南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2016年07月

犬も歩けばLeeとチャンピオンに当たる

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 久しぶりにファッションビル、セレクトショップを覗いた。
夏バーゲンの中だるみの時期である。
店頭はほとんどバーゲン品だが、目ぼしいものはあらかた売れてしまったが、もう一段の値下げはまだである。
晩夏・秋冬向け新商品はそれほど入荷していない。
そんな時期である。

8月に入ったらもう一段の値下げに入るが、それまでは中だるみの時期が続く。

商品の見た目も品質も、低価格ブランドとそれほど変わらなくなったから、2005年以降ファッションビルブランドでセール品を買うことが少なくなった。
2010年以降は百貨店ブランド、ファッションビルブランドで商品を買っていない。
2010年以降に買ったのは、ユニクロ、ライトオン、ジーンズメイト、無印良品、レイジブルー、GAP、バナナリパブリック、ジーユー、ウィゴー、チャオパニックティピー、グローバルワーク、ZARA、イトーヨーカドー、西友である。
しかも全部値引き品だ。定価では1品も買っていない。


それはさておき、買わないが、ときどきはファッションビルも覗く。


今夏、ファッションビルのテナントに入店しているセレクトショップ系チェーン店で目に付いたのが「Lee」と「チャンピオン」のダブルネーム、別注品の多さである。

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デニムとコーデュロイのクラッチバッグ



猫も杓子もLeeとチャンピオン、犬も歩けばLeeとチャンピオンに当たる、そんな感じである。

独立系デザイナーやら小規模ブランドは資本力がないから、直営店を複数まとめて出店することは難しい。
必然的に卸売りで売上規模を拡大するということになる。
専門店やセレクトショップに向けて卸すことになるが、その際、問題になるのが「バッティング問題」である。
野球のバッティングではない。そんなものは張本勲にでも任せておけば良い。

英語のスペルはまったく同じだが、「予定などがかち合うこと。物事が競合すること」という意味もある。
業界でバッティングというとこちらのことを指す。

要するに近隣店や競合店に同じ商品が入荷するのを嫌うということである。

隣り合った店に卸すことはさすがに避けた方が良いとは思うが、少し離れた(といっても3キロ~5キロくらい)離れた店に卸すことまで禁じようとするのはどうかと思う。
ケツの穴の小さい店は、業界外の人が想像するより多い。

衣料品不振といわれる状況だから百歩譲って、そういうことを言い出す気持ちはわからないではない。
わからないではないが、じゃあ、このLeeとチャンピオンであふれかえっている店頭をどう説明するつもりなのか?

自分たちが争ってLeeとチャンピオンの商品を並べたのだろう。
同じフロアにそれを扱っている店舗が何店舗もあるというのに。
これこそ究極のバッティングではないか。
それでよくぞ、小規模ブランドに「バッティングが~」と抗議できたものだと呆れ果てる。

自分らが勝手に同質化しているくせに。

これはまた別途書いてみるが、先ごろ話題となった経産省からの提言には、「無難な売れ筋追求に終始して同質化した」とあったが、それはメーカーだけの責任なのか。
小売店は放っておいても勝手に同質化しているではないか。

さらにいうなら、メーカーがいくら「変わったもの」を作ろうと、販売する小売店がそれを拒否するなら、そういう商品は店頭に並ぶことがない。
経産省も業界のエライサンも何か勘違いしているんじゃないか。

経産省も業界のエライサンも基本的に物作り脳しか持ち合わせていない。
だからいまだに「個性的な商品を作る」ことだけを重点的に考えているのだが、いくら作っても小売店や流通業者がそれを選択しなければ結果は同じなのである。
店頭にそういう物作り脳の人々が好むような「個性的な商品」は並ぶことがない。店頭に並ばないということは消費者の目に触れる機会はほぼなくなるということだ。

これだけLeeとチャンピオンで同質化しておきながら、「バッティング問題」を言い出す小売店側の身勝手さにも驚くばかりだ。

こういう店頭の同質化は今にはじまったことではない。
何年も前から変わっていない。並んでいるブランドがそのシーズンによって異なっているだけである。
ラベンハムだったりニューバランスだったりノースフェイスだったりしただけのことである。

小規模ブランドをバッティングで締め上げながら、人気ブランドはバッティングを気にせずに店頭に並べる。
そういう小売店は自らは気が付いていないだろうが、ブランドにおんぶに抱っこの状態である。

ブランドに頼り切っているだけだと、自らカミングアウトしているに等しいことになぜ気が付かないのか。

「ブランドを並べていたら売れる」という高度経済成長かバブル期の思考から抜け出せていないのが、そういう店のスタッフであり、バイヤーであり経営者である。
そういう店は実は存在価値がなくて、現在の顧客は店ではなく、品ぞろえを評価しているだけなのである。

しかし、もし、同じ品ぞろえの店があれば、その店はまったく要らないということになる。
同じ品ぞろえでさらに値引き販売する店が近隣にできればすぐさま潰れる。

「他店で人気があるから」とか「世間的にブームだから」とか「有名店や大手で扱っているから」とか、そういう理由だけでLeeとチャンピオンを並べることに何のためらいも感じない小売店に、小規模ブランドをバッティングで縛る資格はまったくない。












百貨店ブランドはかつては圧倒的に高品質だった

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 基本的に洋服は自分の収入から手の届く範囲で買えば良いと思っているし、今の百貨店ブランド・ファッションビルブランドは、郊外型ショッピングセンターに入店している低価格ブランドの商品と見た目も品質も変わらないと思っている。

一方、本当に高品質の洋服を見たければ、それはもはやラグジュアリーブランドにしか存在しないとも思っている。

同年輩で、素材関連・OEM生産関連の仕事をなさっている社長がいる。
素材のことも縫製のこともアパレルの動向のこともお詳しい。

その人が、以前「本当に品質の良い生地が使われた洋服が百貨店やファッションビルで売られていた時期は20~15年前で終わった」というようなことを言った。
これはその通りだと思う。

20~15年前というと95~2000年くらいということになる。
こんな筆者でも2005年くらいまでは夏冬のバーゲン時には百貨店ブランドやファッションビルブランドで洋服を買っていた。
2005年当時、ショッピングセンターがあちこちにでき、各社は低価格ブランドを開発しており、それを見たり触ったりしたが、圧倒的に見た目も品質も違っていた。

さすがに90年代に買った服はほとんど残っていないが、2000年くらいに買った洋服は何枚か残っている。
元値が高かったというのもあるが、デザイン、品質ともに気に入っておりなかなか捨てるに捨てられない。
2010年以降に買った低価格ブランドの商品とは比べ物にならない。
まあ、ジャケット、コート類はアームホールが太すぎるので思い切って捨てたが。

例えば、今年3月末で廃止となったワールドのボイコットというメンズブランドがある。
OZOC、インディヴィと同じグループで展開されたメンズブランドである。
当初はタケオキクチとヤング向けのボイコットとして上手く住み分けていたが、タケオキクチにヤング向けや低価格ラインができるようになって市場でのポジショニングが被さってしまい、存在意義をなくした。

このボイコットのTシャツを今でも捨てられずに持っている。
もちろん傷まないように登板回数は減らしているが。

2004年にはすでに着用していた記憶がある。
なぜなら、当時これを着用していて「胸のシルバーのロゴがギャル男みたいですね」と言われたことがあるからだ。
こんな風貌のおっさんがギャル男みたいなTシャツを着ていたら気味が悪いだろう。(笑)
本人はそこまでギャル男みたいだとは思っていないのだが。

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おそらく2002年か2003年に買ったような気がする。
定価も買値も覚えていないが、阪急百貨店うめだ本店の催事場で投げ売られていたのを買った。
当時は夏冬のバーゲン終了時に、催事場で一段の投げ売りが行われていた。
元値が4000~5000円くらいで、それを1500~2000円で買ったのではないだろうか。

で、このTシャツの素材がかなり品質が高い。
6オンス前後の分厚さがあると思うのだが、その割にはソフト感がある。
襟の部分が色落ちしているが、全般的には染色堅牢度も高く、10年以上洗濯を繰り返しているがそこまで色落ちしていない。

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(襟の色落ち)



そして何よりうれしいのが、どんなに大量の汗をかいても、乾いたときに汗のあとが白く浮き出ないことである。
黒とか紺のTシャツ類は汗が乾いた後に白く塩が浮き出ることがある。
あれは見苦しいので、真夏に黒・紺のTシャツを着用することを避けているのだが、それがない。

同じ黒・紺でも、不思議なもので塩が白く浮き出るTシャツと浮き出ないTシャツがある。
一体、素材にどういう違いがあるのだろうか?
ここの詳細な説明を聞いたことがないので、ご存知の方はぜひ教えていただきたい。

買った当時は、「やっぱりブランド物は違う」と感じたのだが、今の百貨店ブランド・ファッションビルブランドにここまで感じさせる商品はほとんどない。
下手をするとユニクロや無印良品の方が素材が高品質だったりする。

末期のボイコットがマルイやらキューズモールの催事場で投げ売られていたが、ひどいものだった。
冬物だが合繊100%の安物くさいセーターとかおざなりな綿素材で作られたカジュアルパンツとか。
定価設定が高すぎるのではないかと感じた。あんなセーターを7000円とか8000円で売っていたらぼったくりも良いところである。

同じころに買ったジュンメンのボーダーTシャツがある。
おそらく2000~2002年ごろに買ったと記憶している。
これは今でいうビッグシルエット気味で、顔デカで肩幅の広い筆者が着ると、単なるゴツイおっさんみたいになるので部屋着として使っているが、これも肉厚生地で、染色堅牢度が高く、型崩れもしない。
ほとんど色落ちしていない。

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これは阪神百貨店で買った。おそらく値引きされて1500~2000円くらいだったと記憶している。

余談だが、90年代後半に女性を中心にチビTブームが2年ほどあった。
いわゆるSサイズとかXSサイズのTシャツをピチピチにして着るのだが、これがメンズにも波及した。
メンズのトップス類も2~3年くらい小さめが主流で、2000年ごろからそれが終わって、通常サイズに戻った。
このジュンメンのTシャツはそのころのもので、2004年からまたディオールオムのブームによってタイトフィット主流へと戻ってしまう。

ビッグシルエットが市民権を得るのは2014年以降のことである。

百貨店やファッションビルで手の届く価格で上質素材の商品が手に入ったのは、今から思うと幸せな時期だったのだと思う。
逆に今の30代半ばより下の世代は、そういうものがラグジュアリーブランド以外で手にすることができなくなったのは気の毒だと思う。

2008年ごろから原材料費はすべて上がり続けている。
比較的安定しているのが綿素材と合繊だけで、ウール・獣毛類、レザー、ファーはすべて値上がりし続けている。(綿は2011年ごろに高騰したがその後、もとに戻った)
今後原材料費が高くなることはあっても安くなることは考えられないから、素材クオリティの低下はまだまだ続くと見た方が良いだろう。

低価格ブランドとの違いをどこで打ち出すのか。百貨店ブランド・ファッションビルブランドには苦しい状況が続く。










「ファッションに無理は禁物!」に激しく賛同

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 利用者の立場から、洋服に対する考え方はいくつかある。

1つは、「物の良し悪しを理解するためにもできるだけ高級な服を着よう」という考え方

もう1つは、「懐具合に合わせて買う。ただし、品質やデザインにはある程度気を付ける」という考え方

である。

筆者はむろん後者である。
この2つの考え方は絶対に交わらない。
筆者からすれば前者は「こだわりバカの呪文」か「金持ちの寝言か」くらいにしか思えない。

一概に前者が間違いだとは思わないが、その論法は今は通用しにくくなっているとも思う。
20年前までならイズミヤの平場に並んでいる美濃屋や水甚のトレーナーと、百貨店やファッションビルに入っているブランドのトレーナーは圧倒的に商品そのものが異なっていた。

素材や縫製仕様もさることながら、デザイン、色・柄そのものが圧倒的に違っていた。
Tシャツやトレーナーの前身ごろに入るプリントのグラフィックすらまるで違っていた。

当時、ユニクロはまだ台頭していなかったし、ユニクロの商品の見た目がマシになるのは2000年以降になる。
無印良品はすでに人気を博していたが、やっぱりそういうブランドとは見た目が少し違っていて、代用品には使いにくかった。

これが2000年以前のこと。

2005年以降は、低価格ブランド、量販ブランドと百貨店・ファッションビルブランドの商品の差がなくなっていく。
理由は何度も書いているが、低価格ブランド商品の見た目が向上したことと、百貨店・ファッションビルブランドの物作りが低下したことである。
百貨店・ファッションビルブランドの商品は見た目もクオリティも露骨に2005年ごろから低下し始めた。

2016年現在では、両者はほぼ同じように見える。
見た目もクオリティもほぼ変わらない。

低価格ブランド商品の見た目が向上した理由は何度も書いているが、百貨店ブランドやファッションビルブランドが人件費削減の名のもとに企画担当者やデザイナー、パタンナーを大量解雇し続けたからだ。
解雇された彼らも食わねばならないから、当然新しい仕事を探す。

低価格ブランドに入社した人もいるし、OEM/ODM企画会社を起こした人もいる。
それによって百貨店ブランド・ファッションビルブランドの商品デザインノウハウと製造ルートが、業界全体に広まることになった。
これで商品の見た目はほぼ同一になった。

品質面でも2000年以降、百貨店ブランド・ファッションビルブランドは低下し続ける。
主にはバブル崩壊による消費不振による売上高減少とそれに伴う利益低下が原因である。
それによって、コスト削減がさらに強まり原価率が低下しているのだがそんなことは消費者には関係ない。
通常、業界の平均的な原価率は30%とされているが、百貨店・ファッションビルブランドでは25%、20%にまで低下しているブランドも珍しくないし、某百貨店・専門店ブランドでは18%にまで下がっているともいわれている。

一方、低価格ブランドの原価率はそれほど下がっていない。
元から低価格なのでそれ以上に下げようがないというのが実態だろうが、品質面でも差が縮んでしまった。

こうなると、無理をして百貨店ブランド・ファッションビルブランドを買う理由がない。
だから筆者は金もないし、低価格ブランドを買うのである。

今、確実に低価格ブランドと差があるのは、いわゆるラグジュアリーブランドくらいだろう。
ラグジュアリーブランドを買うには恐ろしく莫大な金がいるから、貧乏人がそこまで無理をするのは逆に滑稽である。
それこそ今流行りのワークライフバランスが著しく崩れている。

それでも90年代後半とか2000年前半までは、そういうラグジュアリーブランドを無理してでも買うことがかっこいいという風潮があったから、売春までする輩が多数発生していた。
今ではそういう無理をした消費自体がかっこ悪いという認識が主流になっており、それは社会が成熟した証ともいえるのではないか。

今、「とりあえず無理をしてでも高級な服を買え」と主張する人は、こういう実態を知らないか、知っているが宗教にも似た頑なな信念を持っているか、金が余ってしょうがないか、のどれかだと思う。

先日、ドン小西氏の記事がウェブで掲載された。
個人的にはドン小西氏の見た目も、着ている服も好きではないが、この記事は割合に良いことを言っていると思う。

青紫のシャツに赤紫のネクタイを締めるようなセンスの人にファッションチェックなんかされたくない、と常々思っていたが、この記事は一読の価値があるのではないかと思う。

http://form.allabout.co.jp/series/28/269/

「まだ若くて収入も少ないから……」と言ってお洒落を諦めちゃダメ。「お金がない=ダサイ」ではないんだよ。Tシャツ一枚にしても、長さやシルエットやバランスをちょっと工夫するだけで全然見栄えも違ってくるんだから。

そもそもフランス人で「ルイ・ヴィトン」持っている人なんてなかなかいないよ。彼ら彼女らは、安い物にちょっとコサージュを着けてみたり、チェーンベルトを重ねてみたり……と、実に上手にお洒落を楽しんでいる。

逆に、高い金出して高級なブランド品に振りまわされながら、なんの工夫もしないのが日本人。モテるための策もロクに労せず、ただ大枚をはたいてプレゼントを買うしか能がないオッサンにはなりたくないだろ?

ファッションに無理は禁物! 分相応に年収内で最大限の工夫をすればいい。

とのことであり、
消費者視点からすれば、やたらと高級品を買うことを勧めるポジショントークの業界人よりよほど健全な思考だといえる。

今、ナショナルブランドも伸び悩んでおり、低価格ブランドとのコラボやダブルネームが増えている。
低価格ブランドからそういう物を上手に選べばかなりオシャレなコーディネイトができる。
その選択眼を養った人こそが本当のファッショニスタではないかと、常々思っている。










ファッションで一番重要なのは顔立ちと体型の良さ

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 筆者は夏が嫌いである。
理由は暑いからだ。暑いのが苦手である。

で、人間の夏服姿というのは実にマヌケていると思う。
秋冬に重ね着をしていておしゃれに見える人でも夏服はカットソー1枚とか半袖シャツだけになるから、体型がモロに見えてしまう。

だいたいにしてかっこいい体型を保てている人なんてほとんどいない。

夏服を見ていると、ファッションとは、コーディネイトや色合わせがどうのではなく、顔立ちと体型の良さがもっとも重要なのだと改めて認識する。

最近はファッション雑誌をあまり読まなくなった。
とくに夏シーズンはほとんど読まない。
メンズはTシャツとポロシャツと短パン(短パン社長ではない)のカタログみたいになっている。
コーディネイトに工夫を凝らすといったって、Tシャツ1枚に短パンみたいな組み合わせしかないから、せいぜいTシャツの色柄を変えてみる程度しかない。
あとはサイズ感か。

しかし、それも顔立ちと体型が良くなければ、そんな工夫はほとんど無駄である。
それが毎年夏のファッション雑誌を読んだ率直な感想だ。

メンズのファッションはほとんど毎年代わり映えしないから、2年前のSafari8月号のページを画像で上げてみる。

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黒いTシャツと黒い短パンを着用した外国人男性モデルである。
なんの工夫もないコーディネイトである。
このモデルの顔立ちが良くて、体型もそこそこ良いから(ちょっと外国人にしては肩幅が狭いと思う。なで肩すぎるのか?)なんとなくサマになっているように見えるが、実際、同じようなコーディネイトをした人は山ほど街で見かける。
日曜日のショッピングセンターには同じようなコーディネイトをした冴えない風貌のオッサンが掃いて捨てるほどいる。

もし、ハゲてて、肥満してて、顔立ちが扁平でもっと短足な50歳くらいのオッサンが同じ服装をしていてかっこよく見えるだろうか?
そういうことである。

ファッション雑誌が売れなくなった理由はさまざまあるだろうが、モデルの顔立ちや体型が一般人からかけ離れており、その着こなしがまったく参考にできないからという理由もあるのではないか。

WEARなどのコーディネイトアプリが支持されている理由は、無料という以外にも、いわゆる一般人がコーディネイト画像を上げているため、参考にしやすいからではないかと思う。

彼らの多くはモデルや俳優ほど顔立ちが良いわけでもないし、スタイルが良いわけでもない。

背が低かったり、足が短かったり、背が高いけど痩せぎすだったり、肥満気味だったり、とそんな人が数多くコーディネイトをアップしている。
自分と似たような体型の人が合わせているコーディネイトはそのまま取り入れられる可能性が高い。

ファッション雑誌だとモデルが合わせているコーディネイトを試してみても、雑誌で見たような感じになることはほとんどない。
読んだことがそのまま取り入れられる確率は低い。
しかも雑誌は有料だ。

読んで、そのままでは取り入れられないような情報にわざわざ金を払いたいと思う人が増えないのは当たり前ではないだろうか。

だからファッション雑誌は軒並み部数を減らしており、回復する兆しもないのではないか。
オマケ商法もとっくに飽きられている。

【コラム】編集者が出版不況を乗り越えるために
https://www.wwdjapan.com/focus/column/business/2016-07-24/17399

このコラムでは週刊文春のノウハウを紹介しているが、週刊文春とファッション雑誌では掲載内容が違いすぎて一概には参考にならない。
また週刊文春はかなり財政的にも余裕がある。
多くの訴訟を抱えており、訴訟を起こされるリスクを承知で発行している。
訴訟で敗訴することもあるから、その場合、多額の賠償金が支払わなくてはならない。
文春にはそれを支払う財務的余裕があるということである。

翻って今の各ファッション雑誌にそんな財務的余裕があるだろうか。

あれこれ考えると、ファッション雑誌はコアなファンをターゲットとしたミニコミ誌的な役割を追求するほうが良いのではないかと思う。というよりそれしかやりようがない。

かつての隆盛は二度と取り戻せないと思う。
そこを覚悟できるかどうかの問題ではないかという気がする。




さらばゲイナー



値下げされたジーユーの靴はお買い得

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 つい先日、生まれて初めてジーユーで服を買った。
ボーダーTシャツとスリッポンシューズである。

ボーダーTシャツは定価990円がアプリ会員専用で790円になっていた。
しかし翌週は定価990円に戻っていたから期間限定キャンペーンだったのだろう。

スリッポンシューズはアッパーがキャンバスで、定価1490円が790円に下がっていたので迷彩柄を買った。

両方の評価を書いてみる。

ボーダーTシャツは価格の割には出来は良いと思う。
ユニクロにも似たようなウォッシュボーダーTシャツ(定価1500円)があるが、ジーユーよりもわずかに生地が分厚いと感じる。
これは個人的な推測だが、ジーユーは比較的細番手の糸で編まれており、ユニクロはそれよりも太番手の糸で編まれているのではないかと思う。

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しかし、他ブランドの990円や790円のTシャツと比べるとはるかに素材のクオリティは高い。
柄さえ気に入れば買って損はないだろう。

ユニクロのボーダーTシャツとの違いは、ユニクロは左胸にポケットがあるがジーユーはない。
あとボーダーの柄行きが少し異なる。
ユニクロのボーダーTシャツは乳首の部分に色の縞が来るが、ジーユーは白い部分が来る。
そういう意味ではユニクロのほうがオッサンにやさしい作りになっている。

あと、ジーユーのボーダーTシャツは若者向けのシルエットなので袖がかなり短い。
腕を上げると間違いなく腋毛が見える。

ユニクロはもう少し袖が長く、よほど腋毛が長い人以外は腕を上げて見えない。
この辺りもユニクロはオッサンにやさしい。

スリッポンシューズも履いて2度ほど外出してみた。
材質はキャンバス地である。
感想はかかとのゴムが少しキツイかなと感じる。
しかし、靴、とくに布靴は履いているうちに絶対に伸びるので少しくらいキツイ方がよい。
クッション性は悪くない。
1490円でもコストパフォーマンスが良いと感じるが、790円ならさらにコストパフォーマンスに優れている。
790円で気に入った柄とサイズがあればまとめ買いしても良いくらいである。

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サイズは1センチ刻みのようだ。
25センチの次は25・5センチではなく、26・0センチとなる。
そのためフィット感の追及はあまりできない。

紐靴は紐でフィット感が調整できるので、どうしても足に合うのがなければ少し大きめでもよいと思う。
ただし、履いているうちにさらに大きくなることは言うまでもないが。
スリッポンシューズは紐による調整はできないので、なるべく足にぴったりした方が良い。

試着すると28・0は大きすぎたので27・0にした。
通常のナイキやアディダスのスニーカーだと27・5を買うので、本当は27・5がほしかったが、そんなサイズはないのであきらめた。
着用してみると27・0も幅が広めにできているようであまり問題ない。
今後伸びることを考えると27・0でよかったと思う。

0・5センチ刻みではなく1センチ刻みにしたのは、コスト削減のためには賢明だったといえる。

ところで、買ってみて初めて気が付いたが、商品に「GU」と書いたタグや襟ネームがない。

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「パーツとして使える洋服」

ユニクロが飛躍的に伸びた90年代後半に柳井正会長が常に言っていたブランドコンセプトである。
その割には当時は、ネイビー地の襟ネームが付けられていた。
まだ当時は「ユニバレ」が恥ずかしいと言われていた時代で、上着を脱ぐ際や仲間と着替える際にネイビーのユニクロタグが見えると恥ずかしいという声が広く聞かれた。

その声が届いたのかどうかわからないが、2004年ごろから、当時の玉塚元一社長は襟ネームからロゴをなくしてM、Lなどのサイズ表記のみになった。

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当時、そのことを取材で質問すると「パーツとしてのブランドコンセプトに忠実にした」との答えが返ってきたことを覚えている。

しかし、その後、ユニクロは2009年か2010年ごろから「ユニクロ」ロゴの襟ネームを復活させる。
もちろん、以前のネイビー地のものとはデザインを変えている。

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このころから、「ブランド」としてのユニクロを強く意識し始めたのではないかと勝手に想像している。
もちろん今でも「パーツだ」との思いは今もあるだろうが、それ以上に「ブランド」としてのまとめ方を模索しているのではないかと思う。

一方、ジーユーも初期に比べるとずいぶんとマシになり、ブランドらしいスタイルを打ち出すようになった。
スタート当初は「単なる安いユニクロ」にすぎず、ユニクロの商品の劣化版をさらなる低価格で販売していた。
店づくりも上から下までびっしりと商品で埋め尽くされた棚やラックが充満しており、見通しが悪いので圧迫感があり、どこぞの物流倉庫のような野暮ったいものだった。

当然、売れ行きは伸び悩んだ。

2009年に一瞬注目を集めたのは、業界に先駆けて990円ジーンズを発売したからだが、当時のメディアはこぞって出来栄えをほめていたが、実際手に取ってみると値段相応の粗悪品だとわかった。

そこから若者向けトレンド品へと方向転換したことが、成長の起爆剤となった。
今では一部にユニクロとの類似品があるものの、スタイリングやコーディネイトが全く異なる。
完全にトレンドブランドとしての基礎を固めることができたと感じる。
だからこそ、売上高も1500億円を越えたのだろう。

しかし、そういう状況にあってもジーユーはもしかすると、今でも「パーツ」としての洋服を前提としているのではないかと思う。

2年ほど前にジーユー梅田店のオープン内覧会に取材に行った際、ノベルティとしてTシャツをいただいた。
大阪らしい事物とのコラボTシャツで、4種類くらいあったのだが、どれもまあ、コミカルタッチなTシャツだった。
筆者はそこでMBSのらいよんチャンネルとのコラボTシャツを選んだのだが、これも襟ネームにブランドロゴはない。
さすがにこのTシャツは部屋着やセーターの下にしか着ていない。冴えない風貌のオッサンがこんなTシャツを着ればより一層ダサくなることは目に見えている。

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実際に現在の店頭で商品を見ていると、「パーツ」として取り入れやすいトレンド品で構成されている。
独自のスタイリングを打ち出しながらもパーツとしても使用できる、そんなブランドの立ち位置を目指しているのではないか。

サイズが合うなら定価でも十分にコストパフォーマンスは高いが、値下げ品はさらにコストパフォーマンスが高い。とくに靴の値下げ品は突出している。

そんなわけで、これから筆者の普段履きは値下げされたジーユーの靴が増えそうな気がする。










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