昨年6月に倒産したブルーワークスカンパニーが展開していた国産ジーンズブランド「ブルーウェイ」と国産スラックスブランド「コントライバンス」の復活が正式に決定した。

昨年倒産したブルーウェイのブランドが復活
https://www.wwdjapan.com/fashion/2016/08/16/00021246.html


といっても、ブルーワークスカンパニーという会社が復活するわけではない。
元ブルーワークスカンパニーの社員が商標権を取得して、今後は企画製造・販売を行うということである。

元ブルーワークスカンパニーの中田直樹氏が、かつての得意先からブランド消滅を惜しむ声を受けて、新会社はね(東京)を設立し社長に就任。今年6月から「コントライバンス」のテスト販売を開始していた。今後は同ブランドの企画・製造、および「ブルーウェイ」の関東地区での卸売りを営業代行として行う。また、元同社の営業部長であり、両ブランドの商標を所有する山本聖人氏は、新会社じんくら(広島)を立ち上げ、西日本で卸売りを担当する。

という経緯だ。

実は今年の6月くらいから「ブルーウェイ」の新商品が出回っているという情報を耳にしていた。
正式に復活したという報せは受け取っていなかったので、おかしいな?と思いながら、もうすぐ正式にブランドが復活するのではないかと推測していた。

もともと昨年6月に倒産したブルーワークスカンパニーだが、その後、同業の何社かが商標獲得に手を挙げたという噂を耳にしていた。
その中の三備地区の某量販店向けカジュアルパンツメーカーがもっとも商標取得に熱心だとも聞いていた。

まったくの第三者的立場から見ると、その某社は旧ブルーウェイの本社とも近隣にある上に、主力商材は1900~4900円の量販店向けの低価格カジュアルパンツであることから、7900円以上の高価格帯のブルーウェイの商品を扱うには打ってつけだった。
自社の主力商品とまったく被らないから住み分けしやすく、新販路獲得もしやすい。
部外者としてはその某社で決まりだろうと勝手に思い込んでいたが、元社員が商標を獲得するというのは予想外だった。

しかし、心情的に考えれば、商標に愛着を持っていた元従業員が獲得するほうがしっくりとくる。

今後の商況がどうなるかはわからないが、ブランドにとっては一番良い結果だったのではないかと思う。

ただ、正式に復活したといっても、商品の供給過多な状況下において、売れ行きが易々と伸びる可能性は低い。
コツコツと小さい売上高を積み重ねるという売り方になると見たほうが良いだろう。

今回、復活発表に先立って、株式会社はねの中田社長から「コントライバンス」のトラウザーをサンプルでいただいた。
濃紺ストレッチデニム素材とカラーストレッチピケ素材があったのだが、ストレッチデニム素材を送っていただいた。

サイズはL(32インチ)を選んで正解だった。
ストレッチ素材ということもあって、ウエストはおそらくM(30インチ)でも合ったのではないかと思う。
なぜなら少し伸びるからだ。

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しかし、筆者の太ももとふくらはぎは太い。
Lでも意外にピタっとするが、Mならレオタード状態になってしまっただろう。

太短い脚のおっさんがシルエットを露わにするのは、他人が見て気持ちの良いものではないだろう。
筆者自身もわざわざそんなものを他人に露出したいとは思わない。

デニム素材だが、表面はフラットで変な凹凸感はない。
中田社長に聞くと「通常のデニム生地なので洗濯を繰り返すうちに色落ちする」そうだが、わざわざ説明せねば、洋服に詳しい人以外はこれがデニム生地だとはわからないだろう。
それほどにフラットな表面感である。

組成は綿98%・ポリウレタン2%だが、表示から予想するよりもストレッチ性は高いように感じる。

丈は8分丈で今風である。

デニム生地特有のズッシリ感もなく、むしろ、合繊が含まれているかと思うくらいに軽さがある。

いわゆるオフィスカジュアルにも着用が可能だ。

今後、色落ちするとどういう見え方になるのか穿き込んで実験してみたいと思う。

ウェブサイトでも通販が開始されているので気になる人はこちらを見てもらいたい。

http://contrivance.jp

さて、ブルーウェイの歴史について検索してみたがウェブ上では出てこない。
そこで昭和63年発行の古い業界誌を引っ張り出してみると、創業は昭和24年とあるから、1949年になる。

ここからは推測だが、この時期に日本では国産ジーンズは誕生していない。
日本で国産ジーンズが作られるようになったのは1960年代以降である。
それに際して、作業服メーカーや学生服メーカーがジーンズメーカーに転身している。
ブルーウェイも創業当時はそういう被服を扱っていたのだろう。

その後、93年にインポートブランドを扱う関連会社としてブルーワークスカンパニーが設立される。
ジーンズチェーン店が相次いで倒産するなどして、ブルーウェイの業績が年々低下し、2012年にブルーワークスカンパニーがブルーウェイを吸収する形で事業を継続した。
しかし、その後も業績の悪化は止まらず2015年6月にブルーワークスカンパニーも倒産した。

それにしても昔はもっとたくさんのジーンズメーカーがあった。
ちょっとページを繰ってみると、フジタツ、ドット、大石貿易、日本ハーフ、サンダイヤアパレル、帝人ワオなどの社名が並んでいる。

各社の年商を見ると最低でも10億円を越えている。
ジーンズをやっていれば儲かった時代だったというわけだ。

作りさえすれば売れていたのが70年代と80年代だった。
一転したのが90年代後半からで、現在の状況に至る。

仮に75年に創業したメーカーがあったとして、不況が押し寄せたのは97年ごろだから、優に22年間の猶予があったといえる。
前半の15年はイケイケドンドンだったとして、残り7年間で社内体制を一新することはできなかったのだろうかと部外者としては疑問に感じる。

しかし、筆者がもし75年当時の社員だったとして、97年に不況が押し寄せても「変わらなければ生き残れない」などとは考えられなかっただろう。
当然経営者も同じだっただろう。

その結果、2000年に入る前に多くのジーンズメーカーが淘汰され、2000年代になってもまだ淘汰が進んだ。

先ごろ、WWDで恒例のジーンズ特集号が発売されたが、ナショナルブランドのジーンズメーカーとして掲載されているのはエドウインとリーバイ・ストラウス・ジャパンだけである。
あとは年配の人なら耳にしたことがないようなインポートブランドやSPAブランドばかりである。

筆者が業界紙でジーンズ関係を担当したのが98年だから、たった18年でガラっと様変わりしたということになる。

ブルーウェイブランドの復活とともに改めて「昭和は遠くになりにけり」だと感じた。