売り場にまだまだ残っているものの、夏物バーゲンも一段落して売り場には秋物が次々と立ち上がってきている。

そんな中、イトーヨーカドーも「セットプルミエ」で高田賢三とのコラボ商品が立ち上がっており、ネットでも買えるようになっている。

http://iyec.omni7.jp/brand/K052

価格はジャケットで2万円台半ば、パンツ・ロングスカートが12000円などとなっており、イトーヨーカドーの平場にしては高いなという印象が強い。
百貨店の平場ならこの値段設定でも大丈夫だろうが。

デザインに関しては好き嫌いもあることなので、一概には言えないが、個人的には嫌いではない。
ただ、このデザインがイトーヨーカドーの平場で買う主婦に受け入れられるか、その人たちが着てみて似合うかと尋ねられると、甚だ疑問を感じる。
ちょっと上級者向けではないだろうか。

そのあたりの組み立ては、デザイナーズブランドコラボの先駆けであるユニクロには及ばないと感じる。

ユニクロの場合は、価格も一般ラインよりも数千円高いくらいに設定されている。
ユニクロ×ルメールでいうと、オックスフォードボタンダウンシャツが3990円である。
一般ラインは1990円だから2000円しか差がない。
このくらいの差なら少し奮発すれば買える。
デザインも一般ラインより少しだけ凝っているくらいに抑えられている。

が、高田賢三ラインはどうか。イトーヨーカドーの平場で24000円のジャケットを買う人がどれほどいるだろうか。
その金額を払うなら百貨店やファッションビルのテナントで多くの人は買うのではないか。

まあ、そんなこんなで立ち上がったわけだが、同時に先シーズンの「ゴルチエコラボ」もひっそりと立ち上がっている。(笑)
もちろん値段はだいたい半額に下がっている。

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(半額で再投入されたセットプルミエのゴルチエ)

正直なところ、やっぱり期間内には売りさばけずに在庫を抱えていたのだなあという感想しかない。

例えば4900円の長袖カットソーは2450円に値下げされている。
まあ、期末に値下げされてそのまま格納して、それを再出荷したということだろうと考えられる。

ゴルチエを買い逃した人は今がチャンスである。

おそらく高田賢三ラインも最終的には半額ぐらいに値下がりして、それでも売りさばけずに格納されて、少し期間を開けて半額で再投入されることになると思う。

なぜこういうことになるかというと、製造数量が多すぎるのである。
これはユニクロも同じ失敗を繰り返している。
鈴木・柳井イズムの限界だと個人的には見ている。

そもそもなぜ、デザイナーズコラボをするかというと、ブランドのステイタス性を上げるためだろう。

低価格品を売ってる我々ですが、あの高名な○○デザイナーとコラボをしましたよ、これからはかっこいい物も扱いますよ。我々はカッコイイブランドになりますよ。

と宣言する意味合いがある。
だったら、マーチャンダイジング的に考えれば「見せ球」程度の製造数量で良いということになる。
デザイナーズコラボラインを何百万枚も売る必要はないし、デザイナーズコラボライン単体で収益化を図る必要もない。

小規模な専門店チェーンだと、雰囲気作りのためだけに高感度ブランドから1枚だけ仕入れたりすることもある。それは「見せ球」であり、半ばディスプレイ用ともいえる。

イトーヨーカドーやユニクロだと顧客数がケタ違いに多いから1枚切りなんてことは無理だが、それでも製造数量を数千枚とか1万枚程度に減らすことは可能だろう。
デザイナーズコラボラインだから、投入から1か月間くらいでほぼ売り切れさせてしまえば良いのである。

定価で売り切れさせることで、デザイナーズコラボラインは通常のラインとは異なり、投入されたらすぐに定価で買わなくてはならないと、多くの人々は認識する。
そうすると次のコラボラインからは、より多くの人が定価で買うようになる。

ブランドの価値の一つに希少性があるから、「見せ球」は希少性を高めることに徹するべきである。

しかし、現実には真逆のことをしている。
ゴルチエは半額でも売れ残り、その後しばらくしてからまた半額で再登場している。

ユニクロ×ルメールは追加補充を繰り返した結果、投げ売り価格まで値下がりしている。
大好評だったスリッポンシューズを追加補充して結局1990円に値下がりさせていることもそうだが、それ以外のアイテムも大概が値崩れしている。
オックスフォードボタンダウンシャツは1290円にまで値下がりしているし、イージーパンツは790円にまで値下がりした。
下手をすると通常ラインの値引き品より安くなっている。

消費者は見切っている。「どうせ何万枚も大量生産している」「どうせ追加補充する」と。
だったら値下がりするまで待てば良いのである。
当分の間、欠品する心配はないのだ。

今の考え方のままなら、ヨーカドーもユニクロもヨウジヤマモトと組もうがコム・デ・ギャルソンと組もうがマーク・ジェイコブスと組もうが結果は同じである。
投げ売りまで消費者に待たれてしまう。

洋服には鮮度というものがあるが、ヨーカドーやユニクロはそこまで足が速い商品を扱っているのではない。
じゃあ2,3か月待ったところで同じである。

イトーヨーカドーもユニクロも本気でステイタス性を上げたいのなら、コラボラインは平気で欠品させて希少性を高めるべきである。それができないならブランドのステイタス性は永遠に向上しない。