南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2016年08月

デザイナーズコラボ商品は希少性を高めることに徹するべき

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 売り場にまだまだ残っているものの、夏物バーゲンも一段落して売り場には秋物が次々と立ち上がってきている。

そんな中、イトーヨーカドーも「セットプルミエ」で高田賢三とのコラボ商品が立ち上がっており、ネットでも買えるようになっている。

http://iyec.omni7.jp/brand/K052

価格はジャケットで2万円台半ば、パンツ・ロングスカートが12000円などとなっており、イトーヨーカドーの平場にしては高いなという印象が強い。
百貨店の平場ならこの値段設定でも大丈夫だろうが。

デザインに関しては好き嫌いもあることなので、一概には言えないが、個人的には嫌いではない。
ただ、このデザインがイトーヨーカドーの平場で買う主婦に受け入れられるか、その人たちが着てみて似合うかと尋ねられると、甚だ疑問を感じる。
ちょっと上級者向けではないだろうか。

そのあたりの組み立ては、デザイナーズブランドコラボの先駆けであるユニクロには及ばないと感じる。

ユニクロの場合は、価格も一般ラインよりも数千円高いくらいに設定されている。
ユニクロ×ルメールでいうと、オックスフォードボタンダウンシャツが3990円である。
一般ラインは1990円だから2000円しか差がない。
このくらいの差なら少し奮発すれば買える。
デザインも一般ラインより少しだけ凝っているくらいに抑えられている。

が、高田賢三ラインはどうか。イトーヨーカドーの平場で24000円のジャケットを買う人がどれほどいるだろうか。
その金額を払うなら百貨店やファッションビルのテナントで多くの人は買うのではないか。

まあ、そんなこんなで立ち上がったわけだが、同時に先シーズンの「ゴルチエコラボ」もひっそりと立ち上がっている。(笑)
もちろん値段はだいたい半額に下がっている。

IMG_1627

(半額で再投入されたセットプルミエのゴルチエ)



正直なところ、やっぱり期間内には売りさばけずに在庫を抱えていたのだなあという感想しかない。

例えば4900円の長袖カットソーは2450円に値下げされている。
まあ、期末に値下げされてそのまま格納して、それを再出荷したということだろうと考えられる。

ゴルチエを買い逃した人は今がチャンスである。

おそらく高田賢三ラインも最終的には半額ぐらいに値下がりして、それでも売りさばけずに格納されて、少し期間を開けて半額で再投入されることになると思う。

なぜこういうことになるかというと、製造数量が多すぎるのである。
これはユニクロも同じ失敗を繰り返している。
鈴木・柳井イズムの限界だと個人的には見ている。

そもそもなぜ、デザイナーズコラボをするかというと、ブランドのステイタス性を上げるためだろう。

低価格品を売ってる我々ですが、あの高名な○○デザイナーとコラボをしましたよ、これからはかっこいい物も扱いますよ。我々はカッコイイブランドになりますよ。

と宣言する意味合いがある。
だったら、マーチャンダイジング的に考えれば「見せ球」程度の製造数量で良いということになる。
デザイナーズコラボラインを何百万枚も売る必要はないし、デザイナーズコラボライン単体で収益化を図る必要もない。

小規模な専門店チェーンだと、雰囲気作りのためだけに高感度ブランドから1枚だけ仕入れたりすることもある。それは「見せ球」であり、半ばディスプレイ用ともいえる。

イトーヨーカドーやユニクロだと顧客数がケタ違いに多いから1枚切りなんてことは無理だが、それでも製造数量を数千枚とか1万枚程度に減らすことは可能だろう。
デザイナーズコラボラインだから、投入から1か月間くらいでほぼ売り切れさせてしまえば良いのである。

定価で売り切れさせることで、デザイナーズコラボラインは通常のラインとは異なり、投入されたらすぐに定価で買わなくてはならないと、多くの人々は認識する。
そうすると次のコラボラインからは、より多くの人が定価で買うようになる。

ブランドの価値の一つに希少性があるから、「見せ球」は希少性を高めることに徹するべきである。

しかし、現実には真逆のことをしている。
ゴルチエは半額でも売れ残り、その後しばらくしてからまた半額で再登場している。

ユニクロ×ルメールは追加補充を繰り返した結果、投げ売り価格まで値下がりしている。
大好評だったスリッポンシューズを追加補充して結局1990円に値下がりさせていることもそうだが、それ以外のアイテムも大概が値崩れしている。
オックスフォードボタンダウンシャツは1290円にまで値下がりしているし、イージーパンツは790円にまで値下がりした。
下手をすると通常ラインの値引き品より安くなっている。

消費者は見切っている。「どうせ何万枚も大量生産している」「どうせ追加補充する」と。
だったら値下がりするまで待てば良いのである。
当分の間、欠品する心配はないのだ。

今の考え方のままなら、ヨーカドーもユニクロもヨウジヤマモトと組もうがコム・デ・ギャルソンと組もうがマーク・ジェイコブスと組もうが結果は同じである。
投げ売りまで消費者に待たれてしまう。

洋服には鮮度というものがあるが、ヨーカドーやユニクロはそこまで足が速い商品を扱っているのではない。
じゃあ2,3か月待ったところで同じである。

イトーヨーカドーもユニクロも本気でステイタス性を上げたいのなら、コラボラインは平気で欠品させて希少性を高めるべきである。それができないならブランドのステイタス性は永遠に向上しない。










トレンドアイテムを全て企画製造する必要あるの?

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 先日、東京に行った際に、フリーランスのMDとして活躍されている佐藤正臣さんとお会いした。
アパログでマサ佐藤のペンネームでMDブログを書いておられる。

http://www.apalog.com/fashion_soroban/

最初に登場されたときに「マサ佐藤」を「マサ斉藤」に見間違えて「プロレスラーのマサ斉藤がブログを書くのか、アパログは斬新やなあ」と感心していたら、別人だと気付いた。

プロフィールにも書いておられるようにずっとノーリーズの販売員として勤務したあと、MDを担当されたとのことで、いろいろと実際のマーチャンダイジングをご教授いただき、非常に参考になった。

その中で、意見が一致したのが「トレンドアイテムをすべて作る必要があるのか?」ということだった。

世間一般に「トレンド品」とひとまとめにされることが多いが、トレンドのアイテムは毎シーズンいくつかある。
一つきりではない。

こんなことは業界の人なら当たり前であろう。

例えば、今はワイドパンツがトレンドになっているが、それ以外にもトレンドとして人気のあるアイテムがある。
もう数シーズン目になるがMA-1タイプのブルゾンもトレンドだし、今の時期なら「ヘソ出しルック」ができるような短い丈のトップスもまだトレンド品だ。

それぞれ、ブランドにはブランドコンセプトというものが存在する。
もちろん、やっつけで看板だけのコンセプトを掲げているブランドもたくさん存在する。

ブランドコンセプトやターゲット設定に沿えば、本来なら取捨選択するアイテムがあって当然である。
ひどくわかりやすくいえば、ナチュラルテイストのブランドなのでMA-1タイプのブルゾンは作りません、という選択はあっても当然だということである。

しかし、現在の各ブランドの店頭は「トレンド品」といわれる商品をほぼすべて並べている場合が多い。

消費不振といわれる状況下にあるから余計に売上高を確保するために、なるべく多くのトレンド品を並べたい気持ちは理解するが、それが店頭の同質化をより加速させており、逆効果になっている。

どのブランドでもすべてのトレンド品がそろうなら、一番よく目立つ店、一番安い店、一番利便性が高い店が消費者に選ばれやすくなる。
どのブランドを見てもほぼ同じに見えるから、消費者はそういう選び方をしやすくなる。

先ごろの経産省の提言でもあったように、「安易なトレンド品を並べて同質化している」という指摘は正しい。

個人的にはその解決策が「個性的な商品を作るクリエイターの育成」だけでは片手落ちではないかと思っているのだが、それは今回は関係ないから言及しない。

ブランドコンセプトとターゲットに沿って、例えば、「MA-1タイプのブルゾンは作らないが、コーディガン(コートとカーディガンの中間的なつくりをした上着)は作るとか」「ワイドパンツは作らないが、ひざ下丈のスカートは作る」とか、そういう取捨選択がブランドごとにできれば、店頭の同質化・均一化は防げる。
あくまでも理論上は。

とはいっても洋服は売れてナンボだから、トレンドを全く無視するというのもおかしな話になる。
じゃあ、MA-1タイプのブルゾンを作らなかったブランドも、その中に着られるようなセーターやらトレーナーは企画製造すれば良いのではないか。
そしてそれを販売員がキチンと接客できれば、売上高を維持できるのではないか。

「ブランドコンセプトに従ってMA-1タイプのブルゾンは製造していませんが、インナーとして合わせれば映えるセーターやトレーナーはあります」というような売り方は可能なのではないかと思っている。

マサ斉藤マサ佐藤さんとはそんな内容のことを話した。

少し思い返してみると、バブル期とかバブル崩壊直後くらいのブランド店は、ずいぶんと個性的だったように感じる。記憶補正で美化されてしまっている可能性は否定できないが、93年か94年ごろは、トレンド品を買うのにもいろいろと店を回らなければならなかった。

なぜなら、どの店でもそれを扱っているとは限らなかったからだ。

当時はまだDCブームの残り香もあったし、商業施設内にもそういう店が数多くあった。

当時の筆者の目からすると「トレンド無視かよ」と思えるような商品を置いたブランドもたくさんあった。
それでも各々のブランドにはファンがいて、トレンド無視とも思える商品を買っていた。
それも決して安くはない価格で。

ファストファッション、グローバルSPAブランドというものを目にした今の消費者が当時の消費者と同じような消費行動をすることは考えにくいが、店頭の同質化・ブランドの均一化を打破するためには、ブランドコンセプトとターゲット設定に即してのトレンド情報の取捨選択が重要なのではないかと改めて思う。

クリエイターの個性的な商品なんかを強化するよりも、ブランドとしての情報の取捨選択をもう一度再構築する方が効果的ではないかと思う。

なぜなら個性的なデザインの洋服は着る人を選ぶから、そういう物が市場に大量に出回れば、結局売れ残りが増えるだけであり、その売れ残りが大幅値引きされて投げ売られるだけなので、結果的には洋服の価格低下は止まらないということになりかねないからだ。

それよりも一般ブランドがブランドコンセプトとターゲットに沿ってトレンド情報を取捨選択して、独自の企画に落とし込んだ方が、着る人を選びにくいデザインでしかも同質化しないので、結果的には各ブランドが住み分けできるのではないか。

まあ、そんなことを考えた。








意外な所有者がブランドの版権を所有していることもある

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 今日は小ネタを。
お前のはいつも小ネタじゃないかと言われそうな気もするが。(笑)

ブランドの商標権というのは意外な企業が持っていたりすることが多い。
どれも昔のことで、現在は解消されているが、以前に取材して驚いたエピソードを紹介したい。

夏冬のファミリーセールにほぼ欠かさず通っているヤマトインターナショナルだが、「エーグル」をライセンス生産していた。
その「エーグル」のライセンス契約を早期終了するというニュースが先ごろ流れた。

ヤマト インターナショナルが「エーグル」契約を早期終了 売上高の25%失う
https://www.wwdjapan.com/business/2016/05/26/00020626.html

 ヤマト インターナショナルは5月26日、フランス発のアウトドアブランド「エーグル(AIGLE)」のライセンス契約を2017年2月28日で終了することを発表した。契約満了予定だった18年12月31日を繰り上げて事業展開を早期終了する。契約終了の理由について同社は「今後のビジネス戦略の見直しを図る中期構造改革の一環」としている。17年3月からはラコステ ジャパンがライセンシーを引き継ぐ。仏エーグル社と仏ラコステ社はスイスに拠点を置くマウス・フレール・グループの傘下という関係からスムーズな移管ができると判断した。

 「エーグル」は1993年からヤマト インターナショナルが仏エーグル社とのライセンス契約に基づき、国内販売を開始した。直営店26店、アウトレット店14店、コーナー店29店舗を展開し(今年2月時点)、売上高は約50億円(弊紙推定)と同社の25%を占めている基幹ブランドだ。



とのことである。
ちなみにこの50億円前後という売上高の推測はほぼ正しいと感じる。
各ブランドの売上高は非公開だったが、クロコダイルとエーグルの2つが主力ブランドだったから、ざっとこんなものではないかと考えられる。

さて、このニュースは5月末のものなのだが、そのときに感じたのが「ヤマトはラコステと縁が深いなあ」ということである。

その昔、ヤマトインターナショナルの決算報告書には、「ライセンス収入」という項目があった。
決算会見で某業界紙記者が「この内容は何ですか?」と質問したところ、反ってきた答えが「ラコステからのライセンス収入」だった。
実際はもっとボカしての返答である。
「某ワニのマークのポロシャツのブランドさんから」という感じだった。

説明によると、日本国内でワニのマークを左胸につけるという商標はヤマトインターナショナルの「クロコダイル」がかなり古い時代に取得していたそうだ。
ワニの向きが右か左かは関係ないのである。

そこで、ラコステはその当時、ヤマトにライセンス使用料を支払っていたというわけであり、現在はそういうことは解消されている。

だからエーグルがラコステに移籍することを考えると、ラコステとヤマトの因縁と言おうか、縁の深さには驚かされたのである。

もう一つ。

その昔、PIKOというサーフブランドが一世風靡セピアした。いや、一世を風靡した。

当時はクリムゾンという会社が量販店平場で大々的に販売していた。
イズミヤでもイトーヨーカドーでもジャスコでも大量に売られていた。
グラフィックのセンスはあまり良いとは思えないのに飛ぶように売れていたから不思議なことである。

そのおかげでクリムゾンは最盛期には売上高190億円弱にまで拡大した。

このブランドもその昔は意外な企業が版権を取得していた。
もう2000年ごろの話になるが、肌着のOEM生産などを手掛ける澤村という会社がPIKOの版権を持っていた。
やはり決算報告書にはブランドライセンス収入という項目があったのである。


こんな風に市場流れている商品の版権を意外な企業が持っている場合がある。
ブランドビジネスを開始する際にはそのあたりの調査が必要になる。

例えば、現在なくなってしまった某なんちゃってサーフブランドがあった。
企画製造販売を行っていた会社は公式には「海外のサーファーと契約したブランド」と説明していたが、実はその版権を国内で所有していたのは、ちょっとややこしい性向の個人だった。
その個人に一定の金額を支払って、会社はブランドを企画製造販売していたのである。

こんなケースも業界ではそれほど珍しくない。

調べてみると意外に面白い事実が浮かび上がることも多い。









すべての商品やサービスは絶対にコモディティ化する

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 すべてとは言わないが、ほとんどの商品やサービスはコモディティ化する。
イシキタカイ系の人たちがいくら叫ぼうがキャンペーンをしようが無駄である。

例えば先日、こんな記事が掲載された。

スタバ劣化で行く意味消失…ただ高いだけ、顧客満足度もドトール以下に転落
http://dailynewsonline.jp/article/1180032/

本文を引用するほどでもなく、見出しで十分内容はご理解いただけるだろう。

 しかし、ここにきてスタバ人気に陰りが見え始めた。例えば、2015年度「日本版顧客満足度指数(JCSI)」では、カフェ分野で顧客満足度1位となったのはドトールで、前年度トップだったスタバは僅差ながら3位に陥落している。

 さらに、調査ニュースサイト「しらべぇ」が今年3月に全国の20~60代の男女1331人を対象に行った「大手コーヒーチェーン3社の中で好きなのはどれか」という調査でも、同様の結果が出ている。全体こそスタバが57.2%、2位のドトールが30.7%とスタバの圧勝だが、対象を東京都民に限るとドトールが44.7%でトップに輝き、スタバは40.7%の2位。東京では、人気面でドトールに逆転されてしまっているのだ。

という内容である。
で、指摘されている凋落の原因だが、

1、他店も禁煙・分煙を徹底化
2、スマホ・パソコン用の電源が他店も充実
3、店舗数が増えすぎて希少性の低下=飽和状態
4、飲料が他店に比べて割高

ざっとこんなところだろうか。

個人的な理由を付け加えると、造語で構成されたメニューがわかりづらいことも入るのではないか。
スタバのメニューを見て、「普通のアイスコーヒー」がどれなのかパッとわかりづらい。
スタバ専門用語を覚えるのははっきり言ってめんどくさいし、そこに価値を感じない。

もともと筆者はスタバが嫌いである。
なんとなく、お高く止まっているイメージがあるし、イシキタカイ系が御用達だという嫌悪感もある。
あと、見せびらかすようにノートパソコンで何やら作業をしているふりをしている自称ノマドもうっとおしい。

おまけにそういう長時間客が多いから四六時中混んでいるイメージがある。
客の回転率も相当悪いんじゃないかと他人事ながら心配になる。

打ち合わせや取材などで、相手に指定されない限りは自発的にスタバを選ぶことはない。

そんな筆者の好き嫌いは置いておいて、指摘されている要因のほとんどがスタバの提供していたサービスがコモディティ化して、他店でも割安で同等のサービスが受けられるようになったというだけのことである。

ちなみに筆者はよほどの不味さでない限りは、コーヒーの味の違いはほとんどわからない。
ほぼ、どの店で飲んでも変わらないと感じる。

よほどのスタバファンでない限りは、他店でも良いよということになる。
またスタバはいつも混んでいるイメージがあるから、空いている他店にしようという人もいるだろう。

あと公平に見て、店舗数が増えすぎて飽和状態にあるということもいえるだろう。
スタバを通り越えたらまたスタバなんていう立地もある。
まるでコンビニか歯医者状態だ。
ジワジワと毎年売上高や客数を微増させていくことは不可能ではないだろうが、成長期のように爆発的に増やすことはかなり難しい。

ユニクロの国内店舗数が今後爆発的に増えないのと同じである。

逆に今後もスタバに成長期同様の躍進を求めるほうが無茶である。

記事でも指摘されているようにスタバは今後普通のコーヒーチェーン店になるだろう。
それは今、ブームと言われているサードコーヒーも同じだ。
どこかで飽和点が来て普通のコーヒーチェーン店になる。それは避けられない。

そしてスタバが陥った状態と、いま、多くの洋服ブランドが陥っているのは同じ状態である。

どこかで飽和点に達するし、同じような商品やサービスがコモディティ化して低価格で提供されるようになる。

じゃあそれに対して商標登録とか特許申請すればどうかという意見があるが、モデルチェンジまでの期間が長い家具や家電、自動車などと異なり洋服はモデルチェンジが早い。
とくに一部の人間が絶対的手法としてこだわる「52週MD」なんて毎週新型を店頭投入するわけだから、毎週新商品が追加される。
厳密にいうと多くのブランドがやっている「52週MD」はMDではなく、単なる新型投入に過ぎないから正しくは「52週商品投入」とでも呼ぶべきである。
そうなると、いちいち毎週投入する新型を商標登録やら特許申請なんてしていられない。
認可されるまでに相当時間がかかるし、次年度同じ商品を製造する可能性は極めて低い。

毎年同じ商品を生産し続けている洋服ブランドがどれほどありますか?

だから商標登録や特許申請は多くのブランドで無駄でしかなく、コモディティ化を止める有効的な手段にはならない。

そうなると、どれだけ熱烈なファンを作るかということに尽きるのではないか。
スタバも同じだ。どれだけ熱烈なスタバファンを今後も維持できるかである。

商品やサービスは絶対にコモディティ化するからそれに頼っていると、いずれはコモディティブランドに負けてしまう。
もちろん、商品やサービスを向上させることは必要だが、それだけに頼っていては苦境に陥る。
それの代表例が百貨店向けの洋服アパレルだろうし、今回記事で掲載されたスタバである。
















担当者が「決められない」のは権限が与えられていないから

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 FBのお友達から流れてきたこのニュースをご紹介したい。

EC売上が5倍に!「ちょっとしたキッカケを積み重ねる」メガネスーパー・EC戦略の全貌
https://seleck.cc/article/484


メガネスーパーは株式市場でもときどき話題になる。
ときどき株価高騰してストップ高になることがあるからだ。
それでいて株価は安い。
ちょっと小金を握って、高騰時にデイトレードすれば良い小遣い稼ぎになるからだ。

それはさておき。

この記事によれば、メガネスーパーがECで成功した理由は2つある。

1、すべての権限を与えられたから

2、ECでは、実店舗との差別化を考えがち。けれどそれ以前に、ECはそもそも劣っている部分が多い。まずはそこを引き上げていくべき

この2点である。

ほかにもいろいろとメルマガのことなども語られているが、個人的に重要だと思うのはこの2点である。

ECはどんなにがんばっても実店舗よりも商品が見にくかったり、値段やスペックがわかりにくかったりする。
その部分を見やすく、わかりやすくすれば効果が出るというわけだ。

それよりも重要なのは「すべての権限を与えられたから」という点だと思う。
ECに限らず権限が与えられずに責任だけ問われるということが日本の企業には多い。
特にバブルがはじけて不況が押し寄せてからどの業界も縮こまっており、いかに責任を回避するかに終始している。
特に繊維・アパレル・百貨店業界は不況業種ということもありその姿勢がもっとも明確である。

このところ、5回連続で東京に出張しているが、今回の東京出張でも「決められない」エピソードばかりが聞こえてくる。

全国展開する有名な某大手セレクトショップが、8月12日現在において、初秋投入する長袖Tシャツの企画すらまとめられないそうだ。
ワッフル素材でサンプルを作ったところ、そのサンプルを見て、修正点についての話し合いが始まったが、いまだにまとまらない。
挙句の果てには「使用素材を変えようか」というプランまで飛び出しているそうだ。

長袖Tシャツというアイテムの性格上、投入時期は早ければ8月下旬、遅くとも9月中旬になると考えられるのだが、素材まで変えてしまえば9月中旬の店頭投入ですら間に合わなくなる。

「売れ行きが厳しいから失敗したくない」という思いが強すぎるのだろう。

仮に素材を変えることに決定した場合、無理やりにでも9月中旬に間に合わせるだろうから、そのシワ寄せを食らうのは縫製工場であり、生地メーカーである。
こうやって衣料品の製造現場が疲弊していくのである。

また、ある子供服ブランドが展示会を開催したところ、某大手百貨店のバイヤーが来た。
バイヤーは絶賛しながらも仕入れず仕舞いだった。
こういう百貨店バイヤーは業界に掃いて捨てるほどいる。
彼らの口癖は決まって「良いんですけどね・・・・」だ。
この「・・・・」が重要で微妙な含みを持たせる。
「察してチャン」かよ、うざいわ。

「良い」けれども仕入れない理由は様々あるだろうが、最大の理由は、もし売れなかったら責任を取らねばならないからだ。
このブランドがメジャーなら責任回避が可能だから仕入れるだろうが、マイナーなブランドを仕入れた場合、責任は完全にバイヤーに負わされるからである。

これらの事例は、「決断力のなさ」「意思決定の遅さ」を表しているといえるが、彼らがそうなる最大の理由は、「権限が与えられていないから」である。

繊維・アパレル・百貨店の多くは、現場担当者は権限があまり与えられていないのに、責任だけを負わされる。

権限がないのに責任だけを取らされるような罰ゲームのような仕事なんてだれもやりたくない。

メガネスーパーのECが成長しているのは、現場担当者に全権限が与えられているからである。
だから思い切った施策ができる。
もし多くの日本企業と同様にメガネスーパーが担当者に権限を与えずに責任だけを負わせたらどうなるだろうか。
まあ、担当者は責任回避に終始するだろう。
そして責任回避する担当者を筆者は責める気にはならない。

責められるべきは経営者である。

権限を与えない現場担当者に責任を負わせるのは、経営者が自分の責任を回避しているに過ぎないからである。
自分が責任を取るのが嫌だから、現場担当者に責任だけを押し付けているに過ぎない。

日本にはこんなダメ経営者が数多くいる。
とくに繊維・アパレル・百貨店業界はこの手の経営者の博物館かと思うくらいに多種多様そろっている。

そんなわけで、現場担当者に責任だけでなく、全権限を与えたメガネスーパーは伸びるべくしてECが伸びたといえる。
担当者に権限を与えない企業は何をどんなにがんばっても成功することは難しい。










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