はるやま商事が岐阜のビッグサイズメンズ専門メーカーのマンチェスを買収し子会社化した。

マンチェスといっても知らない人は本当に知らないだろうが、昭和27年創業の老舗メンズビッグサイズ専門のメーカーで最近では自社子会社でネット通販も手掛けていた。

実ははるか昔、18年くらい前に一度、今はなき岐阜ファッションフェア(GFF)というイベントの取材のついでに訪問したこともあるのだが、その際どんな話を聞いたのかも忘れてしまった。
こちらも駆け出しの記者でおそらくろくな質問もできていなかっただろう。

そこから、時が流れて2010年くらいにマンチェスの岐阜本社を訪問したことがある。
この時は、当時手伝っていたOEM会社の社長と同行した。
記憶の中にあるマンチェスの建物とはずいぶん変わっていて、かなり近代化されていた。
立派な本社ビルだった。
もしかしたら当方の昔の記憶が間違っているのかもしれない。

はるやま/ビッグサイズを強化、既製服製造販売「マンチェス」子会社化
https://ryutsuu.biz/strategy/j111633.html

このマンチェスをOEM会社に紹介してくれた業界の大ベテランがおられたのだが、最近は連絡がない。
年齢的にももうかなりご高齢になられている。
たまに「果たしてご存命だろうか」とふと思うことがある。

まあ、それはさておき。ニュースの内容を見てみよう。

はるやまホールディングスは11月15日、既製服製造販売の「マンチェス」と「ミッド・インターナショナル」の株式を取得し、子会社化すると発表した。
はるやまグループは、2006年10月からビッグサイズの衣料品を販売する「フォーエル事業」を展開しており、10月末現在、96店を運営している。
マンチェスは大きいサイズの衣料品などの製造、販売(卸売)を、ミッド・インターナショナルはマンチェスが製造する商品などのインターネットなどによる通信販売を、それぞれ主要事業としている。

とある。
この流通ニュースには書かれていないが、ミッド・インターナショナルはマンチェスの子会社で、マンチェスが企画製造したビッグサイズのメンズ服をインターネットで販売する会社である。
両社合わせての売上高は19億円と日経新聞は伝えている。

金額的にはそれほど大した額ではないが、ビッグサイズ専門メーカーを傘下に加えたというのは、はるやまにとってはかなり効果的である。

まず、地味ながらマンチェスには他社にないノウハウがある。
それは、スーツからカジュアルまで数多くのブランドのビッグサイズをマンチェスは手掛けているが、そのビッグサイズの型紙(パターン)は独自のもので、逆にライセンス供与先がそのパターンを使用することもある。

それに手掛けているブランドは数多く、錚々たるラインナップだ。
ミッド・インターナショナルのサイトを見てみよう。

https://www.bigsize.co.jp/brand/

アディダス、リーバイス、エドウイン、ナイキ、ラコステ、ディッキーズなどなど。

2L~8Lくらいまでのサイズを展開している。
2Lくらいまではどこのブランドも自社で企画製造しているが、4L以上となるとちょっと手掛けていない。
それをマンチェスは企画製造してきた。

2Lくらいまでのパターンのグレーディングでは4L以上になるとサイズバランスがおかしくなる。
ウエストを巨大化させるのに比例して裾幅まで広げれば、袴みたいなズボンになってしまう。
それを「ハカマックス(笑)」とでも名付けて売れば良いかもしれないが、まあ、普通には売れない。
普通に売ろうと思うなら、裾幅は少し狭めにしなくてはならない。
このグレーディングのノウハウをマンチェスは持っている。
だから先に挙げた錚々たるブランドでもマンチェスのノウハウを逆に採用することもある。

このノウハウを手に入れられたことははるやま商事にとってはかなり有効な武器になる。

また、記事でも書かれているように、ビッグサイズは利用者数が少ない割には囲い込みがしやすい。

体験例でいうと、6Lくらいまでレディース服をそろえているバッタ屋が天神橋筋商店街にある。
3Lくらいまでなら通常ブランドでも扱っているが、4L 以上になると扱いがない。

だから、ビッグサイズが売っている店には顧客化し、定期的に足を運んでくれることになる。
また、チマチマと毎日1枚買うのではなく、買うときは数点以上のまとめ買いをしてくれる。

レディースに比べてメンズは服を買わないが、それでも同様の消費傾向だろうと推測される。
日々高回転にはならないかもしれないが、まとめ買い比率と固定客化の確率はかなり高くなる。
そうすると、定期的で確実な売上高が見込めることになる。

個人の家計でも不定期に100万円収入があるよりも毎月10万円ずつ収入がある方が生活設計しやすい。
企業も店も同じことだ。

はるやま商事はすでに11年前からビッグサイズ専門店を展開しているが、マンチェスを手に入れたことで企画製造のノウハウはさらに磨きがかかり、取り扱いブランドラインナップも増える。
さらにいえば、固定客も増える見込みが高く、はるやま商事にとっては最良の買い物だったといえるのではないか。

はるやま商事は近年、ブランド買収を盛んに行っているが、廃止ブランドの引き取り専門店みたいになっており、トランスコンチネンツしかりイーブスしかりテットオムしかり、で果たしてこれらのブランドラインナップがはるやまに必要だったのかどうかと首を傾げることが多かった。
しかし、今回の買収ははるやま商事の近年の買収の中では最も適切だと言えるのではないか。

知名度は高くないが優れたノウハウを持っているマンチェスに目を付けたところも慧眼だったといえる。

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