからの注目度も高いとのことだった。
一方、欧米向けはサスティナブルだそうで、相変わらず欧米は口先だけの綺麗事がお好きなようだ。(笑)

ミズノのムーブスーツやオンリーのトラベラーズ、ビームスのトラベルスーツなどストレッチ性、防シワ性、洗濯性など機能性の高い素材で作られたスーツ類や、吸水速乾Tシャツ、ハイストレッチジーンズなどのカジュアル類が国内市場では主流となっているが、これらは実はアスレジャーの流れを汲んでいるのではないかと思う。
これらは日本版アスレジャーなのではないかと個人的には見ている。

これらをアスレジャーだと見なせば、日本も立派なアスレジャーブームといえる。

いわゆる高機能なスポーツ素材を使ってスーツやカジュアルを作るというのは5年くらい前からの国内市場での大きな動きであり、カジュアルやスーツの高機能化・快適化とも読み取れるし、アスレジャーの流れを汲んでいるとも読み取れる。

スポーツのほか、もう一つの高機能な衣料品の分野がある。
一般の人はあまり縁がないワーキングユニフォームである。

暑い日・寒い日も外で業務をする人々の身体を守るのがワーキングユニフォームだから、自ずと高機能が要求される。
下手をすると命に係わる。さらに機能性の中には耐久性も含まれる。

しかし、スポーツ衣料と異なる点はワーキングユニフォームは総じて低価格だということである。
スポーツ衣料の場合、ガチな競技者ではない人々からすると、趣味の用品という側面がある。
だから少々高くても買う。もちろん安いに越したことはないが、趣味の人々だったら週に2回か3回着用する程度なので、傷むスピードが遅く、何年かに一度買い替えする程度で済む。
そうすると別段安くなくても構わない。

一方、ワーキングユニフォームは週に5日~7日着用して激しい業務をこなすから傷むスピードも速く、年に何回かは買い替え需要が発生する。企業側が支給するのか個人が買うのかは置いておいて、どちらの場合も安いに越したことはない。
だから、ワーキングユニフォームは「機能性+安さ」が求められてきたし、これが絶対条件だった。

ワーキングユニフォームでは4900円・5900円という価格帯は「高価格帯」に位置する。

一方、カジュアルウェアも多くの人にとっては趣味の用品だから、高くても売れる商品もある。
もちろん安いに越したことはないが、どうしても欲しければ何万人かはカナダグースのダウンジャケットを買うし、1万5000円を越えるジーンズも買うがワーキングユニフォームでそんな買い方をする人は一人もいない。

機能性がカジュアルやスーツに入り込むという点では、ワーキングカジュアルもそちらへ寄っていく可能性が高い。
ワーキングユニフォームチェーン店のワークマンが注目されているのはそういう点だろうし、ワークマンもカジュアル市場を意識し始めている。

これまでワーキングユニフォームは「機能性+低価格」だけでデザイン性はあまり考慮されなかった。仕事にそんなものはあまり必要ないと考えられていたからだ。
作業終了後に都心に出ていくときは仕方がないとして、休日にわざわざそれを着てお出かけする人なんてまあ滅多にいなかった。
しかし、そのデザイン性もワーキングユニフォームメーカーも改善しているし、ワークマンも自社製品でそのあたりは改善している。

アスレジャーならぬ、「ワーカジ(ワーキングカジュアル)」が浸透する可能性はある。
何せ、元々が「高機能+低価格」なのだから、そこでデザイン性が改善されれば、カジュアル需要を取り込める可能性はある。
逆にワーキングカジュアル市場自体は人口減少もあり大きく伸びることは考えにくく、各社が成長戦略を描くとすればカジュアル需要の取り込みがもっとも手っ取り早いということになる。

ブルーモンスタークロージング(BMC)を展開するブリッツワークスが4900円のジーンズをジーンズカジュアル店とワーキングユニフォームチェーン店両方に卸しているのはそういう背景がある。
創業後わずか3年ほどでワーキングを含めた卸売り先は100店舗を越えているから、ブリッツワークスが盛んに唱えている「ワーカジ」はそれなりの需要があったということだし、さらに需要が増える可能性はある。
これはまた別途このブログで報じてみたい。

https://www.blitz-works.com/

 

最近はカジュアル民もブログなどでワークマンの商品を取り上げることが増えたが、「高機能+低価格」というのは何もワークマンだけの専売特許ではなく、ワークマンに卸しているワーキングユニフォームメーカー各社の絶対条件なのであり、それが彼らの物作りの特色なのである。その特色は顧客需要を反映したものである。

ワークマンがきっかけでワーキングユニフォームに親しみ始めた者の中には、「ワークマンはユニクロを越える低価格+高機能だ!」なんてはしゃいでいる者もいるが、そんなものはワーキング業界では常識なのであり、カジュアル出身のユニクロとは物作りの思想・背景すべてが異なる。

ワーカジがどこまで流行るかという観測記事や論証記事は意味があるが、出自の違う二つを並べて「こちらの方が優勢」といったところで意味は全くない。
そんなことを言ったら、ユニクロの商品は、スポーツブランドがガチ競技者向けに作っている衣服よりもはるかに低機能である。
基準軸をずらして比較したってなんの意味もない。

ワークマンの機能性と低価格化を論じたいなら、同じユニフォーム業界で比較すべきだろう。
自重堂やクロダルマやコーコス信岡などさまざまなワーキングメーカーがある。それらと比較して論じるべきだ。

そのうえで、ワーキング各社がどこまでユニクロの牙城である低価格カジュアルに食い込めるかということを分析してみてはどうか。

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「知名度主義」の人材起用がアパレル業界を低迷させている
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n50ca3a6bf56c

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