南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2015年04月

ダウンジャケットは水洗いできる

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 昨日は思い立ってダウンジャケットを洗濯した。
4月は寒い日もあるので、毎年、冬物はそのままにしてある。
5月になるとさすがにそんな日はないから、5月から徐々に衣替えを始める。
とはいっても、母が亡くなった3年前の5月には異様に寒い日があった。
母が亡くなった日は真冬に戻ったかのように寒かった。


昨年の12月ごろからダウンジャケットを着て寝るようになった。
ユニクロのライトダウンである。
ウルトラライトダウンを発売する前に発売していたライトダウンジャケットである。
重さは400グラム。


もともとは外着にしていたのだが、12月からはすっかりルームウェア兼パジャマとなっていた。
そのダウンジャケットを洗濯した。


以前、ライトオンが「ウォッシャブルダウン」を発売していたことがあるが、そんな物をわざわざ開発せずとも、ダウンジャケットは基本的に水洗いが可能である。
外側の生地がウールやシルクなどのダウンジャケットなら水洗いしない方が良いが、オーソドックスなポリエステルやナイロン素材なら水洗いが可能だ。


洗濯機で水洗いするだけで首元の汚れは随分と緩和される。
もっときれいに洗いたいという人にはダウンジャケット専用洗剤の使用をお勧めする。


ダウンジャケットは水に浮くので、タオルでぐるぐる巻きに縛って洗濯機にブチ込む。
そして洗剤を入れずに水を入れて洗濯機のスタートボタンを押す。
あとは機械任せである。


何故水洗いが可能かというと、
まず、外側の生地のポリエステルやナイロンは基本的に洗濯しても、色落ちも縮みもしない。
そして、次に中に詰められている羽毛だが、基本的に水に強い。

羽毛に包まれた鳥が水に強いことから類推すれば容易に想像ができるはずだ。

外側の生地も中の詰め物も水に強いなら、それでできた衣服は水に強いはずである。
簡単な理屈である。


ただし、お湯や専用以外の洗剤を使うのはあまり良くない。
なぜなら羽毛の脂分がすべて溶けて流れ出てしまうからだ。
ドライクリーニングも同様の理由で望ましくない。


ダウンジャケットは本来「水洗い表示」されていても当然のアイテムなのである。


最近は、消費者から過度のクレームが来るために極めて消極的な洗濯ネームが付けられた衣服がある。


先日、バッタ屋の店頭に立っていたところ、ワンピース+ジャケットのセットスーツを購入したお客がいた。
で、なんだかんだと話を聞いていたところ、「手洗い不可になっているけどクリーニングに出すのかしら?」という話になった。

素材の組成表示を見ると、表地も裏地も「ポリエステル100%」だった。
芯地や付属などによほど特殊な物が使われていない限り、ポリエステル100%素材は洗濯機での洗濯が可能である。
ダウンジャケットのように水洗いする必要もなく、普通に洗剤を使っても構わない。

逆にポリエステル100%が洗濯不可ならこの世に洗濯できる衣服は存在しなくなる。

この商品は大手通販の在庫であり、大手通販には何か月も使用した後で返品してくる悪質なお客も多いから、おそらく自衛のためにこういう表示を付けたのではないかと考えられる。

しかし、それでも「ポリエステル100%」で「手洗い不可」はちょっとどうかと思ってしまう。
逆にドライクリーニングに出すことでポリエステル素材が色落ちする可能性も無きにしも非ずだ。
ポリエステル素材は、通常洗濯よりも場合によってはドライクリーニングの方が危険である。


最近はあまりにも安全策を取りすぎた洗濯ネームの表示が増えたが、なんだか釈然としない。

低下し続けるファッション雑誌の影響力

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 ファッション雑誌の影響力は年々低下していると感じる。
いまだにファッション雑誌一辺倒のブランドのプレス担当者も相当数存在するが、正直なところ、彼らは時流に取り残されているだけとしか感じられない。

先日、こんな記事が掲載された。

もはや女性ファッション誌を買うのはダサイ?衝撃の若者離れが発覚、毎月買うのはわずか1割
http://news.livedoor.com/article/detail/10046747/


本文を読んでもらえればわかるのだが、これは「小悪魔ageha」の復活に際して、行ったアンケート結果である。
調査対象者数が50人であることと、対象が若い女性である。

その中の設問で

・最近、ファッション誌を購入していますか?
毎月購入している…5人
ときどき購入している…14人
購入していない…31人


という結果になった。

対象者数50人で、毎月ファッション雑誌を購入していると答えた人は5人だから、1割しか毎月購入していないということになる。
購入していないが31人なので過半数以上を占めている。

これが対象者がもう少し上の層ならまた比率が変わってきたかもしれない。
若い女性層だからこういう結果になったという要因も考えられるだろう。


50人しか調査していない、対象が若い女性だった、というこの2点を割り引いてもファッション雑誌を重視する人は年々少なくなっていると考えても大きくは間違っていないだろう。


以前にも書いたことがあるが、某インポートイタリアンカジュアルブランドの担当者が「最近はファッション雑誌に掲載されてもまったく反応がない。男女とも若い層はウェブを見ている。ブログやWEARのようなアプリでコーディネイトを見ている」と嘆いていたことがあった。
去年の夏ごろの話だ。

このブランドは2000年ごろから各ファッション雑誌で常連のように登場していたから、ファッション雑誌の効力は十分に理解していた。
しかし、そんなブランドですら、ファッション雑誌は影響力が低下したと感じていることになる。

今後もファッション雑誌がゼロになるということは考えにくい。
しかし、これまでのように同一ジャンルに何誌も共存できるような環境ではなくなりつつある。
今後はさらに淘汰され、少数の雑誌が生き残り、それ以外はすべて廃刊になると考えた方が良いのではないか。

当然、ブランドの広報・プレス担当者はファッション雑誌よりもウェブ媒体を重視すべきである。

ブランド側が広報費を削るとするなら、まっさきにファッション雑誌を削るべきではないかとさえ思う。
売れていない時こそ広報費・広告費は使わねばならないが、ファッション雑誌に過剰に投資したところでそれほど効果はない。
2000年代半ばまではどうだったか知らないが、現在はそのようになってしまっている。

なんとかの一つ覚えのように「雑誌、雑誌」と言っているメンズブランドを知っているが、そのブランドの商品は毎月かなりの雑誌に掲載されているものの売上高は伸び悩んだままである。
その結果だけを見てもファッション雑誌への過剰な広告出稿は意味がないとわかりそうなものだが、プレス担当者はそのことがいまだに理解できないようである。

記事でもこんな一節がある。

また、ムービーのインタビュー中のコメントにもあったが、ファッションはコーディネートサイトや有名人のブログなどでチェックするというスマホ派(ネット派)が急増しているという事実も浮かび上がってきた。

 中には「わざわざ雑誌を買ってまでファッションを勉強するっていうこと自体がダサい」と辛辣な意見を述べる女性もいたが、もしかすると今後、そのような考え方をする女性が一層増えていく可能性もあるのではないだろうか。


とのことで、やはりネット派が急増しているそうだ。
この記事はネット派の女性が増えると結論付けているが、男性も同じと考えて差し支えないだろう。


さて、各ブランドの広報・プレス担当者はこれでもまだファッション雑誌を最優先媒体に据え置くのだろうか?
彼らの大好きな「費用対効果」という言葉を使うなら、ファッション雑誌への広告出稿に費用対効果があるのだろうか?
ヒヨウタイコウカと呪文のように繰り返している担当者もお目にかかったことがあるが、本当に言葉の意味を理解して使っておられたのだろうか。


真に「費用対効果」のある媒体はなんだろうか。
アンケート結果を尊重するならウェブだろう。

モデルに着せて雑誌に掲載するよりも自店スタッフに着せてWEARに投稿する方が効果的だろう。
さっぱり伝わらない広告を雑誌に載せるよりも、有力ブログにタイアップ記事を書いてもらうなり、そこにバナー広告を出稿するなりした方がそれこそ費用対効果があるだろう。


森ノ宮キューズモールのオープンで大阪環状線内回り沿線は活性化できるか?

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 今日、森ノ宮の日生球場跡地に「森ノ宮キューズモールBASE」がグランドオープンする。
先週、内覧会が開催されたのでその感想を書いてみる。

屋上に陸上用トラックが設置されるという珍しい構造をしており、物販よりも「コト」での集客を重視しているといえる。

IMG_3946

(キューズモール外観 屋上に円形の陸上用トラックがある)

写真111
(陸上用トラックの地面)


正直なところ物販のテナントは基本的にどの商業施設も似たり寄ったりであり、目新しいテナントを1つか2つ誘致してきたところで、その第二号店、第三号店が近隣にできるまでそう長い時間はかからない。
「新しさ」とか「大きさ」とかそういうスペックのみでの差別化はすぐさま陳腐化してしまう。

それよりもランニングトラックのような「コト」での集客を重視したことは英断といえる。

概要はこうだ。
地上三層構造で、店舗数: 49店(スポーツ4店舗/物販14店舗/ 飲食・食物販13店舗/サービス15店舗/その他3店舗)である。

年間来客数は400万人を計画しており、売上高目標は非公開である。

店舗数は49と少なく、物販は「ゼビオ」を筆頭としたスポーツの4店舗を加えても18店舗しかない。
非常に小型の商業施設だといえる。

何人かの業界紙記者と売上高を推測したが、だいたい20~30億円内外ではないかということで一致した。

物販が18店舗なので1店舗1億円の年間売上高があるとしても18億円である。
あと飲食やサービスなんかで合計10億円弱としても28億円内外ということになる。

おそらく最大で30億円、最小で20億円くらいではないかと考えられる。

商業規模的にはそれほど大きくはないが、それでもこの商業施設が森ノ宮という土地にできたことは画期的だといえる。
まず「コト」重視のコンセプトであることは先ほども述べた通りだ。

次に「森ノ宮」という立地である。
大阪市内には大阪環状線というJRの路線が走っている。
東京の山手線みたいなものだが、もちろんそれよりも規模は小さい。

この環状線のターミナル駅は大阪駅と天王寺駅である。
やや落ちて京橋駅、さらに落ちて鶴橋駅だろうか。

天王寺から新今宮、大正、弁天町、西九条などを通って大阪駅に通じるのが外回りで、
天王寺から寺田町、鶴橋、森ノ宮、京橋、天満などを通って大阪駅へ通じるのが内回りである。

大阪環状線では近年、外回り沿線の開発ばかりが進んでいた。
大正駅前にはイオンモールが新規オープンしたし、西九条駅はユニバーサルスタジオジャパンに通じる桜島線への乗換駅である。

新今宮の駅前のフェスティバルゲートは取り壊されたが、跡地にマルハンの大パチンコ店ができた。
(これを開発と喜んで良いのか大いに疑問だが)

イケアも外回り沿線にある。

反対に内回り沿線はあまり開発が進んでいない。
京橋駅前はかなり物件が密集していて、ここからの新規開発はかなり難しいように感じる。
焼肉店が軒を連ねる鶴橋駅周辺は、地権問題がかなり厄介なのではないかと考えられる。

天満駅前も天神橋筋商店街が走っており、新規開発は難しい。

大阪城公園駅は文字通り大阪城公園なのでそこにわざわざ商業施設を建てるのは疑問である。

となると、内回り沿線で開発できそうな駅はほとんどない。

さらにいうと、内回り沿線で大型商業施設があるのは天王寺駅くらいで、そのあとは京阪モールとダイエーのある京橋駅まで存在しない。

やっと森ノ宮に小規模とはいえ、まともな商業施設ができたことは内回り沿線の住人からは歓迎されるのではないだろうか。
隣駅の玉造駅や大阪城公園前駅周辺からは自転車で数分程度なのでかなりの数の住人が利用するのではないかと考えられる。

また商業施設のコンセプトはスポーツとファミリー向けなので、家族で楽しめそうな施設が近隣になかったことから見ても、それなりの集客ができそうだ。

実際の売上高がいかほどになるかはちょっとわからないが、400万人という集客は果たせるのではないか。

これを契機に、なにやら寂れた感じが強い内回り沿線も少しは活性化するだろうと期待したい。
しかし、大阪環状線沿線の再開発はこの森ノ宮駅前が最後になるのではないかとも感じる。
外回りも内回りも、もう再開発できそうな物件があまりないように見えるからだ。

スポーツでもなくカジュアルでもないサーフブランドは中途半端な存在

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 「Beach Sound」「natuRAL vintage」などの直営店舗を運営していたアートヴィレッヂが経営破綻し、民事再生法を申請した。負債総額は39億8000万円である。

http://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4038.html

当社は、1975年(昭和50年)4月の設立。製造から小売まで手がけるSPA事業を主力に、メンズ、レディースのヤングカジュアルウエアの小売および卸を手がけていた。サーフブランドの老舗「BODY GLOVE」「LOST」など、常時10種類程度のブランドを扱っていた。2001年に直営店を出店したのを皮切りに積極的に新規出店を進め、「Beach Sound」「natuRAL vintage」などの店舗名で全国に展開し、2009年2月期の年売上高は約99億1700万円を計上していた。


とある。

しかし、

しかし、レディース事業の失敗により在庫が膨らみ、財務内容が悪化するなか、2011年3月に発生した東日本大震災の影響で一部店舗が被災。計画停電の影響などから売り上げが減少したことで資金繰りが悪化していた。その後は金融機関や取引先に支払い条件の変更を要請し、不採算店舗の閉鎖、人員整理、在庫の圧縮など再建計画に取り組んでいたが奏功せず、2014年2月期の年売上高は約41億5200万円にまで落ち込むなか、ここにきて民事再生法による再建を目指すこととなった。

とのことだ。

ピーク時の2009年に100億円の売上高があったが、その5年後の2014年には41億円強にまで売り上げだが定価しており、実に6割減である。
5年という短期間に6割もの売上高が減少すれば経営破綻しても当然である。

この少し前の今年の2月には「波乗達人」「波王」ブランドを展開していたアパレル、ブレイクスルーが破産した。
こちらの負債は5億7000万円で、売上高はピーク時で8億円程度しかなかった。
ブランドの知名度の割には意外に少ないという印象を受けた。

http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20150213/Tsr_tsr20150213_01.html

この2社に共通するのがサーフカジュアルブランドを展開するアパレルだというところである。

個人的な意見だが、サーフカジュアルブランドの人気を長続きさせることは非常に難しいと感じる。

サーフブランドとはいうものの、具体的には何が主力かというとグラフィックプリントTシャツである。
筆者はサーフブランドにまったく魅力を感じていないから見方が厳しいかもしれないが、要するに消費者の評価基準はグラフィックデザインの良し悪ししかないと見ている。

これがナイキやアディダスを筆頭とするスポーツブランドなら機能素材を使ったカジュアルという切り口がある。
しかし、筆者の知る限りにおいてはサーフブランドで積極的に機能素材を使用しているブランドはほとんどない。
綿100%Tシャツがメインで、そこにどんなグラフィックを載せるかということしか差別化要素がない。
筆者にはそう見える。

しかもそのグラフィックが筆者の好みではない。
やたら暑苦しいというかむさくるしいというかそんな印象を受ける。

これならまだ美濃屋のコンバースのTシャツを買った方が良いのではないかと思う。

そしてグラフィックプリントが商品販売の生命線なので、プリントの図柄がどんどんとエスカレートしていく。
暑苦しさむさくるしさ、胡散臭さはシーズンを追うごとに増す。
どんどんと過剰装飾になっていく。これは仕方がない側面もあるのだが、個人的には好きではない。

卸売り先として当初はサーフショップを狙うブランドが多いが、日本におけるサーフショップは小規模な個人経営店しかないため、早々に量販店や大手チェーン店へと切り替える。
しかし、量販店にも大手チェーン店にもサーフブランドは掃いて捨てるほどあふれかえっている。
その中で激しい競争があるわけだが、一般消費者からするとどれも同じに見えている。

それではダメだからというので、グラフィックプリントをどんどんと派手で目立つようにするが、派手で目立たせすぎた結果、それを買うのは柄の悪いヤンキー層のみということになる。
これでスポイルされるサーフブランドは数多くあった。

昨今は、卸売りにも限界を感じてSPA化するサーフブランドアパレルがある。

破綻したアートビレッヂもそうだし、ビラボンジャパンもそうだといえる。

SPA化するためにはトータルアイテムが必要となる。
いっそのこと割り切ってグラニフのようにTシャツ専門SPAになっても良いのではないかと思うが、どうも彼らはトータル化したいようだ。

しかし、トータル化するといっても最大の売りはTシャツである。
それ以外のアイテムを企画製造するのはこのご時世だから金さえ出せばいくらでもできるが、Tシャツ以外のアイテムにそれほどのステイタス性はない。

例えば、クイックシルバーやビラボンのジーンズなんて欲しいと思う人が数多くいるだろうか?
筆者はいないと思う。
ジーンズならジーンズブランド、もしくはセレクトショップかジーンズチェーン店のプライベートブランド、あとはユニクロだろう。

ジーンズが欲しいからサーフブランドのSPA店で探すという人はかなりの少数派だろう。

ダウンジャケットしかり、セーターしかり、カジュアルジャケットしかり、である。

筆者は、サーフブランドは消費者からTシャツとポロシャツ、トレーナー類とカジュアルショートパンツ、あとは小物雑貨、水着しか求められていないと思っている。

サーフブランドアパレルが一定の規模から凋落するのは自然なことだと感じる。
大規模化するとその凋落は必然であるし、ブレイクスルーのように細々と展開していてもいずれはどこかで行き詰る場合が多い。


大規模化して凋落したのが今回のアートビレッヂだし、経営は破綻していないが代表例がクリムゾンだといえる。

「ピコ」「タウン&カントリー」「ラスK」などのサーフブランドしか展開していなかったクリムゾンは卸売りだけでピーク時には180億円以上の売上高があった。
2015年1月期の売上高はわずかに5億9400万円しかない。
ピーク時はおそらく2005年ごろだったと記憶している。
わずか10年間で40分の1近くまで縮小している。
これでよく経営破綻しないものだと驚くほかない。

クリムゾンがピコで犯した失敗は、グラフィックをどんどんと派手にしていったことにもその一因があると見ている。売り場で目立たせるためには仕方がなかったのかもしれないが、派手になりすぎればマス層は嫌う。


筆者にはサーフブランドが非常に中途半端なブランドだと見える。
スポーツでもないしカジュアルでもない。
どっちつかずの存在であることがサーフブランドが今一つメジャーになりきれない理由の一つだと思う。

日本市場でのサーフブランドは、カリスマのある個人経営者が少人数を集めて、数億円くらいを30年間稼いでそして経営者の引退とともにブランドを終わらせる。という構図がもっとも適していると考えている。


オタク向け商法はファッションにこそ適している?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - オタク向け商法はファッションにこそ適している?
 18日の土曜日、初めてラジオ番組に電話出演した。
「久米宏 ラジオなんですけども」というTBSラジオの番組である。
出演したといってもたった10分~15分程度である。
全国に向けてブサボを披露してしまった次第である。

内容は「今春のNGファッション」というもので、本来ならファッションに疎い筆者なんかよりももっと適任が業界にはたくさんおられると思うのだが、なぜか出演依頼があったのでお受けした次第だ。

どんな感じの段どりになるのかとドキドキしていると、まず、スタッフの方から質問項目がメールで送られてきて、それにメールで返信をした。

次に電話でスタッフの方と事前打ち合わせをし、具体的に待機時間を指定された。
具体的には午後1時半ごろの出演となるので、1時20分過ぎから電話口で待機しておいてほしいとのこと。
当初の持ち時間は10分くらいだったが、電話が終わって時計を見ると15分近くが経過していた。

ざっとそんな感じである。

で、事前の電話口での打ち合わせの際、昨今のファッショントレンドの話になったが、スタッフが興味を持たれたのはMA-1ブルゾンの人気復活だった。
たまたま担当者が40歳手前の男性で、筆者とほぼ同年代だったこともある。

筆者が大学生、担当者が高校生の頃に米軍のMA-1というフライトジャケットが大流行した。
もう20年以上前の話である。
大流行のきっかけはトム・クルーズ主演の映画「トップガン」だったとされている。

結局なんだかんだで90年代後半までMA-1というブルゾンは人気防寒具となっていたが、2000年代に入ると姿を消した。
一部の根強いファンは愛用していたようだが。


2000年代半ばからは洋服のシルエットがタイトになり、その流れは今も続いているといえる。
こうなると、MA-1人気はさらに低下する。
なぜなら、タイトシルエットとは程遠い形態をしているからだ。

身幅は広い、アームホールは大きい。

これを今、非イケメンのオッサンが着用していると、単なる流行度外視層か、現場作業員か、重度のミリタリーファンか、の3つのうちのどれかにしか見えない。

そんなわけで少なくとも10年近くはまったく注目されてこなかった。

そのMA-1が一昨年ごろから最注目され、今秋冬もまだその人気は継続しそうな雰囲気である。
トップガンの頃と異なるのは、身幅もアームホールも全般的に細めに作られていることである。
今、製造されているのは「本物」とはまったくシルエットが異なる。

写真111

(細めにリファインされたアルファインダストリーのMA-1ブルゾン)



今春は作られていないが、ユニクロもこのスマートなMA-1タイプのブルゾンを発売していたことがあるので、それなりにマスな商品になったといえる。

まあ、そんな話をしたところ、担当者からは「いや、初耳です」「初めて知りました。MA-1懐かしいですよね」というような答えが返ってきた。
少し前にはユニクロでも売られていたぐらいだから当然、広く認知されていると思っていたが、意外に知られていなかった。

さらにいえば、一般の消費者よりもトレンド情報に近いであろうマスコミ関係者がまったくそういうことを知らないというのも驚いた。

もしかしたら、ファッション業界関係者が思っているほど、トレンド情報とかファッション情報は広く流通していないのかもしれない。
もっといえば、そういう情報の需要自体がこちらが思っているよりも少ないのかもしれない。

そんなことをツラツラと考えてしまった。
ファッションというのは、いわゆるオタク的同好者しか興味を持たない案件ではないか。

鉄道オタクの人は電車の魅力をとうとうと語る。
聴いているとなるほどと思うが、じゃあその世界に入ってみようとは筆者は思わない。

アニメや特撮にしてもそうだし、ガンダムのプラモデルにしてもモデルガンにしてもそうだ。

ファッションとか洋服というのもこれらと同じではないかと感じてしまう。
オタクが集まってあーでもないこーでもないとやりあっているのがファッション業界ではないか。

ビンテージジーンズオタクが「〇〇と××はほとんど同じに見えるがこの部分のディテールが違う!!」

なんてことを力説しているのを聞くと、「気持ちはわかるけど、どーでもええやん♪」と感じてしまうが、たぶん、一般人からするとファッションオタクが少しの差異について真剣に議論していることを聞くと、同じように感じているのだろうなと思ってしまう。

そういう意味では洋服は、オタクに向けた売り方を追求してみても良いのかもしれない。
現在のガンダムのプラモデルなんて特定のファンに毎年いくつもの新商品を買わせることで成り立っている側面がある。
「ファッション」を標榜する洋服もそういう売り方を極めてみて良いのではないだろうか。

なんてことをラジオ出演の前後を通して考えた。
「ファッションをガンプラ化する作戦」とでも名付けてみたら良いのだろうか。(笑)


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