今日は、基本的なことを復習がてら。
そんなこと言われなくてもわかっている方は時間が無駄なので飛ばしていただきたい。

4月からまた月に何度か専門学校へ講義に行くことになったが、計数管理の授業で、入店客数について説明したとき、ふと、基本的なことを思い出した。

入店客数の減少はその店、ブランドから顧客が離れているという状態であるということを。

だから、売上高の減少に対して、入店客数の減少が伴っている場合と伴っていない場合では対策がまったく別物になるということである。

入店客数が減少して売上高が減少している場合は、ブランドそのものや店が顧客から見放されているので、根本的な施策を変える必要がある。

一方、入店客数は増加ないし維持されているのに、売上高が減少している場合は、店やブランドそのものは支持されているから、比較的小手先の改善で持ち直す可能性が高い。

多くの方々からすれば、「そんな基本的なことは分かっている」内容だろうが、実際の業績推移や決算会見などを見ていると、自社がどちらに属するのかを分析せずに、場当たり的・泥縄的に対応している企業やブランドが少なからずあると感じる。

岡目八目とはよく言ったもので、外野から見ていると冷静にいろいろなことがわかるが、いざ自分がプレイヤーになると冷静さを欠いてしまう。人間だれしもそうだろう。

多くの苦戦店や苦戦企業を見ていると、入店客数の増減を分析せずに、

1、とりあえず商品価格をやみくもに下げる
2、品ぞろえのラインナップを思い付きで変えてみる
3、とりあえず(深い考えや狙いもなしに)広告を出稿する
4、意味もなく販売員に声掛けを増やさせる

ようなやり方が多いように感じる。

入店客数が減少しているならこういうことをやっても効果が出るまでに時間がかかる。

広告や告知を盛んにすることは効果が期待できるが、狙いや考えがなければ、単なる無駄な出費に終わる。
ファッション雑誌にブランド名と外国人モデルだけを掲載した純広告を出稿してもまったく何の効果もないのは、各ブランドが知っている事例だろう。

まあ、都市伝説の類だろうが、こんなうわさを聞いたことがある。

ユナイテッドアローズの重松理会長は人一倍、入店客数を気にしていたといううわさだ。

入店客数が多いと店の入り口の足拭きマットの傷みが早い。
たくさんの人間に踏まれるからだ。

それとは逆に入店客数が少ないとマットはなかなか傷まない。

足拭きマットは、ダスキンなどの業者からレンタルしている場合が多く、定期的に交換される。
傷みが早いと交換のペースが速くなるし、傷まないと交換のペースは遅くなる。

そこで、うわさによると、重松会長は商業施設内の同業他社の入店客数動向を探るために、出入りのレンタル業者に声をかけ、どの店が傷みが早いかを探っていたといわれる。

あくまでもうわさに過ぎないと思うのだが、それほどに入店客数の増減を重視していたから、そういううわさができたのではないかと考えられる。

入店客数を増やす施策と、買い上げ客数を増やす施策は異なる。
これをプレイヤーであるが故にごっちゃにしてしまっているブランド、企業が多いのではないか。

一度、基本に立ち返ってみることもたまには必要なのかもしれない。