先日、オールドネイビーの日本撤退とバナナリパブリックの不採算店閉鎖が発表された。
この2ブランドはGAP傘下のブランドである。

米ギャップが「オールドネイビー」日本の全店閉鎖、「バナナ・リパブリック」も縮小へ
http://www.fashionsnap.com/news/2016-05-20/oldnavy-gap-close/

米ギャップは5月19日、「オールドネイビー」の成長を見通して最も有利な市場にフォーカスし、北米と中国に資源をシフトさせる戦略を発表。2012年に初上陸してから日本国内で展開している全53店舗を、2017年1月の会計年度末までに閉店する。

更に「バナナ・リパブリック」は全世界で不採算店舗の閉鎖を進め、今年度中に両ブランド計75店舗を閉める。
【追加情報】米ギャップは、今後の日本市場について「Gap」と「Banana Republic」の投資に焦点を絞ると発表。

とのことだ。

これについては専門家諸氏がそれぞれ指摘されている通りである。

身の回りの人から聞いていると、オールドネイビーは子供服の評価が高いようだ。
本体のGAPとは異なるテイストでしかも低価格なので愛用してた若い夫婦が多い。

しかし、全体的な印象でいうとオールドネイビーはGAPとの区別がつきにくい。
アイテムバリエーションの少ないメンズなんてそれが顕著だ。

もともと、GAPよりも低価格のブランドとして北米ではオールドネイビーは展開されていた。
ところが、日本では本体のGAPが先に上陸しただけでなく、価格面でも最終処分値が恐ろしい低価格まで投げ売りされていたことから、個人的には「オールドネイビーが進出する理由が見当たらない」と感じていた。

GAPは日本では元値設定が高すぎておかしいと思うのだが、たくさんの数量を店頭投入して売り減らすというスタイルなので、ほとんどのアイテムはあまり期間を置かずに半額に値下げされる。
GAPの商品はこの半額に値下げされた価格が適正価格だと感じるのだが、これでも売れ残った場合は、さらに値下げされ、最終的にはだいたい1900円とか990円になる。
ひどい場合はその価格からさらにレジで半額に下がったりもする。

筆者はいつも1900円とか990円になってからしか買ったことがない。
GAPで買った最高値の商品は2900円である。

バナナリパブリックも同様に投げ売りをする。
だいたいが最終的には70%オフくらいになるし、さらにレジにて20%オフとか25%オフとかされることもある。
昨年夏に半袖Tシャツを買ったが、それは800円くらいまで値下がりしていた。
それ以前に綿のカーディガンを買ったこともあるがそれは2000円くらいまで値下がりしていた。

個人的にはこの2ブランドの投げ売り品を買うので、オールドネイビーに興味を持てなかったし、いまだに買ったこともない。

本来は

中価格でアメカジのGAP
低価格でアメカジのオールドネイビー
GAP以上の価格でコンテンポラリーカジュアルのバナナリパブリック

というのが戦略だったのだろうが、日本市場だけで見ると、GAPもバナナリパブリックもひどい投げ売りを行うので低価格ブランドであるオールドネイビーを上陸させる必要性がまるで見当たらなかった。

そんな中で4年前にオールドネイビーを上陸させたが、タイミングが遅すぎたのではないだろうか。
H&M、フォーエバー21、しまむら、ジーユーで低価格耐性ができた上に10年間以上もGAPの投げ売りに親しんだ日本人にとってはオールドネイビーの定価は「驚くべき低価格」とは映らなかった。
あくまでも「普通の低価格」である。

53店舗まで広げたがこれ以上爆発的に広がる要素も需要もなかったと個人的には見ている。

また縮小するバナナリパブリックだが、これも当然かなという意見しかない。
関西にも何店舗かあるが、この店がにぎわっているのを見たことがない。
一昨年ぐらいから業界内では「撤退する」とか「縮小する」といううわさが飛び交っていたが、まったく不思議には思わなかった。
むしろ、昨年「上陸10周年祭」を行っていたことのほうが不思議だった。
あれ?撤退するのに上陸祭なんてやってて良いのかな?と思ったほどである。

そういえば10年前に上陸したときに奇異な感じがした。
日本でのバナナリパブリック人気のピークは25年ほど前ではないかと思う。
筆者が大学生のころ、ちょっとイケてる(当時こういう言い方はなかった)学生がTシャツなんかを着ていた記憶がある。
筆者はイケてない大学生だったから、イズミヤかジャスコでオカンが買ってきた1900円のトレーナーかTシャツしか着ていなかったのだが。

あの当時のバナリパはアメカジテイストが濃厚で、そういうイメージが残っていたので今のコンテンポラリーテイストを見たときにはちょっと驚いた。
GAPに買収されてから顧客層が被らないようにテイストを変更したということである。

しかし、今のバナリパのテイストと価格帯では日本の若者は買わない。
30代・40代・50代はバナリパのブランド名をしっかりと覚えているが、この年代がバナリパに求めているのは今のコンテンポラリースタイルではなく、当時のアメカジ・リゾートカジュアルテイストである。

こうなると若い層からも中年層からも支持されなくなる。

やっぱりグローバルブランドといえども様々な意味でローカライズできないとその国の市場では残っていけない。

3年位前からGAPで買うことが減ってきた。
以前投げ売り品を買っていたのは、デザイン面もそうだが、品質的にも投げ売り価格なら価値があったからだ。
3年位前からデザイン面もそうだが、使用素材や縫製の品質も低下していると感じるので、投げ売りでも価値を見出せない。

その上、高すぎる定価設定は変わっていない。

果たしてこれで大丈夫なのかと他人事ながら心配になる。
GAP本体の日本での縮小も今後十分あり得るのではないかと見ている。