南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2014年04月

製造段階にこそ多層化による弊害が起きている

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 ユニクロが大躍進していた頃、製造小売と訳されたSPA業態が注目を集めた。
今では大手のアパレルはほとんどがSPA化している。

それまで、アパレルは卸売りが中心で、直接小売店が仕入れる場合もあったが、何重にも問屋が介在していた場合も多かった。

この何重もの問屋を省き、小売店への直接卸さえ省き、アパレルが直接販売することで流通経費を抑制することができるというのがSPAのメリットだと説かれてきた。
ユニクロの場合は小売店が直接製造のコントロールをしたのだが。

このSPA方式によって流通コストが抑えられ、店頭販売価格は従来より安くすることができる。というのがSPAについての説明だった。

問屋という機能がまるっきり無駄で絶滅させるべきものとは筆者は思っていない。
しかし、SPAが隆盛を極める前の状況にまで問屋という業態が復活するとは思えない。


近年、衣料品の売り上げ不振が続いている。
てっとり早く競争力を持たせるには店頭販売価格の値下げが有効的だと広く世間では考えられている。
けれども店頭販売価格は下げられるだけ下げてしまったのが現状である。
店頭販売価格は現状維持が精いっぱいというのがアパレル各社の本音といえる。

店頭販売価格を現状維持ないしは微減させるけれど、利益は確保しなくてはならない。
そうでないと会社はつぶれてしまう。

ではどの経費を削減するのか。
人件費という手がある。昨今のブラック企業問題の原因の一つにこれがある。

もう一つは、商品の製造コストをさげることである。
使用している原材料を安物に置き換える、縫製仕様を簡素化する。
そして、縫製工場の縫製工賃をさらに安く叩く。

である。

これによって、百貨店に並ぶような商品といえども原価率20%を下回ることは珍しくなくなっている。
単純化して計算すると、店頭価格10000円の商品で原価率が18%だったとすると、製造原価は1800円となる。
ユニクロの原価率が平均38%だとされているから、4990円の商品の製造原価は1896円となる。

極端にいえば、百貨店で10000円で並んでいる商品よりもユニクロの4990円の商品の方が、製造原価が96円高いという場合もあるということになる。

まあ、これは極端な比較で、ユニクロの原価率はあくまでも平均であり、アイテムによって異なっているので、すべての商品が38%ではない。もっと高い商品もあるし、もっと低い商品もある。

では、百貨店向け商品は品質を高めるためにどうするのか?ということになる。
これ以上、人件費と縫製工場の工賃を叩くのか?それでは最早奴隷扱いである。

ここ数年、不思議に思っていることがある。
流通段階の無駄はかつて多く指摘されてきたが、実は製造段階にも無駄がたくさんある。
流通の多層状況はさまざま報道されたが、製造の多層構造はあまり指摘もされず問題視もされてこなかった。

生地メーカーからアパレルに直接生地を販売するわけではない。
間に商社が介在する。与信管理の機能があるからこれはそれほど問題ではない。というより非常に論理的である。

問題は、与信機能もないのに、この段階で多数の「ブローカー」やら「コーディネイター」やらが何人も介在することである。そのたびに彼らに対するマージンが発生し、生地の最終価格は値上がりする。

縫製段階でも同じだ。アパレルから協力先の縫製工場に支持が行くわけではない。
OEM/ODM企業が介在する。
縫製工場のハンドリングや生産管理の機能を有するから介在するのは効率的である。

けれども同じくそれ以外に与信機能も工場ハンドリング機能もない「ブローカー」やら「コーディネイター」やら「アドバイザー」やらが介在し、製造コストが値上がりする。

また驚くことに、OEM/ODM企業に向けたOEM/ODM企業が業界には多数存在する。

たとえば、「A」というショップブランドがある。まあ、仮にセレクトとSPAの併用業態だったとする。
ここに商品を納めるOEM/ODM企業がある。
これだけなら至極当たり前の構図だが、このOEM/ODM企業が、さらにOEMを依頼する先がある場合もある。

「A」が15000円で販売する商品があるとする。
それをOEM企業は7000円前後で納入する。
そのOEM企業に別のOEM企業が3500円ほどで納入する。
縫製工場のハンドリングと生産管理は最初のOEM企業が行っている。



こんな構図も実はあまり珍しいことではない。

個人的には、商品の品質を高めるには製造段階の多層化を是正する必要があるのではないかと最近感じている。

しかし、多数の人間が介在できるというのはそれだけ業界には余力があるということでもある。
一概に整理してしまうのが良いのかどうか、多少の迷いがある。

迷いはあるが、「商品の品質を高める」「人件費や縫製工賃を叩かない」ことを実現するには製造段階の整理しかないと思える。

業界に携わる方々はどうお考えだろうか?

買う理由が見当たらない

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 先日から在庫を買いたたいて催事で超低価格で販売するという会社の手伝いをしている。

3~4枚買って3000円弱という安さで販売している。
大手通販などの在庫品がメインなのだが、一枚一枚を見ると、デザイン・色柄や使用素材、縫製は悪くない。
正確にいうと値段の割には悪くないというべきであろう。

昨今の原料高の影響もあるのだろうか、綿やウールを使ったニットはあまり少なく、ほとんどがアクリル混やアクリル100%の素材使いである。
気になるのはこの部分くらいである。

もちろん、先端を行くようなクリエイティブなデザインの商品は色柄・デザインの物は見当たらない。
けれどもユニクロよりもちょっとだけ見栄えのする色柄・デザインの物はふんだんにある。
定価でも3000~6000円くらいなので、十分に一般大衆に手の届く値段である。

これを見ていると、最早、商品の色柄・デザインだけでは中~高価格帯にあるブランド品を買う必要性が感じられない。その価格帯の物を売るなら、色柄・デザインや商品スペック以外のことを整備する必要がある。
それには宣伝・広告の部分もあるだろうし、販促方法も含まれるし、直営店の店舗作りも含まれるし、ブランドのストーリー性みたいなことも重要になる。これらがなくて、単に「物勝負」となると、一般大衆には低価格品との区別ができない。おそらく筆者にもほとんど区別できないだろう。

20年前の安物の大手通販や量販店平場の商品と比べると、見た目の部分は大きく進歩している。



先日、こんなブログを拝読した。

東京のファッション・ウィークの売り上げ規模を今の4倍にするには?
http://www.wwdjapan.com/editorsview/muko/2014/04/27/00011629.html


ファッション分野に立脚する業界紙としては珍しく、デザイナーズブランドに対してシリアスな提言をされており、素直に評価したいと思う。

メルデセス・ベンツ ファッション・ウィーク 東京に参加する各ブランドの年間売上高を合計400億円にするにはどうしたらよいかをみんなで考えよう、と。

企業が母体となっているいくつかのブランドをのぞいて、東京でショーを行なっているインディペンデント系ブランドの年商は多くて5億円、名前が知られているブランドでも2~3億円、大部分が1億円未満です。利益ではなく、売上高の話です。つまり、40ブランド集まっても100億円に達しません。


とあるが、これは筆者が以前にも何度か書いたことと同様の趣旨で賛同できる。

筆者は別にメルセデス・ベンツ ファッション・ウィークに何の興味もないので、そこでの売上高を増やすことに対して提言をするつもりはない。しかし、デザイナーズブランドはファッション・ウィークとは関係なく売上高を増やすことを志向する方が良いと考えている。
とくに年商1億円未満のブランドは。

ブログからは

どうしたら市場規模を今の4倍にできるのでしょうか?売り上げが大きいブランドの参加を促す?数を増やす?海外?靴やバッグなどアイテムの広がり?異業種とのつながり?コラボレーション?eコマース?

と、書き手自身が暗中模索しておられる様が伝わるのだが、それよりも前に、低価格品との違いを広く消費者に認知してもらう必要がある。
そこそこに品質が良くて、そこそこにデザイン性がある商品というだけなら、一般消費者にとっては量販店の平場商品で十分なのである。組み合わせによっては西友のPB商品ですら、それなりに見栄えがする。

そんな環境に包まれている消費者がなぜ、一枚数万円もする無名ブランドのジャケットを買う必要があるのだろうか。
同じ価格を支払うなら有名ブランドや海外ラグジュアリーブランドに支払うという消費者がほとんどだろう。


有名ブランドやラグジュアリーブランドはブランドとしての位置づけが確立されているし、消費者に浸透させ、ブランドステイタスを維持するために莫大な広告宣伝販促費を投下している。
売上高が極小なデザイナーズブランドに莫大な宣伝広告販促費は期待すべくもないから、自身でもっと発信をする必要があるだろう。

小手先の売り方変化や業界内部でのコチョコチョとした工作活動よりも、消費者に「そういう物を買おう」という風潮を植え付けなくてはならない。
そういう目的意識を持った発信をどれだけのデザイナーズブランドができるかであろう。

漫画・アニメとの融合

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 先日、心斎橋筋商店街でこんな看板を見つけたのだが、これが果たして販促につながるのかどうか筆者には理解できない。

「うる星やつら×スピンズ」という看板である。

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ほんの少し前までは漫画・アニメというジャンルとファッションというジャンルは支持層がまったく異なっていた。
筆者の高校・大学生当時を思い出してみると、オタクと呼ばれる漫画やアニメの愛好者はファッションには無頓着な人が多かった。たぶん、筆者もそのうちの一人である。

体感的にいうと、アニメ愛好家の方がよりコアなオタクで、漫画はもっと支持層が広かったという印象である。
高校・大学生当時にファッションを愛好するようなチャラっとした輩も熱心に週刊少年ジャンプを読んでいた。

逆に今の若い人は漫画をあまり読まず、漫画を愛好しているのは筆者と同年配の30代半ば~50歳にかけてだという。三つ子の魂百までというやつだ。若いころに愛用した物からなかなか抜け出せない人が多い。


当時は、友人同士で漫画について語り合うなんていうことはなかったし、いくら愛好者が多いといえども、漫画のキャラクターが描かれたTシャツやスエットなんて着るのは本当のオタクだった。

漫画よりもコアなアニメについては言わずもがなである。
アニメのキャラクターが描かれたTシャツを着ているような輩は極度のオタクとみなされていた。


数年前からユニクロでは毎夏、盛んに漫画やアニメのキャラクターが描かれたTシャツが販売されている。
ガンダム、ワンピース、あしたのジョー、などなどだ。

たとえばガンダムだったら、ジオン公国や地球連邦軍の紋章のみが描かれたTシャツならまだ着用できなくもない。しかし、ガンダムそのものが描かれたTシャツなんて着る人間がいるのか?というのが素朴な疑問だった。
ワンピースしかり、あしたのジョーしかりである。


店頭を定期的にチェックしていると、完売とはいかないし、グラフィックデザインによって残り具合に格差があったが、それでも毎シーズン一定の量が購入されていることに気が付く。
ガンダムが描かれたTシャツを買った人はどういう場面で着用しているのか気になって仕方がない。
筆者なら部屋着か寝間着にするところだが、おそらくデイリーカジュアルとして着用している人もそれなりにいるのだろう。

アニメグッズ専門店「アニメイト」の衣料品版はユニクロじゃないのかと思ったこともある。

筆者はひそかにそんな疑問を抱え続けていたわけだが、漫画・アニメとファッションの融合はお構いなしに加速している。
もっとも印象に残っているのが、ファッション雑誌「シュプール」の2011年10月号で、荒木飛呂彦さんの「岸辺露伴 グッチへ行く」という短編漫画が掲載されたことである。


荒木さんの人気漫画「ジョジョの奇妙な冒険」のサブキャラクター、岸辺露伴が持っていたグッチのバッグにまつわるストーリーである。

筆者からすると「ファッション雑誌にジョジョが!」「グッチとジョジョが!」という驚きがあった。


また、今春はセーラームーンとプリキュアが伊勢丹新宿店と大々的なコラボを行っている。
詳細は山田耕史さんのブログをお読みいただきたい。

セーラームーンとプリキュアが伊勢丹新宿店をジャック!
http://t-f-n.blogspot.jp/2014/04/blog-post_8.html



好き嫌いは別にしてファッションの殿堂のような伊勢丹新宿店がセーラームーンやプリキュアのようなアニメと大々的にコラボをするなんていうのは以前だと考えられないことである。
せいぜい子供服売り場か玩具売り場向けの企画に終わっていただろう。

ちなみに自宅の近所のスーパーにもプリキュアバナナが販売されている。ラベルにプリキュアが描かれているだけで普通のバナナなのだけど。


それにつけてもこういう流れは10年くらい前までは想像できなかった。
でも、いくら市民権を得たとしても、ガンダムやセーラームーンのキャラクターがデカデカと描かれたTシャツをデイリーカジュアルとして着用するのは筆者には無理である。


こんなことを書いていたら思い出したことがある。
機動戦士ガンダムのメカニックデザイナーとしてガンダムやモビルスーツをデザインした大河原邦男さんは、元々はオンワード樫山のデザイナーだった。
そういう意味では昔からファッションと漫画・アニメは想像するよりも近しい存在だったのかもしれない。

深謀遠慮には舌を巻く

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 利益追求のためには不採算部門を切り捨てる必要があるし、そもそも不採算になると思われるようなことをすべきではないという結論に達する。

そうすると何の面白みもない店が出来上がることになる。

以前にも書いたが、アーバンリサーチの店づくりは必ず不採算に見える部分がある。
たとえばセンスオブプレイスには生花店が併設されている。
グランフロント店は業務用冷蔵庫付きの本格的な生花店である。

フリーマンズスポーティングクラブには理髪店が併設されている。
美容室やサロン、カットハウスではなく本格的な理髪店である。

一見すると何の意味もないと感じてしまうが、生花店がないセンスオブプレイスはどうだろうか?
単にユニクロより1000~3000円高いトレンド系洋服SPA系ブランドである。

生花店があることで、そうではない「提案型ショップ」に見える。
理髪店もしかりだろう。理髪店がなければ単なるトラッドカジュアル系メンズブランドである。

これらがあるがために「アーバンリサーチはいつも面白いことをやるよね」という評判が立つ。

でも利益追求の観点からするとこれらの併設はおよそ効率的ではない。
そういう理由でこういうことをやらないブランドは数多くある。


先日、雑談した中でこの取り組みに対して「広告費」の観点から有益な示唆をいただいた。


広告費という観点でいうと、たとえばそれらのコーナーの併設のために1000万円がかかったとしよう。
雑誌広告を数回出稿するとだいたい1000万円である。
10年くらい前なら雑誌広告を掲載すると、如実に売り上げが増えた。
とくにメンズ系ブランドで多かった手法は、雑誌とタイアップした別注品の掲載である。
以前だと掲載する雑誌によっては500枚が完売したこともあった。今はどうだろうか?そういう手法も誌面であまり拝見することがないし、広告代理店からもそういう企画が当たったとは耳にしない。

雑誌への広告掲載効果はこの10年で低下したのではないかと感じている。

現在の状況でいうなら多くの雑誌広告は掲載しただけのものとなっている。
数回掲載して1000万円の費用がかかってもそこからのリターンはあまり期待できない。

それを踏まえて業界の先輩はこう指摘された。

生花店や理髪店は微々たる額かもしれないが日々売上高がある。と。

生花店なら単価は数百円から3000円くらいだろう。
理髪店なら単価は数千円だろうか。

となると、生花店なら1日当たり少なくとも2~3万円の売上高がある。
理髪店なら数万円程度だろうか。

これが30日稼働したとして、生花店なら60~90万円、理髪店なら100万円以上となる。
1年間では生花店が720万円以上、理髪店は1200万円以上となる。

ざっと計算すると1年で設置費用は回収できるということになる。
そこで働くスタッフの人件費も発生するからことはこれほど単純ではないが、少なくとも1000万円で無反応の広告を出稿するよりは、社に売上高をもたらすともいえる。

そしてこういうコーナーを併設することで新規性・珍奇性からマスコミが取材をし、記事に掲載されるのだから、広告塔としての側面もある。

その先輩は、広告費として見た場合、雑誌広告を出稿するよりもよほど効率的だと指摘したわけである。

こう説明されると納得であり、一見非効率と見えた取り組みが、広告という観点で見ると効率的だったともいえる。

アーバンリサーチが以上のことを意図的に取り組んでいたとしたなら、その深謀遠慮には舌を巻くほかない。

従来型アパレルの影響力はますます弱まる

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 最近、自社で雑誌風の紙媒体を発行する企業が増えたと感じる。
以前だと雑誌は出版社にしか作れなかったが、昨今はそうではない。

以前にも書いたが、多くの雑誌は出版社の下請けである編集プロダクションが作成している。
他業種の企業が正当な代金を払えば、編集プロダクションが雑誌風の読み物媒体を作成してくれる。

また出版社での業務経験や編集プロダクションでの業務経験があるフリー編集者、フリーライター、フリーカメラマン、フリーレイアウトデザイナーなどは掃いて捨てるほどいるから、そういう人々を個別に集めても雑誌風の媒体を作ることは可能だ。

そして印刷・製本会社も以前なら忙しくて少部数の仕事は受けてくれなかったが、紙媒体が減少している昨今は少部数の案件でも積極的に受けてくれる。

メディア関連ではない企業が雑誌風媒体を比較的容易に作成できるのはこういう背景がある。

そんなことをつらつらと考えていたが、この構図はアパレル業界に似ているのではないかと思った。

以前ならアパレル企業以外が洋服を作ることは難しかったが、今なら、OEM事務所やODM事務所を使えば、簡単に洋服を作ることができる。
またフリーランスのデザイナー、パタンナーなども掃いて捨てるほど存在する。

国内縫製工場も受注の減少から昔では考えられなかったほどの小ロットでも受けてくれる。
中国の縫製工場だってずいぶんと小ロット対応の工場が増えた。


こうして見ると、相似形であるといえる。


こと衣料品に関していうと、原料メーカーを押さえ、小売業を押さえるならアパレルメーカーは要らないということになる。
なぜなら、小売業自体が大手になればなるほど自社で商品政策を計画しており、それに適した商品を作ってくれる縫製工場はある。
間に入ってOEM・ODM企業が企画とハンドリングと生産管理を行えば商品ができて、小売店の店頭に並ぶ。

原料メーカーは生地が売れればどこに売っても良いわけである。

こうなると、卸売り型のアパレルメーカーの存在価値は大きく薄れてしまう。
小規模小売店はまだまだあるので、そこに向けて卸売りを行うアパレルメーカーの存在意義はそれなりにあるが、以前ほどではないということである。


知人と新しい構想を練ってみた。
企画ラフ案を原料メーカー、製造系アパレルメーカー、流通に投げてみたところ、原料メーカーと流通からは「原則賛同」の声が挙がったが、製造系アパレルメーカーからの反応は鈍い。

どうしたものかと考えてみたが、だったらそこにOEM/ODM企業を噛ませれば商品は生産できるということに改めて気が付いた。
流通業が賛同している時点で販売チャネルは確保できているのである。


自分でそれを亜体験してみたとき、アパレルメーカーの力がどんどん弱まっている理由を再認識できた。

月並みなようだが、アパレルメーカーはよほどの意識改革をしないとますます影響力は弱まるばかりではないかと思えてならない。
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