販売員のための「Topseller.style」なんかに参加している割には洋服店で接客されるのが嫌いである。
もちろん、ラグジュアリーブランドの接客なんて受けたことがないから、もしかしたらそういう店の常連になれるほど金持ちになれば、接客マンセーするようになるかもしれない。

異論もあるだろうが、個人的にはユニクロや無印良品のセルフ形式の売り場の方がずっと気が楽であり、居心地が良い。
仕事としては誰かと話すことは別に苦ではないが、誰かと話すのがすごく好きなわけでもない。
だから仕事以外では見知らぬ他人とはまったく話したいとは思わない。

それ故、客としては販売員と話したいとは思わないし、必要以上の会話は避けたい。
こちらの質問にキチンと正しい内容で答えてくれればそれで良い。

2月に入って、初めて店を回った。
1月の下旬に回って以来だ。

自分が買えるレベルの各店頭を見て回ったが、2月の売れ行きはやっぱり厳しそうだし、売り場は荒れている。
今年の1月、2月は暖かい日と強烈に寒い日が交互に訪れるという気候で、ときどき暖かい日があるとはいえ、まだ春物を着る気分ではない。かといって、2月もあと2週間で終わるから、今更、いくら安くなっていても冬物を買うのも抵抗がある。1000円とかの投げ売り品は別として中途半端に半額とか60%オフ程度の防寒アウターは特に買う気にもならない。

寒いので春物を買う気にもなれない。

おしゃれな人は先物買いで、とはよく言われるが、今買って1か月間も寝かせておくほど心にゆとりはないし、そこまでして「おしゃれな人」と思われたくもない。

今月と3月上旬の当方のスタンスは

「破格値に値下がりしていて、3シーズンは使えるような服を探す」

である。

そんな中、たまたま立ち寄ったGAPは店内が空いていたので、ちょっと長居していろいろと物色してみた。
ジャパン社の社長が「投げ売りはやめます」と宣言したからか、以前よりは投げ売り品が減っていてセールコーナーも以前に比べると整然としていた。

以前のような赤い値札シールの商品が山盛りになっている状態ではなくなっていた。
ただし、その分、店内が空いているような気がした。

いろいろと物色していると、中には投げ売り品もあって、その中に、キャメルとかブラウンに近い濃いベージュのチノパンがあった。
ストレッチ混素材を使っている。
この商品以外でもズボン類にストレッチ混素材が増えた。
ほんの4年ほど前まではかたくなにストレッチ混素材を使わなかったGAPだがいよいよ抵抗できなくなったのだろうか。
逆に5年前から大々的にストレッチ素材を使用していればGAPはここまで苦戦しなかったのではないかと思う。
細身シルエットが全盛のころ、なぜあそこまでかたくなに綿100%素材にこだわったのだろうか。まったく意味がわからない。

それが売上高5億円程度の「こだわりブランド」ならまだしも世界規模のブランドがなぜ市場ニーズを無視し続けたのだろう。
GAP苦戦の一因はこういう「わけのわからないこだわり」もあると思う。

余談だが、当方は薄い色のボトムスを穿くのが苦手で、黒か濃紺を穿くのが一番落ち着く。
とくにベージュ系はだめだ。白でもなく濃色でもないあの中途半端さが嫌いだし、着用した姿を見ても似合っていると思えない。
ベージュのズボンを穿くくらいならグレーを選ぶ。
それほどにベージュのズボンは苦手だ。

それでも克服しようとときどき買ってはみるもののやっぱりなんだかしっくりこない。

そこで今回、このストレッチチノパンを買ってみようと思い立ったわけだ。
価格は定価7900円が1990円まで値引きされている。
さらにレジにて20%オフで、メンバー会員はそこからさらに5%オフされる。
税込み1512円にまで値下がりした。

1512円で買ったストレッチチノパン

これくらいの値段なら、試すにはちょうど良い。
そんなわけで一応、試着してサイズ感も確かめて買った。

しかし、今回はGAPの販売員の接客が以前にも増して丁寧になっており、ちょっと薄気味が悪かった。

物色中に、ホテルウーマンみたいな感じのプロっぽい熟女店員が声掛けをしてきて、まあ、それはそれでやりすごせた。
以前から、GAPではこういう声掛けはよくあった。

で、しばらく物色してからこのチノパンを試着しようと、近くにいた別の販売員に声をかけて、試着室へ行った。
扉を閉めて、穿き替えていると、扉の外から声がかかり、「担当が私に代わりました」と言われた。
声の主は先ほどのプロ販売員っぽい熟女である。

いやいや、1512円のチノパンに「担当」とか付けられても困るよな~。

ここまで丁寧にする必要があるのだろうか。甚だ疑問だ。
GAPの販売員の接客は以前から割合に丁寧な感じだったので、可もなく不可もなかった。
最初に声掛けはあるものの、それ以降は必要があるまでは声もかからなかったし、「担当」なんてつくこともなかった。

元来、接客されるのが好きではないので、たかが1512円のチノパンでここまで丁寧にされると、良い気分になるどころか逆に薄気味悪ささえ感じた。

ここからは完全なる推測だが、GAPは不振を克服するために接客をより丁寧にしようとしているのではないかと思う。
しかし、それは逆効果とは言わないまでもあまり意味がない。
なぜなら、GAPの販売員は以前からそれなりに丁寧だったからだ。

GAPが売れない原因は間違いなく接客ではない。

しかし、先日のジャパン社の社長の「これからは投げ売りはしません」という発言を見てもわかる通り、自分たちの不振の原因が何なのかさっぱりわからないのではないかと思う。
投げ売りをしているから売れないのではなく、商品の定価設定が高すぎるから投げ売りしないと売れないのである。
認識の順番が逆なのである。

この1512円で買ったチノパンだって1512円にしては良い商品だが、7900円出す商品かと問われたら即座にNOと答える。
それならエドウインの7500円パンツの方がバリューがある。

だったら、定価を4900円とか5900円に最初から設定すべきだろう。

もしくは、高値で売りたいなら高値で売れるような商品作りをするか、ブランディングをするか、である。
接客のより一層の丁寧化とか、投げ売り廃止とかそういうことが求められているのではない。

現状認識が正しくできない間は、有効的な施策は打ち出せない。
マーケティングの基本である。

GAPは米国本社もジャパン社も、自分たちが思い描いている自画像を一度捨てて、外野の人間になりきって自社を見つめなおしてみてはどうか。それができて初めて有効的な施策が打ち出せるだろう。

まあ、投げ売りされてて良い商品があればこれからも買いますけどね。(笑)

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プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
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