個人的にコレクションショーにはまったく興味がないが、それでも何度かは業務上必要に迫られて東京や大阪でコレクションショーの取材をしたことがある。
それでも通常のアパレルブランドの取材よりもずいぶんと当方にとってはあまり面白みは感じなかった。
今ではほとんどコレクションショーは取材しないし、記事にもしない。当方の意欲も能力もない上に現在の仕事上ではだれからも必要とされていないからだ。

ちなみに、東京コレクションと東京ガールズコレクションを混同している人を時々見かけるが両者はまったくの別物である。しかし、当方は両方に等しく興味がない。

そういえば最後に東京コレクションを見たのはもう8年くらい前になる。多分、東京に限らずコレクションショーを今後わざわざ見ることはないと思う。

東京ファッションウイークは誰の為のもの?
https://www.fashionsnap.com/the-posts/2017-10-24/kurino2018ss/

という問題提起記事が掲載された。
半分くらい、特に後半はそれなりに同意だ。

一昨年あたりから報道を介して取り組みを見ていても何か変わってきているような印象を受ける。
今後、何か期待できるのかもしれないとは思う。何かはわからないけど。

一方、前半は賛同できない。
日本のメディアにファッション批評・批判が育っていないことはその通りだが、そういう風土を作り上げてきたのは記事を書いたご自身も含めた世代の人々ではないのか。何を今更wwww。こういうのをネットスラングで「大草原」「草不可避」というのだろう。

国内の繊維・ファッション・アパレル業界というのは批評されることを極度に嫌う。
ファッションブランドも紡績・合繊メーカーも同じだ。

業界紙時代に、某合繊メーカーが批判記事を書いた記者に激しく詰め寄っているのも見たことがあるし、自身も何度か某ブランドから抗議を受けたこともある。こちらが主観を混ぜた記事を書いたのならまだわかるが、アンケート結果に対しての抗議だったので、何を言っているのかとしか思えない。

批判・批評されることが嫌で、アパレル企業各社は業界新聞やファッション雑誌とズブズブの関係を作ってきた。
今は幾分風潮が変わっているもしれないが、まあ、まだそれは続いている。
ファッション雑誌の対談で、司会する編集者とインタビューされる人が「この間の野球対戦は盛り上がったね。キャッキャウフフ」なんて言いあっているくらいズブズブでなあなあであるから、批判・批評なんていうのは起きるはずもない。

また、今の大御所とされるデザイナーがファッションジャーナリストから批判・批評されることを良しとしてきただろうか。

例えば、仮に、今、コシノヒロコや山本耀司のコレクションがひどい物だったと仮定して、それを批評・批判できるメディアがあるのか?
また大御所デザイナーはそれを許すのだろうか?
ないだろう。

過去40年も50年もそういう業界体質を作ってきた世代の人に「批評が足りない」とか言われたところで、それこそネットスラングの「おまいう」「ブーメラン」である。

また、前半には、若手デザイナー(40代も含めて)は国内より海外での発表やビジネスに注力しているという内容の箇所もあるが、それも当たり前ではないか。
国内でデザイナーズブランドを渾身の力を込めて展開したところで、それを仕入れてくれる大手セレクトショップなんてほとんどない。
ご自身が創業からかかわってこられたユナイテッドアローズだってそのうちの1社だ。

国内では大口卸先が見込めないから、ビジネス先を求めて海外へ行く。至極当たり前のことだ。
日本人には舶来コンプレックスみたいなものが色濃いから、海外、とくに欧米で高い評価を受けたブランドは後追いで逆輸入される。
近年、業界人がこぞって褒めちぎる「サカイ」だって国内より海外での活躍によって評価を高めたといえる。

そういう光景を見れば、若手デザイナーはさらに海外へ活躍の場を求めるのは当然である。

若手デザイナーを海外に追いやっている理由の一つが、大手セレクトショップ各社のこれまでの不見識である。

今回の記事の指摘は正論ではあるが、ではどうしてこれまで社内でその正論を貫かなかったのか、自身が創業に携わった会社をそういう方向へ導けなかったのか。この辺りはまったく謎だ。

この記事を40代以下(もちろん40代を含む)のデザイナーやライターが書くのなら、無条件に賛同するが、この年代のしかも、業界の中心に長らく立ってこられた方が今更それを言うのかと、驚きあきれるほかない。

最近、メディアでは繊維・ファッション・アパレル業界に対してのシビアな記事が掲載される。
それ自体には賛同するが、「識者」として登場する方々がほとんど同じラインナップでしかも50代以上の年配層がほとんどだ。
はっきり言って「その人選に問題あり」だと思う。
それらの方々は、長らく業界の中心に立って牽引してきた人ばかりだ。
で、何を今更他人事のように業界や市場を批判・批評しているのか。

そこまで見通せているのなら、なぜ、自社・自組織でもっと力を尽くさないのかと不思議でならない。
無責任極まりない言説といえる。

自分らがこれまでできなかった・今もできていないことを棚に上げてよく言えるものだと思う。

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シャツ専門アパレル各社の生き残りと消滅を回顧する
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n3d3b62325395

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