よくFランク大学の学生が、分数や小数の計算ができないといわれる。
百分率も理解できていないともいわれる。

ファッション専門学校で何年間か定期的に講義しているが、計数管理では百分率の計算は必須だが、毎年、それを根本から理解していない生徒が何人かいる。

「粗利率は何%ですか?」とか「前年対比何%の増減がありますか?」というのは、ファッション業界の業務では日常的に必要になる。いや、ファッション業界に限らず、現代社会においてどの業界でも必要不可欠な基本作業である。

ところが、先日、ある人と話していたところ、「社会人や主婦層にも百分率を理解しない人はけっこういるみたいですよ」と言われ衝撃を受けた。

この人はショッピングセンター内にテナント出店しているブランド店舗の管理をしていたことがある。
その時の経験談を話してくれたのだが、パートを募集したところ応募してきた主婦がいたそうで、この人はその店の常連顧客でもあったという。

だから、パートとして勤務が決まった時にはそれなりに面識があったというわけだが、その時に「定価から〇〇%引きといわれても実はそれが最終的に何円になるのかあんまり理解していないんです」と言われて衝撃を受けたそうだ。

しかし、たしかにそういう人はいると体験的に感じる。

以前から何度か、バッタ屋での店頭販売を手伝っていたことを書いているが、そのときにも少なからぬ大阪のおばちゃんから「値札からさらに〇〇%引きって結局何円になるの?」と尋ねらることが日常茶飯事だったからだ。

「500円からレジでさらに30%引き」だと350円になるのだが、ずっと「どうしてこんな簡単な計算を暗算しないのか?めんどくさいのか?」と訝しく感じていたのだが、もしかすると百分率の計算を理解していない人がかなりの割合で含まれていたのではないかと思い始めた。

となると、各社が店頭で声を張り上げている「セール価格からさらにレジにて〇〇%引きになります」という呼び込みはあまり効果がないということになる。
群がっている人たちの何割かはそれが何円になるのかわからずにただ、「雰囲気だけで」群がっているということになる。

店内にPOPをいくら「さらに〇〇%オフ」と貼り付けても実際のところ、意味を理解していない人が何割か確実に存在するということだ。

実際に、そのパートの女性も「〇〇%オフで何円になるかはわからないけど、安くなりそうな雰囲気なので購買意欲が刺激される」と話していたという。

ではセール時の表現は何がもっとも効果的に伝わるのだろうか?

「〇〇%オフ」という表現は、こちら側が想像しているよりも具体的には伝わっていない可能性が高い。
もっと具体的にセールの効果を伝えられて理解されやすい文言は何だろうか?

おそらく、「半額」というのはもっともわかりやすいのだろう。
また「〇〇円引き」というのもわかりやすいだろう。
それ以外だと「1000円均一」とか「500円均一」みたいな表現もわかりやすいのではないだろうか。

でも実際のセールでは一律「半額」にすることも難しいし、1000円均一・500円均一にすることも難しい。
一番実践しやすいのは「〇〇円引き」ということになるだろうか。
そういう意味では〇〇%引きと表示せず、790円、990円、1290円と値段を書き換えるユニクロ方式が一番理解されやすいといえるのではないか。
ユニクロはこの部分でもマス層に最適な表示をしているといえるのではないか。

最終セールで投げ売り価格を提示してもワゴンに洋服が山盛りに残っていることがある。

通常、業界人は「商品に魅力がなかったから」というように理解するが、もしかすると表示方法に問題があり、安さが伝わっていなかったという可能性もある。

伝わっていないのは存在しないのも同然だ。

いくら「値札から80%オフのさらにレジにて30%オフ」と書いてみても、それが伝わらなかったら値引きしていないのも同然なのである。

表示の方法を工夫すると、ひょっとするとセールでの消化率はもっと高まるのではないかとも思う。


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