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南充浩 オフィシャルブログ

「名刺代わりのホームページ」さえ持っていない工場は存在しないのも同然

2017年8月9日 ネット通販 0

 繊維・衣料品に関する製造加工業はいまだにウェブを軽視している人が珍しくない。
もちろんウェブ万能ではないことは言うまでもないが、ウェブ無知ではどうしようもないのが現状なのだがそのことを理解していない人が多い。

社長自らがブログを書くとか、SNSで発信するとかよりもその前段階として「名刺代わりのホームページ」すら持っていない企業・工場は世間が想像するよりもずっと多い。

今の世の中、調べようと思えば最初に「ウェブで検索」する。
「名刺代わりのホームページ」すら持っていなければ、その検索に引っかかることさえない。
つまるところ、仕事の問い合わせが来る可能性はゼロ%である。

「名刺代わりのホームページ」さえ持っていれば、まだ新規の仕事の問い合わせが来る可能性は高まる。ゼロ%ではない。

自らが自らを窮地に追い込んでいながら、仕事がないと嘆いている業者・工場のなんと多いことか。
挙句の果てに「業界構造がおかしい」とか「みんながモノづくりをわかっていない」とか「ファッションが変わった」とか愚痴をこぼすが、それって「名刺代わりのホームページ」さえあれば、何%かは解決できたはずである。

こちらから言えば、完全なる自業自得であり、おかしいのは「名刺代わりのホームページ」さえ持とうとしないそちらの時代遅れの認識である。

先日も、モノづくり系のコンサルタント?プロデューサー?から、「いろいろな工場の強い技術を合わせて商品開発をしてウェブで販売したい」という相談を受けたが、それは大賛成なので、ぜひともやってみればよいのである。

ただし、自社のホームページさえ3年近く更新していない人が、ウェブでどれほど売れるのかはなはだ疑問でしかないが。(笑)

断っておくと、このコンサルタント?は製造にはそれなりに長けておられる。また工場との商品開発も悪くはない。その部分では大いに評価できるが、問題はウェブに対する認識が甘すぎるところである。

モノづくりに長けている人は、思考方法までが「産地のオッサン」化してしまうのだろうか。

おそらく、商品開発はそれなりに成功すると思うが、ウェブでの販売は大失敗するだろう。
ホームページすら持たない者同士の連携して、自分たちが主導するのだから、結果は目に見えている。

ウェブやウェブ販売に強い業者と組むなら成功の可能性は高まるが、それを介さない現在の構想のままで動けば、失敗に終わる可能性は極めて高い。個人的には99%失敗すると見ている。

それはさておき。

日経トレンディの記事で、新興の「Knot(ノット)」という手ごろな腕時計ブランドが掲載されていた。

手ごろな国産腕時計「ノット」、意外な誕生の秘密
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/1033760/073100012/

当方は3年前まで腕時計をしていなかった。
今でも仕事以外ではあまり腕時計をはめない。

腕時計は嫌いだし、めんどくさい。
あと、夏は手首が蒸れて汗をかく。

それでもあれば便利だし、仕事上スマホを取り出して自国確認できない場合もあるので、それに備えて3年前にホームセンターダイキで腕時計を買った。3000円くらいである。

腕時計がめんどくさいのは、電池交換という部分にもある。
ダイキには、セイコーQ&Qというラインがあり、ここには太陽発電腕時計があった。

電池交換不要である。
しかも10気圧防水なので、これを買った。

しかし、3年も使えば飽きてくる。
先日、Amazonでためしに太陽光発電腕時計を調べてみた。

セイコーのQ&Q
カシオ
シチズンのアルバ

という3国内メーカーの商品を見つけた。
一応検索の縛りは、太陽光で1万円以内という条件を自分で設けた。

だいたい2500~10000円くらいまでの価格帯の商品が3メーカーともある。
もちろん、もっと高い5万円、10万円、20万円以上という商品もセイコー、カシオ、シチズンともにある。

その検索で見つけたのがこのKnotというブランドだった。
ほんの3週間ほど前のことである。

価格は1万8000円くらいだ。

それがたまたま記事に掲載されていたので、何とも運命を感じてしまう。

この記事を読むと、時計の国内製造業も繊維製品と同じだということがわかる。

かつて何十社もあった製造業がいまでは1社になっていて、それも大手の丸抱えだから製造を断られたとある。
いろいろと探して廃業寸前の工場を見つけて作ってもらうことに成功したそうだ。

繊維製造業は1社とはいわないが、数が年々減っていることは同じだ。

工場を探すのにひどく苦労したというが、その理由は

ところがそういうところはウェブサイトすら持ってないわけですよ。電話帳にも載ってない。そこで弊社の役員で某大手時計メーカーの開発責任者だった人間の昔のつてをたどったりしていろいろな工場にご連絡をしたんですが、やはりほとんどの工場は時計の生産をやめていました。

とのことであり、ここも繊維製品とまったく同じである。

ウェブサイトすら持っていない。

これは現在のビジネス環境において致命的な失策だ。
ちなみに「ホームページ」という名称はひどく幼稚なので、正しくはウェブサイトと呼ぶ。
永江一石さんではないが、「ホームページ」なんて呼び方をしているウェブ業者は信用するに足りない。
レベルの低い相手にわかりやすく説明するために「ホームページ」を方便として使うことはあっても、「ホームページ」という呼称に何の疑問も持っていない業者はド素人と変わらないといえる。

それにしても分野は違えど、製造加工業というのは押しなべて考え方は似てしまうものなのだろうか。

廃業することが決定している場合は別として、まだまだ工場経営を続けたい、息子や孫に経営を譲りたい、と考えている工場経営者がいるなら、今すぐ「名刺代わりのホームページ」くらいは作るべきである。

良い物を作っていたらどこかから評判を聞きつけて有名な人が注文してきてくれる、なんていう情景は漫画かドラマか池井戸潤の小説の中だけにしか存在していない。

あと、繰り返すが、今現在ウェブをやっていない業者が、いきなりウェブ通販をやってもそれはほとんど失敗するだろう。いまだにウェブを簡単に考えている「モノづくり脳」が多すぎることも、国内の製造加工業者が衰退する理由の一つだろう。

そしてそれは自業自得でしかない。

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