連休前に、そごう西武が関西の3店舗を阪急阪神のH2Oリテイリングに譲渡するという報道があった。
最初に資本業務提携の報道があった。これによると、お互いに3%ずつの株式を持ち合うことで合意したという。ちなみにH2Oは高島屋とも資本提携しており、現在、5%ずつの株式を持ち合っている。

その中で、関西にある西武高槻、そごう神戸、そごう西神の3店舗を譲渡するという事実が明らかになった。

これを聞いて、百貨店グループの再編はいよいよ最終段階に入ったと感じた。

前段階として、大手百貨店が5グループに再編された。
三越伊勢丹とH2O、そごう西武、Jフロントリテイリングそれから依然として単体であり続ける高島屋である。

高島屋を除いてグループ化し、一旦は危機を乗り越えたかに見えたが、実情は延命措置を講じただけであり、その延命措置もいよいよ難しくなってきており、もっとも体力のない西武そごうが真っ先に個別店舗譲渡という手段を取り始めたといえる。

そごう西武はもともと経営破綻した2社が統合したこともあり、極めて基盤が弱い。
それに、店舗譲渡は今回が初めてではなく、鳴り物入りで再建したそごう心斎橋店だったが、営業不振を理由に隣の大丸に譲渡しており、現在では大丸心斎橋店北館として営業が続けられている。
おそらく、関西の3店舗も屋号が早晩変えられるだろう。

そごう心斎橋店のにぎわいはリニューアルオープン直後だけだった。
末期の閑散ぶりはひどいものだった。
たしか、クリスマス直前の平日夜にそごう心斎橋店の地下食品売り場に行ったことがあるのだが、本来は時間帯的にも時期的にも地下食品売り場はにぎわっていないといけないはずである。

時間帯で考えれば、夕飯用の総菜や食材が売れるはずだし、クリスマス直前という時期からするとケーキ類が売れていなくてはいけない。
にもかかわらず両方とも売れていなかった。

隣の大丸地下へ移動すると、こちらは予想通りの混雑ぶりで、隣り合っているのに客入りのあまりの違いに驚いたものだった。
それからほんのしばらくしてから店舗譲渡が発表され、あの閑散ぶりでは当然だと思った。

連休前に百貨店3社の中間決算が発表されたが、三社ともかなりの苦戦であるが、中でも西武そごうの苦戦は際立っている。

百貨店3社が減収減益
2月期見通しも下方修正
http://this.kiji.is/157070734327399930

大丸と松坂屋を運営するJ・フロントリテイリングの連結決算は売上高が前年同期比5.9%減の5392億円、本業のもうけを示す営業利益が12.5%減の190億円だった。

高島屋は売上高に当たる営業収益が1.4%減の4433億円、営業利益は0.3%減の137億円だった。

そごう・西武の単体決算は売上高4.6%減の3642億円、営業利益は96.1%減の4300万円だった。

とある。

そごう西武は単体決算とはいえ、営業利益が突出して低い。
半期でたったの4300万円しかない。

96・1%減だから仕方がないという見方ができるが、冷静に見てみると前期実績も低いことがわかる。
前期実績は今期実績のおよそ10倍である。
4300万円を10倍してみると4億3000万円である。

売上高3600億円の会社で4億3000万円しか営業利益がないということは、よほど利益率が悪いということになる。

同業他社のJフロントや高島屋と比べてみても営業利益額の低さは一目瞭然だろう。
両社は減益したとはいえ、営業利益額は100億円をはるかに越えている。

そごう西武の経営基盤は現在でも極めて弱いままだといえる。

新聞紙上では、そごう西武は主戦場である首都圏に集中するとあるが、広島や滋賀県の大津にもまだ店舗はある。これら残った西日本店舗をどう処理するつもりだろうか。
紙上でも今後はまだまだ不透明だと結論付けられている。

しかし、今後は、こういう店舗のバラ売り譲渡が、そごう西武に限らず増えるのではないか。
そごう西武はすでに心斎橋店の売却を経験していたから店舗のバラ売りに抵抗感が少なかったのだろうと推測される。

例えば、三越伊勢丹は伊勢丹新宿、銀座三越(苦戦傾向だが)、日本橋三越の3旗艦店以外が弱い。
H2Oは阪急梅田と西宮、阪神梅田以外が弱い。
松坂屋が強いのは名古屋だけ。
大丸と高島屋がまんべんなく全国的に売れる店舗がある。(不振店舗もあるが)

そういう有力店、旗艦店以外の不振地方店は今後、各グループがバラ売りを開始するのではないだろうか。

百貨店各社は、近い将来、都心旗艦店と有力店だけの店舗網にまで縮小するのではないだろうか。
現在の商況を見ていると、百貨店各社がV字回復できる要素は何一つない。