リアル店舗の不振からネット通販への注目が高まっているが、「リアルがダメだからネットで」というような逃げの姿勢でやっているところは総じて伸び悩んでいると感じる。

当たり前である。

ネット通販が今の消費不振をすべて解決してくれる「魔法の杖」かのように勘違いしている業者やコンサルも多く見受けられるがまったくの知識不足といえる。
ネット通販がすべて売り上げを稼げるわけではないし、売れないところはまるで売れない。

ネット通販もすでに多くの業者が進出しており、ブルーオーシャンではなくレッドオーシャンだという認識が前提である。

最大手といえばやはりAmazonだろう。
日本国内だけで7000億円くらいの売上高がある。
意外に健闘しているのがヨドバシカメラで売上高は1000億円くらいである。

この2社に追いつこうとするなら、個人経営のような小資本企業では到底無理だ。
しかし、資本さえ大きければ必ず売上高が稼げるというものでもない。
それがネット通販の特徴でもある。

アパレルでいうと、最大手ブランドはユニクロだろう。
300億円を越えている。

ワールドは140億円くらいでこれを300億円くらいまで引き上げたいと発表しているが、果たして実現可能かどうか。仮に300億円に引き上げたとして、実店舗の売上高はそのときにどれだけ減少しているのだろうか。
中長期的に見て、ワールドの実店舗ブランドの売上高が飛躍的に伸びることは考えにくい。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-12182062748.html

このブログを参照してもらいたい。

で、かつての大手で今でもそれなりの規模があるレナウンという企業はネット通販の売上高が7億9700万円で8億円に満たない。
2015年4月~2016年3月までの1年間の売上高だ。

2016年2月期連結決算での売上高は712億円ある。

連結とはいえ712億円の売上高がある企業にしてはネット通販の売上高が8億円未満というのはかなり少ない。ネット通販の売上高が一概に会社の規模に比例するわけではないことがわかる。

一方で、たった2,3人で運営している洋服の独自販売サイトが、売上高3億円くらいある。
2,3年前に独立して1人で洋服のネット通販を新たに開始した知人も年商はそろそろ1億円に手が届くそうで、スタッフを雇用するらしいとも聞いている。

こんなに少人数で個人事業主の延長線上みたいな会社でも年商1億円というのは、ネット通販では達成可能ということである。

年商700億円を越えていてもネットでは8億円も売れない。

ようはやり方次第ではネット通販は小資本・少人数でも1億円とか2億円くらいの売上高が可能だし、やり方が下手くそなら年商700億円の会社でも8億円も売れないということである。

なぜ、こんなことを書いているかというと、先日、某業界新聞記者と会った際に、「小型店を2つか3つくらいしか持っていない某店のネット売上高が5億円くらいある」と教えてもらったからだ。
そういえば、1店舗しかない某店舗もネット通販が好調で、エドウインの卸売り先の上位何位かに入っているともエドウインの営業マンから聞いた。
おそらくネットでの売上高は1億円は越えているだろう。

先ほども書いたように、ネット通販で問題がすべて解決するとは思っていないし、ネット通販をやればすべての会社が上手くいくとも思っていない。
しかし、やりよう次第では少人数・小資本でも1億円や2億円の売上高は稼げるのも事実である。

小資本・少人数・小面積の実店舗で1億円や2億円売れるようになることの方が、難易度が高いのではないか。

年商規模が5億円とか10億円くらいの会社で、売上高が1億円増えれば資金繰りはかなり楽になるのではないか。上手く運営すれば小資本・少人数でネット通販ならそれくらいの売上高に到達することは不可能ではない。洋服の実店舗を出店するよりよほど難易度は低い。

手間暇と研究と試行錯誤は必要だが、小資本の会社こそネット通販に参入してみてはどうか。
逆に手間暇をかけられないなら大資本でもネット通販は成功しない。それはレナウンが証明している。