昨日話題となった記事をご紹介したい。
メディア関係者や広報・プレス関係者はよくこの手の過ちを犯す。

それにしてもBuzzFeedは平均的に良い仕事をする。感服するほかない。

藤原ヒロシ先生のホテルに関する対談が噛み合ってなさすぎて冷や汗が出るレベル
https://www.buzzfeed.com/narumi/sugoi-taidan?utm_term=.auMx04Gw2#.plvgeLKWy

全文は元記事で読んでいただきたいのだが、とにかく質問と回答者である藤原ヒロシさんの答えがまったくかみ合っていない。
読んでいて思わず笑ってしまうほどだ。

秀逸なやりとりをいくつか抜粋して引用する。

2. 「変化は感じて…?」 → 「ありませんね」

3. 「エースホテルがトレンドを変え…」 → 「一番苦手ですね」

4. 「オープンな良さも…」 → 「一人にしてほしいですね」

5. 「食の健康にフォーカスして…」 → 「全然興味がありません」

7. 「ホテルラウンジを開放して…」 → 「僕は苦手ですね」

という具合だ。

この対談の失敗の理由をいくつか推測してみよう。

1、「藤原ヒロシ」を使っておけばそれなりに格好がつくだろうと安易に考えた
  (藤原ヒロシさんの嗜好をまったく考慮せずに依頼した)

2、対談者同士の事前の打ち合わせがなかった・または少なかった

3、ホテル側の質問内容がありきたりで陳腐すぎた

だと個人的には考える。

そもそも、「食の健康志向」や「オープンなホテル」を売りにするホテルであるなら、そういうことに賛同する回答者か、もしくは場の空気を読んでそれなりにヨイショできる回答者を選ぶべきだった。
それをせずにネームバリューだけで「藤原ヒロシ」を選んだことがすべての失敗の根本的原因といえるだろう。

メディアや広報・プレス担当者はこういう過ちをよく犯す。

とりあえず「有名な〇〇さんのコメントを入れておけば大丈夫」とか「〇〇さんのコメントさえあれば(内容は問わない)箔が付く」とかそういうふうに考える。
だから、サッカー日本代表の試合の感想をキムタクにインタビューしに行くという間抜けなことが起きる。

まあ、しかし、これだけ話題となったのだからホテルのPRとしてはそれなりに効果があったというべきだろう。
いわゆる炎上マーケティングだが、もしこれを狙ってやったのならすごいと思うが、この手の「イシキタカイ系」の人たちはそこまでの深謀遠慮はあまりないから、これはおそらく怪我の功名だろう。

個人的にはこういうホテルがどう必要なのかよくわからない。
仕事で出張する際は6000円くらいのビジネスホテルで十分で、まったく不自由を感じない。
どうせ、毎晩遅くに帰ってきて寝るだけだから、健康志向の食とか地元民が遊びにくるスペースとかそんなものは必要ない。

旅行で利用する際も別にあちこち観光したりするだけだから、平均的なホテルで十分である。
ホテルの中で健康志向の食を楽しんだり、地元民と交流したりしたいともまったく思わない。
できれば、仕事以外ではあまり他人と交流したくない。

だから、自分では仕事でも旅行でもこの手のホテルは絶対に利用しない。

ところで、このインタビューで自分の中の藤原ヒロシさんへの好感度はかなり上がった。

23年くらい前にファッション雑誌でその存在を知ったが、イマイチいまだに何をしている人なのかよくわからない。
今のロン毛よりも昔の短髪の方がまだ似合っているのになあと思う程度である。

ファッション業界人には、変なイシキタカイ系の人が多いから、てっきり藤原ヒロシさんもその手の人だと思っていたが、そうではなかったので好感度が上がったという次第だ。

とくに共感するのは、「食の健康志向に興味がない」という点と、「人とはあまり交流したくない」という点である。

自分も毎日コンビニ弁当やスーパーの総菜でも苦にならないから、やたらと手料理や食材にこだわる人はめんとくさいし、やりとりしたくもない。
毎日、松屋の牛めしでも当方は構わない。
人生80年の時代に何をそれ以上長生きする必要があるのかとも思う。

ただ、食中毒になるのはまっぴらごめんなので、韓国産や中国産の刺身は絶対に買わないようにはしているが、こだわりはその程度である。

また、仕事や仕事上で知り合った人とはそれなりに交流するが、プライベートでは別に新しい人と交流したいとは思わない。
できれば一人で過ごしたいし、人混みは嫌いなので、混雑するような場所にはできるだけ出かけたくない。
長蛇の列ができるような有名店に行くのも嫌だ。
20分くらいなら待っても良いが、それ以上、行列に並ばされるような店の料理は一生食べなくても構わない。

ファッション業界人には真逆の「イシキタカイ系の人」が多いから、そういう人と長時間交流すると疲れる。
逆に一般人の嗜好と乖離した「イシキタカイ系の人」が多いから、一般人に売れる服やブランドが生み出せないのではないかとも思う。

個人的な好き嫌いをいえば、「イシキタカイ系の人」は嫌いである。

まあ、それでもパーフェクトに演出されたPRのための対談記事だとまったく記憶にも残らないが、こういう半ば失敗した記事は逆に記憶に残りやすい。
久しぶりに本当に面白い記事が読めたと感じる。

皿の上の宝物
藤原ヒロシ
FLY出版
2014-05-01


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宝島社
2014-08-28