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南充浩 オフィシャルブログ

カシミヤは水洗いできる

2016年3月24日 商品比較 0

 暖かくなってきたと思ったらまたしばらく肌寒さが続くそうだ。
例年だと4月上旬にもう一度寒い日が来る。

入社式が冷たい雨だったとか雪だったという年はけっこう多い。

だから4月に入ってもすぐには衣替えをしないし、冬物を洗濯しない。
確実に寒い日がなくなるゴールデンウィーク前くらいまで冬物を出したままにしておく。
コスト削減の一環からクリーニングへ出すことはほとんどないが、以前、スーツで勤務していたころは冬物スーツは4月中ごろ以降にクリーニングに出していた。

オチマーケティングオフィスの生地雅之さんから以前に教えていただいたことだが、
「3月と12月の平均気温はほとんど同じ、6月と9月の平均気温もほとんど同じ」なのだそうだ。

もちろん日差しの強さが違うので体感温度は若干異なるが、基本的に3月は冬物、9月は夏物を着用すると考えた方が適切だろう。

3月になったからと言って張り切って春物で身を固めては寒すぎる。
12月に同じ格好ができますか?

反対に9月になったからと言って秋物で身を固めると暑すぎる。
あなたは6月に同じ格好ができますか?

こう考えると、分かりやすいのではないか。

さて、クリーニング代をケチるために家庭洗濯できるものは極力家庭洗濯している。

以前にも書いたが、ダウンジャケットは家庭洗濯できる。
基本的にほとんどのダウンジャケットは洗濯可能である。
ウォッシャブルダウンが流行したことがあったが、わざわざそんな機能を付けなくてもダウンジャケットは元々から洗濯が可能なのである。

現在では「ダウン専用洗剤」も販売されている。

心配なら洗濯機で水洗いすれば良い。
洗濯機の水洗いならダウンも外側の生地も傷まない。
外側の生地の汚れを本格的に落としたいなら、ダウン専用洗剤を使うべきだろう。

脱水後は陰干しをして、しっかり乾燥したら、中のダウンを均一になるように振ったり叩いたりすれば良い。

クレームを恐れるあまり「洗濯不可」の表示のある衣類が増えているが、ダウンジャケット以外にも洗える衣類は意外に多い。

業界の方々なら常識だろうが、一般的に知られていないものとしては、カシミヤがある。

カシミヤは水洗いが可能なのである。
逆に水洗いを繰り返した方が風合いが良くなるという人もいる。

参考になる記事をご紹介しておく。

なぜ、カシミヤセーターは洗い込んでもウールのように縮まないのか?
http://blog.maruyasu-fil.co.jp/archives/12445

この記事では水洗いのほか、洗濯機を使っても実験しているが、どちらも傷まなかった。

一般的にウールのセーター類は洗濯をすると縮むが、なぜ縮むかというと、ウールの表面は鱗状になっており(これをスケイルと呼ぶ)、洗濯をするとこのスケイルが開いて、近隣のスケイル同士が絡むのである。
その結果、全体的に縮む。

ウォッシャブルセーターというのはウールに何らかの加工を施し、このスケイルが開かないようにした商品である。

カシミヤは羊毛(ウール)に比べてこのスケイルが少ないため繊維同士が絡みにくい。その結果縮まないということである。

もし、汚れが気になるようならカシミヤセーターはどんどん水洗いしてもらいたい。

このほかにも洗える衣類は本当に多い。

ユニクロで5年以上前に買ったリネン(麻)コットンテイラードジャケットも洗濯機で洗える。
もう10年近く前に真っ白のリネンコットンのテイラードジャケットを買った。

筆者は汚れが目立つのが嫌で基本的に白い衣服は買わないし、あまり着用しない。

この時は何を考えていたのだろうか。ちょっとイキがってみたかったのだろうか。
ポリシーに反して買ってしまったわけだが(もちろん値引きされてから)、あるとき、微妙に全体的に黄ばんでいることに気が付いた。

ユニクロで値引きで買った物をわざわざ高い金を払ってクリーニングに出すのもバカらしいと思い、恐る恐る洗濯機にぶち込んで洗ってみた。

脱水後、形を整えて干した。

その結果、黄ばみはなくなっただけでなく、どこも傷まなかった。
これに味をしめて、着用後は必ず洗濯機にぶち込んで洗うようにしている。
さぼると必ず全体的に黄ばむ。

このほか、以前にも写真付きで紹介したことがあるが、無印良品のウールカーディガンも洗濯機で洗ってもほとんど縮まなかった。
これは2004年ごろ購入した物で、ウォッシャブル表記はなかった。

IMG_0831

(洗濯機で洗っても縮まなかった無印良品のウールカーディガン)

Mサイズなのに肩が落ちるほど大きいので縮めたくて洗ってから天日干ししてみたがほとんど縮まなかった。
ウォッシャブル表記がされてないだけで実はそういう加工が施されていたのかもしれない。

たまにポリエステル100%素材で「洗濯不可」の表記がなされている衣料品がある。
いくらなんでもクレームを恐れすぎではないかと思う。
ポリエステルが洗濯できないなら、この世に洗濯できる衣類や繊維はなくなってしまう。

昨今の「洗濯不可」の表記はクレームを恐れるあまり少し行き過ぎではないかと思うことがある。




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