先日、ユニクロ心斎橋店で値下がりしていたルーズフィットテイパードジーンズを買った。
定価4990円が1990円にまで値下がりしていた。

専門外の人も読んでいるのでどういう形のジーンズかを説明しておくと、ウエストや太ももはそれほど細くなく、裾がかなり細く絞られているという形である。

太ももが太い筆者にとっては、スキニーよりもこちらのほうが穿きやすい。
あべのキューズモール店でも同じ商品を探してみたがなかったので心斎橋店で購入した。

組成は綿98%・ポリウレタン2%で、ストレッチ混デニムである。
生地は少し薄い気がする。
触っただけでオンスはわからないが、12オンスか11・5オンスくらいではないかと感じる。

洗い加工のバリエーションがいくつかあったのだが、筆者は写真の商品を選んだ。
前ポケット部分が少し擦り切れる程度に破れかけており、あとは全体的に白いペンキを散らしていある。

ジーンズの洗い加工というのは、縫製されてから一本ずつ施すもので、こういう破ったり、ペンキを散らしたりというのは加工賃が高くなる。
一番安いのは、何本も大量に水洗いだけを施したワンウォッシュで、ヒゲやアタリをつけたり、腿部分だけを薄くしたりというのは加工賃が上乗せされていくという仕組みになっている。

この加工が施されて定価4990円というのはかなり割安な販売価格設定だと思うが、筆者は洋服を定価で買うことはないので、1990円に値下がりしてから買った。
1990円という価格設定はこの商品の品質からいえば破格値といえる。

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ところで、パンツ類で気になるのが、長時間穿いていると「膝が出る」ことではないか。
膝が出たパンツは洗濯すると一時的に元に戻るが、何時間か穿き続けているとまた膝が出る。
あまりにも膝が出すぎたパンツは不格好なので涙を呑んで捨てるということになる。

全般的に、生地が薄いと膝が出やすいし、分厚い生地は膝が出にくい。

一口に「ストレッチ混素材」といってもさまざまな品質がある。
素材表記は「ポリウレタン〇%」とか「ポリエステル〇%」と書かれているが、ポリウレタンもポリエステルも品質はピンキリである。
ものすごくキックバック性が良くて劣化しにくい素材もあるが、キックバック性が悪くて劣化しやすい素材もある。

キックバック性が良い生地を使っていると膝は出にくいし、キックバック性が悪い素材を使っていると膝は出やすい。

このルーズフィットテイパードジーンズは、生地が薄目であることも手伝って、膝は出やすい。

一方で、手持ちの中で膝の出にくいジーンズがある。
無印良品のアメリカンコットンスキニージーンズである。
定価3980円が1600円くらいに値下がりしていたのを買った。

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これが優秀で生地のキックバック性が良くて連続で着用してもほとんど膝が出ない。
かなりお買い得な商品だったといえる。

もう一つは、エドウインの503ブルートリップEB003で、エドウインの公式通販サイトでは定価1万円が5900円に値下がりしているが、筆者は3900円に値下がりしたライトオンで購入した。

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後ろポケットにデザインが凝らしてあり、アクがあるので好き嫌いは分かれるだろう。

これも優秀で連続着用してもほとんど膝が出ない。

この2つに比べると「膝が出る」という点ではユニクロのルーズフィットテイパードは少し劣る。

エドウインの商品に関しては「高額品だから当然じゃないか」と思われる方もおられるだろうが、同じエドウインの同価格の商品でも膝の出やすい品番もある。

デニム生地なんてどれも同じように見えるが、実際は、糸の番手の太さも違うし、糸の密度も異なる。使用しているストレッチ素材も異なるし、生地の厚さも異なる。これらの要因がすべてそろって膝が出やすい・出にくいという現象が生じる。
一概に高額品だから膝が出にくい、低価格品だから膝が出やすいというものではない。

また、通常のストレッチジーンズは、横方向へのストレッチが主流である。
縦方向のストレッチはあまり見かけない。

しかし、世の中にはツーウェイストレッチパンツと表記された商品もある。
これは縦横両方にストレッチ性があるということである。
ツーウェイというのは2方向を指している。

生地値はツーウェイストレッチのほうが横ストレッチよりも高い。
経糸・緯糸両方にストレッチ素材を打ち込む(ツーウェイストレッチ)のは、緯糸だけにストレッチ素材を打ち込む(横ストレッチ)よりも手間がかかる。
そのため生地値は高くなる。

着用者の快適性は当然ツーウェイストレッチのほうが高い。
両方向に伸びるのだから天然の皮膚に近い伸縮性があって動きが格段に楽になる。
当然、商品価格は通常だとツーウェイストレッチのほうが高くなる。

もし、ツーウェイストレッチパンツが投げ売られていたらそれは間違いなく「買い」である。
コストパフォーマンスは恐ろしいほど高い。

それにしても衣料品のコモディティ化は恐ろしいほどである。
ジーンズ専門ブランドとほぼ見た目が変わらないジーンズが定価4990円とか3980円で販売されている。さらにそれが1990円とか1600円にまで値下げされる。
よほどのこだわりを持った人以外が、こういう商品を購入するのは極めて当然である。

ジーンズ専門ブランドの商品だって5900円とか3900円にまで値下がりする。

こういう商品を上手く選ぶことができれば、格段に安い値段でオシャレができるようになる。
低価格品=不格好、高額品=見栄えが良い、という時代はとっくに過ぎ去っている。

「安物=粗悪品」だとか「安物=非倫理的商品」だとして非難をする人が衣料品業界にはいるが、それは一概には当てはまらない。
超大ロットで作ることで一枚当たりの製造コストを適正に下げていることのほうが多いし、高額ブランドが表には出ないだけで、発注商品を未引き取りしたり不当返品したり、不払いを起こしたりもしている。高額ブランドが倫理的とは必ずしも言えない。

安物を買う人が増えて、高額品が売れないのはおかしいなどという人もいるが、それはその高額品が低価格品に負けてしまう程度の商品だったのではないか。
商品の見た目や品質も低価格品と変わらないからではないか。さらに売り方や見せ方が低価格品に遠く及んでいないからではないか。
努力不足を棚に上げて低価格品を非難しても、高額品のシェアは永遠に回復しない。