今秋は、一部の例外を除いて全般的に洋服の売れ行きが鈍く、各ブランドともに値引きセールが10月から始まっている。

それでも10月、11月に大々的に値引きセールを開催していたブランドショップは少なく、「店内一部セール」とか「期間限定セール」というブランドショップがほとんどだった。

11月にヨドバシカメラ梅田店を訪れた際、各店ともまあ、そんな感じで「店内一部セール」を開催していたいが、ただ一つだけ、グリーンパークストピックという店だけが「店内全品30~60%オフ」を開催しており、「投げ売り度合がすさまじい」と感心したのだが、このブランドをどこが運営しているのかと調べてみると、ストライプインターナショナルだった。

ああ、なるほど。

ストライプインターナショナルの値引きセールは凄まじい。
各ブランドそろって凄まじい値引きをする。
平日昼間・夕方でもタイムセールは珍しくないし、他店に先駆けてグリーンパークストピックのように全品大幅値下げを開催する。

バーゲン末期には、「全品80%オフでさらにレジにて20%オフ」セールを開催し、投げ売り度合も他社に抜きんでている。

そういう状況が常態化しており、部外者としては正直「またか」という感じしかない。

で、そんな中、こんな記事が掲載された。

ストライプインター「値引きよりコスパ」
http://www.senken.co.jp/news/management/stripe-int-161215/

2017年春から値引きを減らして、原価率を上げたコストパフォーマンスの良い商品を増やすのだという。
うーん、これほど全ブランドで値引きという販売手法に頼り切っていながら、急に3か月後から販売方法を変えることが可能なのだろうかと正直疑問を感じる。

本部は指示するだけだから良いとして、日々の売上高を作る各店舗はすんなりと今までのやり方を捨てて、同じだけの売上高が稼げるのだろうか。

言うは易し行うは難しではないかと思えてならない。

引きで客を引き付ける販売手法は、「ブランド価値が傷んだり、顧客が離反する」リスクがあるため、原価が高くてもプロパーで売り切る戦略に変える。

という一文が記事中にあるが、もうすでに値引き手法は浸透しており、ブランド価値は傷んでいるのではないかと見えるのだが、内部にいると異なる景色が見えるのだろうか。

具体的な商材に関しては、

アースの来春物では、デニムウェアやMA‐1タイプのブルゾン、ボーダーカットソーを企画。Gジャンやジーンズは、「コットンUSA」素材を使ったソフトな着心地で、2990円。インドネシア製。今年は違う素材で3990円だったが、品質を上げて価格は下げる。

とあるが、品質を上げて価格は下げるとなると、さらに工賃が安くなるとしか考えられない。
もしくは高額な生地を買い叩くのか、その両方を実施するのかである。

あと、生産数量を増やして1枚当たりのコストを下げるという手法も考えられるが、今度は売れ残って在庫が増えるというリスクが高まる。値引きをせず、生産数量を増やしながら売れ残りを減らすということは至難の技といえる。

これが簡単にできるようなら業界はこれほど苦しんでいない。

さらにいうなら、Gジャンやジーンズは価格を1000円引き下げているわけだから、コスパを高めたというよりもウォルマート・西友と同様のエブリデーロープライスと言ったほうが適切ではないかと感じる。

いっそのこと「KY(カカクヤス)」というキャッチコピーでも使ったほうが分かりやすいのではないかとも思う。

トップの発する時宜に適った素晴らしい発言と、これまでの店頭での大幅値引きがどうにも合致しない。
また来春からの工賃・生地値の引き下げとも合致しない。

そんなわけでストライプインターナショナルは、個人的にはこれまでよりも一層共感できない企業になったと感じる。