350ml入りの缶ジュースの定価は130円である。そのため、通常の自動販売機では130円で販売されているが、2008年ごろから大阪では100円にディスカウントした自販機をよく見かけるようになった。

そうなると、当たり前だが130円では買わない。
よほど喉が渇いて死にそうになり、さらには周辺に安い自販機がない場合を除いては、定価販売の自販機では買わなくなった。

5年くらい前から、大阪市内では100円以下で販売する自販機もけっこう現れた。
それまでなら、西成の新今宮駅周辺くらいしか見かけなかったが、普通にあちこちで見かけるようになった。
30~80円くらいで350mlの缶ジュースや500mlのペットボトルが売られている。

だから最近では、100円自販機は当たり前、100円以下自販機があればそちらで買うという消費行動になってしまった。

このように缶ジュース一つ取っても、かならず低価格販売を仕掛ける業者は出現する。
そして、多くの人は似たような物、同じ物なら安い方で買う。
わざわざ高い方で買う人はよほどの変人である。

缶ジュースに限らず、洋服だろうと家具だろうと靴だろうと、低価格販売業者が出現するのは当然だといえる。

最近、日本の物価は諸外国に比べて安すぎるといわれている。
実際に海外出張した人から聞くと、アジア、欧米を問わず日本より物価が高いと感じられるそうだ。

じゃあ、現地の人が高い商品を買うことをよしとしているかというとそうではないと思う。
あくまでも想像の域を出ないのだが。

やっぱりできるだけ安く買いたいと考える人が多いから、アメリカはブラックフライデーに消費が集中するのではないかと思う。
わざわざ高く買いたい人なんて世界中探してもそんなにいない。

以前に、「小売りの輪」という有名な理論を紹介した。

低価格競争で勝ち残る業者が現れる

その業者が高価格・高付加価値路線へと転換する

別の業者が低価格競争を仕掛ける

勝ち残った業者は高価格・高付加価値路線へと転換する

別の業者が低価格競争を仕掛ける

以下無限リピート

という理論だ。

高価格・高付加価値として認知された商品が確立されれば、それに対して必ず低価格競争を仕掛ける業者が現れる。
これは絶対になくならない。なくそうとするなら、強力な共産主義的法律を作るしかない。
自由主義経済体制を採る以上は低価格競争を仕掛ける業者が現れることは防ぎようがない。
それは経済活動の自由だからだ。

服や靴も例外ではないということだ。それだけのことである。

アメリカでこんなことが起きたらしい。

米小売業界、アマゾンが席巻=店舗苦境「パニック状態」
http://news.livedoor.com/article/detail/13595302/

Amazonショックは以前からも言われていることだが、今回は服や靴や雑貨ではなく、食料品で起きた。

「健康に良いオーガニック食品をすべての人の手に届く価格にする」。アマゾンは137億ドル(約1兆4800億円)で買収した自然食品スーパー大手ホールフーズ・マーケットで先月28日からバナナやアボカド、サケなど生鮮食品の値下げを実施。ネットと実店舗の融合を目指すアマゾンが仕掛けた「価格戦争」に、スーパー業界に戦慄(せんりつ)が走った。

とのことである。

オーガニック食品が健康に良いとは個人的には全く思わないが、そう思う人も多く、オーガニック食品は高価格・高付加価値商品として知られている。
当方は長生きすることに全く興味はないし、高価格が嫌いだからオーガニック食品は絶対に買わない。

しかし、愛好者がいるのも事実で、そこに対してAmazonが低価格競争を仕掛けるのはまことに理にかなった商行動だといえる。
物は安い方が売りやすいのだから。

逆に高価格商品を安売りする方がインパクトが強くて注目を集めやすい。
普通の1束98円のホウレンソウを88円で売ってもそれほどインパクトはないが、200円の野菜を98円にして売ればかなりのインパクトがある。

そしてそれが、効能のほどはさだかではないが、高付加価値だと認知されているオーガニック食品ならなおさらインパクトが強くて、消費者を引き付けられる。

ユニクロがかつてフリースを1900円で販売したことも、カシミヤを9800円で販売したことも同じ考えに基づいている。

そして古くはダイエー創立の思想も同じである。

これをいくら否定して排除しても新たなダイエーやユニクロが登場するのは止められない。

意味のない「ユニクロ否定論」「ファストファッション否定論」「Amazon否定論」を叫んでいてもまったく何の効果もない。

安売りしたくないなら、安売りせずに買ってもらえる方法を考えて実行するしかない。
国内アパレル業界を振り返ってみれば、それができていないブランドが軒並み苦戦しているといえる。

高く買ってもらう手法も時代とともに移り変わる。
いつまでも十年一日のごとく、テレビ番組への衣装提供とファッション雑誌への広告掲載でもあるまい。
そこに固執しているから余計に売れないのではないか。

高くても買ってもらえる方法をもっと真剣に模索すべきで、それができない企業やブランドは安売り業者に飲み込まれるだけのことである。

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アパレル業界は丸投げ体質か?
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/n7d4a58f99afe

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