何度も書いているように、よほど強固な信念がない限りは、現在において企業もブランドもウェブサイトは必要不可欠である。
どんな不細工なサイトでもないよりはあった方が良い。
それが第1歩だが、2000年ごろのインターネット草創期ならいざ知らず、ウェブサイトを使って集客や物販を行うとすると、それ相応の工夫が必要となる。

しかし、繊維業界・アパレル業界はこの分野に極めて弱いから、多くの企業やブランドは「とりあえずウェブサイトを開設しましょう」という段階である。

一方で、すでにウェブサイト自体は有象無象がひしめき合っているし、通販サイトは乱立している。

何度も書いているようにYahoo!ショッピングだけで40万店くらいは出店しているし、店舗数が減少している楽天でも4万店の出店がある。
この2つだけで重複出店も含めて44万店もあり、よほどの工夫を凝らさないとその中に埋没してしまうことは間違いない。

ベタな例えをすると、脱サラして居酒屋を開店したとして、競合が44万店あれば、よほどの「何か」がないと消費者からは選ばれない。
無名の居酒屋が繁華街にオープンして、そこに初日からわざわざ来てくれる客がどれほど存在するか。
すでに常連になっている店に行くだろうし、常連になっている店がなければ有名店に行く。
無名の居酒屋が選ばれる理由は何一つない。

無名の企業が今、新規にウェブサイトを開設するということは、こういうことである。

これを忘れて、ウェブサイトを開設すれば即座に多くの人が流入すると思っている残念な人が繊維業界には多い。
それだけアレだとさぞかし人生は楽しいのだろうなと思う。

さて、このブログを9月下旬にワードプレスでリニューアルしてくれたのはスタイルピックスという会社なのだが、そのおかげもあってスタイルピックスとウェブサイトの仕事で絡むことが増えた。

http://style-picks.com/

トップページには同社の短髪の看板娘の動画が貼ってある。

で、ウェブサイト開設、ウェブサイトの運用というのを見ていると、「どのように呼び込むか」が重要だと改めて痛感させられる。

企業やブランドがウェブサイトを開設する理由はつまるところは、

物(サービス)を売りたい(平たくいうと金儲けがしたい)

であるが、そのためには

1、ファンを増やす必要がある
2、定期的にサイトを見に来てもらえる内容をアップし続ける

ことが必須になる。

そのためには、単に品物(サービス)だけを並べているだけでは、よほどの超有名ブランドでもない限り不可能であり、そのために各社はブログを更新し、動画やコーディネイト画像をアップしている。
いわゆるコンテンツを強化している。

価格優位性があるといわれているユニクロとジーユーでさえ、単純な商品の陳列だけを行っているのではない。
コーディネイト画像の更新やら、ちょっとキモいタッチの松浦弥太郎氏のコラム連載やら、タレントが語り掛けてくれる動画コンシェルジュだとかそういうことをやっている。
価格優位性があり圧倒的知名度がある、ユニクロとジーユーがこれほどの工夫を凝らして売っているのに、無名のブランドが何の工夫も凝らさずにどうして売れると思えるのだろうか?その考えがわからない。

それに気が付いて、ブログをアップするブランドや企業も増えたが、個人的に「それでは効果が上がらない」と感じる事例は多数ある。
もちろん、ブログはやらないよりはやった方が良いことは前提であることは言うまでもない。

例えば、大手ではないジーンズブランドがあったとして、ブログにアップできる内容は様々ある。

ジーンズというアイテムの説明だけでも何回も書けるだろう。
それ以外にも、

ジーンズ業界について
デニム生地いついて
縫製について
洗い加工について
ジーンズファッションについて

などが考え付く。

これは他のジャンルのブランドでも同じだろう。
「ジーンズ」「デニム」をそれぞれのジャンルの商品や素材に置き換えれば良い。

いわば、これらはマクロな話。

自社のブランドや活動というミクロなことも不可欠で、問題はそれの書き口ではないかと思う。

「今朝も〇〇工場さんと打ち合わせで岡山に出張です。がんばります」程度な文字数なら、はっきり言って「ツイッターに書いていろよ」と思う。
また、自社の商品のセール情報しか書いていないならそれは折込チラシと同じで、ほとんどの場合が流される。

仮にも独自ブランドを名乗っているなら、商品の工夫した点や生産背景との取り組みがあるだろうから、それをキチンと書く必要があるのではないか。

1、商品デザインについて
2、使用した素材について
3、パターンなどで工夫した点について
4、製造を請け負ってくれている各工場について
5、個人的な考えについて

などである。

これらがないのであれば、エドウインかリーバイスの代理店でもやっていればいい。
おわかりいただけるだろうか?

もちろん、人間は綺麗ごとだけでは生きていない。むしろ綺麗ごとの方が少ない。
人間の生きている理由のほとんどは汚くて利己的な理由ばかりだと思っている。

「とりあえず手っ取り早く儲かりそうだからブランドをやってみた」とか、「理由はあまりなくて何となくブランドを始めてみた」とか、見聞きした範囲でいえばそういうことが数多くある。

まあ、それはそれで書けば良いだろうし、それでも業務としてやっていくうちに、独自に工夫を凝らしている部分が自然発生しているだろうから、それを書くべきである。

この辺りを整理してコンテンツを作れているブランド、作る気があるブランドは極めて少ないと感じる。
逆に批判はあっても、現在のウェブでの勝ち組ブランドはこの辺りを実行しているといえる。

あと、ウェブサイト開設・運用には確実にカネは要る。
最低限のカネは絶対的に必要である。
ときどき、いまだに「10万円くらいでサイトを作ってほしい」とか「3万円でサイトを作ってほしい」とかいうとぼけた人が繊維業界には山のようにいるが、100万円とか1000万円とかバカ高い金額は必要ないが、世間相場を知らないと話にもならない。

機械類なら何百万でもポンと支払う製造加工業者、酒を飲ませる店になら何十万円でも気軽に支払うアパレルメーカー経営者、自分の飲み食いになら毎日惜しげもなく散財する個人事業主などに限って、ウェブサイト製作に3万円とか5万円とかのあり得ない価格を提示するので呆れ果てることが多い。結局はそういうレベルの業界なのである。

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三越伊勢丹HDが「ケイタマルヤマ」を手放す理由とは?
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