南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2013年05月

目線を下げる努力も必要

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 生地メーカーや紡績(糸を製造する工程)、縫製業者、加工業者などはプロであるが故に、自社の機能や商材をあまり詳細に説明しない傾向が強い。

本当はしているつもりだが、プロすぎて素人に分かるように説明できていないだけかもしれないし、詳細に説明したら同業他社にバカにされると考えているのかもしれない。

彼らが取り引きをするのはおもにアパレルブランドの企画担当者やSPAブランドの企画担当者である。
以前にも書いたようにそれらの企画担当者は「裁断って何ですか?」と質問するほど製造工程への知識がない。もちろん、一部には詳しいベテランもおられるが、そうでない若手は年々増えている印象がある。
よく言われるように、多くのアパレルブランド、SPAブランドの企画担当者はOEM・ODMメーカーに丸投げで、彼らが持ってきたサンプルの中から気に入った物をチョイスするだけのセレクターになり果てている。


さてそんな中、先日、丸安毛糸の展示会にお邪魔した。
ここは糸の商社でありながら、展示会のディスプレイやPOPが秀逸なので何度か紹介している。

今回、こんなPOPを見つけた。
裏と表で色が違う「段ボール編み」についてである。
裏と表と生地を二枚貼り付けているようなものなので肉厚になるため、春夏向けにはちょっと厳しいかな?というのが個人的な印象である。
写真を見ていただきたい。

写真




かなりわかりやすく特徴が書かれてある。
この書き方だと素人にもわかりやすい。素人にわかりやすいということはプロにも当然わかるということである。
「裁断って何ですか?」と質問をするような素人同然の企画担当者にわからせるには、これくらいわかりやすく書く必要があるのではないだろうか。


ここまで初歩的なことを書けば笑う同業他社も当然現れるだろう。
しかし、別に同業他社と取り引きをするわけではないので、そんな物を過剰に気にする必要はない。



製造業者の知識の高さは十分に存じあげているので、今後は目線を下げる努力をなさってはいかがだろうか。
目線を下げるといってもブランド側の言いなりになることではなく、丸安毛糸の段ボール編みのような説明を心がけてみてはどうかという意味である。

説明しないと伝わらない

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 以前、ご紹介したことがあるクリーニング屋さんのブログ。

クリーニング屋が伝える上手なご家庭洗濯のブログ
http://ameblo.jp/cleaning-bee/


クリーニングの豆知識や自店で可能なサービスを説明している。
豆知識を書いたからといってお客は増えない。むしろ減る。
その豆知識を使って家庭でも洗濯できるのだから。

自店はこんなことができますよ~と書いてあるのはお客からすると分かりやすい。
こちらは集客につながる。

しかし、冷静に考えてみれば現在のクリーニング業界において、特定の店だけが持つ特殊でスペシャルな技能などあまり存在しない。だいたいどの店も技能は平準化されている。
自店で可能な技能を言うか言わないかの違いである。

このクリーニング屋さんのブログに対して「あれならうちでもできるよ~」「あんなのはどの店でもできるよ~」という同業者から批判の声があるという。

そりゃどの店でもある程度できるだろう。
しかし、他店は「これができますよ」とは書いていない。
お客さんはクリーニングのプロではないから、クリーニング店はどんなことができるのかはあまりわからない。
店頭なりHPなりブログなりに書かれてあることでしか判断できない。

「あれならうちでもできるよ~」というなら他のクリーニング店も店頭に告知するとか、チラシを作るとか、HPやブログに書き込むなどすれば良いのである。

クリーニングのプロではない消費者からすると「書いてないからわからない」ということである。
しかし、プロのクリーニング店からすると「当たり前の技能をわざわざ告知するのもどうかな?」と感じるのだろう。


これって、他の業界でも同じではないかと思う。
プロは当たり前の技能をわざわざ告知する必要がないと思っている。
場合によっては「当たり前のことを書いていたら他のプロからバカにされる」と考えたりもする。

だからIT関係企業だって「そんな当たり前のシステムサービスをわざわざ告知する必要はない。他の業者からバカにされる」と考えるし、生地メーカーや生地加工場も縫製工場も同じだろう。

しかし、商売は同業他社とやるわけではない。
一般消費者だったり自分よりも工程の一段階先の業者なのである。
なら、同業他社にどう思われようが、さらに先にいる自社のお客に向かって「当たり前の技能」を告知説明すべきである。


生地メーカー、縫製工場、加工場、染色工場、紡績すべてにもう一度考え直してもらいたい部分だ。

まず始めるという姿勢が重要

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 以前から、生地メーカーの情報発信の有力ツールの1つにブログがあると書いてきた。
しかし、多くのメーカーのおじさま方は「何を書いたら良いのかわからんからやらない」と仰る。

それについては、「まず書くことに慣れるのが重要なので昼ごはんのことでも、映画のことでも何でも良いですよ」と説明してきた。その代わりに毎日書きましょうとも。

4月からデニム生地メーカー、クロキの方がブログを始められた。
これは初心者の方々にも参考になる事例ではないかと思う。

KUROKI デニムブログ
http://ameblo.jp/yan17bo14/


毎日どころか毎日数本書いておられるので、5月はすでに102本も記事がたまっている。
このペースで行くなら年内に1000本達成も不可能ではないかもしれない。

1000本も記事がたまれば検索でも圧倒的に上位に来ることができる。


仕事のこと以外にも出張で訪れた外国の都市のことや、どうでも良いちょっとしたことなども書いておられる。
そうでなければ毎日数本もアップすることはできないので、それで良いと思う。


ただ、惜しむらくは、とくに業務に関することである。
生地製造のプロが書かれているが故に、説明もプロ向きである。


ちょっと下記のエントリーを題材に見てみよう。
http://ameblo.jp/yan17bo14/entry-11540218856.html

分繊行程後のシート状になったものを全部まとめて、糊付け(サイジング行程)をします。

総本数4,000本の織物があったら、8本ロープで染めた場合は、この糸巻には、

500本の糸がシート状になっている事になります。

糊付け後、全部を一緒にして巻き上げていきます。

これを織機に掛けて、ヨコ糸をいれたら織物になります。



とのことであるが、どうだろうか?
生地メーカーの方はすごくよくわかると思うが、それ以外の業種の方にはちょっと分かりづらいのではないだろうか?
工程の機械の写真も貼り付けられているので、それは非常に貴重な資料なのだが、おそらくデザイナーや小売店関係者なんかにはこの記述ではさっぱり伝わらない可能性が高い。


総本数4000本の総本数とは何か?
8本ロープとは何か?

などをもう少し詳しく説明された方が伝わりやすいのではないかと思う。

しかし、「書くことがあらへん~」と言っていつまでもブログを始めない産地のおじさま方が多い中で、いきなり毎日数本ずつアップするというこの取り組みは大したものだと認めざるを得ない。


あれこれ考えるよりもクロキのブログのように「とりあえずやる」という姿勢も物事には重要だと改めて認識させられる。

目標売上高を達成できるか?

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 開業1カ月のグランフロント大阪の売上高と来場者数が発表された。
売上高は50億円、来場者数は761万人だという。

http://ryutsuu.biz/store/f052721.html


まあ、どちらもすごい数字ではあるが、来場者数の割に売上高が低すぎるとマスコミの方々は思わないのだろうか?
売上高50億円を来場者数の761万人で割ると、平均客単価は657・894円となる。
四捨五入をすると約658円である。


この数字から導き出される答えは、来場者の多くはほとんど物を買っていないということになる。
2年前のJR大阪三越伊勢丹のオープン時と同じである。

飲食は利用しているのかもしれないが、せいぜい値ごろ感のある1階のカフェでお茶を1杯というところだろう。
グランフロント大阪の飲食店は物販に比べると高額店が多いため、通常の飲食店を利用した場合、客単価はもっと高くなると推測できる。

オープン景気を盛り上げるのは構わないが、手放しの称賛はいかがなものかと思う。

当初計画は売上高400億円、来場者数2500万人である。
来場者数はおそらく目標値に到達できるだろう。
ただし、今のままの平均客単価658円で推移するとするなら、来場者数2500万人での売上高は164億5000万円にとどまることになる。

目標の400億円に到達するためには理論上は平均客単価をもっと上げるか、来場者数をもっと増やすかのどちらかが必要となる。

オープン景気が終息するとともに、「見物客」は減って買い物客の比率が高まるだろうから、平均客単価はアップすることになるだろう。
そのため、売上高が先ほど計算した164億5000万円に止まることはないと思われる。

しかし、目標の400億円に到達できるかどうかは楽観視して良い状況にはないと感じる。

もちろん、人が少なく売上高が少ないよりは、にぎやかしでも人が多い方が良いのは決まっている。
人が人を呼ぶという現象はある。
人ごみが嫌いな筆者からすると、何を好き好んで混雑する施設に行きたがるのか理解に苦しむのだが。

何はともあれ、賑わっているのは良いことだが、目標売上高を達成するためにはさらにもう一工夫が必要ではないかというのが、オープン後1カ月の業績から見えてくる事柄ではないだろうか。

何の根拠があったの?

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 少し以前の話題で恐縮だが、JR大阪三越伊勢丹の2年目の売上高は前年よりさらに減少して303億円に終わった。

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130402/biz13040220370041-n1.htm

 JR大阪駅ビルの百貨店「JR大阪三越伊勢丹」(大阪市北区)の運営会社は2日、平成24年度の売上高が約303億円と、約1カ月間短かった前年度(平成23年5月の開業から24年3月)に比べ2%減だったことを明らかにした。

 一方、隣接する大阪駅ビルの専門店街「ルクア」の売上高は前年度比5%増の357億円と堅調に推移しており、開業初年度に続き2年目も両者の明暗を分けた。

 三越伊勢丹は上半期(5~9月)の売り上げが開業1年目の同期間に及ばなかったほか、11月に阪急百貨店梅田店が全面開業した影響も受け、前年度を下回った。


とのことである。


開業年の売上高は310億円だったが、それよりも営業日が1ヶ月も多くて7億円の減収だからかなり厳しい。

昨年はどこからともなく、前年実績を単月で更新したという情報が流れてきた。
しかし、定期的にJR大阪三越伊勢丹の店頭を見ていると、来場者はいつも少ない。
果たしてこんな来場者で前年をクリアできているのだろうか?と疑問に感じていたが数字は正直だったということである。


さて疑問なのはJR三越大阪伊勢丹の発表されている再建策である。

2014年からブランドを大幅に入れ替え、専門店を多数誘致するという。
さらに2015年度には運営会社のJR西日本伊勢丹を黒字転換したいとしている。

JR京都伊勢丹の業績がどう推移するかにもよるだろうが、率直に言えば、そんな短期間でリニューアル効果が顕現し、翌年度にいきなり黒字転換するものなのだろうか?

もちろん、社の内外に向けて景気の良い花火を打ち上げる必要があることは承知しているが、それでもちょっとブチ上げすぎではないかとも感じる。


そもそも「2年目は少し好転している」と主張されていた人々は何の根拠を持っていたのだろうか?
初年度はオープニングにあれほどの来場者が押し寄せたにもかかわらず、310億円の売上高にとどまったのだが、2年目はそのオープニングの来場者ラッシュはなかった。普通に考えるなら2年目の売上高は初年度に及ばないということはすぐに分かるはずである。



さて、今年度の売上高はどうなるのだろうか?
現在、年度は始まったばかりだが来場者数はあまり変わっていないように見受けられる。

だとすると、このまま何も手を打たなければ売上高は300億円を下回るのではないだろうか。


グランフロント大阪が出来て梅田の人の流れが変わる・・・・・・・・といわれていた。
たしかに変わったが、JR大阪三越伊勢丹への来場者数は店頭を見ている限りはあまり変わっていないように見える。
人の流れが変わった。しかし、ただ流れ方が変わっただけだったようだ。


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