ファッション初心者で顔も体型も残念な人がいたら、男性なら間違いなくスーツを着ることをお勧めする。
世のビジネスマンを見てもわかるようにスーツがめちゃくちゃ似合ってないオッサンはいない。
どんなにブサだろうとデブだろうとスーツを着ていれば「ひどくダサく」は見えない。

これがネルシャツだとかトレーナーだとかパーカだとか純カジュアル服を着るともうだめだ。
すごくかっこ悪い。
だから会社でのスーツ姿はそんなに悪くないのに、休日にカジュアル服で会うとひどくモサっとした感じになる人が多い。

スーツはある意味で「完成された形」となっているため、今後も大きくは形は変わらないだろう。
もちろん、トレンドによって細くなったり太くなったりVゾーンが狭くなったりはあるだろうけど、大きく姿を変えることは考えにくい。

しかし、今後はスーツの使用素材が大きく変わり、カジュアルシーンでの着用が増えるのではないかと思う。

普段、スーツを着用しないのでどんなに上質な商品を見ても「買いたい」とは思わない。
ところが、昨年の秋口だったと記憶しているが、雑誌を読んでいて「このスーツは一度試してみたいなあ」と思う商品があった。
オンリーの「トラベラーズシリーズ」だ。

いわゆる、出張・旅行に適したシワになりにくいスーツである。
オンリーの2017秋冬商品はウール100%素材となっているが、個人的にここに不満がある。
もちろん、従来からのスーツファンはここが良いと判断するだろうということは承知の上だ。

シワになりやすいというウールの特性を克服した点はすごいと思うが、ウールは虫に食われるという欠点がある。
保管にはかなり気を遣う。
その部分でのイージーケア性は低い。

だから、最近、注目しているのは合繊機能素材を使用した高機能スーツである。

先日、小島健輔さんが、ミズノが発表した「ムーブスーツ」を取り上げておられたが、これはポリエステル100%でストレッチ性・洗濯性・防汚性・耐久性がある。
価格も28000円とツープライススーツ並みの低価格となっている。
もともとは野球ユニフォーム用に開発した素材なのだそうだ。

そのほか類似商品は、ビームスやユナイテッドアローズなどの各人気セレクトショップでも発売されており、ポケッタブル性やら撥水性やらが加味されている商品もある。

上質なウール素材の高級スーツというのは見ているとなるほどカッコイイと思うが、そのメンテナンスのめんどくささを考えると、買おうという気にはなかなかならない。

余談だが、ある高級靴関係者によると、芸能関係の富裕層ですら最近は何十万円という高価格スーツをあまり仕立てなくなったそうだ。10万円前後の既製服を買って、何年間か着古して買い替えるという消費サイクルなのだそうだ。
富裕層もある意味でコスパ志向となっており、何十万円もするスーツを気を使いながらメンテナンスするのは面倒だと考えているようで、10万円前後のスーツを何年間か使い倒す方がコスパが良いと考えているらしい。

当方がウールスーツに対して感じる「めんどくささ」と通じる部分があるように感じる。

シルエットやら形を試してみてからでないとなんとも言えないが、ミズノのムーブスーツは28000円という買いやすい価格なので一度購入してみたいと思っている。
ビームスやらユナイテッドアローズの商品もさほど高くはなく38000円くらいだから、こちらも試してみたいと感じている。

これらの「高機能素材」ではないが、イージーケア性に特化したのがジーユーのカットソースーツで、当方も昨年秋に2着購入してみた。
黒とライトグレーである。
当方の体格だと通常のジーユーのジャケットはLになる。
ところがLだと手が長く、当方は手が短いので袖丈はMサイズの方が合う。

ジーユーのカットソースーツのジャケット

ジーユーは布帛素材のカジュアルスーツも発売しているが、こちらだと当方はLサイズを買わねばならないが、カジュアルジャケットなら問題はないがスーツで手が長いというのは致命的である。
いくら安くても買わない。くだらんこだわりなのだが。

しかし、採寸やパターンは同じだと思われるが、カットソースーツだと生地の伸縮性が高いので、Mサイズでも着用が可能だった。
実際に店頭で試着して試してみた。

そこで黒とライトグレーを買った。
素材はレーヨン・ナイロン・ポリウレタンでいわゆるTシャツ類と同じカットソー素材である。
取り立てて高機能性は付加されてないが、素材本来の機能としてシワになりにくく、伸縮性が高い。

価格は裾上げが300円ずつプラスされて(計600円)、2着合計で11800円(税込み)ほどだった。
ジャケットが3490円に、パンツが1690円に値下がりした時に買ったからだ。

これだと、家庭の洗濯機で洗濯もできるし、ウールよりも虫に食われにくい。
おまけにニット素材なのでソフトで伸縮性がある。

惜しむらくは、紺の出来があまり良くなくて買わなかったが、今春物は少し値上がりしているが65番色の紺が出来が良いのでこちらを買ってみようかと考えている。

以前、そこそこ知名度のある経済系インフルエンサーが「ジーユーのカットソースーツで政府諮問会議に出席できるか」みたいなことを実験していたが、何を意味の分からんことをいっているのかと思った。

恐らく、彼は「カットソー素材というカジュアルな素材なのに大丈夫か?」という恐れがあったのだと思うが、形がスーツなのだから別に素材で叱責されることはない。
それにそもそも政府関係者が一目見ただけでその素材がウール布帛か合繊ニットかなんて判別できるはずもない。
スーツとはウール布帛に限るなんてそんな規則はどこにも存在しない。
それを恐れるなら夏用の綿スーツやら麻スーツもタブーになってしまう。

このエピソードは、一般人の衣服に対する理解度がこれほど低いということと、メンズのスーツに対する規律の厳しさを裏付けるといえるのではないか。

結果からいうと全く問題なかったそうだ。(当たり前だ)

このジーユーのカットソースーツはトラベラーズシリーズ、トラベルスーツ、ムーブスーツなどの高機能・リラックス性・イージーケア性スーツにつながる商品開発の流れだと当方は見ている。

これらのスーツはいずれ、スーツ市場の主要商品へと躍り出ると見ている。
なぜなら、すべてにおいて「楽」であるということは、圧倒的に大多数に受け入れられやすいからだ。

例えば、デニム村の人々からは散々邪道扱いされてきたが、ストレッチ混デニム生地はいまや綿100%デニム生地よりも多く、衣服に使用されている。理由は消費者が支持しているからだ。
なぜ支持しているかというと着用していて楽だからだ。

いくら「表面の凹凸感ガー」とか「たて落ち感ガー」と叫んでみたところで、綿100%の固くて重くて分厚いデニム生地でできた服なんて一部のマニア以外はノーサンキューだ。
それよりも伸縮性があって動きやすい方が良い。

ツイードだって同じだ。
本来の固くて重いツイードでできたジャケットなんて一部のマニアしか好んでいない。多くの人は軽くて動きやすい現代版のツイード生地を支持する。

そうなると、スーツも同じになる。
これまでは生地の見え方がウール布帛と合繊素材では差があったが、技術の進歩によって、見え方があまり変わらなくなってきているから、何も我慢してウール布帛生地のスーツを着る必要はない。
それよりも動きやすくてイージーケア性に富んだスーツの方が支持を受けるだろう。

おまけに現在もウール素材の高騰は続いており、今後は合繊や代替素材の使用が増えるだろうから、この手の機能性素材スーツも増えるだろう。

そして、これらのイージーケアスーツはいずれ、カジュアルシーンに多く取り入れられるのではないかと思う。
今のウール布帛生地だとカジュアルに使うには生地の傷みや汚れをどうしても気にしてしまう。

しかし、洗濯機でザブザブ洗えて、ストレッチ性が高いなら、例えばカジュアルシーンで、スーツの上下にTシャツを合わせることもハードルが下がる。(襟部分の汚れが気にならなくなるから)
また重ね着にも適しているからジャケットの下にパーカを着てみたり、Gジャンを着ることもよりやりやすくなる。

これらの商品は大いに支持を集めると考えられるし、カジュアルシーンでのスーツの着用のハードルを下げるのではないだろうか。

本来のスーツマニアからすると邪道かもしれないが、個人的にはジーユーのカットソースーツ、ムーブスーツに大いに期待したい。
マニアの嗜好がマス層に受け入れられることはない。
マニアの嗜好をマス層に押し付けてきたから衣料品業界は凋落したし、ソッポを向かれているのではないのか。

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プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
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