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南充浩 オフィシャルブログ

企業活動にはウェブサイトが必須

2016年4月18日 考察 0

 先日、ある在庫処分屋(バッタ屋)の年商がついに10億円に達したとの知らせがあった。
通常のアパレルでも年商10億円に達するのは難しいご時勢なのに、すごいことだと思う。

6年くらい前から社長とは顔見知りだったが、今回久しぶりにお会いした。

この会社のことはまた後日、詳しく紹介したいが、成長の要因をいろいろと伺った。

しかし、正直なところ「仕入れた商品を仕分けるセンス」とか「売れ筋を見極めるセンス」なんていうのは、人それぞれだし、いくら努力してもこの社長の「センス」を真似ることは他人には難しい。

また一般的に、成長アパレルの成功の要因が記事になっていたりするが、その中で「売れ筋を見極める目」とか「トレンドを読む勘」とかが重要だと書かれることが多いが、そんなものは他人が容易に真似できるものではない。個人的にそういう部分は読み飛ばす。

で、今回の社長の話の中でセンスとかは関係なく誰でも真似できる部分があるのでそれをご紹介する。

この会社は、ウェブサイト(ホームページ)を作り、ブログを定期的に更新している。
また定期的にウェブでの販促を回数を決めて実施する。

これである。

サイトのデザインだとかバナー広告のデザインだとかは関係ない。
まずはやるかやらないかであり、現在のビジネス環境下でウェブサイトなりブログなりは最低どちらかでもやっていないとビジネスにならない。

とくに在庫処分屋できちんとした自社サイトを持っている会社は少ない。
少ないからやれば圧倒的である。
在庫処分屋で検索をすると、上位をこの会社が独占する。

そうすれば必然的にこの会社に対する問い合わせは増える。

同じことは縫製工場にも生地工場にも染色加工場にもいえる。
どんな零細であっても最低でも会社概要を記した自社サイトは構えるべきである。
逆に零細で仕事がないからこそ自社サイトは必要である。

今、何かを調べようと思った際に、まず人はウェブで検索する。
ウェブ反対派のオッサンだって出張や旅行に出かける際にはホテルを検索する。
タウンページか何かで上から順番に電話をかけて空室状況を調べるというオッサンはほとんどいない。
電車の乗り換えも検索しているはずだし、地図も検索しているはずだ。
ウェブ検索を使わない人間はほとんどいない。

「ウェブなんて即効性がないから無駄」というアホみたいな意見を耳にすることがあるが、やみくもに飛び込み営業をしたり、やみくもに電話をかけまくるよりはずっと即効性があるし効果的である。
現に成功企業の社長が有効性を認めているのである。

一方、先日、某零細企業を手伝っている知人から電話があった。
この零細企業はOEM生産を請け負いつつ、新開発の糸の販売も行っている。
先日、大型展示会に出展してかなりの名刺を集めたようだ。

しかし、この会社にはウェブサイトがない。
それをカバーするために会社概要をキンコーズあたりでカラーコピーしたらしいが、1枚50円だったそうで、たとえば5ページだと250円、10ページだと500円になる。
これを100社分用意すれば5ページ物で25000円、10ページ物だと50000円となる。

零細企業の取引状況は良くも悪くも年々変化するから、取引先の例示などは毎年変えなくてはならない。
そのたびにこれだけの出費が必要となる。
ウェブサイトならその部分だけの更新・修正はほぼタダ同然でできる。
どちらが効率的なのか。

また、現在はウェブ社会なので、ウェブサイトも持たない会社はまともな会社とは受け取られない。
「時代遅れ」か「怪しい」かどちらかの印象を与える。

そしてウェブサイトがない時点で、新規問い合わせはほとんどなくなる。

最近だと、展示会やイベントに来場してくれた相手に対して、お礼のメールを送る。
メールがいいのか悪いのかは別として、お礼の電話をかけるよりは随分と効率的で相手も不快感が少ない。
メールができないならお礼状を送るべきで、電話をいきなり掛けるのは愚の骨頂である。

ちなみにこの某零細企業はお礼の電話をかけまくっているようだが、逆効果しか生まないだろう。

まず、いきなり電話がかかると相手も業務中なので作業の手が止まる。
また、外回りをしていたり会議中だったりしてつながらないことも多い。
そのたびにまた何時間かしてから掛けなおすことになり、無駄だし、回数が頻繁になると受ける側もめんどくさく感じる。

一方、担当者の携帯電話にかける場合も同じである。
商談中だったり電車やバスでの移動中だったりすると電話には出られない。
何度も掛けなおせば受ける側はイラっとする。

留守電に吹き込んでも「お礼」だけならわざわざ掛けなおすことはしないし、「お礼」くらいならメール送れよと思ってしまう。

留守電に「またカケマス」とだけ残しているのは最悪である。
何の要件かわからないから薄気味悪い。
それならメールでひとこと「ご来場ありがとうございました」と送られてくる方がよほど気持ちが良い。

電話に頼っているこの企業はほとんど効果を上げられないだろう。

繰り返しになるが、仕事がなくて苦しんでいる零細企業は、最低でも会社概要を記したウェブサイトくらいは構えるべきである。今のままの業績に甘んじていて良いのなら必要ないだろうけど。



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