南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2012年05月

東京ソラマチ開業で地元商店街は苦戦。この事態は想定内では?

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 5月22日、東京スカイツリーとその商業施設「東京ソラマチ」がオープンした。

これに対して、地元商店街は期待外れという状態にあるらしい。

ツリー効果想定外…地元商店街「客減った」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120529-OYT1T00229.htm

その一方で、ツリー効果を当て込んでいた周辺商店街では客足が思うように伸びないなど、「こんなはずでは……」という事態も起きている。

 ツリーと隣接の「東京ソラマチ」と合わせ、来場者は連日20万人超。100万人突破は予想より2日早く達成し、初の週末となった26日夕には初の入場規制も行った。

 一方、期待はずれなのが地元商店街。開業前は見物客で売り上げを伸ばしたが、開業後は「売り上げが減った」との声が上がる。地元商店街の土産物店の店主(61)は「ソラマチの外に人が出てこない」とこぼす。


とのことである。

うーん。何を嘆いているのかよく意味がわからない。
開業後はこうなることは予測できたのではないだろうか。
「想定外」とあるが、想定が甘すぎたのではないか。

東京ソラマチの施設概要によると、全312店舗が入店している。
テレビでも連日施設内部をレポートしていたが、飲食店もかなり充実している。
言ってみれば、この館内だけで買い物、食事、ちょっとした時間つぶしとほとんどの消費行動は完結できる。
地元商店街にわざわざ立ち寄る必要はない。
ソラマチへの行き帰りに「ちょっと缶ジュースを1本買いたい」という程度の需要以外は発生しないと、容易に想像できる。

記事中には「開業前は見物客で売り上げを伸ばしたが」とあるが、当たり前である。
スカイツリーはどこからでも見える。
建設中のスカイツリーを見物する客は、飲み食いにしろ、ちょっとした日用雑貨品を買うにしろ、地元商店街を利用するのが一番便利である。というか地元商店街で消費するしか方策がない。何しろ大型商業施設「東京ソラマチ」は開業していないのだから。

しかし「東京ソラマチ」が開業すれば地元商店街には用無しである。
この「東京ソラマチ」がもっと小規模な施設なら話は別だ。
けれども312店舗もあれば消費者のほとんどの欲求は施設内で満たすことができる。

今後、「東京ソラマチ」に何か大きな事件が起こり客足が急激に鈍らない限りは、地元商店街がその恩恵を受けることはないと考えている。

セールの早期化も案外悪くないのかも

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 さて、セール開催時期を巡る混乱はまだまだ続いているようだ。

5月18日付の繊研新聞によると、大阪の「なんばパークス」が7月7日にセールをスタートさせる動きだという。
他の施設が7月1日か6月29日開始が多いので、1週間ほど遅いということになる。
数年前なら7月5日前後のスタート日が多かったので、遅らせるというよりは元に戻したというニュアンスの方が色濃いのではないか。


デニムアイテムのOEM事務所を経営する友人によると、今年は7月納品まで受注が相当数あるという。
デニムアイテムは通常、夏に弱い。冬にも弱い。
3月、4月が繁忙期で、夏は閑散期である。
その後、9月、10月と繁忙期になり、12月は閑散期というサイクルで回る場合が多い。

しかし、今年に限って言えば、セールが6月下旬から始まるので、各ブランドとも秋の立ち上がりを早める傾向にある。秋の立ち上がりと言っても、秋っぽい色で夏デザインの商品である。
このため、7月納品も例年より多くなっている。

この事務所の動きだけで業界すべてにあてはめることはいささか無理があるかもしれないが、セールが早期化するなら、早めに秋色・夏デザインの「晩夏初秋物」を投入するというのも店頭の鮮度を保つには有効な手段ではないだろうか。
とくにファッション性をアピールするブランドや施設ならなおのことである。
8月末までセール品を引っ張って、ワゴンで叩き売るのはユニクロなどの低価格SPAかイオンなどの量販店に任せば良いのではないだろうか。

友人も「セールが早期化してどうなるかと思ったが、案外と良いサイクルになるのかもしれない。もともとゴールデンウイーク以降は7月までセール待ちで売り場が動かない。なら、6月からのセールで在庫を一掃して、7月中頃から晩夏初秋企画を立ち上げる方が効率的ではないかと思い始めた」という。

このコメントには聞くべき要素が詰まっているように思える。

結局、ブランド側がセール顧客を追求するのか、新規商品を早めに立ち上げるかを決めれば良いのである。
どちらが正解かはやってみないとわからない。
しかし、不況が続いた業界だから、各社ともトップは失敗を恐れている。
失敗したくないので確実な方策を選ぼうとするのだが、往々にしてどっちつかずの中途半端な方法を選んでしまうことが多い。で、さらに売れなくなる。
悪循環スパイラルである。
セール顧客と新規顧客の両方に対応しようとするから良く分からない店作りになる。

現在の消費者は体感気温に即して衣料品を買う。
秋物を早めに立ち上げると言っても、7月中頃からぶ厚い長袖や、セーター、ヒートテックを立ち上げる必要はない。それらが実際に動くのは2カ月後である。
色柄が少し秋っぽくて、デザインや素材は夏物を投入すれば良いのである。


そこさえ間違えなければ、友人ではないが「セールの早期化も案外悪いものではない」のかもしれない。

大手新聞の入れ墨擁護は理解できない

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 大阪市の橋下徹市長が職員の入れ墨を問題視している。
橋下市長の主張には首を傾げるものもあるが、この入れ墨問題に関しては賛成である。

大手新聞などは「入れ墨はファッション」として擁護する向きもあるが、この主張の意味がわからない。
自社の社員、特に花形てある新聞記者や広告営業マンが入れ墨を入れていても採用すると言い切れるのだろうか?おそらく採用面接の段階で落とすだろう。
自社が雇えない者を擁護するという感覚が理解できない。

ニュースで読んでいると、大阪市の職員に採用されてから入れ墨を入れた者が相当数存在するという。
百歩譲って学生時代や公務員採用以前に入れ墨を入れていたのなら仕方がない側面もあるが、採用されてから入れ墨を入れるというのは明らかに感覚がおかしい。
橋下市長が問題視するのも納得である。


さて、今朝のめざましテレビで入れ墨に対する各年代の意識調査を発表していた。
10代~50代までの意見をまんべんなく紹介しており、フジテレビにしては珍しくまともな結果を報道したと感じた。

10代、20代には入れ墨肯定派が半数近くいたが、30代以上になると肯定派は少なくなるという結果だった。
また民間企業31社に聞き取り調査したところ、14社が入れ墨を入れた社員は何らかの配置換えなどの措置を行っていると答えている。

もちろん、ファッションとしてのタトゥー(入れ墨)は分からないではない。
しかし、自営のファッションデザイナーとかミュージシャンとか水商売関係以外の職種で「ファッションだから」という理由で入れ墨をOKする企業は少ない。
大手新聞の噴飯物の擁護では「ファッションを規制するな」という類の物があったが、じゃあ、新聞社の広告営業マンが「ファッションだから」という理由で、Tシャツにジーンズ姿で大手クライアントに出向くことはOKなのか?
社内で規制しないのか?

新聞記者だってそうだろう。
「ファッションだから」という理由で派手な色のシャツにハーフパンツで取材に行っても良いのか?
状況によってはありかもしれないが、通常の業務内容なら大手新聞社は間違いなく規制する。


なぜ、入れ墨だけを「ファッションだから」と擁護する必要があるのかまったく理解できない。


引き合いにミュージシャンやスポーツ選手がタトゥーを入れていることを挙げることもある。
しかし、彼らと公務員や一般会社員では求められる規律が異なる。
銀行の窓口業務の女性や、外回りの営業マンがタトゥーを入れることを容認されるだろうか?


入れ墨問題に関して、大手新聞の擁護は何一つとして納得できるところがない。

衣料品展とはケタ違いの食品展の集客力

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 先週、TSO(トレードショーオーガナイザーズ)主催の食品展示会にもぐりこませていただいた。
いくつかの展示会を同時開催させており、「NOODLE WORLD KANSAI 2012」「INTER-FOOD KANSAI 2012」「関西省エネ・省CO2・コスト削減対策展」「関西フランチャイズ・独立開業支援展」「全国都道府県特産物フェア」がそのラインナップである。
筆者が見て記憶に残っているのは、「NOODLE WORLD KANSAI 2012」「INTER-FOOD KANSAI 2012「全国都道府県特産物フェア」くらいである。

何故、もぐりこませてもらったかというと、TSOに知人が勤務しており、久しぶりに表敬訪問したかったためである。

会場内はものすごい入場者数である。
衣料品や生地の展示会ではこうはいかない。食品展示会の集客恐るべしである。
もちろん、主催者側の集客努力もあるが、それにしても・・・・・である。

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事前登録すると入場は無料だが、当日だと5000円が必要になる。
それでもそれなりにチケットを購入しておられる方がチラホラとおられる。

いやはや。
衣料品や生地の展示会なら入場料を300円いただいただけで入場者数は激減するだろう。
たとえIFFやroomsといった著名展示会でも入場料が必要となれば、入場者数は半減するのではないだろうか。

このTSO主催の展示会に限らず、食品系の展示会は事前登録していない来場者から入場料を徴収する場合が多い。にも関わらず、食品系の展示会はどこもがかなり賑わっている。

長らく衣料品や生地の展示会に携わってこられた方からすれば何ともうらやましい限りではないか。


食品の展示会が入場料を徴収しても大賑わいな理由をいくつか考えてみた。
食品のことは衣料品以上に素人なので抜け落ちた部分があればお許しいただきたい。

1、試食・試飲がふんだんにある。
2、外食産業の従事者が衣料品以上に多い
3、ド素人のオバちゃんでもそれなりに入場して楽しめる


くらいではないかと思う。

試食・試飲がふんだんにあり、片っ端から飲み食いすると一食分以上の量が飲み食いできる。
しかも、新製品とか地方の珍しい商材だから満足度も高い。

また衣料品や生地に関しては、ド素人のオバちゃんが見てもあまり楽しめない。
せいぜいが「あー、きれいやなー」と言えば終わりであり、どんなに広い会場でも滞在時間は20分ほどで済むだろう。
しかし、試食・試飲があるため、食品展ではド素人のオバちゃんでも何時間でも会場内に滞在することができる。

さらに、外食産業に従事する人間が衣料品よりも多いのだろう。
おそらく、飲食店は衣料品店より多いのではないか。
衣料品を半年買わなくても生活にさほどの支障はないが、飲み食いができないと健康状態に直結する。
必然的に一日に最低でも一回は飲み食いせねばならない。
そのため、飲食店は衣料品店よりも集客しやすい。
しかし、飲食店は単価が低く、粗利益も低い。このため外食産業はブラック企業化しやすい側面もある。


閑散とした衣料品展示会を見慣れた人間には、食品展の盛況ぶりはまさに別世界の感があった。

今夏のセール開始時期は実質前倒しに

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 今夏のセールを7月13日に後倒しするという三越伊勢丹の取り組みだが、その他企業はセールを後倒しする気などさらさらなく、さらに前倒しする雰囲気さえ漂っている。

あるレディースアパレルによると、大手量販店は6月8日から5日間の特別セールフェアを行い、続けざまに6月中旬からプレセールに突入するという。そして、そのまま6月下旬から夏セールを開催するらしい。
このプランが実施された場合、実質6月8日からセールが始まることになる。

セール後倒しどころか、セール開催時期はさらに早まっている。

その他の百貨店やファッションビルも6月29日開始や7月1日開始がほとんどだが、テナント出店しているブランドは昨年同様6月中頃からプレセールやシークレットセールを開催するため、実質的なセールは6月中頃から始まる。

さらに大手がセール開始時期を示し合わすことは、多くの方が書いておられるように独占禁止法に抵触する恐れがあるというから、まさに打つ手なしである。


業界内からようやく「法律で開始日を定めた方が良いのではないか」との声が聞こえてきたが、たしかにこうすることが一番しっくりくるのかもしれない。


いずれにしろ、セール開始時期は実質的に早まっており、どこまでセールの夏物を販売するかは各ブランドや各ショップの品ぞろえの考え方にかかっている。
6月29日から夏物セールを開始し、7月中頃に再値下げをする。
おそらくこの7月中頃の再値下げでも商品は完売しないだろうから、このまま8月のお盆明けまで販売するのか、7月の中頃から秋色夏素材の定価品を立ち上げるのかは、各ショップの考え方一つである。

徹底的にセールハンター顧客に対応するつもりであれば、お盆明けまで再々値下げした商品を叩き売るのも良いだろう。
反対に、セールを早々に切り上げて秋色夏素材の定価品を立ち上げ、秋物へと移行するのも良い。

一番ダメなのは、安全策として、その両方を自店内でやってしまうことである。
これが100坪、200坪、300坪という超大型店ならまだしも、30坪程度の小型店で展開したのでは、セール品と定価品がごちゃ混ぜとなってしまい、ひどく分かりづらい店となってしまう。


小型店・中型店は、安全策を採ることは「二兎追う者一兎をも得ず」という結果を招いてしまうだろう。


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