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南充浩 オフィシャルブログ

寂れゆく南船場・堀江地区

2011年7月27日 未分類 0

 ローカルな話題で申し訳ないが、大阪市中心部でもっとも勢いがないのが、南船場4丁目と南北堀江地区だろう。10年くらい前までは、小型・中型の路面店が集積した話題のスポットだったが、凋落するのはあっという間だった。今では、撤退したまま空家となった店舗が数多く点在する。

南船場4丁目が注目を集め始めたのは90年代半ば、堀江は90年代後半だった。
それまでの南船場4丁目はオフィス街である本町と商店街のある心斎橋の間に横たわる微妙な空間だった。
北堀江は元々材木商が集まった地域だったが、再開発当時は住宅街。南堀江は家具店と仏壇屋の街だった。

南船場・堀江が人気スポットだったころ、それまでのメイン商店街だった心斎橋筋商店街は苦境に立たされていた。これが2000年代半ばから立場が逆転し始めた。
阿倍野と梅田に大型商業施設が今春完成したことにより、心斎橋筋商店街もやや苦戦しているとはいえ、南船場・堀江に比べると人通りはまだまだ多い。

さて、つい先日、リーバイスストア南船場店が撤退した。
今週の火曜日には店舗内から什器などの撤去作業が行われていた。
あまりお客が入っている姿を見かけたことがなかったので、撤退は当然の措置だろう。
もちろん、「リーバイス」というブランドの商品展開のアンバランスさ(ジーンズを中心としたボトムスが多すぎ、トップス類のバリエーションが少なすぎる)や、ジーンズ低迷などの要素もあっただろうが、やはり南船場という立地も悪かったのではないだろうか。

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(撤退作業中のリーバイスストア)

以前、書いたことがあるが、昨年10月に知人が個人経営の小型店を南船場に出店した。
彼によると「出店後半年で、近隣の店舗が8店舗撤退した」という。
それほど南船場は集客の出来ない地域になったといえる。これは堀江地区も同様で、メインストリートの立花通りにも数店舗の空き店舗がある。

以前、南船場・堀江でアトリエ兼ショップ用の物件を探したことがある某デザイナーによると
「南船場・堀江が人気スポットとなってから地価や家賃が急上昇した。その後、人気が凋落した今も家賃は高止まりしたままだ」という。
集客が難しい地区であるにも関わらず、家賃が高止まりしたままなので、空き店舗が埋まらない。
空き店舗が埋まらないので、その地区はさらに寂れた印象を与えるという悪循環スパイラルに陥っている。

これを解決するには、地主が家賃を下げることがもっとも効果的である。
おそらく、人間心理として一度上げてしまった価格をなかなか下げる決断ができないのだろうと推測するが、借り手が見つからないなら意味がない。

ただ、洋服の価格と同じで「むやみに下げれば良いというものではない」とも思う。
地主が家賃を下げたくないのであれば、家賃が高くても借り手が集まるような工夫が必要であろう。
そのためには、地主たちがコストをかけて地区集客キャンペーンを行うことが望ましいのではないか。平凡な例えではあるが地区を挙げて「○○祭り」を定期的に開催するような取り組みでも良いのではないか。

今のまま無策状態が続くなら、撤退店舗がまだまだ増え、地区がさらに寂れることは火を見るより明らかだ。

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