南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

2011年03月

地方バイヤー・海外バイヤーの来場者数減少は予想通り

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 震災によってジャパンファッションウィーク(JFW)は中止となってしまったが、予定通りに展示会を開催したブランドもある。
震災復興を見据えるのなら、当然とも言えるのだが、地方バイヤー・海外バイヤーの来場は激減しているようだ。

3月29日の繊維ニュースから引用させていただく。

「デザイナーは前向きも 地方店、海外店の来場減」

 第12回JFW in Tokyoが中止となった先週は、本来なら100ブランド前後の展示会が予定されていたが、東日本大震災の影響で多くのブランドが展示会を延期した。そんな中で、「サカイ」「エヴァーラスティングスプラウト」「アンソール」「ヴゼット」「ファクトタム」「ヨシオクボ」「エトセンス」などのブランドが、予定通り展示会を開催した。


とのことである。

デザイナーの前向きな姿勢はうれしいことであるが、地方店や海外店の来場が減ることは予想の範囲内である。地方バイヤーからすれば、電力不足による電車運行の乱れと不定期に行われる計画停電が気になって以前のように気軽には東京には行けない。また放射能に敏感な海外バイヤーは東北・関東地方には、足を向けたがらない。今回の結果は当然の成り行きだと言える。

以前にも書いたように、開催場所を名古屋や京阪神に移せば来場者確保に効果があったのではないだろうか。
現在、名古屋や京阪神のホテルは東京からの避難組で満室だという。名古屋や京阪神で今回のブランド展示会を行った方が、地方バイヤーも行き易かっただろうし、もしかすれば東京バイヤーだって避難と気分転換を兼ねて、西日本に喜んで出張したのではないかと思う。
また外国人は、放射能を恐れて日本自体に入国することに消極的だと言われているが、冷静な外国人は名古屋以西は安全だということも知っているだろうから、名古屋・京阪神開催ならある程度の外国人バイヤーの来場は見込めたのではないだろうか。
地方在住者から見れば、今回のような状況でなぜ「東京開催」にこだわるのか理解に苦しむ。


例えば、香港で開催される伝統と格式のある展示会に毎回出展していたとする。しかし、近年来場者数が伸び悩んでいる。一方、上海の新しい展示会は来場者数が伸び続けている。こうした場合、多くのデザイナーは香港から上海に出展を振り替えるはずである。何が何でも香港に出展しなくてはならない理由はない。
これと同じ考えではいけないのだろうか。

東京開催は、福島原発沈静化と電力不足解消に一定の目途が着いてからでも遅くはないと思うのだが。



画一化する商業施設

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 以前から何度も書いているので恐縮だが、経済効率を優先してカジュアル服を買うのならベーシック品をユニクロ、無印良品、GAP(3ブランドのセール品)でまとめ、ややトレンドデザイン物をポイントの各ブランドセール品、ライトオンのセール品でまとめると良い。あと1点か2点をビームスやアーバンリサーチ、チャオパニック、ユナイテッドアローズなどのセレクトショップでセール品を買い足せばそれなりの着こなしができると思う。

ユニクロが業績を伸ばし、無印良品やGAP、ポイントの出店が続いているのは、このような買い方をする人が増えているからだろう。
しかし、その結果、どのエリアでも同じような店のラインナップになり、明らかに画一化している。

ローカルだが、今春オープンラッシュが続く大阪市内を見て歩く。

4月26日に天王寺駅前に巨大なイトーヨーカドーがオープンする。
ここには「ユニクロ」が入店する。これまで不思議なことに天王寺駅周辺にはユニクロの大型店がなかった。地下鉄入口の近くに小型店があるくらいだ。
イトーヨーカドーに入店するユニクロはそこそこの規模の大型店になることが予想される。
これで、天王寺駅周辺にはユニクロ、無印良品、GAPの3ブランドがそろうことになる。

ヨーカドー天王寺








(イトーヨーカドー阿倍野店の外観)





CA3G0079

















(地下鉄天王寺駅改札付近のユニクロ小型店)






3月3日に高島屋が増床オープンした難波だが、ここには無印良品の大型店、ユニクロの中型店がそろう。残念ながらGAPはないが、隣接する心斎橋にはGAPの大型店がある。心斎橋にはGAPのすぐそばにユニクロのグローバル旗艦店がある。今まで無印良品の大型店はなかったが、これも4月に大丸心斎橋店北館にオープンする。


4月19日に大丸梅田店が増床グランドオープンし、5月4日にJR三越伊勢丹とルクアがオープンする梅田だが、これまで無印良品の大型店がなかった。正確に言えばあったのだがなくなった。HEPファイブにGAPが入店しているが、以前はとなりのビルはNAVIOという商業施設だった。ここに無印良品の大型店が入店していたのだが、ビル全体が売上不振のため、このビルそのものが阪急メンズ館へと変更となった。その際に無印良品は閉店となっていた。
その無印良品が今度はルクアに入店する。ほぼ隣接する大丸梅田店にはユニクロが3月16日オープンしている。
それ以前からも梅田にはヨドバシカメラ内にもユニクロがあるし、単独店もあった。


これから大阪市内の消費の中心となるであろう天王寺、難波、心斎橋、梅田の各エリアにはユニクロ、無印良品、GAPの3ブランドの大型店が難波を除いて完備することになる。難波は先述のようにユニクロと無印良品の2つである。


買い物をするには非常に便利な反面、なんという画一化だろうか。
これを好ましいと考えるか、つまらないと考えるかはファッションに対する考え方の違いと言うことになるだろう。


新しいビルが建ち、周辺が再開発されることで街は確実に綺麗になる。
もちろんそれは歓迎するが、あの怪しい路地裏「阿倍野銀座」が天王寺から無くなってしまったかと思うと、少し寂しい気持ちもある。

中途半端な偽善はお話にならない

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 先日、といってもほんの2~3日前だが、知り合いから「某有名セレクトショップが、シャツの生産を依頼していた福島県の縫製工場に対して『放射能汚染された商品は引き取れないのでキャンセルする』と言ってきた」ことを聞いた。

大震災以降、今も続く原発事故の情報が毎日大量に報道されている。
解説者のコメントを聞いていてもさっぱりわからない。どれだけの量の放射線をどれだけの時間継続的に浴びれば健康被害が出るのかまったくわからない。
なぜなら、解説者もアナウンサーもそこを明確に伝えていないから。
もしかしたら彼らは伝えているつもりかもしれないが、まったく伝わって来ない。伝わるような日本語になっていない。
そのため、上記のようなおかしな状況が出現するのだろう。

完全な知識ではないかもしれないが、衣服は通常洗濯をすれば着用に問題がないと耳にしている。
ならば、このセレクトショップは洗濯をして、その後、さらに心配であるなら放射線をガイガー測定器で測定してから引き取るかキャンセルするかを決定すべきである。


自分は、この福島の縫製工場から直接この話を聞いたわけではないので、このセレクトショップの名前を晒したり、名前を連想させるようなアルファベットでの表記はしない。しかし、このセレクトショップのHPのトップには大震災に対しての支援コメントが出されており、支援のためのチャリティーセールを行うことが記載されている。
しかし、被災地を支援するのであれば、被災地・福島の縫製工場の商品を最大限引き取る努力をすべきである。万が一、洗濯を施しても有害とされる基準値の放射線が検出されれば商品の未引き取りはやむを得ない。ただ、その場合でも縫製工場に対して何らかの補償(金額の多寡は別として)はしてあげるべきではないだろうか。縫製業者も被災者である。


そうでなければ、HPで呼びかけている被災地支援が半分はウソになる。「やらない善よりは、やる偽善」と言われる。たとえ偽善でも支援することが望ましいが、被災地の取り引き先に対して支援できない・する気もない企業が、被災者への支援を呼び掛けてもそれはウソ臭く映る。「やる偽善」は大歓迎だが「中途半端な偽善」ではお話にならない。

製造工場がファクトリーブランド化するチャンス

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 3月11日を境にして、別の世界に迷い込んだような気がする。
こんな意見がツイッターで見られた。正直な感想だと思う。
被災された地区の方々もそうだろうし、3月11日まで何の生活不安もなかった東京の人たちもそうだろうと思う。


先日、ある雑貨の組合役員と意見交換をさせていただいた。
その組合は自家工場を持っている製造業が主体で、今後はアパレル関係と協業を模索しておられるとのことだった。

繊維・アパレル業界では昨年秋ごろから中国工場での生産が難しくなり、溢れだした注文が国内工場に回帰していた。今回の震災で東北・北関東の工場が多数被災しており、その注文が西日本にさらに流入した。このため、西日本の工場はさらにキャパオーバーになることが予想される。
このため、製造ラインを自社で抱えている製造業は強みを発揮することになるのではないかと考えている。ただし、製造業の方々には企画力と販売力がないので、この2つを伸ばす、あるいはその部分に長けた企業や個人とコラボレーションすることが望ましい。そこを乗り切れば(口で言うほど楽な道程ではないが)、製造業が自立化することが可能となりファクトリーブランド設立も夢ではなくなる。

しかし、アパレル業界がどう動いていくのかは、震災以降まったくわからない。
製造業のチャンスが拡大したことは間違いないと思うのだが、震災後のアパレル業界がどうなるのかは極めて不透明だ。

役員さんからも「震災以降どうなるんでしょうか?」と質問されたものの、「正直わかりません」と答えるしかなかった。


当面は、最低でもあと1年は続く東京の計画停電を見越して、名古屋・京阪神への本社機能の分散移転が急務であろう。人口が分散することで首都圏の電力不足は回避される。いつまでも東京にしがみついていても福島原発が落ち着かない間は電力供給が3月11日以前の水準に回復することはない。本社機能の分散移転の後に新しい産業界が始まるのではないだろうか。

バブル女性は海外富豪の愛人になれ

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 昨日、高齢化する一方の「女子化」について書いてみたが、
実は昨今の言葉でもう一つ「肉食系」「草食系」という言葉づかいにも引っかかっている。
正確に言うのなら、「肉食系」「草食系」という比喩に疑問があるというよりも、
こと恋愛に関して「男は肉食系であることが望ましい」という風潮に対して疑問を覚える。

とくにその主張は団塊世代とバブル世代女性から出てくることが多く、化石化している団塊オヤジからの批判は取るに足りないので聞き流すとしても、女性からの主張には強い違和感を覚える。
違和感は覚えるものの、自分のボキャブラリーの貧困さや、文章の下手くそさによってなかなかその正体が明確化されなかった。というか、自分でもどこに違和感を感じているのかが正確に認識できていなかったというべきだろう。

先日読んだ小田嶋隆さんのエッセイに、その違和感がずばりと表現されていたのでご紹介したい。


 女性の立場から男の草食化を嘆く文脈で書かれるテキストも、この2年ほどの間にずいぶんと大量生産された。
 私は、この方向からのものの言い方も、評価しない。率直に言えば浅ましいと思っている。

(中略)

 でも、そうだとしても、「あたしは羊」「あたしはおいしい肉」「男なら私を狙うべき」という自意識には救いがたい傲慢と依存が宿っている。このことはどうやっても否定できないと思う。私は気味が悪い。冗談じゃない。どうしてオレがあんたを狩らなけりゃならないんだ? それに、昨今の男子が恋愛に消極的なのが事実であるのだとして、その理由は、彼らが草食化したからだとは限らない。肉の方が腐っているからというふうに考えることだって可能なはずだ。女性の腐肉化。腐肉系女子。うん。撤回する。でも、自分が草より上等だと考えるのは思い上がりだぞ。


とのことである。

違和感の正体はまさにここにあったと思う。
女性が草食系男子について嘆くとき、少なからずこの傲慢さが垣間見えるように感じる。

先日、テレビのバラエティ番組で女優の小川知子さんが
「男は命がけで女性を得ようとするもの(語句は完全再現ではない)」という意味の発言をされていた。
小川知子さんとはプライベートにお会いしたこともないからそのお人柄を知るすべもないのだが、テレビ用の発言とは思うが「あたしはおいしい肉」「男なら私を狙うべき」という自意識に立脚しているように感じられ辟易した。逆に言えば「なんで俺らがあんたを命がけで得る必要があるのか」と思う。身も蓋もないが、命がけで得なければいけない女性がこの世に存在するとは到底思えない。

人の価値観はそれぞれだが、かつて団塊オヤジが若かりし頃、バブルオヤジが若かりし頃、恋愛(というより恋愛風ゲームだと考えている)に血道を上げていたように「男性は永遠に恋愛風ゲームにのめり込まないと駄目だ」という考え方には無理がある。


恋愛や結婚に対して消極的といわれる草食系男子は、都会型生活を最大限に効率化した価値観であると思う。サラリーマンの平均収入が激減している状況下において、バブル期のようにアッシー君やメッシ―君になり下がって金ばかり使って、女の順番待ちするような行為は無駄の典型例であろう。そういうバブル期が忘れられない女性は海外の富豪の側室か愛人にでもなれば良いのである。

ファッションにおいても最大限に経済効率を追求するならユニクロ、無印良品、GAP、ライトオン、ジーンズメイト、マックハウス、レイジブルーなどのセール品だけで十分であり、スパイスとしてビームスやアーバンリサーチあたりのセレクトショップのセール品を1,2点買って加えれば良い。無理して1着10万円以上もするようなラグジュアリーブランドを買う必要はまったくない。ラグジュアリーブランドが日本市場からなくなることを「文化的衰退」だと嘆いている人たちは、バブル期が忘れられない女性陣と同じような思考だと言える。


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