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南充浩 オフィシャルブログ

スキニージーンズはついに中高年男性にまで広まった?

2016年11月7日 トレンド 0

 今春夏はジーンズが久しぶりに復活したと言われている。
といっても、全ブランドが良かったのではなく、ジーンズがトレンドに浮上したため、好調だったブランドが多かったということであり、期待した割にはあまり動かなかったというブランドもある。

10年前のようにジーンズがトレンドで全ブランドが軒並み好調という図式ではなく、今後はそんな状況になることはないだろうと考えられる。

ジーンズはズボンの一種で、ズボンしか着用物がない男性にとっても、チノパンあり、ジョガーパンツあり、ミリタリーパンツあり、スエットパンツあり、とジーンズ以外の選択肢が増えた。

当然、ジーンズの着用率は減るから、年間での購入本数も減る。
また、ユニクロや無印良品の3900円台のジーンズも決して品質、見た目ともに悪くない。
特にこだわりがない層はここで買う。

ズボンのバリエーションが増えただけではなく、消費者にとっての買場も増えて、それだけ分散化しているといえる。

若者が「ジーンズ」をはかなくなった? 生産10年で3割減…「カジュアル」多様化、パンツを替える時代!
http://www.sankei.com/west/news/161021/wst1610210004-n1.html

先日、産経新聞にこんな記事が出て、コメントを出させてもらった。

記事の論調はまったくその通りで、普段このブログで書いていることを再構成してもらったような形になる。

ジーンズ協議会の生産統計発表も4年前で中断しており、その理由は協議会の非加盟ブランドがジーンズを多く企画製造しており、統計に実態が反映されなくなったためである。
ユニクロもジーユーも無印良品もハニーズもGAPもグローバルワークもウィゴーも全て非加盟である。
これらのブランドの製造数量は統計には反映されていない。

ユニクロだけでも年間1000万本を販売すると言われているから、これらのブランドの数量が反映されない統計は実態とはまるでかけ離れているといえる。

この記事にコメントした通り、今後もジーンズの売れ行きはトレンドによって左右される程度であり、10年前までのようにカジュアル=ジーンズというような単純な構図が復活することはありえないし、ジーンズを扱う全ブランドが潤うようなこともありえないと考えるのが適切だろう。

ところで、空前のジーンズ不振といわれた2009年以降の数年間だが、40代・50代のジーンズ着用率は高かったし、中年のジーンズ需要がジーンズ業界を支えているといわれていた。これは男女ともにである。
正確には30代半ば~50代のジーンズ愛用率は高い。

当時、小学校や中学校の行事に参加するとその年代の保護者のジーンズ着用率は異常に高かった。
当時はスキニーブームになっていたが、この年代がスキニーを穿いていることは稀で、女性はブーツカット、男性はレッドペッパーやトゥルーレリジョンを彷彿とさせるコテコテ加工のジーンズが多かった。

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(エドウインのコテコテジーンズ)

どちらもトレンドからワンテンポ遅れた商品である。

あれから7年ぐらいが経過しているが、この間、街中ではブーツカットの女性もコテコテ加工の男性も見かけることがめっきり少なくなった。

2017年にはトレンドとしてワイドシルエットやフレアシルエット(いわゆるブーツカット、ベルボトム)が注目だとされているが、スキニーやそれに近い細目ストレートは依然としてベースになっていると考えられる。

最近では学校の行事に参加することもなくなったので中高年保護者の服装の変化はつかんでいなかったが、先日、ある大手ジーンズメーカーの営業マンと話していると、保護者の服装も最近は大きく変化しているという。

その営業マンによると、ブーツカット女性とコテコテ男性が減ったのは言うまでもないことだが、中高年男性保護者のスキニー着用比率がかなり高くなっていたという。

そういえば、街中でもスキニーを穿いたオヤジの姿を見かけることが増えたような気がする。

またその営業マンによると、某ネット通販会社の統計資料によると、30代半ば以上の男性のスキニージーンズの購入比率がかなり高くなっているともいう。

筆者も昨年、45歳の時に無印良品のアメリカンコットンスキニージーンズを購入した。
定価3980円の商品が半額になり、さらにレジで何%か引かれて1600円くらいになって非常にお買い得だった。

このジーンズが長期間着用しても膝が出ないので非常にクオリティも高い。

それ以降、スキニーに抵抗がなくなって、何本か投げ売り品を買った。
おそらく世の中高年男性もためしにスキニーを買ってみたら、ストレッチ混の機能性が心地よかったのと、自分が思っているよりもスキニーシルエットがコーディネイトに合わせやすいということに気が付いたのかもしれない。

スキニーはついに中高年層にまで達してマス化したといえるのではないか。
トレンドは正反対に動きつつあるが、世の中のベーシックゾーンはスキニーになり、スキニーを基本にルックスを組み立てることが必要になるのではないか。




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