少し前まで「トレンド」として話題になっていた「ノームコア」だが、衣料品業界にいる人間の解説はさっぱり意味がわからなかった。
何人に尋ねても意味の分からない答えが返ってくる。もしかしたら説明している当人たちも意味がわかっていなかったのではないかと思う。

「究極の普通」って何なんだよ(笑)。
一部のブランドを除いて90%のブランドは「普通の服」を販売している。
じゃあ、すでに自分も含めてほとんどの人間はノームコアじゃないか。
全身ユニクロで固めりゃいいんじゃね?意味わかんネー。

無地の洋服がノームコアだと解説する人もいた。
よっぽど変な柄は別として、ストライプとかボーダーとかチェックとか伝統的な柄でさえだめなのか?
白Tシャツとジーンズしかダメならみんなが90年代の吉田栄作みたいな服装をせねばならないのか?
じゃあ、別にそんな意味不明なトレンドなんてどうでもいいから当方はボーダー柄のTシャツを着るよ。

まあ、そんな感じである。
そのトレンドの何がかっこいいのかすら理解不能だった。
よって、当方はノームコアなんてどうでもよくて、興味の対象外として終わった。

で、当方は興味の対象外だからどうでもよかったのだが、どうやら「トレンド」としてのノームコアは終了していたようだ。
そんな中、ノームコアの解説で納得できるものを見つけてやっと腑に落ちた。

全世界で間違い続けられたまま終わった「ノームコア」の説明
https://togetter.com/li/1163351

である。ちょっと長いが納得のいく解説である。

要するにノームコアというのは概念とか哲学であり、黒無地のタートルネックセーターとかリーバイス501だとかグレーのニューバランスだとかそういうアイテムやコーディネイトに落とし込むものではないということだ。

オーガニックコットンと似ていると感じる。
オーガニックコットンも元来は、そのコットン自体に価値やら機能性やらがあるわけではなく、無農薬・無肥料で綿花を栽培するという社会活動である。それがいつの間にか、有機栽培された綿花に価値やら機能性やらがあるように誤認されている。

大体、そもそもが「何を着るか」にこだわらないのがノームコアなわけで、「ノームコアなアイテム」を話題しちゃったらハナからその哲学に反するわけで、もう支離滅裂じゃないですか。

http://www.newsweekjapan.jp/sasaki/2015/07/post_1.php

そしてこう結論づけるのだ。「かつて個性というのは、自分のやり方で人生を切り開いて行く自由への旅だった。しかしそれによって私たちは孤独になっただけだ。ノームコアはそうではなく、他人との違いを追求するのではない新たな自由を求める。自分だけが特別ではないということに解放感をもち、そこに順応することが共同体への帰属なのである。だからノームコアは、より平和的な生き方への道のりなのだ」

この辺りがもっとも象徴的だろう。

あー、実にめんどくさい。(笑)
こういう哲学とか概念とかは個人的には本当に大嫌いである。

このまとめにもあるように、スティーブ・ジョブズの着こなしによって「無地でなければ~」と誤解され、サードウェーブやらと混同され「上質な暮らし」と誤解されるに至った。それって「ロハス」と間違えてないか?

このまとめで嘆いておられるように、ミーハーなファッション業界人に消費されてしまったというのが実情である。

個人的にはこの「トレンド」に興味を持たなくてよかったと思う。
元来、こういう思想とか社会活動とかそういうのは大嫌いだからだ。
逆にこれに飛びつこうと思ったファッション業界人の気が知れない。あほなのだろう。

解説にもあるように、今でも揶揄される大学生の量産型ファッションは立派にノームコアである。
そのファッションテイストやジャンルにかかわらず、集団に溶け込む着こなしはすべてノームコアだといえる。
だからベーシックな服装だけがノームコアではないということだ。

コスプレイベントでそれに参加するためにコスプレするのもノームコアだし、セクシー系の愛好集団に入ってセクシー系の洋服を着るのもノームコアだし、ヤンキー集団に入ってヤンキーファッションに身を固めるのもノームコアだということになる。

ファッショントレンドでもなんでもなく、きわめて日常的で、解説にもあるようにほとんどの日本人が自然に体得していることである。

それをやれトレンドだ、やれ哲学だ、やれ概念だ、と何をめんどくさいことを言っているのかと思う。

それにしてもこの説明はお見事である。
多分実際にお会いして、交流すると極めて気が合わないと思うが、この論考は敬服するほかない。

個人的には、洋服なんてそこそこ安くて、そこそこカッコヨク見えて、機能性があればそれが最上だと思う。
わけのわからんブランドネームも要らないし、哲学も概念も社会活動も個人的には要らない。
そうなると、ユニクロか無印良品あたりがbestに近い存在になり、あとはライトオンとかジーユーとかウィゴー、ジーンズメイトあたりを組み合わせれば済む。

そういえば、つい先日、某ラグジュアリーブランドの販売員(もちろん男性)を連れてユニクロに行ったところ、1990円に期間限定値引きされていたワイドフィットチノにいたく満足してお買い上げになった。
オリーブグリーンのカラーを選んだのだが、試着してみて、「これスゴイですね。それでこの価格なら買いですよ」と感激しておられた。

「すべての物に大した違いはない」とまでは思わないが、大半以上の「物」というのはこの程度の差異しかないということだと思う。
そんなわけで、ノームコアについてのモヤモヤが晴れたのでスッキリした。
これから死ぬまでその方面には触らないでおこうと思う。

余談だが、Amazonでノームコアを検索すると、「ノームコアセンス」というブランドが出てくる。このネーミングはかつて発見した「ディーゼルパワー」に勝るとも劣らない。(笑)
あとナノユニバースにも「クライド ノームコア」というスニーカーがあるのも発見した。
ファッション業界がノームコアを解釈するとこうなるという見本ではないか。(笑)

 

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シャツ専門アパレル各社の生き残りと消滅を回顧する
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