南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2012年06月

アメリカ村のロープライス化・チープ化が進んでいる

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 6月17日をもって、大阪・アメリカ村の商業施設「ビッグステップ」地下1階にあった「デニム研究所」が閉店した。
2009年9月のオープニングに取材した者としては寂しい限りである。

もともとは、藍布屋、正藍屋、Win&Sons、SPARK TRUE、ダニアジャパンの5社で結成した児島デニム協同組合が運営する5ブランド複合店としてスタートした。
デニム研究所の公式ホームページによると、その後「天領デニム」「The strike gold」「ENGINE LABEL」の3ブランドを加えた8ブランドの直営店として運営していたという。

現在は地元の児島店が営業中である。

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(2009年オープン当初のデニム研究所)



岡山・児島はジーンズの街として知られているが、ビッグジョン、ジョンブル、ドミンゴ、ベティスミス、マエノなど古くから知られる専業アパレルのほか、先に挙げた5社を始めとする小規模ジーンズアパレルが10年ほど前から続々と生まれている。こういうアパレルが共同で店舗を展開するのは、難しい部分はあるにせよ良い試みだと考えている。

さて、2009年9月のオープン以降、何度か平日の昼間にビッグステップ店を覗いたことがあるが、かなり閑散としていた。平日昼間ということもあるのだろうが、ビッグステップ全体が常に閑散としている印象がある。
地下1階のショップスペースだが、これがかなり広い。
オープン当初の5社集まっても半分くらいしか使いきれてなかった。おそらく100坪以上あるのではないかと思う。
あまりにも面積が広すぎたことも運営が難しかったのではないだろうか。


さて、このビッグステップが位置するアメリカ村だが、2000年代半ば以降、急速に地盤沈下している。
それに伴って、ビッグステップ自体も集客力を弱めており、有力ショップが続々と転出している。
ダニアジャパンの担当者もフェイスブックで、「アメリカ村の若年層化とロープライス化は予想以上だった」とコメントされいる。

御堂筋の東側に位置するラグジュアリ―ブランドショップ群や心斎橋筋商店街に比べると雲泥の差がある。
ビッグステップ自体も1階のユナイテッドアローズとローズバッド、2階のシップス、地下1階のアーバンリサーチが転出し、その後、1階のローズバッドの跡地にアルマーニエクスチェンジが入店したとはいえ、なかなかにブランドラインナップが苦しい印象は否めない。


現在のアメリカ村には目ぼしいブランドショップがあまりない。
町全体が「バッタ屋」という印象がある。
ここに7月21日に北欧の100円雑貨ショップ「タイガー」の日本1号店がオープンするが、はたしてアメリカ村再浮上の起爆剤となるのだろうか?

プライス的にはハマるように思えるが、心斎橋筋商店街に比べると年齢層は格段に若い。
中高生から20代前半がほとんどである。

タイガー効果があるのか、ないのか注目したい。

顔と体型が良いやつには勝てない

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 メンズの夏物衣料というものは非常にバリエーションが少ない。
トップスだとTシャツ、ポロシャツ、布帛シャツの3つくらいしかない。
タンクトップを愛用している方もおられるが少数派である。
あまり腋毛を露出されても見苦しいと感じるのは筆者だけだろうか。

アイテムがシンプルになる分、着こなしも単調になり、秋冬物のように重ね着で顔や体型の悪さをカバーすることができない。
夏のファッション雑誌を読んでいると、つまるところ顔と体型が悪ければ、どんな人気ブランドのTシャツを着たところでダメではないかと強く思う。

6月10日に発売されたファッション雑誌「メンズジョーカー」7月号を読んでいたところ、半袖ラガーシャツに短めのショートパンツというコーディネイトが紹介されていた。おまけにサンダル履きである・・・・・・。



IMG_0419


(メンズジョーカーの掲載ページ)



着用者がモデルであったため、何とかサマになっているが、一般人が着用したならまるっきり日曜日の公園でボーっとしているお父さんである。
もしくは銭湯からの帰り道のオヤジである。


欧米の映画スターのファッションを紹介する雑誌もある。「Safari」がその代表例だろう。
しかし、あれも着用者が白人のイケメンであるから何となく「カッコイイ」と思えるが、そこらのオッサンが着たら、何の変哲もない服装である。
Tシャツに膝丈ショートパンツみたいなコーディネイトなので、日曜日に町内を1周すれば軽く数十人は見かけることができるだろう。


こういうことを書くと「ファッションとはそんなものではない」と諸先輩方からおしかりを受けそうだが、顔と体型が良ければ大概の洋服は似合うのではないかと思う。
反対に、顔と体型が残念ならばコーディネイトに少々工夫を凝らしたところであまり効果がない。

そういうわけで、顔と体型が残念な筆者は夏服が嫌いである。

スカイツリーが完成するまでの6年間無策だったのか?

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 東京スカイツリーと隣接する大規模商業施設「東京ソラマチ」の開業によって、地元商店街が苦戦しているという報道が続いている。

以前にも書いたように、物販・飲食合わせて300店を越える商業施設「ソラマチ」があれば、買い物も食事・喫茶もすべてソラマチ内で事足りてしまい、地元商店街に立ち寄る必要などまるっきりない。
地元商店街に観光客が流れないのは当然の結果である。
地元商店街は今更何を慌てているのか不思議でならない。それとも本当に観光客が流れてくるとでも考えていたのだろうか。


これについて台東デザイナーズビレッジの鈴木淳村長もブログで述べられている。

http://blog.livedoor.jp/tdv001/archives/53946771.html

地元商店街は、観光客にとっては「非日常」というほど魅力的ではなく、
地元客は「非日常」を求めてソラマチに行ってしまうということでしょう。
自ら変化し、対応する必要性を説いていることについては同感。

開業前は多少賑わっていた地域も、開業後は閑散としてしまっているようです。
私も地元の人が「アルカキットやオリナスがガラガラだから買い物しやすい」と話しているのも聞きました。

2010年暮れぐらいにイトーヨーカドーが曳舟にできているので、
近隣商店街はこれでさらに厳しいことになっているでしょう。

もっとも、スカイツリー開業後の苦戦は予想の範囲内ではなかったでしょうか。
2006年にはスカイツリー候補地として決定しているのですから、
十分な魅力づくりと発信をする時間はあったはずです。



とのことであり、まったく同感である。

地元商店街に対しての報道を見る限りにおいて、まるで「ある朝、目が覚めたら突然スカイツリーが出来上がっていました」というくらいの「急な」印象を受ける。
しかし、実際のところは建設までに何年もかかっており、その間周囲の商店街からはその様子が逐一見えていたはずである。鈴木村長が書いておられるように2006年には建設候補地が決定しているとするなら、開業まで6年間も時間があった。
6年間という時間は、何らかの手立てを講じるには十分な時間である。

地元商店街は6年間何の手だても講じずにただボーっとしていただけなのだろうか?もしそうなら、スカイツリー開業による弊害は、自衛策を講じなかった地元商店街の責任である。

この地元商店街と同じような性癖が繊維産地にもある。
例えば、経産省のジャパンブランド認定事業の助成金は3年が期限である。
当然、3年目が終われば次はない。
ほんの数年前なら、この助成金が終わってもほかの行政からの助成金を取得することができた。
しかし、現在は財政が悪化していることもあり、ほかの助成金も望めない状況にある。

これは、ジャパンブランド事業に認定されたときからわかっていることである。
だから、3年後以降をどうするかを考えてスタートしなくてはならない。
だのに、助成金が終了してから「ワシら次はどうしたら良いのだろうか?」とようやく心配し始める産地企業が何社もある。

その案件については3年前から考えておかなくてはならないのでは?
助成金は「ある日突然に終了」するものではなく、3年後に終わるということは最初からわかっていることである。

6年間無策だった地元商店街、3年間無策だった産地企業。
現在苦境に立たされている原因はどちらも同じである。






衣料品の価格は少し戻ったものの・・・・・

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 これは体感的な感覚なのだが、衣料品の値段は低値安定なのではないかと感じる。
毎月数社の月次売上高速報を見ているが、買い上げ客単価は前年増が増えている。
だいたい数%程度だが、ジーンズメイトでは20%増となった月もあった。

しかし、それは前年実績が低すぎたためではないのだろうか。

2009年・2010年ごろはファストファッション以外にも低価格品が溢れていた。

客寄せの意味もあったのだろうが、ジーンズメイトやライトオンで過去在庫の夏物トップスが、990円は当たり前で、590円や390円で投げ売りされていることがあった。

さすがに今春夏はここまでの投げ売りはない。

しかし、依然として990円という価格のセール品は売り場に残っている。
もしかしたら790円もあるかもしれない。

だから、買う立場からすると安い商品はまだまだあると感じてしまう。

さらに言うなら、そういう990円レベルの低価格品を扱うブランドやショップは増えているのではないかとも感じる。

何度も登場してもらってい友人のOEM会社だが、先日、中規模クラスの低価格カジュアルブランドの製造から手を引いたという。
だんだんと値入率が合わなくなってきたのだという。

ブランド側は店頭の値段は変えないが製造原価を切り詰めて、最終的には思いきった処分価格まで引き下げることを視野に入れているのではないだろうか。

値下げせずに売れればブランド側の利益が増える。
万が一売れ残ってもかなり思い切った値引きができる。
という二段構えなのだろう。


このブランドのみを見て決めつけるのは早計だが、衣料品の値段はまだ下がる要素が十分にあると考えているのだがいかがだろうか?

もちろんこういう動きとは無縁の高額ブランドはあるだろう。


しかし、一般大衆の目に触れやすい低価格ブランドは、ブランド数も増えているし、価格を下げる余地を残している。
衣料品全体の価格は、2年ほど前よりは少し戻したものの、今後大きく上昇するような事態は来ないのではないかと思えてならない。



堅調なライトオンの6月商況

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 ライトオンとジーンズメイトの6月売上速報が発表された。

ライトオンは

既存店売上高が前年比0・6%増
既存店客数が同0・5%増
既存店客単価が同0・1%増

だった。

ジーンズメイトは

既存店売上高が前年比7・7%減
既存店客数が同10・5%減
既存店客単価が同3・2%増

だった。

この2社は5月21日~6月20日までの月次なので、後半に数日セールが入っているかもしれないが、あまりセール効果はない。むしろ6月21日からの7月度売り上げに反映される可能性が高い。

やはりゴールデンウイーク終了後の5月半ばから6月末までは商品のもっとも動きにくい時期の1つである。

この時期にライトオンは売り上げ高・客数ともに前年微増(ほぼ前年並み)をキープできたことはそれなりに評価ができる。

一方、ジーンズメイトは5月度こそ既存店客数が前年比2・0%減にまで回復したが、6月度はまた10%減となってしまった。
売り上げ高減少よりも客数減少の方が深刻である。

客単価は両社とも微増する傾向にあるが、これをもって「インフレに転じた」とは考えにくい。
これまで下がり続けてきた客単価が底を打って、やや回復したのではないかと感じる。
例えば2000円の商品が2100円に値上がりしても価格は5%増である。

依然として、衣料品の裾値は低い。
990円とか790円が当たり前に各店にある。

ジーンズメイトの店頭を見ても、2009年・2010年あたりは最安値で590円とか390円の夏物衣料(おそらく過去在庫)が並んでいたが、今夏はそこまでの低価格品は並んでいない。
せいぜい990円とか790円である。

インフレに転じたというなら、かつてのバブル期のように「3000円以下でまともな衣料品はない」ような状況が出現しないと信じ難いだろう。



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