南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2016年12月

今年買った物の中から選ぶ「ワシのコスパオブザイヤー2016」

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 早いものでもうすぐ2016年も終わる。
まさに光陰矢の如しで、死ぬまであっという間に過ぎるだろう。
生きていることは苦しいことの方が多いから、とっとと人生が終わる方が苦痛も少なくて良いのだろうとも思う。

長生きしたいとか永遠に生きたいとか言ってる奴らはよほどにリア充なのだろう。

今年の更新はこれが最後なので、今日はお気楽に、2016年に買った物の中から選んだ「コスパオブザイヤー商品」を紹介してみたい。

【ガンプラ編】
あんまり趣味がないし、休みの時に暇な時間があるので、月に1つか2つ、ガンダムのプラモデルを作るようになた。作るといっても、最近のは、色分けがほぼ完璧だから、パチパチとはめるだけである。

子供のころに並んでまで買ったガンプラとは全然違う。格段にかっこよくなっている。

真のマニアなら「値段にいとめはつけない」というところだろうが、こちらは似非マニアだから、できるだけ安く買う方がうれしい。
少なくとも定価では買いたくない。家電量販店なら2割引き、Amazonや価格コムで掘り出し物を探せば40%以上オフがある。
しかし、洋服とは異なり、半額以下とか7割引きとか「8割引きからレジにてさらに2割引き」なんていう投げ売りはない。

一般的に安く買うなら「ネット通販」と思われているが、実店舗でも特定の品番に絞って破格値の値引きをすることがある。

近所のジョーシンで見つけた破格値は、この100分の1「シュヴァルベグレイズ(マクギリス用)」である。
定価3000円(税抜き)が980円(同)にまで値引きされていた。
ここまでの値引きはガンプラでは珍しい。

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右のフレームを組み立ててからその上から装甲を貼り付けると左のようになる。
昔のガンプラと異なり、可動域も実に広くて劇中のポーズがほぼ再現できる。
良い時代になったものだ。

【ファッション編】

洋服に関しては様々ある。
なんだかんだと毎月3枚くらいは買っているから年間で30枚以上は買っていることになる。
どれも値引き品だが。

まず、今年の2月に買ったユニクロの耳当てである。
定価1500円が190円にまで値引きされていた。
買ってからまだ一度も使ったことがないが、本格的な寒波が来たら自転車に乗るときに着用したい。

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それからジーユーでの初買い物となった迷彩柄のキャンバス素材スリッポンシューズである。
これは790円に値下がりしたのを買った。
ジーユーの靴は1000円未満まで下がるので非常にお買い得である。

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昨年はほとんど買わなかったライトオンの値下げ品も今年は久しぶりに買った。
中でもこの防水M65タイプのウィンドブレーカーは良かった。
定価7900円が1900円にまで値下がりしていた。
帝人フロンティアの「ウォーターバリア」という防水素材で作られているが、通気性はない。
来年は、ブロックテックなどの「透湿防水素材」を試してその感想を報告したいと思う。
もちろん定価では買わない。

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それから西友で買った4枚1000円のレナウンのボクサーブリーフ。
とりあえず1枚だけを着用して洗濯を繰り返しているが、なかなか丈夫でへたりにくい。
耐久性・堅牢度ともに抜群であり、かなりコストパフォーマンスに優れいている。

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12月に買ったビッグジョン×ブルースタンダードのウール混ツイードパンツ。
これは6000円が990円に値下がりしていた。
形はノータックの細身ストレートで、Mサイズを選んだ。ストレッチ性がないが、綿100%の厚手ジーンズに比べるとまだ動きやすい。

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それから年末ギリギリで買ってしまったユニクロUのミラノリブVネックセーター。
今秋から始まったユニクロ×ルメールの新しいライン「ユニクロU」だが、その投げ売り度合がすさまじい。
綿100%のジーンズやパンツはすでに990円に値下がりしているし、セーター各種・アウター各種も値引きされている。

その中でたまたま見つけたミラノリブVネックセーターだが、定価4990円が1290円にまで値下がりしており、店舗によってはまだ在庫がある。色とサイズに偏りが出始めているが、欲しい人は買って損はしない。
筆者はネイビーのMサイズを買った。
ウール88%のミラノリブで1290円という値段はすごい。この値引きに勝てるブランドはないと思う。
でも定価なら買っていなかった。

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【食品編】
スーパー万代と西友での値引き品を主に食べて暮らしているが、今回は自販機で見つけたジュースを挙げたい。
これ、ドヤ街ではなく、心斎橋界隈で見つけたものである。
大阪市の中心地でこんな自販機を見つけるとは。
大阪市は各所に100円自販機が多く設置され、自販機で定価でジュースを買う必要がない土地だが、最近は100円以下自販機というのもけっこう設置されるようになり、ますます定価で買う必要がなくなっている。

ドデカミンという栄養系?ドリンクがあるが、これはあまり見かけないバージョンで在庫がダブついていたのだろう。それにしても500ミリリットルで30円というのはすごい。
思わず買って飲んでしまったが、効いたかどうかはよく分からない。格別に体調がよくなったわけでもない。

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【iPhoneアクセサリー編】

iPhoneはプロテクターやら画面保護シートやら充電ケーブルやらモバイルバッテリーやら、付属品が多くて困る。筆者はAppleファンでもジョブズファンでもiPhoneファンでもないから、思い入れは全くない。
できればこういう付属品に金は使いたくない。
しかし、ライトニングケーブルはクソだから定期的に傷むので買い替える必要がある。
保護シートも定期的に買い替える必要がある。
だからできればタダでほしいがそういうわけにはいかないから、できるだけ安い物を選ぶ。

ただ、家電量販店へ行っても劇的に安い商品はあまりない。
充電ケーブルなんて1000円越えがザラだし、画面保護シートも700円とか800円もする。

しかし、ネットで探せば見つかるものである。
巻き取り式の充電ケーブルがヨドバシカメラドットコムで850円(税込み)で売られていた。
しかも送料無料である。
色とか形なんてどうでもいい。充電できればそれで良かろうなのだ!(カーズ風に)

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(ウィルコム WILLCOM ナビックス
NB-USBLN85-BK [巻取式充電通信ケーブル Lightningコネクタ 85cm ブラック] )


また保護シートもYahoo!ショッピングで127円(税込み)で売られているのを見つけた。しかも1ポイント分値引きで126円となった。
これも送料無料だ。

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まあ、ざっと選ぶとこんなところになる。

さて、2017年はどんな投げ売り品に出会うことができるだろうか。
2017年もコスパの良い商品に巡り合えることを願って、今年最後のブログ更新としたい。

皆さま、良いお年を~













ナンガのダウンジャケットが売れた理由を考えてみた

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 こんな記事を見つけたので賛否を書いてみたい。

低価格国産ダウン「ナンガ」が売れまくる理由
3分の1の価格で「水沢ダウン」と真っ向勝負
http://toyokeizai.net/articles/-/151232

ナンガとはナンダ?ってなダジャレを言ってみたくなるが、ナンガとは何か?
業界の人ならほとんどがご存知だと思うが、そうではない人も読んでおられるので、ちょっとだけ解説をすると、ナンガとは滋賀のダウンジャケット工場である。

この記事を評価する点は、ナンガを大々的に取り上げたことである。
業界内では5年以上前から話題になっていたが、大手経済誌がようやく取り上げた。

ナンガが売れた理由は、記事中にもあるが、国産でありながら3万円前後のダウンジャケットを製造している点である。
正確にいうと価格もいくつかのグレードがあり、2万円台後半~5万円くらいまでの商品を展開している。

大手セレクトショップだけでなく、地域チェーン店や卸売り型ブランドなども数多く、このナンガに注文を入れている。
身の回りの感想にすぎないが、中間価格帯の国産ダウンジャケットを製造してくれるところというとこのナンガが真っ先に思い浮かぶ。

この7~8年間でそれほどに業界内では知名度を高めた。

この記事の評価できない点はあたかもデサントの水沢ダウンとの競合であるかのような見出しを付けたこと。
デサントの最高級国産ダウンジャケットブランド「水沢ダウン」は10万円前後の価格で、高スペックな商品をファッション化したものであり、ナンガとは顧客層やターゲット、価格帯が全く違う。

ナンガが名をあげ始めたのは8年ほど前で、その当時、水沢ダウンもメジャーな存在ではなかった。
そもそも競合するターゲットとしてナンガが捕捉する必要性がない。
おそらく東洋経済は同じ「国産ダウン」という切り口のみで対比させたかったのだろうが、スポーツメーカーとして高機能・高スペックを重視するスポーツウェアメーカーのデサントと、羽根布団メーカーから転身したナンガではブランドの成り立ち、開発思想、顧客ターゲット、価格帯がすべて異なる。

極端に言えば、同じメルトンのダッフルコートだからといって、グローバーオールとユニクロの商品を比較して「真っ向勝負」と煽るようなものである。

また水沢ダウンとナンガでは生産数量も異なる。記事ではナンガは年間生産数5万枚とあるが、水沢ダウンは関係者によると、フル操業しても1万枚未満の生産数量しか実現できないという。

こういう煽り方はわかりやすい反面、ミスリードも引き起こす。

記事では2015年秋冬(昨年秋から今年初めにかけてのシーズン)を「売れに売れた」と表現しているが、実際は確実に納品するために受注を絞った。
なぜなら、受注が殺到した一昨年秋冬(2014年秋冬)には生産キャパを越えてしまって納品遅れを多数起こしたため、その反省に立ったからだ。

以前からナンガに生産を依頼していたあるカジュアルブランドの企画担当者は、「うちは以前からの付き合いがあったから注文を受けてもらえたが、キャパオーバーの反省から発注を断られたブランドもけっこうあったと耳にしている」とその当時話していた。

ナンガがセレクトショップや卸売り型ブランドに重宝された理由はなんだろうか。
個人的に思うところを挙げてみる。

1、別注企画やダブルネームに柔軟に対応できる
2、国産なのに値ごろ感がある(激安ではないが、手の届かない範囲でもない)
3、国産ブームの波に乗れた
4、業界人特有の横並び思想が働いた

この4点ではないかと見ている。

その中でも個人的に重要だと思うのが、やっぱり2ではないか。
今でも国内産地ブランドやモノづくり脳の人々は「国産だから最高価格で」みたいな主張をするが、10万円のダウンジャケットなんてなかなか気軽に買えるものではない。

だいたい1着の洋服に10万円をつぎ込める人はよほどの高収入か、極度の服マニアのどちらかで、どちらもその人口は少ない。
そんなニッチな市場に向けて「国産ガー」とか「伝統の技法ガー」とか「本物の良さガー」と叫んでみても、大量に売れるわけもない。
おまけにその価格帯はラグジュアリーブランドとの競合になる。
世界的にステイタスのあるラグジュアリーブランドと、ほとんど知名度のない産地ブランドが競争をして勝てるはずがない。

国内生産で激安品を作ることはできないから、じゃあ、現実的な選択肢としては3万円中心のダウンジャケットということになる。
ユニクロのシームレスダウンジャケットだって1万3000円くらいはするのだから、3万円前後というのはそう高い価格設定ではない。(消費者視点では)

国内ブランドは個人的にはこのナンガの価格戦略を見習うべきだと思っている。

あと、4も重要で、業界人には独特の「横並び思想」がある。
まあ、個人的にはそれは弊害にしか感じられないのだが。(笑)

洋服不況だから余計にその「横並び思想」が強まっており、ますます店頭を画一的にしており、それがさらに洋服不況を強めるという悪循環スパイラルに陥っているが、それを断ち切る勇気と分析力を持ち合わせている業界人はほとんどいない。

「〇〇店で××という商品が売れた」と耳にすると、自店の顧客層やターゲットも無視して、××を仕入れる。
しかし、顧客層やターゲット、価格帯が違うから必ずしも売れるわけではないが、そんなことすら考えずに、とりあえず自店に並べて安心してしまう。

また「大手の〇〇、有名店の〇〇が仕入れた」と聞くと、考えなしに追随して自店も仕入れる。
大手や有名店と競争してもあらゆる点で勝ち目がないにもかかわらず。

究極は他社の売れ筋商品の完全コピーを製造販売することである。

この業界独特の「横並び思想」が発揮されると、特定のブランドは急速に広まることになる。
それはナンガに限ったことではない。デザイナーズブランドでもアウトドアブランドでもスポーツブランドでも同じだ。
一時期、ネコも杓子もニューバランスのスニーカーを店頭に並べていたのはその一例といえる。

しかし、ナンガはうまく業態転換を図り、知名度を向上することに成功した。
どの企業でもできることではないが、個人的にはナンガに続くような国内製造企業が登場してもらいたいと思ってしまう。それは筆者の甘さなのかもしれないが。








サンプル縫製工場レオパールの社長インタビューは一読の価値あり

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 久しぶりに面白く読めて、内容にも激しく賛同できる記事を拝読した。

「この1着が1億円になる!」サンプル縫製一筋30年、クチュールデザイナーから転身
https://www.wwdjapan.com/363297

サンプル専門の縫製工場、レオパールの社長インタビューである。

実は昨年5月に開催した東京テキスタイル・マルシェにレオパールの社員の方が来てくださり、社長は相当に面白い方だと教えてくださったので、どんな方かと興味を持っていたのだが、この記事からは期待以上に面白い方のように感じられた。

サンプル縫製のみで、年商が億に達し、自社ビルまで建てられたのだから大したものである。

このインタビューで印象的だったのが、社長は一度も「物作りガー」とか「本物の良さガー」とか「最近の消費者の感性は劣化している」と語っておられないところである。
これらのキーワードが出てきた時点で、「単なる物作り脳」と判断して、適度に流し読みするのだが、そういう「単なる物作り脳」という人ではなかったようで、相当に説得力がある。


その中で非常に共感したのが、

森田:ファッションは生地や縫製ではなく、紡ぎ出すストーリーにこそ意味がある。ストーリーがないんだから売れないのは当たり前。あと、これは持論だけど、あまりにも服がカジュアルになりすぎている。若年層でハロウィンが盛り上がったり、制服のアイドルに人気が出るのは、その反動じゃないかな。フォーマルな服装の本質って、コスプレだからさ。

という一節である。

生地や縫製というスペックは重要であることは言うまでもないが、筆者も含めて業界の人間はそこに過度にとらわれすぎる傾向がある。
しかし、生地と縫製仕様を過度に重要視し過ぎると、じゃあ、低価格ブランドが同じ生地を使えばそちらの方がお得じゃないかということになる。
消費者もそちらで買う。

ユニクロが超大ロットを生かして、カイハラのデニム生地やカシミヤを使用して、それを低価格で売れば、それがお買い得ということになる。
もちろん、カイハラのデニム生地もカシミヤもピンキリだから高額品とまるっきり同じということにはならないが、少なくとも世間的には同等と見なされやすい。

生地と縫製仕様というスペックを最大限重視して組み立てるとユニクロというブランドになる。

百貨店ブランド・ファッションビルブランドが苦戦している原因はさまざまあり、一言でまとめることは難しいが、社長がインタビューで答えておられるように「ストーリーがないから」ということも一つの原因だといえる。

「ストーリーがない」ということは、生地とか縫製仕様というスペック、もしくは洋服の色柄・形といった「見た目」での勝負ということになる。
だったら、スペックがそこそこ高くて、見た目がそこそこにかっこよくて、値段がそこそこ安い商品というものが一番お買い得ということになる。

だからユニクロや低価格SPA、ファストファッションに負ける。

かといって、嘘のストーリーや何倍にも膨らませたような過剰なストーリーも気味が悪い。
自分でデザインしたわけでもなく、製造したわけでもないのに、滔々と「物作り」について語る自称デザイナーとかパクリエイターはこの業界には掃いて捨てるほどいるが、そういう詐欺師まがいの「ストーリー作り」も逆に業界から消費者を遠ざける結果にしかなっていない。

一方で、国内の職人の弊害についても語っておられ、この部分も共感できる。

森田:日本だと縫製の代金って、本当は何の根拠もないのに、小売価格から逆算して決められているから。本来は手間や時間、技術に応じて決めるべきなんだよ。でも一方で、僕はお金儲けは絶対に必要だと思っているけど、縫製工場や技術者だって請求書一つ自分で送ったことのない人も多い。

僕が1985年に子どもが小学校に入って、お父さんが今で言うフリーターみたいだとかっこ悪いから、個人事業から法人化して株式会社にしたときも、同業者からは職人がなぜ株式会社なんて作るんだって言われたよ。正直言って個人事業のほうがずっと儲かってたけど、いま考えれば法人化して良かった。商社や大手メーカーが口座を作りやすいし、その後、時代に対応できなかった小さな会社は淘汰された。かなり細かく工程分析をした上で工程管理をIT化していたからこそ、今でも生き残っていられる。

請求書一つ自分で送ったことがないなら、それは完全なる下請け業者でしかなく、完全なる下請け業者は常に下請けとしてしか扱われない。
技術者が重視されないのは、自業自得という側面もあるというわけである。

またIT化していないことも製造加工業者、原料業者の自殺行為ともいえる。

某原料関係の会社で、50歳前後の営業マンがおられるそうだが、その若さにも拘わらずEメールも使えないし、WEB検索のやり方すら知らないといわれている。
今時、60代くらいの専業主婦でもインターネットでレストランの予約ができるのに何を言っているのかと思う。

ウェブサイトすら持っていない製造加工場も珍しくない。
何かを調べるときにはまずウェブ検索する時代だから、ウェブサイトを持っていなければ、その検索には永遠に引っかからず、人に知られることもない。

知られていないのは存在しないのも同然なのである。
だから仕事の依頼が来ない。至極当然の結果である。

そんなわけで、レオパールは残るべくして残っていると改めて感じた。






執拗に告知を繰り返しても消費者にはやっと覚えてもらえる程度

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 経営不振の引責で、三陽商会の社長交代が先日発表となった。

ここに至るまで様々なメディアに三陽商会苦戦の原因を報道したが、やたらと厳しすぎるなあと感じられる記事もあったし、マッキントッシュロンドンの不振のみにクローズアップされた記事が多かったと感じている。

オチマーケティングオフィスの生地雅之さんがまとめられている不振の原因が最も的確ではないかと思うので、ここに引用してご紹介したい。

http://www.apalog.com/ochi/archive/385

原因は、唯一ブランド戦略ミス(マーケットの読み違い)です。

1、バーバリーがグローバル戦略を取り、ライセンス契約の喪失が見えていたのにも関わらず、自社ブランドを準備出来ていなかったこと。

2.マッキントッシュフィロソフィーが百貨店のボリュームゾーンで広がっていたにも関わらず、格上のブランド「マッキントッシュロンドン」を仕掛けた事。(下から上では逆)

3.クレストブリッジブルーレーベルやブラックレーベルは、バーバリーのブルーレベルとブラックレーベルの企画力と同じだから、ある程度(80%程度)売れると判断した事。
(バーバリーと無名のクレストブリッジ(のブランド認知度・信頼度の差)

4.前社長の力で、百貨店の80%以上の売場を残せたにも関わらず、ブランド力のない商品で
  売上を確保できなかった事。

単品企画力があっても全体のマーチャンダイジング力不足で、良いものでも売れないのです。作り手・売り手の良いものであり、買い手・使い手の良いものではないからなのです。


とのことである。

この中で個人的にも感じているのが、3である。
これは広報宣伝、告知のミスともいえるのだが、発売元と消費者の認識のズレというのは常に起きる。
発売元とすると、その商品を毎日触っており、ブランド開始まで毎日のように準備しているから、そのブランドについては何から何まで熟知している。(当たり前のことだが)

当然、三陽商会のスタッフも「クレストブリッジ」のことは熟知しており、それがバーバリー社との新しいライセンス契約によるものは、社員にとっては「当たり前」のことになっていただろう。

しかし、世間の一般消費者には「クレストブリッジ=バーバリーとの新契約ブランド」という情報はほとんど認識されていなかった。
報道されなかったわけではない。報道もされていたがその程度では一般消費者の記憶に残るほどではなかったということなのである。

実際に、筆者が講義するファッション専門学校で「クレストブリッジがバーバリーとの契約ブランドだと知っている人」と尋ねると、9割の学生は知らなった。
答えてくれた学生の数を合計すると40人弱くらいになるだろう。

「最近の学生は勉強不足」なんて老害みたいな脊髄反射をするなかれ。
そんな老害レスポンスにはまったく価値がない。

ここで注目しなくてはならないのは、世間一般よりもファッションに比較的に興味のある専門学校生のほとんどが知らなかったという事実である。
専門学校生でのこの程度なら、世間一般の消費者の認知度はもっと低いということになる。

これは明らかに三陽商会の広報宣伝、告知のミスである。

おそらく、スタッフは自分たちにとって「当たり前」のことだから、執拗にしつこく広報宣伝、告知をしなかったのだろうと思う。
筆者が目にした範囲でもそれほど「クレストブリッジ=バーバリーの新契約ブランド」ということは強調されていなかった。

これは、発売元では「当たり前」のことでも、消費者には何一つ伝わっていないという好例である。

これは三陽商会に限らず、筆者も含めてすべての企業やブランドにいえることで、当事者にとっては「当たり前」のことでも、執拗に何度も広報宣伝をしないと消費者には認知されないということである。

そしてそういう事態が、衣料品業界では頻繁に起きている。
だから衣料品不振にもつながっている側面がある。

例えば、全国の生地産地の人たちと話していると、産地の人たちは「自分たちの産地のことは業界全体で知られている」と感じていることがわかる。
しかし、製造加工に携わっていない業界関係者に尋ねると、その産地については「ほとんど知らない」という答えが返ってくることは珍しくない。

もちろん、この場合は業界関係者に対して「不勉強だ」と指摘することは当然だとしても、逆に産地関係者はもっと執拗にしつこく、広報・告知をするべきなのである。
むしろそれくらいでやっと覚えてもらえるくらいなのである。

三陽商会にとっては「クレストブリッジ=バーバリー」の認識だったが、一般消費者にとっては「クレストブリッジ=謎の新ブランド」であり、バーバリーに結び付けて考える余地は皆無だった。
そのため、バーバリーブルーレーベル、ブラックレーベルよりも大きく売れ行きが劣ることになった。

知名度は皆無なのに、価格はバーバリーブルーレーベル、ブラックレーベルと同格なのである。
無名のくせに高いブランドなんて売れるはずもない。

そしてそのブランドの背景やストーリーが語られることも不足していた。
正体不明で価格が高い無名ブランドなんて買いたいと思う消費者なんて存在するはずがない。

クレストブリッジに関しては、三陽商会だけの問題ではなく、発売元と消費者の認知のギャップと、広報告知の在り方を考えるうえでの格好の好材料といえるのではないか。




(ブルーレーベルクレストブリッジ)ニット セーター38
BLUE LABEL CRESTBRIDGE (ブルーレーベルクレストブリッジ)







洋服のデフレはさらに進んでいる?

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 少し前に、繊研プラスにこんな記事が掲載された。

衣料品消費市場 価格上昇で5年連続増加
http://www.senken.co.jp/news/management/clothing-consumption-market-161123/

 繊研新聞社が推定した15年の日本の衣料消費市場の規模は前年比2・6%増加した。各種統計から算出した市場への商品供給量は5・6%減少した。円安の進行などで服の平均価格も上昇した。

とのことだが、多くの方々に価格が上昇した実感はないだろうと思う。
これは2015年の統計なので、2016年の統計が発表されれば、価格は下がることになるのではないだろうかと見ている。

とはいえ、昨年も洋服の価格が上がった実感は乏しかったと思うが、例えばユニクロや無印良品は値上げを敢行した。理由は利益額を増やすためというよりも原材料費の高騰や円安基調によるところが大きいと考えられる。

しかし、一時期の原材料費高騰が落ち着いたため、ユニクロは2016年は再び値下げに転じている。
無印良品は来春からさらに値下げを行うと発表している。

そういうことを考慮すると2016年の平均価格は下落すると考えられるが、実際に店頭を見て歩くと、洋服の価格は極限まで下がっていると感じられる。

ユニクロとクリストフ・ルメールとのコラボライン「ユニクロU」の値下げは凄まじい。
メンズのズボンは990円に値下がりしているし、セーター類は1290円~3990円に値下がりしている。
ウール混のテイラードジャケットは3990円だし、ダウンジャケットは4990円である。

下手をすると通常ラインよりも安いくらいに値下がりしており、ルメールの商品がここまで値下げされていて良いのだろうかと思いながら、もう一段の値下げになったら買おうと狙っている(笑)。

それはさておき。

ジーユーの低価格攻勢も凄まじい。
以前は安かろう悪かろう一辺倒だったジーユーだが、最近は、安かろうときどき良かろうになっている。
選択眼さえ確かなら恐ろしいほどの安値でそこそこに良い物が買えてしまう。

以前に、アクリル56%・綿44%のニット帽を390円で買ったことをこのブログで書いたが、そのニット帽が今は190円まで下がっている。
さすがの筆者も190円にまで値下がりすることは読めなかった。

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ついでにいうと、ウール混のハットも190円に値下がりしている。
ウール混のハットをこの値段で販売しているブランドはジーユー以外に存在しない。
はっきり言ってバッタ屋よりも安い。

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凄まじい安さである。

久しぶりにジーンズメイトに立ち寄ってみた。
ジーンズメイトもまた激安の宝庫である。

日本市場から撤退したインポートジーンズ「シマロン」の在庫品が990円に値下げされている。
元値は10000円だから9割引き強ということになる。
これはバッタ屋並みの値引きである。

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筆者は、以前にジーンズメイトのプライベートブランド「ブルースタンダード」で、1900円に値下げされていたウール混のスラックスを買おうと思っていた。これはおそらく今季物ではなく昨年物だろう。
といっても、筆者はカネなしだから、12月下旬まで残っていたら買おうと思っていたのだが、今回、まだ残っているかどうかを確かめてみた。

元にあった場所になくなっており、「やっぱり売れたか」とちょっとがっかりしていたら、置き場所が移動していた。
ラックにかけられていたのである。

値札を見ると、おおー、990円に値下がりしている。

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元値が6000円だから実に84・5%引きである。
これは即決で買った。

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しかもこのウールスラックスはビッグジョンとのコラボだからそこはそれなりに通常のラインよりも魅力的である。
以前ほどの勢いがなくなったビッグジョンだが、やっぱりまだ筆者にとってはネームバリューがそれなりに残っている。

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ビッグジョンとのコラボスラックスが84・5%引きで990円になっているのはめちゃくちゃにお買い得だと思う。

組成はウール55%・ポリエステル35%・アクリル5%・その他5%の四者混素材である。
ストレッチ機能がないのは残念だが、この値段で文句は言えない。
これもはっきり言ってバッタ屋並みの値下がりである。

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昨日も書いたように、昨年物といえどもライトオンでは丸八布団とのコラボダウンジャケットが7900円(税抜き)にまで値下がりしているし、無印良品も今秋冬商品の3分の1くらいの型数が30~50%オフにすでに値下がりしている。

今まで、9割引きとか190円なんていう販売価格はバッタ屋くらいでしか見ることができなかったが、それが通常の常設店舗で見られるようになっているというのは、かなり衝撃的だといえる。
洋服の価格は本当に極限まで値下がりしていると感じる。

洋服のデフレ傾向はさらに進んでいると考えたほうが実情に適っているだろう。
そんなわけで、年末年始にかけて投げ売り品を買い漁りたいと思っている。















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