南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2014年12月

インナーダウンを探してユニクロめぐり

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 昨日が仕事納めの企業も多かったので、このブログは今日で年内最後の更新としたい。
年明けは1月5日から再開の予定である。

さて、先日、清水の舞台から飛び降りるつもりで3990円に期間限定値下げしていたユニクロのインナーダウンジャケットを2枚購入してみた。

今回、購入するにあたって大阪市内の大型店を何店舗か廻ったのだが、予想以上に消化されており、その売れ行きに驚かされた。


まず、当日廻った店舗のリストである。

大丸梅田店
ヨドバシカメラ梅田店
ユニクロ心斎橋グローバル旗艦店
ユニクロなんばシティ店

それとその前日くらいにユニクロあべのキューズモール店

である。

4店舗を一日で廻ったのだが、この商品が一番残っていたのは大丸梅田店である。
メンズは黒、紺、オリーブ、グレーの4色展開だが、4色ともサイズもそろっていたし、各サイズとも枚数がそこそこ残っていた。しかし、紺色のMサイズは欠品していた。
黒、オリーブ、グレーはM~XLまでそろっていた。
結局筆者が購入したのはこの店である。黒と紺のLサイズを購入した。
紺色は最後のLサイズだった。


ヨドバシカメラ梅田店は各色とも残り枚数が少なかった。
とくに紺色はXLサイズが1枚残っていただけだった。


心斎橋グローバル旗艦店もほとんど在庫がなかった。
紺色は全滅。あとはXLサイズが各3枚ずつくらい残っていた程度だった。


なんばシティ店も紺色は全滅。
あとの各色もXLサイズが10枚ずつ残っていた程度だった。


その前日に行ったあべのキューズモール店は全色全滅。


ざっとこんな具合で、その人気ぶりに驚かされた。
これは想像だが、通常のウルトラライトダウンよりも生産枚数が少なかったのではないか。

ここまで調べると、こちらも意地になるので、ユフラ上本町店にも電話で在庫確認をしてみた。
ユフラ店も在庫がほとんどないという答えだった。


とくに紺色の人気が高い。
Mサイズはオンライン通販でも品切れしていた。
(12月26日の時点ではXLしか残っていない)

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(一番人気の紺色)



今回の結果を踏まえると、来年は大増産となるのだろうか?
少なくとも今年よりも生産枚数は増えると考えられる。
あとは色バリエーションが増えると予想される。

ユニクロに検討してもらいたいのは袖口は現状のゴム入りで絞るのが妥当なのかどうかという点である。
レディースのインナーダウンの袖口はゴムで絞っていない。

どちらの方が着用しやすいのだろうか?


いやはや、それにしてもこれほど探し回らねばならないほどの売れ行きとはまったく予想できなかった。
ヤレヤレ。


皆様、良いお年を~。

ユニクロのインナーダウンを買ってみた

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 今日で仕事納めという会社も多い。
年の瀬ということで今回はちょっとお気楽に書いてみたい。

先日、清水の舞台から飛び降りるつもりでユニクロのインナーダウンジャケットを2枚買ってみた。
25日までの期間限定価格で3990円(税抜)に値下がりしていたからだ。定価でなら買っていない。

ユニクロでの正式名称は「ウルトラライトダウンコンパクトVネックカーディガン」(長ッ!)である。

黒と紺のLサイズを買ってみた。
試着するとMサイズでも着れたのだが、ボタンを留めると胸がちょっと引っ張られて不恰好なのでLサイズにしてみた。
何故、2枚買ったかというと、筆者は黒と紺を組み合わせることが苦手なので、黒は黒・グレー系、紺はグレー・茶系と合わせることを常としている。
そのため、黒いアウターに合わせるのと紺のアウターに合わせるために黒と紺の2枚のインナーダウンを買った次第である。

正式名称がバカ長いので以下、インナーダウンとするが、これの使い道として、

1、上からコートを着用するには分厚すぎる生地で作られたジャケットのインナー
2、真冬に着用するには薄すぎるジャケット類のインナー
3、ニットアウターのインナー


があると考えられる。

筆者はニットアウターが好きで、何枚か持っている。
しかし、ニットアウターは着用できる時期が短い。
真冬は風を通すから着用するにはつらい。
また秋口は暑すぎて着用できない。
必然的に無風状態の晩秋か、無風状態の春先という極めて限られた条件でしか着用できなかった。

インナーダウンを利用することで手持ちのニットアウターの着用機会を増やすことができそうだ。

今回は、手持ちの格安衣料で、インナーダウンとニットアウターのスタイリングをやってみる。
まあ、スタイリストの真似事であるのでご笑納いただければ幸いである。



これまではニットアウターにはダウンベストを合わせていたが、これも実用的ではない。
「袖が寒いよ~」という状態であり、これで外出するのはなかなか勇気が要った。(笑)

写真 11

(袖が寒いよ~の状態)


で、1つ目

無印良品で一昨年の正月に買ったチャコールグレーのローゲージニットテイラードに黒のインナーダウンを合わせてみた。

ちなみにこのニットジャケットは5900円くらいに値下がりしていたものである。

写真 5





ニットジャケット5900円くらい
インナーダウン3990円
レイジブルーで1000円に値下がりしていたギンガムチェックシャツ
無印良品で1900円に値下がりしていたホワイトグレーのストレッチスリムパンツ





2つ目
ヤマトインターナショナルのファミリーセールで4000円くらいに値下がりしていた「カーニーハウス」ブランドのフェアアイルローゲージカーディガンに紺のインナーダウンを合わせてみた。

写真 4




カーニーハウスのフェアアイルニット4000円くらい
無印良品で1000円に値下がりしていたギンガムチェックシャツ
2990円に値下がりしたときに買った+Jのジーンズ




3つ目
数年前に買った無印良品の紺のニットジャケットに紺のインナーダウンを合わせてみた。
価格は確か4900円くらいに値下がりしていたと記憶している。

写真 3



合わせたのは
ライトオンで1900円に値下がりしていた「バックナンバー」のデニムシャツ
ライトオンで1900円に値下がりしていた「バックナンバー」の赤いストレッチスリムパンツ



4つ目
数年以上前にGAPで購入したスタンドカラーの黒いニットアウターに黒のインナーダウンを合わせてみた。
このニットアウターは破格値で、2900円に値下がりしていたので購入した。

写真 2



合わせたのは
ライトオンで1900円に値下がりしていた「プラスワン」のオックスフォードクレリックボタンダウンシャツ
(画像では見えにくいがボディが白で、襟が紺色という珍しい色合わせである)

ライトオンで1900円に値下がりしていた「バックナンバー」の花柄迷彩柄のストレッチスリムパンツ



ざっとこんな感じである。


さっそく年末年始にこれで外出してみて、寒さが防げるかどうかを体感してみたいと思う。


こちらからは以上です。

良い物が売れるとは限らない

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 製造と販売は両輪である。
いくら良い生地を使っても売り方・見せ方が下手くそなら売れない。
また製造の中でも素材とデザイン(パターンも含む)は両輪であり、いくら良い素材を使ってもヘンテコリンなデザインやモサっとしたあか抜けないシルエットならその洋服は売れない。

産地の製造加工業者の中には自らが従事している生地を過剰に重視しすぎる企業がある。
例えば「うちの生地は良いから、ちょっと不味いデザインでも見栄えが良くなる」というような口上を産地業者が述べることがある。
まあ、セールストークの一環なのだろうが、ちょっと実際には当てはまらない。

最高級のナンタラという生地を使っていてもデザインが良くなくて、シルエットがあか抜けていないとその商品は売れない。消費者は別に生地が買いたいわけではない。
生地が買いたければユザワヤかトラヤに買いに行っている。

その原因はさまざまあろう。

まず、産地の製造加工業者の多くが製品作りについてあまり詳しくないことだ。
また販促、広報にも詳しくない。
必然的に狭義の意味での職人的に己が手掛けている商品のみに没頭するということになる。

それに加えて、識者と呼ばれる人々が生地作りを神格化しすぎているということもあるだろう。
過剰な神格化は生地作りに弊害をもたらすのみである。

繊研プラスに掲載されたこの記事にもそういう弊害を見てしまう。

http://www.senken.co.jp/news/cool-japan-chizai/

さて、これは講演の一部であり、しかも続きは紙面でないと読めないので、掲載された部分のみを持って判断することはできない。
また、講演なので記事化されていない前後の文脈もあるだろうし、限られた時間内で数多くある要因すべてを語りつくすことはできないから特定の部分を集中的に語らざるを得ない。

これらを踏まえたうえでそれでも過剰な物作り賛美は害悪だと感じる。


アパレル業界はずっと価格ダウンの方向できた。マーケットは変わっているのに業界は変わっていない。産地を回ると「日本のブランドはわれわれに目を向けてくれない」といわれる。欧州のラグジュアリーブランドはもちろん、中国・韓国の企業でも産地に買い付けにくるのに、日本の企業だけ買ってくれない。来ても価格のことしか言わないと嘆いている。

 ダウンウエアで有名なフランスの人気ブランドは、北陸の技術を活用している。韓国の企業がその北陸の企業の素材を買い付け、製品化して中国で販売している。日本企業だけが目を向けない。だから日本のアパレル企業はみんな中国で苦戦している。

 回転すし屋を例にとると、その生き方は二つ。冷凍マグロを使わず原価の高い本マグロを薄く小さく切って使うか、冷凍マグロをぶ厚く切って使うか。今のアパレル業界は冷凍マグロを薄く小さく切って使っている。だから売れない。アパレル企業もいいものを使うか、安いものをたっぷり使うか、どちらかの方向に行くべきだ。


とある。

この考え方をまとめると「良い物は売れる」と言っているに過ぎないように見える。
あくまでもこの文面だけで判断した場合である。

しかし、世の中には売れない良い物は山ほどある。
売れない良い物は何かが足りないのである。
それは消費者ニーズをとらえきれていない、消費者ニーズを示唆できていない、広報PRが不十分である、販促手法が下手くそである、市場価格にマッチしていない、生地の見せ方が下手くそ、などなどの要因が考えられる。

この文面だけを読むと、日本のアパレルは高い物を売らないからダメだと読める。
高い物を売るためには、販促も広報もPRも必要だし、そもそもブランドを認知させないといけない。
また展示会での生地の見せ方・ディスプレイも上手くないとダメだ。
例えばルイ・ヴィトンやシャネル、グッチなどのラグジュアリーブランドが国内産地の生地を使っていることはよく知られている。
ちなみに彼らは国内の生地工場まで定期的に視察に来る。
日本の大手アパレルブランドで産地工場に見学に来るところが何社あるだろうか。

その部分で大手国内アパレルが取り組み姿勢からして海外ラグジュアリーブランドの足元にも及ばないのは事実である。

しかし、価格帯でいうなら、海外ラグジュアリーブランドと同等価格で販売できる国内ブランドがいくつあるだろうか。また、それ並みの価値を正しく発信できているブランドがいくつあるだろうか。
そこを同等にして市場を論じるべきではない。

また一口に国内産地生地といっても価格はピンキリだ。

デニム生地なら国内産地の定番生地を使えば1メートル700円内外である。
2メートル使っても1400円。
あと縫製や加工、副資材のコストを乗せても4000円以下でジーンズを国内製造することができるだろう。

一方で他の生地なら1メートル2000円、3000円、4000円なんていう生地もあるし、1万円近い生地もある。
1メートル3000円の生地で製品と作ったとして用尺2メートルなら生地代だけですでに6000円である。
そんな生地をおいそれと使える国内ブランドはごく少数だろう。

例として北陸の合繊が挙げられているがフランスのダウンブランドは一体何万円で販売されているのか。
また合繊は他の天然繊維系生地に比べて単価が安いから韓国ブランドでもロットさえまとまれば使用可能だろう。
天然素材系の生地と同列には論じられないのではないか。

「冷凍マグロを薄く切って使っているから売れない」というクダリは「良い物を使っていれば売れる」と読める。
まあ、それ以外にも「安い物をたっぷり使うべき」という示唆もあるが、具体的に衣料品作りに落とし込んだときにどうあてはまるのかはあまりよくわからない。
洋服には決められた用尺があるからそれ以上に過剰に使用する必要もない。

筆者はこれまでからも何度か書いているように、産地の製造加工業者は圧倒的に売り方・見せ方・発信方法を学ぶべきであると考えている。

売り方・見せ方・発信方法が下手だから売れないし伝わらない。
良い物が良い物に見えないし、そもそも発信していない企業も数多くある。
2年もウェブサイトを更新していなかったり、そもそもウェブサイト自体がなかったり。

国内の大手アパレルが硬直的な考え方をしていて展望が開けないのは事実だが、そこに向けて売りたいのなら、そこに向けた発信をすべきだろう。
産地の生地を使えばどういうメリットがあるのか。

価格なのか、品質なのか、独自の開発姿勢なのか、ブランドと一体で商品づくりに取り組む姿勢なのか。

それを発信しないことには、国内の大手アパレルは動かないだろう。
一概に国内アパレルだけが悪いとは言い切れない。

また国内生地が売れない原因の一つには百貨店という販路にもある。
百貨店の歩率が高すぎるから原価率は25%以下でないとブランド側に利益が出ないと言われている。
百貨店向けアパレルのOEM生産を手掛けている知人は実際に「原価率は20%前後でないと採算に乗らない」という。
百貨店のビジネス形態を放置したまま、アパレル側に高額生地を使えとハッパをかけたところで何の効果もない。

国内の生地産地が大きく飛躍するためには、筆者は「良い物は黙っていても売れる」「良い物を使わないから売れない」という精神論から脱却すべきであり、百貨店を含めた販売側、ひいては業界構造自体の再構築も考える必要がある。精神論だけで良い物が売れるならだれも苦労はしない。

インナーダウンの変遷

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 今秋冬の最大のヒットアイテムはインナーダウンだろう。
チェスターフィールドコートは前評判は高かったが寒さ対策という実用面で頼りないためか、メディアが期待したほどではなかった。

インナーダウンというのは、アウターの下に着用する薄手のダウンベスト・ダウンジャケットのことであり、今秋冬は立ち襟なしのデザインの商品がユニクロをはじめとする各ブランドから発売されている。

個人的には立ち襟無しのインナーダウンは、あくまでもインナーに着用すべきで、アウターとして着用してサマになるのはイケメンに限られると感じている。そう、文字通り「ただしイケメンに限る」である。

ユニクロのウェブサイトから画像をお借りする。





こんな感じでインナーに着用すると着こなしとして目新しさがある。

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一方、アウターとして着用すると、なんだか間が抜けている。
外国人のイケメンモデルさんが着用してさえ間抜けな感じがするのだから、イケメンでない一般人が着用したらどれほど間抜けに見えるのだろうか。
イケメンにはほど遠い筆者なんて完全にアウトである。通報されるレベルになりそうだ。
ジャケットよりはベストの方がまだマシに見える。

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さて、このインナーダウンへと至る経緯はちょっとおもしろいと感じる。


もともと本格的なアウトドア用品としてインナーダウンは存在していた。
冬高山登山では保温のために分厚いダウンジャケットの下に薄手のダウンジャケットを着用していた。
これがインナーダウンの正式な用途である。


薄手なので重量は軽い。
ここに目を付けたブランドがタウンユースのアウターとして提案し始めた。
寒冷地方でない限り、分厚いダウンジャケットはそれほど必要ではない。
電車移動が多い都心部なら軽量ダウンで十分ではないか。
そんな意図があったのだろうと想像する。

加えて厚手のダウンジャケットはモコモコしていて太って見えてスタイリッシュではない。
ミシュランマンみたいになってしまっている人も多数見かける。

薄手の軽量ダウンならそれらに比べるとスッキリして見える。

そうこうしているうちに薄手の軽量ダウンを圧倒的に広めたのは今回もユニクロである。
ジャケット5900円、ベスト3900円という低価格が武器になった。

ユニクロが広めると、いつもの逆ランチェスターの法則が発動して、衣料品においては弱者である量販店・GMSが追随してさらに広まった。
そして、よく意味の分からない軽さ競争が始まる。
軽ければイイという不思議な競争で何の意味があるのかはまったくわからなかった。
50グラムくらい軽かろうと重かろうと実際着用するにはあまり関係がない。


しかし、アウターとしての軽量ダウンは行き詰まりを見せた。

①ダウン原料の高騰
②数年に及ぶ軽量ダウン販売で消費者に行き渡ってしまったこと
③ダウンジャケットをアウターに使ったスタイリングに限界があったこと


の3つが挙げられるのではないか。

①も②も深刻だが、③も深刻で立ち襟のダウンジャケットをアウターとして着用した場合、どうしてもスタイリングがカジュアルかスポーツかになってしまう。
一部ではテイラージャケット型のダウンジャケットも開発されたが、立ち襟型に代わるほどは広まらなかった。


ダウンジャケットを使った新しい着こなしはないのかと思われていたが、昨年あたりから薄手ダウンジャケットをジャケットやコートのインナーに使おうという提案が始まった。
ユニクロもディスプレイではウルトラライトダウンをジャケットやコート、フリースのインナーとして使用し始めた。


羽毛布団と毛布の正しい使い方がある。
寒くなると掛布団として羽毛布団と毛布を使用する人も多いが、
毛布の上から羽毛布団を掛けるのはあまり効果がない。

羽毛布団の保温性を高めるために、羽毛布団の上から毛布を掛けることが正解なのだそうだ。

ダウンの上からコートやジャケットを羽織るのはこれと同じ理屈であり、原理として正しいといえる。

軽量アウターとして注目を集めたインナーダウンが、ようやく本来の用途であるインナーに戻ってきた。

そして今秋冬は襟なしのインナーダウンとして変化した。
立ち襟がなくなったということは完全にタウンユースのインナーアイテムになったと捉える方が適切だろう。

立ち襟というディテールは元来アウトドアに向けたものである。
ライダースジャケットしかり、遊牧民であった女真族の民族衣装の旗袍しかりである。

ダウンをインナーにすることでアウターのコーディネイトバリエーションが楽しめるようになった。
スポーツ・カジュアルだけではなく、トラッド、ドレッシーなコーディネイトも可能になる。

また、今まで着用法に困っていたアウターも復活させることができる。
例えば、コートを上に着るには分厚すぎるが、それ1枚では寒いというジャケットもインナーダウンを着用すれば真冬でも大丈夫になる。
逆に真冬に着るには薄すぎるアウターもインナーダウンを着用すれば着用期間が延びる。

そんな効果も期待できる。

インナーから始まって軽量カジュアルアウターとなり、デザインを変化させてインナーに回帰したという変遷はなんとも面白い。

福袋についてのアレコレ

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 さて、クリスマス間近だが、筆者にはあまり関係ない。

クリスマスが終わると店頭は途端にお正月向けに変わる。
毎年のことながら、この変わり身の早さは見ていてすがすがしさを感じる。

お正月というと、恒例の福袋販売だが、今回は福袋について見てみたい。

元来、福袋は売れ残りの在庫品を詰め合わせて販売していた。
これはそれほど昔の話ではない。10年くらい前まではそういうショップが多かった。
その昔、筆者も一度買った経験があるが、正月の福袋に夏物の半袖衣料品が数点入っていた。
結局のところその時期に仕えそうなアイテムは2点ほどで、3点以上あれば儲けものだった。

これが現在では、色柄、サイズ別に分けられており、その時期に仕えそうなアイテムばかりだということは周知の事実である。

なぜ、こんなことができるかというと、多くの場合は福袋用のアイテムをわざわざ製造しているからだということも良く知られている。

ただし、中には本当に在庫をある程度の枚数を詰めている福袋もある。
筆者が知る限りにおいては、ジーンズチェーン店の多くは実際に店頭で一定期間販売した在庫を詰めている割合が高い。
とは言ってもその場合も福袋用に何点かは製造・仕入れしているようだが。

一方、セレクト系やトレンドSPA系の福袋はほとんどが新造品で占められている。
中には在庫品が混じっていたりもするが、それはよほど売れ行きが悪くて大量に残ったアイテムである。

ただし、いずれの場合も10年くらい前の福袋のように、夏用の半袖アイテムは1枚も入っていない。

2~3年前に、某有名セレクトショップ(実質は疑似SPA)のメンズ福袋と、某無名メンズブランドの福袋の中身がまったく同じなのに値段が全く異なるということでネット上で話題になったことがある。
某有名セレクトショップの福袋が1万円で、そのメンズブランドの福袋が数千円だった。その価格差がずいぶん話題になった。


なぜこんな現象が起きるかというと、

一つは同じODMメーカーに福袋の製造を両社が依頼していた可能性がある。
もう一つの可能性は、某セレクトショップがこのメンズブランドにODM生産を依頼していた可能性である。

この二つしか可能性はない。

ネット上ではこのメンズブランドがセレクトショップにODMを依頼したのではないかという推測も流れていたが、その可能性は極めて低い。

なぜなら、無名ブランドが大手セレクトショップにODMを依頼する事例は業界では存在しない。
必ず逆である。大手セレクトが無名ブランドにODMを依頼するのである。
だから大手セレクトが無名ブランドからODMを依頼されたという可能性は除外して考えるべきである。


ところで、新造品にもかかわらず、どうして福袋アイテムに値札が付いているのかという疑問がある。

これについていつものブログで解説されているのでご紹介したい。

福袋の裏話
http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-11963330744.html

つまり、

本来ショボい商品なのを

あたかも「高い」商品が

大幅に安くなっている印象を

消費者に与えたいが為だけに

わざわざ、

ありもしない「元値」が記載された

「下げ札(タグ)」を付けているんですね。


というのが結論である。

福袋用の新造品(店頭での販売実績がない)にもかかわらず、高めの価格を表記した値札が付いているのは、いわゆる「二重価格表示」にあたるので下手をすると景品表示法違反の可能性が極めて高い。

これはこのブログが指摘する通りである。

過去に販売実績がある不良在庫品の値札が定価で表示されていることは景表法違反にはならない。
だからそのアイテムは合法的であるが、福袋用の新造品にもかかわらず高価格を値札で表示するのは景表法違反になる可能性が高いということである。


そんなわけで、年始も楽しい福袋ライフをお過ごしください。
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