ついにリオデジャネイロオリンピックが始まったわけだが、今回のオリンピックは過去にないほど環境が悪い。
ブラジルは経済危機に瀕しているし、大統領は弾劾裁判中で開会式にも出席できない。
バスが乗っ取られたり、整備道具が盗まれたり、マスコミが機材を奪われたりというバイオレンスな事件が多発している。

ここまで環境が悪いオリンピックは過去に例を見ないのではないか。

さて、今回の日本代表のユニフォームも4年前と同じ高島屋である。

リオ五輪日本選手団開会式用ユニフォームが発表、高島屋が製作
http://www.fashionsnap.com/news/2016-06-22/olympic-japan-uniform/

製作とあるが、高島屋をはじめとして百貨店にはデザイン機能も製造機能もない。
あるのは販売機能のみである。

だから「製作」ではなく、製造請負を受注といったほうが正しいだろう。
4年前もそうだったが、コンペで企画を募り、それをOEM/ODM屋に製作を依頼するという形態だったと推測される。

ちなみに4年前にもこのことでブログを書いている。

「高島屋が購入窓口となったユニフォーム」と呼ぶのが正しい
http://minamimitsuhiro.info/archives/3506154.html

クリックして全文を読んでいただきたいのだが、めんどくさいという人のために抜粋する。

先日、シナジープランニングの坂口昌章さんの発言をお読みしてなるほどと膝を打った。

「ユニフォームを百貨店に任せたのではなくて、百貨店を通して購入​するという商慣習なんです」

とのことである。

それとほぼ同時に、ブログの読者からお便りをいただいた。

件のユニフォームは、高島屋がデザインコンペを開いて、その結果決まったデザインであるとのこと。

坂口さんがおっしゃるように高島屋は単なるJOCの窓口だったということになる。
自前でデザイン機能を持たない百貨店は知り合いの複数の業者に声をかけてデザインコンペを開き、デザインを決定したということになる。

しかし、これなら「ユニフォームは高島屋」ではなく「ユニフォーム購入窓口は高島屋」ではないのか?
もしくは、「高島屋を通したデザインコンペで決定したユニフォーム」ではないのだろうか?


という背景があった。

今回もこれと同じ形式だったと考えられる。
なぜなら高島屋がこの4年間で企画デザインチームを発足させたとか企画部門を立ち上げたとは耳にしたことがないからだ。

一方、各国のユニフォームについてはこんな記事がある。

https://www.wwdjapan.com/focus/column/event/2016-07-18/17185

スウェーデンは「H&M」
フランスは「ラコステ」
イタリアは「エンポリオ アルマーニ EA7」
アメリカは「ポロ ラルフローレン
イギリスはステラ・マッカートニーがデザイン
オーストラリアは「スポーツクラフト」
韓国は「ビーンポール」

カナダは「ディースクエアード」がデザイン

カナダ選手団が開会式で着用する衣装は「ディースクエアード(DSQUARED2)」がデザインし、カナダの老舗百貨店ハドソンベイが製作する。

とある。

すべて自国のアパレルブランドか、デザイナーズブランドを起用している。

ディースクエアードのデザイナー2人は父はイタリア人で母はイギリス人とされているが、出生地はカナダであるから、カナダにゆかりがある。

なぜ日本だけが百貨店なのだろう。
なんだか残念な気がするのは筆者だけだろうか。

今、日本のファッションブランドを海外に売り出そうとする動きが盛んで、これには経産省など国も絡んでいる。
そんな状況下で高島屋という単なる百貨店にユニフォーム製作を依頼するのはいかがなものかと感じる。

お役所や業界のエライサンは口では「クリエイティブの強化」とか「デザイナー支援」とか「ファッションブランド強化」とか言っているが、実情は高島屋wwwwwwwwwなのであり、普段ブチ上げていることは単なる口先だけのスローガンなのだということがわかる。

別に高級ブランドである必要はない。
スウェーデンなんてH&Mだ。
かつて日本は冬季オリンピックでユニクロが担当したことがある。
ユニクロに抵抗があるなら無印良品でもしまむらでも青山商事でもコナカでも良いのではないか。
百貨店に受注するよりはよほど聞こえが良い。

若手デザイナーに任すのは不安があるなら名声が確立されているヨウジヤマモトでもコム・デ・ギャルソンでも良いのではないか。

ワールドやオンワードや三陽商会やTSIのような百貨店アパレルもある。

せめてカナダのように高島屋が国内ブランドや国内デザイナーを起用するという考え方はできなかったのだろうか。

とりあえず高島屋に頼めば安心という考え方そのものが遅れている。
高島屋も国内ブランドや国内デザイナーに依頼するというアイデアが出てこないところが遅れている。
さすが、百貨店は衰退を続けるだけのことはある。

これに比べると、稲田朋美新防衛大臣がドレス製作を、若手デザイナー小野原誠さんのブランド「モトナリ+オノ」に依頼したことはさすがの着眼点だと言わざるを得ない。

オリンピックのこういう事例を見ていると、国主導で国内ファッションブランドを海外に進出させる取り組みは絶対に成功しないだろうと思う。