国内外の市場にはさまざまなブランドがひしめきあっているが、迷走していると感じるのがGAPである。
廉価版のオールドネイビーがすでに日本から撤退したが、GAP本体もけっして好調とはいえなさそうで、一説には客数が半減しているともいわれる。

バナナリパブリックも日本では店舗数を減らすと発表があった。

米国本国でもGAPは苦戦しているといわれるが、廉価版のオールドネイビーは好調なのだそうだ。
日本では「衣料品のデフレがー」といわれるが、低価格品が好まれるのは日本だけでなく、米国でも同じで、GAPは不振だがオールドネイビーは好調、アバクロは不振だがホリスターは好調といわれ、米国でも低価格ブランドが好まれることがわかる。

人間だれだって似たような商品なら安い方で買いたい。
それだけのことで、日本人が格段に安物好きで欧米人が金払いが良いわけではない。

日本国内のGAPもそろそろ危険水位に達しつつあるようで、先日、GAPの代名詞ともいうべき「大幅値下げ」をやめるという新方針記事が掲載された。

大規模セール「回数を減らす」 ギャップジャパン社長
https://www.asahi.com/articles/ASL1D5SFWL1DULFA01V.html



米カジュアル衣料大手ギャップの日本法人ギャップジャパンは12日、主力ブランド「GAP」の価格戦略の見直しを進めていることを明らかにした。大幅に値下げするセールの回数を減らし、定価に近い価格での販売を増やす。スティーブン・セア社長がインタビューで答えた。

とのことであり、具体的には

16年11月にギャップジャパン社長に就任したセア氏は「低価格による販売促進に頼り、商品の魅力を伝えていなかった」として、夏冬の定期セールを除き値下げの回数削減を進めていることを明らかにした。その代わり会員向けサービスを充実。これまでの常時5%割引に加え、昨年4月から月初の1週間を1割引きにするなど、顧客のつなぎとめを図っている。

ということだが、この試みは恐らく失敗に終わるだろう。
99%成功しないと思う。

まず、オールドネイビーとGAPは日本国内では住み分けができていなかった。
バナリパはテイストが違うので存在理由がある。
しかし、オールドネイビーとGAPはブランドのテイストがアメカジで同じなのである。
バナリパはもっとトラッド寄り・ビジカジ寄りだ。

本来なら、オールドネイビーはテイストが同じGAPの廉価版として日本市場でも効力を発揮するはずだった。
あくまでも本来なら。

しかし、日本におけるGAPとは定価設定は高めだが実質的な販売価格はユニクロと同等かそれ未満の超安売りブランドなのである。
実際に当方も相当GAPの投げ売り品を買った。

580円に値下げされた裏毛スエットパーカとか300円~600円に値下げされたウールニットのマフラーだとか、1600円に値下げされたデニムシャツだとか2900円に値下げされたコーンデニムのジーンズだとか枚挙にいとまがない。

ここまで投げ売られているのに、それの廉価版ブランドなんて必要だろうか?

しかもテイストはほとんど同じである。
もちろん異なるデザインの商品もあるが、全体的な見え方としては同じテイストであり、下手をするとオールドネイビーの方がGAPの投げ売り品より高いのである。だからオールドネイビーは売れなかった。売れなくて当たり前であり、この状況で「売れる」と考えていた方がおかしい。

国内市場ではGAPの投げ売り品があればオールドネイビーは不要だった。

ちょうどユニクロの廉価版に過ぎなかったころのジーユーがまったく売れなかったのと同じだといえる。
ユニクロと似たような商品ならユニクロの投げ売り品を買えば良いのである。
ユニクロだってTシャツ500円とかセーター990円にまで値下げされる。しかも使用素材や縫製はジーユーより格段に上だ。
だったらチープな作りのジーユー商品を定価で買うよりも、高品質なユニクロの投げ売り品を買った方が良いに決まっている。

GAPが日本に上陸して20年くらいになるが、一貫してGAPは高めの定価設定を見せながら、ユニクロを時に下回るほどの投げ売りを行い続けてきた。
今更、大幅値下げをやめたところで20年間の蓄積されたイメージは容易に覆らない。
イメージを覆すには、同じく20年間とはいわないまでも相当長い時間が必要になる。果たして目先の利益追求が激しいアメリカ企業が根気よく、長期間にわたる取り組みを続けられるだろうか。
極めて疑問である。

それにこのジャパン社の社長の施策はGAPの根本的な問題を直視していない。
GAPの問題は大幅な投げ売りにもあるが、それ以上に日本市場において定価設定が高すぎるのである。
だから定価では売れない。

もちろん、ビジネスの基本はいかに高値で売るかということだから、売れる手法を持っているならいくらでも高値に設定すれば良いのである。
しかし、その手法を持っていない、少なくともこの20年間一度も効果的に発揮できていないのであれば、高すぎる定価設定を見直すべきだろう。

消費者にとっては高値で買う魅力がない商品なのだから、値引きをせずに売ろうとするなら、定価設定を下げるのがもっとも賢明である。

今までの売り方・売り場づくり・商品作りを継続したままで、大幅値下げをやめるとどうなるだろうか。
おそらく在庫過多になり、さらに収益性は悪化するだろう。

売り方・売り場づくり・商品作りを変えないままで、いくら価格政策をいじったところで意味はない。
そんなものは、値段を3割下げたら売れると思っているシップスジェットブルーと同じ愚策にすぎない。

さらにいえば、定価設定が高すぎるままで常時5%オフとか月初の1週間を1割引きにしたところで焼け石に水だ。
12000円の商品が、10800円になったからといってどれほど多くの人が「お買い得だ」なんて思うだろう。

今回の施策によってGAPはさらに在庫過多となり、混迷を極めることになるのではないか。

苦闘する米ファッションブランド、9社は「瀕死」の状況か
https://forbesjapan.com/articles/detail/19365

この記事でも触れられているように米国本国ではGAPは瀕死9ブランドのうちの1つに挙げられている。
それほどにGAPは日米ともに危険水域に達しつつあり、日本では今回の価格政策は失敗してしまい、ジャパン社の終わりの始まりになるのではないかと見ている。
GOOD LUCK!(キュウレンジャー風に)

NOTEを更新~♪
値段を3割下げてもシップスは復活しない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n529899609bdc

あと、インスタグラムもやってま~す♪
https://www.instagram.com/minamimitsuhiro

昨年9月下旬にブログの仕様を変えて、更新通知が届かなくなった方がおられると思いますので、お手数ですが、新たにRSS登録をお願いします