自社発信のツールとしてブログが有効だとされている。
しかし、その一方で自社発信の役割をきちんと果たせているブログはそう多くない。

もちろん、何も書かないよりは書いたほうが良い。
ネタがなかったら「今日は昼飯にカレーを食いました」でも構わない。

でも「今日は昼飯にカレーを食いました」という一行だけのブログを誰がわざわざ読みたいと思うのか。
書いた人が超有名な芸能人やスポーツ選手ならそれでも多くの読者がつくだろう。
彼らが日ごろどんなものを食べているのか知りたいという人は数多くいるからだ。

けれどもそこら辺のおっさんの昼飯なんて知りたいと思う人がどれほどいるだろうか。
隣の家の親爺が何を食ってようがどうでもよい。興味の対象外である。

これが趣味のブログならそれでも良いが、自社発信のツールとしてブログを使うのであればある程度の読者を獲得しないと意味がない。
そのためには、いくつかのフォーマットが存在すると考えている。

1、なるべく本業について書くこと

2、本業ならではのお役立ち情報を書くこと

3、ネタがなかったら今日の昼飯でも夕飯でも構わないが、利用した店をみんなに紹介するつもりで書く

最低限はこの3つだろうか。

例えば洋服ブランドの経営者なのに毎日、今日の夕食とか趣味の釣りの話ばかりだとそんなブログは誰も読んでくれない。しかもそれが一行や二行くらいの感想ならさらに読まれない。

やっぱり自社発信の一環として書くならメインは本業について書くべきである。

つぎにお役立ち情報だが、自社や業界では常識でも広く一般的には知られていない事柄はたくさんある。
例えば、「カシミヤニットは水洗いできる」とか「デニム生地が色落ちする理由」とかである。
同業者からすれば、当たり前のことだが、それを知らないという人はたくさんいる。
そういう人に向けて書くことで自社なりブランドなりのファンが増える。

こういうことを説明すると「同業者から笑われるから書きたくない」という人がたくさんいる。
しかし、あなたのそのブランドの顧客は同業者か?
同業者に自社製品を買ってもらっているのか?

これが答えである。

最後は書き方の問題である。
「今日は〇〇でカレーを食べました」という文章なんて何の面白みもない。
他人がわざわざ読む必要がない。

しかし、その「〇〇」という店をなぜ愛用するのかとか、その〇〇のカレーのどこが好きなのかとかそういうことを書いたなら読む価値がある。

ブログについてのブログでちょっと面白かったエントリーがあった。

ブログのアクセス数なんて気にすることない!と言われても気になりますよね~アクセスアップのために!
http://ameblo.jp/reuse-fashion/entry-12161519545.html

ここでは仲良しのアクセサリーメーカーの社長さんからブログについて相談されたことが書かれている。

試しにこのアクセサリーメーカーの社長さんのブログも1本か2本読んでみた。
文字数としてはそこそこに多い。決して一行二行の文章ではない。

でも個人の趣味の日記みたいなエントリーが多い。
自社の発信ツールとしての内容としてはどうだろうか?

詳しくは本文を読んでいただければわかるが、2年間書いておられて1日のアクセス数は8だそうである。
多いときで26。

読んでいる人はこの社長さんの数人の仲良しさんだけではないかと推測できる。

ブログ主による指摘はこれだ。

1.誰が書いているのかわからない

2.タイトルがくそ興味がわかない

3.誰に書いているのか(誰に読んでもらいたいのか?)

1についてはこう指摘している。

平手さんは「会社のホームページから社長ブログで飛べるので社長の僕が書いているとわかるよ。」といっていましたが、私は平手さんに興味はあるけどミレーヌの社長には興味がありません。私は知ってますが平手さんがミレーヌの社長だってことを知らない人も多いんじゃないかな。だから写真やプロフィール、ブログのメインタイトルにも個を出したほうがいいと思います。

である。
逆にミレーヌという会社に興味のある人だっているだろう。
となると、個人の日記みたいなエントリーばかりではそういう読者も獲得することができない。
アクセサリーについてのお役立ち情報とか会社経営についての考え方みたいなことをもっと書かれたほうが良いのではないかとも思う。
とりあえず、書いている人が何者なのかをもっとわかりやすく明記すべきという意見は賛成である。

2について

例えば、下から3つ目の「物流センターの引越し」どうですか?ブログが読みたくなりますか?あ~ブログ読みてぇ~!ってなりますか?

ならないですよね。平手さんのところの物流センターが引っ越そうが全く興味ありませんから。でもタイトルをこう変えてみたらどうでしょうか?

「物流センターの引越しが社員研修になった!その秘密は?」

今回の物流センターの引越しは社長である平手さんはほとんど関わらず、社員達が率先してやったことが書いてありました。素晴らしいですよね。でもタイトルからはそんなことはわかりません。モッタイナイですよ~

である。
これについて補足すると、ウェブニュースも「タイトルのつけ方が重要」なのである。
WWDのウェブ担当はこう言い切っていた。
紙のメディアと違って、ウェブはタイトルを見ていかに興味を惹くかが勝負になるから、タイトルはかなり直截的につけるほうが良いそうである。

例えば「〇〇が中期経営計画を発表」というタイトルよりも「〇〇が新ブランド立ち上げを軸とした経営再建案を発表」としたほうが記事へのアクセス数が増えやすい。

タイトルが具体的、直截的だから読者の興味を惹きやすい。

「物流センターの引越し」と言われたところで、ミレーヌの物流センターの引越しについて「すごく知りたい」と思う人がどれほどいるのだろうか。自分とかかわりのない会社だったら「勝手に引越しでもなんでもしてろよ」というのが多くの人に共通する感想ではないか。

3については

ブログを書く時に特定の人を思い浮かべてその人に向けて書くといいですよ。今日の私は 平手さんに向けて書いています(笑)

であり、相手が毎日変わっても問題がない。
自社の社員に向けて書いても良いし、自社の顧客に向けて書いても良い。
すごく仲良しの業界紙記者に向けて書いても良い。

ただ漫然と相手も思い浮かべず、引越しのことや事故のことなんて書いても誰も興味を持たない。

先日もあるレディースアパレルの人とブログについて話したが、そのブランドはかなりパターン(型紙)に工夫を凝らしているそうである。
だったらそれを書いたほうが良いのではないか。

たとえば、「ゆったりとしながらも細身に見えるように肩の部分のパターンづくりを工夫しました」とか、「ウエストを高めにわざと持ってきて、全般的にスリムに見えるようにしていますが、実際のサイズはワイドパンツ並みです」とかいうようなことを書くべきではないか。

これも立派に「お役立ち情報」である。

それにして、2年間書いてきて1日のアクセス数8という少なさはかなりすごい。
けっこう心が折れそうな数字だが、折れずに書き続けられているというところもすごい。
この心の強さだけは筆者も含めて見習わねばならないだろう。