11月に発表されて以来、一部の有名人以外には、ゾゾスーツが手元に届いたという話は聞かない。
もう1月も下旬に差し掛かろうとしているが、一向に配送がアナウンスされる気配もない。

当方はゾゾで一度も買ったことがなく、これからもよほどの安売りでもしない限り買う気がない。
さらにいえば体型データを提供する気もないのでゾゾスーツを申し込んでいない。

しかし、これだけ音無しの構えを続けられると、どうでも良くなってきていて、あの狂騒曲ともいうべき過剰反応は何だったんだろうと笑えて来る。
実際には存在しない物に対していい年をしたオッサンやオバハンが泣いたり喚いたりしていたんだから、お笑い種だ。

そんなコントはさておき。

ゾゾスーツが無料で配布されるというやり方は、オッサンである当方からすると2000年頃のYahoo!BBのやり方を連想した。
恐らく、同じ連想をしたオッサン世代の人も多いのではないかと思う。

当時のYahoo!BBはモデムは店頭で無料配布していた。
Yahoo!BBとプロバイダー契約をするとモデムが無料でもらえるのである。
ただし、プロバイダー契約料は発生するから何から何までタダというわけにはいかない。

現在、Yahoo!BBとプロバイダー契約をしている人はあまり見かけないが、あの当時はこれによって一気に契約者が増えた。
また、これによってブロードバンドを使用する人も増えたといえる。

無料で配ることによって一気に使用者を増やして業界標準を狙うというやり方で、気を付けて見ていると、同じやり方を採る企業やブランドはほかにも多くある。

これは一種のCPA (Cost per Acquisition) といえる。

ゾゾスーツもこのCPA (Cost per Acquisition) であり、ヨドバシカメラドットコムの100円の商品でも送料無料というのも同じである。

そして、これを上手く活用できる企業やブランドがある反面、失敗に終わる企業やブランドもある。
衣料品・ファッション業界は失敗に終わる企業が多いように感じる。

さて、CPAについては河合拓さんのブログで解説されているのでご紹介する。

https://ameblo.jp/takukawai/entry-12340008298.html



CPAという考え方があります。分子は広告宣伝費の総額、分母はその広告によって購買した(新規の)顧客数となります。

CPAというと、一般論しか書かれていない教科書には「広告によって」としか書かれていませんから、ダメコンサルは「SNSだ」とか「インフルエンサーだ」など、適当なことをいっていますが、しかし、そんなものでCPA効率が上がるはずありません。CPAの本来の意味は「顧客をデータベースの中に放り込むこと」です。その目的のためなら別に広告でなくともよいのです。ぜひCPAをググってみてください。どれをみても「広告」としか書かれていません。全くおかしな話です。

 

しかし、本来的な意味合いを追いかければ、「出血大サービス」に見える施策も、実は、ネットビジネスの場合、顧客をストックしているCPAであるという見方も可能です。環境が変わっても本質は変わらないからです。

ネットビジネスは、勝利の方程式がまだまだ一般化されておらず、こうした技を駆使した企業が、気づかない企業に大きな差を付けているのかもしれません。広告公害の中で目立つ方法は、ビジネスそのものをあたかも広告のように使うこと、なのです。

とのことであり、通常のビジネス書籍にはCPAとは広告によってと書いてあるから、多くの日本企業は馬鹿正直に広告によって新規顧客を獲得しようとするが、別に広告でなくても良いのである。
ゾゾスーツの無料配布だろうがモデムの無料配布だろうがなんでも良いので、投資によって新規顧客を獲得できれば良く、ゾゾやYahoo!などのネットビジネス、EC業者にとっては新規顧客(見込みも含む)の個人情報が手に入ればそれで目的は完了する。

別にゾゾやYahoo!に限らず、ネットでは「アンケートに答えてくれたら〇〇ポイントプレゼント」とか「アンケートに答えてくれたら豪華賞品をプレゼント」なんていうのが掃いて捨てるほどあるが、あれは全部CPAの一環で、新規の個人情報が入手できれば良いのである。
アンケートに答える人は自分の個人情報と引き換えに〇〇ポイントをゲットしているだけのことで、たかが1ポイントや5ポイントを獲得するために個人情報を開示しているといえる。

この原理を理解していないヘボコンサルやヘボ業者が、いまだに「SEO対策をー」とか寝言を言っているし、その解決方法として「SNSガー」とか「インフルエンサーがー」と言って人心を惑わせている。

SNSもインフルエンサーも告知する「手段(たかが手段でしかない)」でしかないのに、最近では取り違えてSNSで発信することやインフルエンサーを活用することが「目的」と化している人も多く見受ける。

そして、このCPAを正しく理解できていなかった過去の例を挙げるとすると、ジーンズメイトとモーブッサンだろう。
ジーンズメイトは2009年とか2010年頃に、新店オープンした際に「リーバイスジーンズを先着〇名に無料配布」したことがあった。
3900円に値下がりした商品ではなく、1万円前後の定価品である。

これはCPAを曲解した行為といえ、結果は現在のジーンズメイトを見てもわかるように失敗に終わっている。

まず最大の間違いは、自社製品ではなく、リーバイスという他社製品を配布した点にある。
自社製品を配布するなら、「この商品が欲しいからジーンズメイトに次も行こう」ということになるが、「リーバイス」という大手ブランドの商品なのでそれが欲しければ、ジーンズメイトだけに行く必要はなく、ライトオンでもリーバイスストアでもマックハウスでも構わないということになる。
この根本的な問題が当時のジーンズメイトの経営者にはまるで見えていなかったといえる。

この当時もそこを指摘したがジーンズ業界村の住人たちはジーンズメイトを弁護していたが、そんなレベルだからジーンズ業界村は衰退したといえる。

高級宝飾ブランドのモーブッサンも銀座店オープンの時に超小粒のダイヤ(記憶によると5000円相当)を配布した。これも2009年とか2010年だったような記憶があり、すさまじい行列ができてワイドショーでも取り上げられていた。

結果的にはこれも失敗だったのではないか。

本来は自店の永続的顧客と成りうる高所得者層を掘り起こしたかったのだと思うが、結果的には大量の貧民層を掘り起こしただけになってしまった。
高所得者層はそもそも無料配布なんていうものには並ばない。

おまけにもらえるのはダイヤの粒だけで、これをアクセサリーにしようとするとどこかで台座(指輪、イヤリング、ピアスなどの)に取り付けてもらわないならない。
もちろんモーブッサンでも取り付けてもらえるが、取り付けには「取り付け料金」が発生し、そしてそれはそんなに安い金額ではない。
モーブッサンの狙いはここにもあったのだろうが、行列を作った貧民層はそこには金を払いたがらない。
だからモーブッサンは二重に失敗している。

どういう投資をすれば、自社の望む新規顧客を獲得できるのかを企業は考える必要があり、意味のない無料配布をしてもそれはCPAにはならない。このことを冷静に考えるべきだろう。
そして、SNSもインフルエンサーも新規顧客を獲得するための「手段」に過ぎず、発信することやインフルエンサーを活用することを「目的」だと勘違いしてはならないということである。勘違いをすればヘボコンサルの食い物にされるだけだ。

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値段を3割下げてもシップスは復活しない
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