今回は結論がなく、速報という形を採らせてもらう。

イトキンのスポンサーに、インテグラル社が決定したと製造関係者筋から聞かされた。
配布された挨拶状も見せていただいた。

実は、昨年末ごろからイトキンの経営悪化を伝える噂が多かった。
中でも深刻だと感じたのは、1月末で資金ショートするという噂だった。

銀行関係者でもなんでもないし、非上場企業なのでその決算書を見ることはできないから真偽のほどはわからない。
しかし、業界の噂というのは、当たらずとも遠からずという場合が多い。
おそらくかなりの苦境にあったのではないかと推測される。

スポンサーが決まったということは当面の資金問題はこれで解消したということになる。

挨拶状を読んだ限りでは、今後どういう体制になってどういう指針を示すのかは定かではない。
まったく触れられていない。

それらは、大手メディアのこれからの報道に任せることにしたい。

さっそく朝日新聞でも第一報が報道されている。

イトキン、ファンド傘下へ 「a.v.v」ブランドなど
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160210-00000003-asahi-bus_all

アパレル大手のイトキンが、経営再建のため投資ファンドのインテグラル(東京)の傘下に入ることが9日わかった。事業はそのまま続ける。10日にも公表される予定だ。
インテグラルがイトキンの株式の大半を、数十億円で取得する見通しだ。

関係者によると、インテグラルがイトキンの第三者割当増資を引き受ける。ほかにも既存の株主からも株式を買い取る。

とある。
おそらく創業家からもかなりの株式を買い取るのではないかと推測している。

インテグラル社は一般的にスカイマークの再建にかかわった会社という認識が強いようだ。
しかし、ヨウジヤマモトやバッグメーカーのシカタの経営にも参画している。
また、佐山氏はワールドが2005年にMBOで上場廃止した際にもかかわっている。

いろいろとアパレル業界には縁があるといえる。

今後、どのようなイトキンの再建策を打ち出すのか注目したい。
おそらくドラスティックなコスト削減案を矢継ぎ早に提示するのではないかと個人的に見ているのだが、どうなることやら。

アパレルというのは、商品力と販売力のほかに、経済学の観点がなければ成功しない。
この3つがそろって初めて万全の体制ができる。
しかし、筆者も含めてこの3つすべてを網羅できる人間が業界には少ない。

多くは商品を作ることと、売ること、この2つのどちらかに注力してしまう。
注力してしまうというより元からそのどちらかにしか興味がないという方が正しいだろうか。

だから販促のセミナーに参加した感想に「作り手目線も必要だと思う」なんてピントの外れたことを書き込むのである。

販促セミナーは、販売促進のためのセミナーである。
そこで「作り手目線」を強調したところで意味がなく、逆に、ちゃんと話を聞いていたのかと疑問に感じる。

作り手目線の感想は、製造セミナーでたっぷり述べるべきだろう。

そして経済に明るい人は逆に商品のことには疎い場合が多い。
3つともにそろった人はなかなかお目にかかれない。
そういう人が増えればアパレル業界は持ち直すのだろうなあと思うが、そんな優秀な人材がわざわざ疲弊しつくしたこの業界に入ってくるとは思えない。
入ってくるとしたらその人はよほど変わり者だろう。

まあ、そんなわけでアパレル業界は今後もなかなか浮上しないだろう。

近年のイトキンはその3つともができていなかったように感じる。
新体制となるイトキンはどのような施策を打ち出すのか注目したい。