南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2014年06月

来店を促す仕掛け作りを工夫せよ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 来店を促す仕掛け作りを工夫せよ
 店の売上高を増やそうと思ったら、とりあえず店に来てもらうほかない。
ネット通販をやっている店もあるが、小規模店の場合ネット通販が爆発的に売上高を増やすとは考えにくい。
そもそもアパレル製品自体がネット通販にそこまで適していないのではないかという部分がある。

試着をしたい
素材の触感を確かめたい

こういう消費者は少なからず存在する。

売上金額でいうと、ユニクロは通販だけで200億円もあるというが、リアル店舗も含めたユニクロの売上高に占める割合は小さいといえる。
ユニクロ単体の売上高は2013年8月期で8300億円ほどだから、2・5%ほどにすぎない。

それはさておき。

リアル店舗への来店者を増やすという狙いにおいて、先日紹介したコージィコーポレーションのように、消費者参加型のイベントを行うという手がある。
ワークショップや体験教室というものである。
これを開催することによって、顧客との関係性が強化されやすい。

ニットキッチン元社長は、ネット通販で買った商品のリアル店舗での受け取りを提案されている。

Buy Online Pick Up in Store
http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-11884524151.html

詳しくは原文をお読みいただきたいが、配送が意外に不便な場合もある。
例えば、休日に配送を頼んでいて、それが午前指定にもかかわらず、道路の渋滞などの理由で午後にズレこむことがある。その場合、配送をずっと待っていなくてはならない。

トイレに入っている間や、コンビニにジュースを買いに行っている間に、配送が来てしまい、不在通知が入れられていることもある。その場合は再度配送に時間指定をして待機せねばならない。

そういうことを防ぐために、よく足を運ぶ店で受け取れるようにすると利便性が上がるのではないかというわけだ。

〇〇ブランドの商品をオンライン通販で購入し、会社帰りの通り道にある〇〇ブランド心斎橋店で受け取って帰宅する。

これだと配送を待ち続けるという時間の無駄もなくなる。

店舗に寄ってもらうと、もしかしたらついでに何かほかの商品を買ってもらえる可能性もある。
買ってもらえなくたって、そこで接客をして関係性を深めることもできる。
決して物を売りつけるばかりが接客ではない。

少し前にこんな記事が話題となった。

「一生ビールが飲み放題で10万円!」~飲食店の新しい資金調達方法が凄い(アメリカ)
http://www.huffingtonpost.jp/ichiro-wada/all-you-can-drink_b_5429532.html


筆者の知人の人気ブロガー、和田さんが書いておられる。

以下、要点を抜き出す。

*アメリカミネアポリスの「Northbound Smokehouse & Brewpub」というお店は2年前にオープンした、店内でビール醸造もする本格的なパブ。
*開店のときに、資金があと220,000ドル(約2,200万円)必要だった。投資家に引き受けてもらう手もあったが、投資家が過半の議決権を要求したので諦めた。
*1,000ドルぐらいなら出せるのにという友人の声から、こんな資金提供をお願いすることにした。
*3種類の選択肢
1.1,000ドル 一生ビールが無料
2.1,000ドルの株 (議決権なし) 全株式の0.1%にあたる
3.5,000ドルの株 全株式の0.5%の株とビールが一生無料
*資金は集まった。
1.46人
2.42人 
3.30人

さて、その結果だけど、それは驚くべきものだ。

現在1日あたり17杯の無料のビールを提供しているが、その一杯あたりの経費はわずか40セントにしか過ぎない。

無料のビールを飲みに来てくれたひとは、ビール1杯で帰ることはなく、料理なども注文してくれるし、なにより友達などを連れて来てくれる。

お店は極めて繁盛しており、オーナーは100人のチアリーダーに支えられているようだと感想を述べている。


とのことである。

来店するということはビールだけを飲んで帰ることはまず考えにくい。
最低でも1品や2品はつまむ。
ピーナッツだけかもしれないし、ピーナツとチーズだけかもしれない。
それでも最低でも数百円の売上高はプラスされる。

この仕組みが日本でも通用するかどうかはわからない。
どこかの飲食店が試してみたという噂も耳にしないが、なかなか有効な手段だと思える。

一見すると単に話題集めの奇抜な企画だと思えるが、売上高を増やすとともに顧客との関係性の強化の同時を両立させている。

来店してくれた限りは必ず1品くらいは食べ物をオーダーする。
また自分が10万円払って支援している店だから足しげく通うようになる。
来店した際は必ずVIP待遇が約束されているわけだから、気分が良いし、友人知人にも紹介する。


大手との競争、ネット通販との競争というと、「安売り」しか頭にない業界関係者が大勢いるが、こういう仕掛けづくりによってリアル店舗はまだまだ活路があるといえる。
ワークショップ・体験教室の強化しかり、通販購入商品のリアル店舗受け取りしかり、有料会員募集しかり、である。

物だけ並べていても売れる時代ではない。
だからと言って、単に「SALE」とだけ書いたはがきを頻繁に投入しても意味がない。
消費者は「SALE」とだけ書かれた催事には興味がないのである。
もしそれで客が増えたとしても、それは安売りに興味がある客がほとんどである。

上のような仕掛けづくりができた店と、できない店の格差は今後ますます広がる。

ジルボーの終了

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - ジルボーの終了
 6月23日付の繊研プラスに「フランソワ・G、ジーンズ業界に復帰」という記事が掲載された。

http://www.senken.co.jp/news/francois-girbaud-j-brand/

一部メディアによると、フランス人デザイナー、フランソワ・ジルボーが、ファーストリテイリング(FR)傘下の米「Jブランド」に移籍し、ジーンズ業界に復帰する。

 同氏が手掛けていた仏ジーンズカジュアルブランド「マリテ+フランソワ・ジルボー」は13年11月、会社更生法が適用されたが再建に至らなかった。Jブランドでのポストや契約内容については明らかにされていない。


とのことである。

しかし、

FRはJブランドのジルボー氏起用について「聞いていない」(広報)としている。

とのことであり、今後どうなるのかが気になる。


国内でも長らく親しまれているジーンズカジュアルブランド「マリテ+フランソワ・ジルボー」だが、業界ではインポートジーンズに分類される。
国内の総代理店はタカヤ商事である。

インポート業界では、今年年初から、「ジルボーの本国が倒産の危機にある」という情報で持ちきりだった。
しかし、メディアにニュースとしては流れてこなかった。
今回の報道はかなり時間が経過してからの事後報道であるとはいえ、初めて本国の破たんが公式に報道されたものといえる。


情報が流れ始めた今年年初のインポート業界ではどういう動きがあったかというと、
ジルボーと同価格帯のカジュアルパンツを扱う各代理店が、ジルボーの後釜を狙って激しい営業活動を繰り広げていた。
本国が倒産したということは、今秋冬物から商品は輸入されない。
それまでジルボーを扱っていた専門店にも当然商品は納入されない。
ジルボーが並べられていたスペースが空く。

そこでジルボーの代わりに「当社が扱っている〇〇ブランドを扱いませんか?」と持ちかけるのである。


展示会などではそんな営業風景を見ていたから、ジルボーの本国倒産がいつ報道されるのかと待っていたのだが、ようやく報道されたわけである。
ここまで報道されなかったのは何か理由でもあったのだろうか?


さて、こうなると当然、国内のジルボーも今後なくなるということになる。

現在、直営店が8店舗ある。アウトレットを含めると9店舗だが、筆者が耳にしているところでは、今秋で全店閉鎖になると聞いている。
商品の供給は今春夏物までしかないからだ。
昨年11月に本国が倒産しているということは、今秋冬物は企画されていないということになる。

卸売りも当然、今春夏物で終了する。

直営店運営、国内向けの卸売りを手掛けていたタカヤ商事には大きな痛手である。

アウトレットを含めて9店舗と一部卸売りを行っていたことから類推すると、売上高は10億円強あったと思われる。これが消えてしまうのだから痛い。
今からジーンズカジュアルブランドで10億円規模まで育てるとなるとかなりの時間が必要になるし、第一、ジーンズカジュアルブランドなるものが10億円規模にまで到達できるかどうかである。

バブル崩壊直後くらいまでなら、ジーンズカジュアルブランドを立ち上げても10億円規模まで到達することは不可能ではなかった。
しかし、現在の状況下ではジーンズカジュアルブランドというジャンルそのものが新規立ち上げで10億円にまで到達させることはかなり難しい。


タカヤ商事にはこの難局をどうにか乗り越えてもらいたい。

雑誌広告より店頭イベントを

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 雑誌広告より店頭イベントを
 ファミリー向けSPAのコージィコーポレーションの今8月期が増収増益の見込みだそうだ。

http://www.senken.co.jp/news/cozycorporation/

少し前からこの会社の名前を知っておられる方は、ファミリー向けSPAというより、子供服SPAというイメージが強いのではないかと思う。

記事では利益額は書かれていないが、売上高は87億円の見通しである。

筆者が注目したのは次の一節である。

販促面では、今期はテレビCMや雑誌などのメディア露出はやめ、店頭でイベントの仕掛けを積極化した。子供向けの似顔絵プレゼントや、ネイルアート体験などを企画し、店頭の活性化につなげた。

とある。

本文の写真では、女児にネイルアートを施しているものが掲載されている。


これは販促の一つのやり方として他社も注目すべきではないか。
ファッションブランドの多くは販促の一番の手段を「雑誌」だという。
雑誌広告、雑誌に記事として掲載される、である。
ここでいう雑誌とは主にファッション雑誌を指しており、経済雑誌や情報雑誌ではない。

筆者の知る多くのブランドのプレス担当者は「ファッション雑誌」が最大の販促ツールだと考えている。
けれどもファッション雑誌に以前ほどの影響力がなくなったのはメディア関係者なら皆知っている。

宝島社の雑誌を除くと、各雑誌の部数は軒並み減少しており、広告出稿の減少を主要因とした営業不振から廃刊が相次いでいる。
こういう状態ではファッション雑誌そのものの影響力は低下するのは、自明の理であり当然である。

筆者が知る小規模ブランドの中にもファッション雑誌に掲載される場合がある。
掲載されても多くの場合は、それほどの反響はない。
ゼロではないが、一般的に考えられているような反響はない。
掲載された洋服が飛ぶように1日で100枚売れたとかそういうことは耳にしたことがない。
せいぜい問い合わせが10件あったとか、雑誌を見た人が数人店に来たとか、数枚売れたとかそういう場合がほとんどである。

きっちりしたデータが無いので恐縮だが、体感だとファッション雑誌の影響力低下が顕著になったのは2000年代半ば以降ではないかと感じる。

ならば、コージィコーポレーションのように雑誌への広告出稿費を顧客参加型のイベントに切り替えた方が、効率的ではないのか。

何度も書くように、ファッション雑誌への広告出稿費は相場として1P=100万円である。
2P見開きなら200万円である。

もちろん、割引とか投げ売りの場合もあるからもっと安くで出稿できることもあるが、定価相場はそんなものである。


200万円で店舗内のイベントをするとなると、イベント内容にもよるがかなり多くの店舗で開催できる。
これが年間1000万円の出稿予算を持っていたとすると、1000万円すべてを店舗イベントに振り分ければ相当大規模なイベントが可能になる。


現在の物販では消費者参加型のものが強い集客力を持つ。
ワークショップが流行しているのもその一例だろう。
消費者が店舗イベントに参加することで、消費者も満足感を得られるし、店舗やブランドとの心理的結びつきも強化される。


囲い込みというと、前時代的なにおいがしてあまり好きではないので、ここでは関係性が強化されると言いなおしておこう。


また店舗でイベントをすることで集客すると、なぜか流動客も多く入店してくる。
不思議なことに混雑している店に関係のないお客まで集まる。

こう考えると店舗イベントを強化することは良いこと尽くしだといえる。


東京の有名ブランドのプレス担当者と接すると、彼らの多くは「1に雑誌、2に雑誌」という見方をしていると感じる。しかし、その見方は古く、10年前で終わった価値観を今もそのまま引きずっているといえる。


雑誌偏重の販促、広報体制をそろそろ本気で見直す時期に差し掛かっているのではないか。

低価格SPAが基準に

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 低価格SPAが基準に
 先日、6月20日繊研プラスに掲載されたアンケート結果を見て驚いた。


服飾系専門学校生1601人を対象としたアンケートである。
「よく買うブランド」という項目に登場したブランドを見てもらいたい。

http://www.senken.co.jp/news/fashionstudent-favoritebrand-senkenshirabe/

1位ユニクロ
2位ZARA
3位H&M
4位アースミュージック&エコロジー
5位ジーユー
6位ローリーズファーム
7位フォーエバー21、アクシーズファム
9位ウィゴー
10位ジーナシス、ニコアンド、マウジー


となっている。

1位から9位まですべて低価格SPAである。
10位もマウジーが同率で入っている以外は2つともアダストリアホールディングの低価格SPAである。

ファッション業界人は驚かれたのではないか。

もちろん「よく買うブランド」と「欲しいと思っているブランド」は異なる。
〇〇は欲しいけど高いからユニクロで我慢しておこうということは普通にある。

そういう専門学校生も相当数いたに違いないと推測する。

若者層の就職先、アルバイト先がなかったため、可処分所得が減少したせいもあるだろう。
しかし、20年前、10年前の専門学校生の中には、少ないアルバイト代を貯めて高額なデザイナーズブランドを買うという人もちょくちょく見かけた。

生活を切り詰めてまで不相応な高額ブランドを買うという行為の良し悪しは当然ある。
けれどもファッション好きが高じて専門学校へ進学したという生徒らしいといえば生徒らしさがある。

このラインナップだとそこら辺の一般人と何ら変わらない。


こういうブランドのみを愛用した人が、今後、企業に入ってデザイナーになったり、独立してブランドを立ち上げたり、バイヤーになったりするわけである。
彼らにとっては低価格SPAが基準となるわけだから、それ以上の物作りや企画案など出てくるはずがない。
バイヤーだって同じである。

シナジープランニングの坂口昌章さんが以前に「今の若いバイヤーは良い物に触れずに育ってきたから、良い物がわからない」ということをおっしゃったことがあるが、アンケート結果のラインナップを見ていると、そういう傾向がより深刻化しているといえる。

ちなみに先ほどの記事には3年前のランキングも掲載されている。
見比べてみよう

1位ユニクロ
2位ZARA
3位ローリーズファーム
4位ジーナシス
5位H&M


とここまでは今年とあまり変わらないが、

6位ヴィヴィアン・ウエストウッド、リミ・フゥ
9位コムデギャルソン
10位アクシーズファム


となっている。

高額ブランドが3つ(ヴィヴィアン、リミ・フゥ、ギャルソン)ランクインしている。
これがもっと以前だとさらに高額ブランドのランクインが増えているであろう。

坂口さんのご指摘よりもそういう事態はさらに進んでいるといえる。


さて、アパレル業界では低価格化はそろそろ底打ちとなり、価格は現状維持ないしは値上げへと向かおうとしている。

原料高、中国工場の人件費高騰、円安基調などを考慮するとこれ以上の値下げは難しい。
最悪でも現状維持、できれば値上げをしたいというのがアパレル各社の本音である。
中小・零細規模のブランドは、大手の低価格ブランドとの競合に見切りをつけ、高付加価値高価格路線を進もうとしている。

5年後、10年後はますますその動きが顕著になっていると考えられる。
(世界経済・日本経済が現在の延長線上にあると仮定した場合)


例えば、10年後だと先ほどのアンケートに答えた専門学校生は30歳前後になっている。
アパレルに入社しているならそろそろ中堅に差し掛かろうかという年代といえる。
零細企業だったら企画チーフくらいには抜擢されているかもしれない。
そうなったときに、高付加価値高価格路線への舵取りができるのだろうか。
本人の努力次第という側面もあるが、よほどさまざまなブランドに実際に触れてみないと、難しいのではないか。


単に危機を叫んでいても仕方がないので、アパレル業界のエライサンたちが真に人材育成を考えているなら、せめて専門学校生に対して何か手を打つべきではないだろうか。
彼らに良い物に触れさせる機会を増やすような取り組みを考える必要がある。


真に人材育成を考えているのならネ。

高品質の基準ではない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 高品質の基準ではない
 汗っかきの筆者にとって、夏の愛用アイテムは無印良品の「汗じみしにくいTシャツ」である。
けっこう汗をかいても、それがTシャツ表面にはなかなか浮かんでこないという優れものである。

2年くらいまえにボーダー柄のを2枚購入したが、具合がよかったので昨年、無地Vネックを購入した。
今年は、すでに1050円(税込)に値下げされていた無地クルーネックを1枚購入した。
残念ながら今年はボーダー柄は廃止されてしまったようだ。

写真4

(今年購入したクルーネック)


汗のことで話を続けると、黒や紺のTシャツだと、汗が乾いたあとが白く残るものと残らないものがある。
あれはどういう差があるのだろう?いまだに解明できていない。だれかご存知の方がおられたらお教えいただきたい。
無印の「汗じみしにくいTシャツ」はもちろん、白く残らない。
そういう意味でも重宝している。

どうして汗じみしないのかというと、タグには「汗じみを抑える加工を施しました」と書いてある。
なるほど。

ところで、気になるのはこのTシャツがオーガニックコットン100%で製造されているところである。

オーガニックコットンとは、無農薬で化学肥料を使わず育てた綿花のことである。
土壌汚染をこれ以上広げないというための社会運動といえる。
一種の自然環境保護運動ともいえる。

ときどき、肌荒れに効くとか肌荒れしにくいという声を聴くが、そういう科学的データは存在していない。
ただ、そういう効果を感じる方もおられるのは事実である。

自然栽培されているから肌荒れに効果があるという意見もある。

これまでのオーガニックコットン製品といえば、綿花そのものの色合いである生成りがベースで、そこに草木染を施したものが主流だった。
そういう天然成分のみだから肌荒れに効果があるのかもしれない。

近年、黒や紺などの濃色や、すごく明るい色合いに着色したオーガニックコットン製品がある。
この無印のTシャツのように何らかの加工を施した製品もある。

濃色や明るい色合いに染色するためには化学物質を大量に含んだ染料を使用しなくてはならない。
また加工を施すには何らかの化学物質を用いなくてはならない。

こうなると、本来のオーガニックコットンの意味はほとんどなくなる。
化学薬品を使用するのであれば、通常栽培の綿花を使用してもなんら変わらない。

消費者の中には、化学薬品を嫌ってオーガニックコットンを求める方もおられるが、濃色やカラフルに染色されたオーガニックコットン生地は化学薬品を含んでいることをご理解いただいた方が良いだろう。
また、何らかの加工を施されたものも同様である。
そういう方は天然草木染のオーガニックコットン製品をご使用いただいた方が良い。


一方、土壌を守るためには、加工法がどうであれオーガニックコットンを普及させた方が良いという考え方もある。
これもその通りである。

収穫後に化学染料で染色されようが、化学的加工を施されようが、オーガニックコットン栽培が広まればそれだけ土壌汚染は少なくなる。

濃色やカラフルに染色することでファッション用途が広がり、オーガニックコットン栽培が増えれば良いという考え方は否定されるべきではないだろう。

ただ、「肌に優しい」ことを目当てにオーガニックコットン製品をお求めの方には、濃色や明色のオーガニックコットン製品、〇〇加工を施したオーガニックコットン製品はオススメできない。
化学物質使用という点では通常栽培のコットン商品と何も変わらない。


それにしてもオーガニックコットンを巡る問題は難しい。


いえることは「オーガニックコットン使用」という表記は決して「高品質の基準」ではないということである。

PR





記事検索
livedoor プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード