南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2017年08月

ゾゾタウンと百貨店の比較はまったく意味がない。百貨店が「小売りの王様」なんて化石の認識

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 おそらく、ゾゾタウンの株式時価総額が1兆円を越えたことも影響しているのだと思うが、ニュースピックスでも三越伊勢丹の凋落と比較したシリーズ特集が組まれている。

「ゾゾタウンは次世代百貨店」
「ゾゾタウンが百貨店の『王座』奪った日」

などのタイトルの記事がたしか8回に分けて掲載されていた。

もちろんゾゾタウンの好調は特集すべきだが、百貨店との比較はピントがズレているし、それを総力特集してしまう認識もどうかと思う。

まず、驚くのはいまだに百貨店を「小売りの王様」だと思っている人が多いことである。
何をもって彼らは「王様」を選んでいるのか判断基準はわからない。
ステイタス性ならそれなりに今でも残っているから、まあ「王様」と言えなくもない。
中元や歳暮、贈答品を送るときにやっぱりバラの模様の包装紙は効果がある。東京だったらあのタータンチェック柄の包装紙だろうか。
その包装紙のステイタス性はいまだにある。同じアサヒスーパードライの詰め合わせをもらうにしたって、そういう包装紙でもらった方が良いと感じる人は多い。イオンやセブンの包装紙にはそこまでのステイタス性はない。

売り上げ規模でいえば、百貨店の王座なんてとっくの昔に陥落している。

例えば、日本チェーンストア協会によると、スーパーの売上高は2006年に14兆円にも達している。
百貨店が20年前に9兆円弱あった売上高を毎年減らし続けてきているので、2006年当時はすでにスーパーの売上高の足元にも及ばなかったことになる。

すでに売り上げ規模でいえば、2005年あたりに百貨店の王座なんてスーパーに奪われているといえる。

2016年の百貨店の売上高は5兆9780億円しかないが、ドラッグストアチェーン店は6兆4900億円もあり、ドラッグストアの方が百貨店よりも売り上げ規模がはるかに大きくなっており、百貨店が「王様」なんていう認識は化石時代の遺物かと思ってしまう。

そういう観点での議論は無益でしかない。

また、ゾゾタウンを百貨店と比較するのもナンセンスだ。

百貨店の主要な販売物としてはファッション衣料はあるものの、それ以外に食料品もある。
現に食品強化をした百貨店はそれなりに善戦している。地上1階を食品売り場にした大丸東京店がそれを証明している。

他方、ゾゾタウンはどうだろうか。売り物はファッション衣料・用品しかない。
食料品はない。

また百貨店がステイタス性を保ち、富裕層を顧客化できている理由の一つに「外商」がある。
いわゆる富裕層と直接、個別に商品を販売するやり方で、詳細はあまり明かされていない。
一般的に高島屋や松坂屋、三越のような老舗は外商が強いとされていて、新参百貨店やファッション特化した百貨店はあまり外商は強くないとされている。

ゾゾタウンに外商なんていうシステムはない。
ツケ払いはあっても外商はない。

ゾゾタウンが扱っているのは徹頭徹尾衣料品とファッション用品のみである。

となると、ゾゾタウンは百貨店ではなくファッションビルだといえる。

ゾゾタウンの形式も、いわゆるネットの仮想商業施設に各ブランドをテナント出店させ、そこでの売上高の何%かをゾゾタウンへ納めるというもので、これはファッションビルの形式と原則的には同じだ。だからゾゾタウンは「取扱高」という表現で、テナント各店の売上高総額を発表している。
取扱高のうちの何%かがゾゾタウンの収益となるから、純粋なゾゾとしての「売上高」ではない。

さらに、ゾゾタウンの看板の一つにユナイテッドアローズやナノユニバースなどの人気セレクトショップの入店がある。ゾゾタウンが一気に成功した理由の一つにはこういう人気セレクトショップが先駆けて入店したことがある。
しかし、百貨店には例外を除いてセレクトショップは出店しない。

三越・栄店にはセレクトショップは一切出店していない。しかし、三越が運営するファッションビルの「ラシック」にはセレクトショップがひしめいている。
となると、ゾゾタウンは百貨店ではなくファッションビルだ。


一方、ゾゾタウンにはタカキューやジーンズメイトといったベタな低価格チェーン店も出店している。
どこの百貨店にタカキューやジーンズメイトが出店しているのか?
ファッションビルならこういうベタな低価格店も出店できるが、百貨店には出店できない。

この方向から見てもゾゾタウンが百貨店ではなくファッションビルであることがわかる。

だからゾゾタウンを比較すべきは百貨店ではなく、ルミネやアトレ、パルコ、ルクアなどのファッションビルであるべきで、基準が違うものを比較してあーだこーだ言っても何の意味もない。

そして、この手の記事に共通するのが、Jフロントリテイリングのギンザシックスの賞賛である。

一部を除いたラグジュアリーブランドを集めたという狙いは面白いが、実際に賞賛されるほどの売上高があるのかというとそれは疑問だ。
すでに小島健輔さんもブログで、売上高が芳しくないことを指摘しておられる。
オープン後わずか3か月強でその状態なのだから、旧JR大阪三越伊勢丹と同じ推移だといえる。

そして、ギンザシックスとは百貨店形態ではなく、ブランドをテナント入店させるファッションビル形式であり、百貨店が不動産業・デベロッパー業へと大きく舵を切った事例になる。

現状の既存社員・既存役員だけで従来の百貨店事業を立て直せるような状況では、もはや、なくなっているから、良くも悪くも効率しか見ていないジェイフロントがデベロッパー業へと転身するのは、それなりに評価はできるが、全百貨店の再生モデルがあれだというのはおかしいのではないか。
現にギンザシックスもオープン3か月後くらいで失速しているではないか。

なら、全百貨店が全部ルミネとかアトレとかパルコになれば事態は解決するのか。

これらの議論が大手を振ってまかり通り、それをまたアホな経営陣が真に受けるから、さらなる悲劇が生まれるのである。百貨店に限らずアパレルでも。

ニュースピックス編集部に限らず、メディアも評論家も一般大衆も、ファッションといえば百貨店とユニクロとゾゾタウンしか見ていない。
そして、まるで立脚点が違うその3つを比較して語り合っているにすぎない。
これが酒飲み話ならそれはそれで楽しいが、大真面目にやる議論ではない。

個人的には百貨店に対しての共感も同情も利害関係もまるでないが、この手の「酒飲み話」に振り回されることなく、再建したければ工夫を凝らしてもらいたいと思う。


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「安い」ということさえ消費者に伝えられていないアパレルブランド

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 お盆休み中は久しぶりに梅田のヨドバシカメラに行った。

最近、衣料品はあべのキューズモールでほとんど買っているし、備品やガンプラはネットで買うことが増えたので、本当にわざわざ梅田のヨドバシカメラに行くことがなくなった。

7階の「ビューティフルライフ コムサイズム」へ行くと、「閉店セール」の貼り紙があり、ほとんどの商品が投げ売りされていた。

この「閉店」が改装などの「一時的閉店」なのか、それとも「完全閉店」なのか貼り紙だけではわからないが、もし仮に、「完全閉店」なのだとしたらなかなか感慨深い物がある。

ヨドバシカメラ梅田店のオープン時には、ビルの半分がコムサだったからだ。
オープン10年後にその半分はなくなり、7階の一画に残るのみとなったが、それすらなくなるのだとすると、完全にオープン時の体制とは別離することになる。

世の中は常に変転する。


毎年この時期は、夏のセール品が各店で投げ売りされる段階に入っているので、当方はこの時期に夏服を買うことが多かった。

とくにコムサは70%オフとか700円とかにまで投げ売りされるから5枚くらいまとめて買うこともあった。

しかし、今年の夏は、もう腐るほど持っている洋服を買い足す気はさらさらなく、どうしてもガンプラやらほかの備品・雑貨類に興味が集中した。

で、何とはなしに、7階をグルリと回ったのだが、コムサのセール品はまだまだ豊富に残っていたから、欲しい人は行ってまとめ買いすると良いのではないかと思う。

ヨドバシカメラ梅田店の7階には両端に分かれているが、ユニクロとコムサが入店している。

この日のこのタイミングだけのことかもしれないが、入店客数には明確な差があった。
ユニクロはにぎわっていたが、コムサはそこまでではなかった。
今の運営企業の状況を明示しているようで興味深い光景だった。


並んでいる商品の「見え方」もいつの間にかユニクロとコムサでさほど大差がなくなっている。


例えば、この紫のチェック柄のボタンダウンシャツ。
違いを挙げれば、ユニクロはチェック柄が細かく、紫が赤みがかっていて、コムサはチェック柄がやや大きく、紫は青みが強い。
「見た目」の違いはここくらいで、付け加えるなら、コムサは、ボタンの縫い糸の色が違うということもある。

IMG_3296

(ユニクロの商品)




IMG_3297

(コムサの商品)



神は細部に宿るという言葉もあるくらい、衣料品に細部は重要だ。
またメンズアイテムは細部の違いによって成り立っている要素も強い。

しかし、だ。個人的にはこれくらいの違いなら、50歳手前のオッサンにとっては「どうでも良い」ように感じられる。

もし、当方がどちらかを買えと言われたら、迷わず値段の安い方を買う。ブランド名は関係ない。

昨今のアパレル不振の原因の一つに、低価格ブランドとアパレルブランドの商品の見た目がほとんど変わらなくなったことが挙げられるが、この2つの商品はそれを象徴しているといえる。

では、どちらの商品が安いだろうか?

ユニクロは定価2990円の1000円引きで1990円に値下がりしている。
コムサは定価5500円だが、70%オフなので1650円になっている。

コムサの方が340円も安い。

もし、当方がどちらかを買うなら、コムサのシャツを買う。

一般的にはユニクロには「安い」というイメージがあるが、実際はそうでもない場合もある。
例えばコムサのセール品の方が安かったりする。

しかし、売れ行きや入店客数はまったく違う。ユニクロと圧倒的に差がある。
ユニクロではまとめ買いが見られるが、コムサも含めた通常のアパレルブランドでは投げ売りセールでもそれほどのまとめ買いは見られない。

それはなぜか?
コムサも含めた通常のアパレルブランドが「安い」ということを消費者に伝えられていないからだ。
消費者は「安い」ということを認識していないし、アパレルブランドは消費者に「安いという価値」を伝達できていない。

自社のブランドの価値を消費者に伝える必要がある。
ブランドの価値はさまざまで、「安い」ということも価値の一つである。
じゃあ、その「安さ」を伝えなければ、そのブランドは消費者にとって何の価値もないブランドということになってしまう。お分かりだろうか?

世の中に商品は山ほどあるし、服はタンス在庫に腐るほどある。
にも拘わらず、自社を選んでもらって買ってもらうには、理由付けが必要になる。

しかも、一昔前と異なり、低価格ブランドの洋服も見た目は「それなり」に良くなっている。

もう、見た目やブランドネームの違いだけで買ってくれる要素はほぼない。

じゃあ、価値を伝えなくては誰も買ってくれない。投げ売りセールで安いならその「安い」という価値を強烈にアピールする必要がある。

投げ売りセールにも拘わらず入店客数がそれほどでもないコムサには、「安さ」すら消費者に伝えきれていないアパレルブランドの悲哀を感じるほかない。



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ネットで買って大失敗した商品

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 多くの会社がお盆休みなので、今回はお気楽に。

ネット通販をあまり利用しなかった当方もやっぱり、月に1度はネットで買うようになった。
ガンダムのプラモデルについては、ネットで買っても「失敗した」と思うことはないが、服や靴などの身に着ける物はやっぱり「失敗した」と思う物がある。

今回は、ネットで買って「最大に失敗した」と思っている商品を紹介したい。

昨年の6月ごろ、その年の春に話題になったスペルガの防水スニーカーを買った。
いつものように1円でも安く買うためにさまざまなウェブサイトを調べたことは言うまでもない。

買った値段は6500円ほど。

これが当時ではスペルがの防水スニーカーの最安値だった。

IMG_1453



サイズは、スペルガの同じデザインのキャンバススニーカーを持っているので確認済みだ。
27・5センチである。

この防水スニーカーの理屈は、アッパーがすべてEVAで一体成型されている。
そのため、防水性があるというわけだ。

購入してから数日で到着した。

試し履きしてみるとキャンバススニーカーとサイズ感は同じだった。

ここまでは良かった。
当方の思い描いたとおりに展開していた。

到着後すぐに雨が降った。梅雨時だった。

ちょうどその日に遠方に取材に行く予定があったので、これを履いた。

出かけて30分後くらいにすでに後悔し始めていた。
足が痛くてたまらないのである。

まず、どこが痛いかというと、足幅がきつく感じられる。
キャンバスや合皮、レザーの靴も痛いことがあるが、それでも何度も履いているうちに伸びる。
ほとんどの方がその「伸び」を実感していないのではないかと思うが、この靴を履いてみると、相当にそれらの素材は伸びていることがわかる。

EVAは逆にほとんど伸びない。

またかかとの部分も痛くなってきた。
かかと部分の「ヘリ」がアキレス腱の下あたりの皮膚を容赦なく削っているのである。

これもキャンバスや合皮、レザーならある程度使いこんでくると素材が柔らかくなって皮膚を削ることがなくなるが、EVAは容易く劣化しない。

左右から締め付けられ、かかと部分の皮膚は擦り剝け、さんざんな目にあった。

あと、このEVAは独特の成分があるのか、何か変な甘ったるい薬品のようなニオイがする。
1年以上経過した今でもニオイを発しており、この靴を入れている下駄箱にはニオイが充満している。

その後、何度か履いてみたがやっぱりEVAはなかなか劣化しないから、いつも同じ結果に終わってしまった。
そしてこの半年くらいは履かないまま収納している。

これがネットで買った「最大の失敗」商品である。
6500円もしたのでためらっているが、捨ててしまおうかと考えている。
もしくはかかと部分を何かで切り取ってスリッパとして活用するか。

実店舗で試着していてももしかしたら、試着しただけではこの欠点に気が付かなかったかもしれない。

それでも事前に欠点を発見できた可能性も数%くらいはあったのではないかとも思う。

ネット通販は安くて便利であることは十二分に理解できたが、やっぱりこういう身に着けてみてから違和感を感じることは避けられない。

身に着ける商品を買う際には、細心の注意が必要だと改めて思った。


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「今の若者の服装には個性がなくなった」という主張は本当か?

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 以前に書いたものと重複する部分があるが、20年前、25年前の若者は本当に「個性的」だったのかという疑問がある。

これに対比されるのが、「今の若者の服装は個性的ではなくなっている」という議論なのだが、それはどこかピントがズレていると個人的には感じられてならない。

我が国で、欧米では見られないような「奇抜な」着こなしが生まれたのは事実である。
その理由はさまざまあるだろうが、1つには、我が国には洋服の基本的な文化が定着していなかったということもある。

例えば、シャツの襟の違い、TPOに合わせた色使い、革靴の種類、などなどである。
そういうお約束がまるごと抜け落ちていたから、欧米では考えられないような奇抜なコーディネイトが生み出された。

近年、奇抜さ度合いが低下しているとするなら、それは、我が国に洋服文化の基本が定着し始め、欧米化しつつあるからではないのだろうか。

次に人口の問題もあるのではないかと思う。

http://shouwashi.com/transition-numberofbirths.html

20年前に20歳だった人たちは77年生まれである。
77年生まれの人は175万人いる。

一方、今、20歳の人たちは97年生まれで、119万人いる。
119万人「しか」といえばいいのか、119万人「も」といえばいいのかわからない。

しかし、55万人も人口が少ない。

71年、72年、73年、74年生まれはそれぞれ200万人を越える。これが団塊ジュニアと呼ばれる世代だ。当方は70年生まれだが、193万人もいる。

一方、89年以降、出生数は120万人前後が続いている。

http://nenji-toukei.com/n/kiji/10011/%E5%87%BA%E7%94%9F%E6%95%B0

97年と77年の比較だと55万人差しかないが、これを前後数年間の合計で比べてみるとどうだろうか、ざっと200万人近く人口が異なる。

単純に75~78年生まれの人口を合計すると700万人弱となる。
一方、95~98年生まれの人口を合計すると480万人前後となる。

これだけで220万人の差がある。

さらにその周辺年代の人口を合わせて比較してみるともっと人数差は広がるだろう。

となると、仮に300万人の差があったとしたら、どうだろうか。

奇抜な服装を好む「変な奴」が存在する割合が今も昔も一定だったとして、実数は大きく異なるだろう。

仮に「変な奴」の比率が1%だったとすると、75~78年生まれには7万人いることになる。
一方で95~98年生まれには4・8万人しかいないことになる。

2万人以上の差がある。
一口に2万人というと大したことがないように思えるが、ターゲットが2万人もいれば、立派に一つの市場が形成できる。

変な服装をした奴が2万人も多いと、如実に増えたと感じられる。

周辺年代を合わせるとその差はもっと増えるだろう。

となると、「変な服装」の人は今でもそれなりにいるが、絶対数が減っているので昔ほど「多い」とは感じられなくなっているのではないか。


今度は逆に、今はファッションで「ビッグトレンドが生まれにくい」と言われている。
たしかにこの10年間で大流行した商品はそれほど多くない。

一方、90年代はファッションの「ビッグトレンド」が大連発されていた。
バブルが崩壊して不景気感が増しても大ヒットアイテムが存在した。

バーバリーブルーレーベルのミニスカートだとか、ナイキエアマックス95だとか、ヴィンテージジーンズだとか、そういう大ヒットアイテムが毎年生まれていた。

これに関しては、日本人が成熟化して、それぞれ異なるファッションテイストに多様化したことも大きな理由だと考えられている。
アメカジが好きな人、ナチュラル系が好きな人、スポーツ系が好きな人、トラッド好きな人、それぞれが存在している。

90年代は大ヒットトレンドにファッションが集中していた。

こうして考えると、90年代の若者の方がトレンドに流されやすく無個性・没個性だといえる。
逆にそれぞれの好きなスタイルを堅持する今の若者の方が、トレンドに流されにくく個性があるともいえる。

それにしても「今の若者は個性がなくなった」と嘆くファッション業界人は、もう何年間同じことを言っているのだろうか。

いくら嘆こうと消費者の嗜好は簡単には変わらないのだから、自分たちの服を売りたければ、ある程度消費者の嗜好にアジャストする必要がある。
それができないならビジネスシーンから退場させられるのみである。


以前と消費の傾向が異なってきたのが、去年や一昨年からなら「ただ嘆いている」ことも理解できるが、もう5年前、10年前から同じような傾向になっている。
そろそろ適合させられなくては、到底ビジネスとは言えない。

ただ、嘆いてばかりいて、それによって自分たちの洋服を売りたいというなら、それは単なる「被害者ビジネス」ではないのか。

その手の人の最近の主張は、単なる被害者ビジネスに見えて仕方がない。


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「名刺代わりのホームページ」さえ持っていない工場は存在しないのも同然

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 繊維・衣料品に関する製造加工業はいまだにウェブを軽視している人が珍しくない。
もちろんウェブ万能ではないことは言うまでもないが、ウェブ無知ではどうしようもないのが現状なのだがそのことを理解していない人が多い。

社長自らがブログを書くとか、SNSで発信するとかよりもその前段階として「名刺代わりのホームページ」すら持っていない企業・工場は世間が想像するよりもずっと多い。

今の世の中、調べようと思えば最初に「ウェブで検索」する。
「名刺代わりのホームページ」すら持っていなければ、その検索に引っかかることさえない。
つまるところ、仕事の問い合わせが来る可能性はゼロ%である。

「名刺代わりのホームページ」さえ持っていれば、まだ新規の仕事の問い合わせが来る可能性は高まる。ゼロ%ではない。

自らが自らを窮地に追い込んでいながら、仕事がないと嘆いている業者・工場のなんと多いことか。
挙句の果てに「業界構造がおかしい」とか「みんながモノづくりをわかっていない」とか「ファッションが変わった」とか愚痴をこぼすが、それって「名刺代わりのホームページ」さえあれば、何%かは解決できたはずである。

こちらから言えば、完全なる自業自得であり、おかしいのは「名刺代わりのホームページ」さえ持とうとしないそちらの時代遅れの認識である。

先日も、モノづくり系のコンサルタント?プロデューサー?から、「いろいろな工場の強い技術を合わせて商品開発をしてウェブで販売したい」という相談を受けたが、それは大賛成なので、ぜひともやってみればよいのである。

ただし、自社のホームページさえ3年近く更新していない人が、ウェブでどれほど売れるのかはなはだ疑問でしかないが。(笑)

断っておくと、このコンサルタント?は製造にはそれなりに長けておられる。また工場との商品開発も悪くはない。その部分では大いに評価できるが、問題はウェブに対する認識が甘すぎるところである。

モノづくりに長けている人は、思考方法までが「産地のオッサン」化してしまうのだろうか。

おそらく、商品開発はそれなりに成功すると思うが、ウェブでの販売は大失敗するだろう。
ホームページすら持たない者同士の連携して、自分たちが主導するのだから、結果は目に見えている。

ウェブやウェブ販売に強い業者と組むなら成功の可能性は高まるが、それを介さない現在の構想のままで動けば、失敗に終わる可能性は極めて高い。個人的には99%失敗すると見ている。

それはさておき。

日経トレンディの記事で、新興の「Knot(ノット)」という手ごろな腕時計ブランドが掲載されていた。

手ごろな国産腕時計「ノット」、意外な誕生の秘密
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1033760/073100012/

当方は3年前まで腕時計をしていなかった。
今でも仕事以外ではあまり腕時計をはめない。

腕時計は嫌いだし、めんどくさい。
あと、夏は手首が蒸れて汗をかく。

それでもあれば便利だし、仕事上スマホを取り出して自国確認できない場合もあるので、それに備えて3年前にホームセンターダイキで腕時計を買った。3000円くらいである。

腕時計がめんどくさいのは、電池交換という部分にもある。
ダイキには、セイコーQ&Qというラインがあり、ここには太陽発電腕時計があった。

電池交換不要である。
しかも10気圧防水なので、これを買った。

しかし、3年も使えば飽きてくる。
先日、Amazonでためしに太陽光発電腕時計を調べてみた。

セイコーのQ&Q
カシオ
シチズンのアルバ

という3国内メーカーの商品を見つけた。
一応検索の縛りは、太陽光で1万円以内という条件を自分で設けた。

だいたい2500~10000円くらいまでの価格帯の商品が3メーカーともある。
もちろん、もっと高い5万円、10万円、20万円以上という商品もセイコー、カシオ、シチズンともにある。

その検索で見つけたのがこのKnotというブランドだった。
ほんの3週間ほど前のことである。

価格は1万8000円くらいだ。

それがたまたま記事に掲載されていたので、何とも運命を感じてしまう。

この記事を読むと、時計の国内製造業も繊維製品と同じだということがわかる。

かつて何十社もあった製造業がいまでは1社になっていて、それも大手の丸抱えだから製造を断られたとある。
いろいろと探して廃業寸前の工場を見つけて作ってもらうことに成功したそうだ。

繊維製造業は1社とはいわないが、数が年々減っていることは同じだ。

工場を探すのにひどく苦労したというが、その理由は

ところがそういうところはウェブサイトすら持ってないわけですよ。電話帳にも載ってない。そこで弊社の役員で某大手時計メーカーの開発責任者だった人間の昔のつてをたどったりしていろいろな工場にご連絡をしたんですが、やはりほとんどの工場は時計の生産をやめていました。


とのことであり、ここも繊維製品とまったく同じである。

ウェブサイトすら持っていない。

これは現在のビジネス環境において致命的な失策だ。
ちなみに「ホームページ」という名称はひどく幼稚なので、正しくはウェブサイトと呼ぶ。
永江一石さんではないが、「ホームページ」なんて呼び方をしているウェブ業者は信用するに足りない。
レベルの低い相手にわかりやすく説明するために「ホームページ」を方便として使うことはあっても、「ホームページ」という呼称に何の疑問も持っていない業者はド素人と変わらないといえる。

それにしても分野は違えど、製造加工業というのは押しなべて考え方は似てしまうものなのだろうか。

廃業することが決定している場合は別として、まだまだ工場経営を続けたい、息子や孫に経営を譲りたい、と考えている工場経営者がいるなら、今すぐ「名刺代わりのホームページ」くらいは作るべきである。

良い物を作っていたらどこかから評判を聞きつけて有名な人が注文してきてくれる、なんていう情景は漫画かドラマか池井戸潤の小説の中だけにしか存在していない。


あと、繰り返すが、今現在ウェブをやっていない業者が、いきなりウェブ通販をやってもそれはほとんど失敗するだろう。いまだにウェブを簡単に考えている「モノづくり脳」が多すぎることも、国内の製造加工業者が衰退する理由の一つだろう。

そしてそれは自業自得でしかない。



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